NHK朝ドラ【ちりとてちん】(2013年・再放送) 第112・113回 感想

喜代美(貫地谷しほり)と草々(青木崇高)の話は続き、思い出は高校時代の清海
(佐藤めぐみ)との話になっていく。
かつて輝いていた清海は、今は小浜で母・静(生稲晃子)の看病をしつつ、くすぶった生活を
送っていた。
さらに喜代美の話は、大阪での草若(渡瀬恒彦)たち徒然亭一門との出会いと、自分が落語を
志した日の思い出へと変わっていく。(112話)

草若(渡瀬恒彦)の病室に、奈津子(原沙知絵)が訪ねてきた。
「ずっと喜代美(貫地谷しほり)を追い続けてよかった」と話す奈津子に、草若は
「徒然亭若狭がどんな落語家になっていくかを最後まで見守って、書き残してください」
と頼む。そこに、喜代美たちが現れる。
「自分にも、もっと師匠の落語を教えてほしい」と訴える喜代美に向かって、草若はほほえんで
語りはじめる。(113話)

(上記あらすじは「Yahoo!TV」より引用)

連続テレビ小説「ちりとてちん」第112・113話「立つ鳥あとを笑わす」
     

      ちりとてちん感想

 

※「ちりとてちん」は、2007年10月期のNHK連続テレビ小説です。
当方は当時の放送をオンタイムで見ているので感想は恐らく回顧目線になりがちです。
ご了承のうえ、ご覧くださいませ。

※レビューでは先のネタバレは控えるよう努力します。
※レビューの更新はイレギュラーで…。書けたり書けなかったりしています。

※再放送時間は月~土・午前7時15分からNHKBSプレミアムにて。

 

エーコは小浜に戻って母・静さんの付き添いや家の事をしていました。
友春に頼まれて魚屋食堂へ箸を届けに行き、たまたま小梅さんに会ってしまうエーコ。

 

小浜に帰っとったんやねえ。

はい。

母の具合が悪いでえ、看病してもろとんです。

ほうけ。そら大変やねえ。

一緒にいた竹谷さんに勝山に出来る恐竜博物館のために協力してくれないかと
頼まれるエーコ。

ほれ!
あんた、昔、恐竜の化石拾たやな。

バツの悪い顔をして慌てて帰るエーコ。

 

…石のこと。
ビーコにとってのトラウマであると同時に、エーコにとっても後ろめたい思い出。

ビーコに「エーコが拾うた事にしといて!」と言われたあの日。
あれからずっと辛かったのはビーコだけではなかったんですよね。

 

何や。恐竜の化石はそういう事情やったんか。

徒然亭では草々さんが初めて「石とっかえっこ」の話を聞いて驚いているところ。

 

ん?結局お前が悪いのやないか。

分かっとんやさけ、言わんといて下さい!
順ちゃんにもさんざん言われたでえ…。

 

その石かてエーコが持っとった時ほど輝いとらんのとちゃう?

順ちゃんには、喜代美が後ろ向きな態度で物事を悪くしている事が歯がゆかったんですよね。
ホンマ…何から何までお見通しの凄い親友。

 

ほやけど、その後悔があったさけ「学園祭で三味線弾く」て決心できたんです。

お前そんな事してたんか?

いえ…結局は弾かんかったんですけどね。

何やそれ!

 

ホントに何やそれ、ですよね。 

 

ほやけどぉ、その後悔があったさけこのままではあかんと…。

…で、大阪に出てきたんか?

いえ。いっぺんは地元の短大に行こうと…。

何でやねん!

しゃあないですやな!

ほんまに時間のかかるやっちゃな!

家族に迷惑とか心配とかかけたけど、やっと大阪出てきました。
そこで…。

 

喜代美はこの徒然亭に出会い、草若師匠と出会ったのでした。

 

庭でボンヤリたんぽぽ植えながらつぶやく師匠の「愛宕山」。

 

…ピーチクパーチクさえずっていようか。
下にはれんげ…たんぽぽの花盛り…。

 

かわらけ投げから10年近うたって、私は師匠に出会ったんです。
「もういっぺんおじいちゃんに会えますように」っていう願いが叶った。
そんなふうに思ったんです。

似てはったんか?

微笑みながら訊く草々さん。

 

おじいちゃん。師匠に。

おじいちゃんより師匠の方がむちゃくちゃやけど…。
でも、やっぱり時々似とるなあて思います。

 

むちゃくちゃな師匠。

何度も何度も落語から遠ざかろうとして。
草々さんに出て行け言うて。
怒鳴りつけたりお茶ぶっかけたり…。

それでも。

どや?
お嬢ちゃん、ここにおったら。
ここにおったら一つだけええ事があるで。

独りやないいうこっちゃ。
こんなどうしようもないやつらでも生きてんねんなあ思たら、くよくよ悩んでんのが
あほらしなるや分からんで。

 

あの時、師匠がそう言ってくれたから、今、喜代美はここにいる。

 

けど、今思たらお前のためだけやなかったんかも分からへんなあ。

え?

師匠の方がお前がいてくれたらええなって思いはったんかも分からへん。

私がいてくれたら?

今思たら…。
全部、今思たらの話なんやけど。

あのころの師匠は「自分は落語家やないもう落語はやめた」てそればっかり
言うてはったけど…。

ほんまは高座に戻りとうてしゃあない。
もういっぺん落語をやりとうてしゃあなかったんとちゃうかな?

「こんなけったいな落語の世界から飛び出してきたような子がいつか自分を高座に
ひきずり上げてくれるんやないか」て…。

師匠自身も気ぃつきはらへん心のずっと奥の方…。
そない感じてはったんと違うかな?

 

喜代美が師匠に会って人生が変わったように。
師匠の人生も喜代美によって変わったかもしれない。

2人の出会いは運命。

それもこれも落語と正太郎さんが結び付けてくれたもんですね。

すっかり後ろ向きになって落語から遠ざかろうとしているかのように見えた師匠を
呼び戻したのは喜代美かも知れない。

喜代美のおかげで実現したあの「寝床」落語会の日…
あの日、師匠は一歩踏み出したのですもの。

 

あん時はほんまに感激したなあ。

いつの間にか後ろに兄弟子たちが3人立っておりました。

 

びっくりした~!
いつから おったんですか!?

さっきからや。
お前が思い出話に入ってたんやないかい。

せやけど、やっぱりお父さんが言うてたとおりやったんやなあ。

 

「何や不思議やけんど、亡くなった父が私や喜代美の進むべき道を照らして
くれとる気がするんです。」

わざわざ大阪まで来て、師匠に頭下げて弟子入りを頼んでくれた正典さん。
なんか、昨日の事のようですわ。

この話を聞いて、初めて弟子入りをお父ちゃんが頼んでくれたと知った喜代美です。
口止めしてたからね。

 

きっと笑てはると思うで。
おじいさん、天国で。
かわらけ投げが叶えてくれたんやない。
お前が師匠という人を見つけて、自分の道見つけて歩いていってるからや。

 

師匠の言葉も今まで何度も喜代美の心に響いてきましたが、草々さんも変わったな…
と思いますわ。

どちらかというと人に対して天然鈍感…だけれども自分には傷つきやすいという
内側にだけ繊細な人でしたが…

今は喜代美の事、よう見えてます。

草々さんもいい師匠になりますわ。

 

一方、師匠の病室には奈津子さんが訪ねて来ていました。

師匠に頼まれて宝くじを買いに行った小次郎さんとバトンタッチ。

 

小次郎はんは…ほんま心のきれいな人や。
困ったとこも仰山あるさかい、そっちの方に目が向いてしまうかも分かれへんけども…。

あんた、それ全部分かって受け入れて…。
あんたも立派な女性や。

いや~そんな…。

 

師匠は改めて奈津子さんに礼を言いはります。

 

おおきにありがとう。

あんたはんが大阪にいてくれはったおかげで、どんだけ若狭が助かったか分かれへん。
そのおかげでどんだけ私が助かったかも分からへん。

 

これはもう…若狭の父としての言葉のように聞こえてしまって…。
ここまで愛されている若狭という弟子。

幸せ者ですわ…。

 

奈津子さんは持ってきたアルバムを師匠に見せるのでした。

 

喜代美ちゃんが師匠のとこ入門してから撮りだめてきたもんです。
高座風景とか稽古風景とか修業中の写真も。

初めは女の落語家なんて珍しいからええネタになるなって思ただけなんですけど。
滑ったり転んだりしながら、けどまっすぐに…まっすぐに自分の道を歩いていく喜代美ちゃん
見てたら私かて負けてられへんなあって思うようになって。

徒然亭若狭いう女流落語家の軌跡を本にまとめる事を私のライフワークにしようって
本気で思うようになったんです。

 

内弟子修行の始めは家事の事でぼやいて悩んで。
初高座で固まって失敗して。
エーコへの嫉妬から酷い事言うて…。

師匠が入れてくれたお茶。

 

若狭はゆっくりとゆっくりと色んなもんを塗り重ねてきました。
それがあいつの創作落語にどんな模様になって出てくんのか。
ものすごい楽しみなんです。

奈津子さん。

はい。

徒然亭若狭いうのがどないな落語家になっていくのか、ず~っと見守って…
書き残してやって下さいね。
お願いします。

何、言うてはんのですか!
見守んのは師匠の仕事でしょ!?

…そうですな。

はい!

 

そこへどやどや雪崩れ込んでくる弟子たち…。

 

師匠!
こら静かに入れ!

どないしたん?

師匠!私も「地獄八景」やったらあきませんか!?
若狭わがまま言うな!
私かてもっと師匠に教えてもらいたいんです!
にいさんらだけずるい。ずるいずるい!ずるい!
ずるいて…。

 

相変わらずな弟子たちに微笑む師匠。

 

若狭。

はい。

こいつらに教えた「地獄八景」な…どれも俺のとは違う「地獄八景」になっていくやろ。
けどな。そのどれもが徒然亭の「地獄八景」や。

お前もいつかこの4人に教えてもらえ。
そないして俺の落語受け継いでいってくれ。な?

1人1人に言い聞かせるように話す師匠。

にいさんたちは師匠の落語を受け継いでいる。
喜代美はそれを受け継げばいい。

うなづく喜代美。

 

「師弟落語会」が、「草若 弟子の会」に変わりまして。その前日。

草若師匠は1日だけ外泊許可を貰って徒然亭へ戻ってきました。

 

昔のように賑やかに酌をした後、師匠は改めてみんなの顔を見ます。

 

草原。

はい。

草々。

はい。

小草若。

はい。

四草。

はい。

若狭。

はい。

 

おおきに…ありがとう。

ほんまに…ありがとう。

 

家族のようだった徒然亭から、偉大な父がいなくなる…。

それはもうネタバレでも何でもなくて、事実です。

人の死は必ずやって来る。
それをどう迎えるかどう送るか。そういう話です。

ここまで丁寧に人の最期の準備を描いてきたこの週…。
それでも辛いと思ってしまうのは私が未熟だからなのでしょうか。

全く暗く描かれない草若師匠の死の前章。

 

落語家は親の死でも笑いに変えなくてはならない。

この覚悟が迫られる日がやって来るのです。

 

※告知~~!!
4月からこの「ちりとてちん」のBS再放送枠で「カーネーション」の再放送が
底抜けに~決定いたしました~~~!!

 

よろしければ→【2014年1月期・冬クールドラマ】ラインナップ一覧とキャスト表

 

PVアクセスランキング にほんブログ村  にほんブログ村 テレビブログへ
にほんブログ村

   
 

 

   

 

  
※キャスト

和田喜代美→青木喜代美/徒然亭若狭 … 貫地谷しほり(少女時代:桑島真里乃)

徒然亭草若(三代目) … 渡瀬恒彦
徒然亭草々 … 青木崇高(少年時代:森田直幸)
徒然亭草原 … 桂吉弥
徒然亭小草若 … 茂山宗彦(少年時代:榎田貴斗・森川翔太)
徒然亭四草 … 加藤虎ノ介
木曽山勇助/徒然亭小草々 … 辻本祐樹
吉田志保 … 藤吉久美子

和田糸子 … 和久井映見
和田正典 … 松重豊
和田小梅 … 江波杏子
和田小次郎 … 京本政樹
和田正平 … 橋本淳(少年時代:星野亜門)

和田正太郎 … 米倉斉加年

和田清海 … 佐藤めぐみ(少女時代:佐藤初)
和田友春 … 友井雄亮(少年時代:小阪風真)
和田秀臣 … 川平慈英
和田静 … 生稲晃子
野口順子 … 宮嶋麻衣(少女時代:伊藤千由李)
野口幸助 … 久ヶ沢徹
野口松江 … 松永玲子
野口春平 … 斉藤勇人/新岡澪
野口順平 … 斉藤隼人/新岡塁

熊五郎 … 木村祐一
咲 … 田実陽子
磯七 … 松尾貴史
菊江 … キムラ緑子
徳さん … 鍋島浩
お花 … 新海なつ
緒方奈津子 … 原沙知絵
原田緑 … 押元奈緒子

鞍馬太郎 … 竜雷太
万葉亭柳眉 … 桂よね吉
土佐屋尊建 … 波岡一喜
万葉亭柳宝 … 林家染丸
土佐屋尊徳 … 芝本正
柳宝の弟子 … 林家染左、林家染吉
烏山 … チョップリン西野
原田颯太 … 中村大輝(少年時代:河合紫雲)

音大の教授 … キダ・タロー
あわれの田中 … 徳井優
横山たかし・ひろし … 本人
五木ひろし … 本人
ニュースキャスター … 浅越ゴエ

竹谷修 … 渡辺正行
堀田由美子 … 和田はるか
高島恵 … 中井飛香
北川沙織 … 村上佳子

 

語り – 上沼恵美子

 

※スタッフ

脚本 … 藤本有紀
演出 … 伊勢田雅也、勝田夏子、井上剛、菓子浩、三鬼一希、吉田努、櫻井壮一
制作統括 … 遠藤理史
音楽 … 佐橋俊彦

テーマ曲・ピアノ演奏 … 松下奈緒

 

 

 【ちりとてちん】第1週~第3週、
19
 20 21 22 23・24 
25・26 27・28 29 30 
31・32・33・34 35・36 
37・38 39・40・41 42 
43 44・45 46 47 48 
49 50 51・52 53 54
55 56 57 58 59 60
61 62 63 64 65 66
67 68 69 70 71 72
73 74 75 76 77
78・79
80・81・82 83・84・85
86 87 88 89 90・91
92・93 94・95・96 97
98・99 100・101 102・103
104・105 106・107 108・109
110・111 112・113
 

タイトルとURLをコピーしました