NHK大河ドラマ【麒麟(きりん)がくる】第2回「道三の罠(わな)」感想

美濃に戻った光秀(長谷川博己)と駒(門脇麦)たちを待ち受けていたのは、美濃の隣国尾張からの侵略であった。光秀の主君斉藤道三(本木雅弘)は、尾張の織田信秀(高橋克典)を市街地井ノ口で待ち受ける。攻め込む織田軍は井ノ口に突入するが、それは道三の罠であった…
(Yahoo!テレビより引用)

2020年大河ドラマ「麒麟がくる」感想

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麒麟(きりん)がくる 第2回「道三の罠(わな)」

「天文16年秋。

尾張の織田信秀は2万余りの兵を率い美濃との国境に陣を敷いた。戦の構えである。」

この市川海老蔵氏のナレがね……もっとこう、迫力やクセがあるに違いないと勝手に思い込んでいたんだけれど、いい意味で品がよいというか……悪く言っちゃうとあまり特徴がないというか。普通?(笑)いや、普通でいいんだけど。←何を期待していた…。

ということで、簡単に。(なるべく)

加納口の戦い

さて、加納口の戦いといわれる戦の話である。

以前から書いているように、この時期の光秀がどうなっていたかはよく分からず、光秀どころか斎藤道三(この時期はまだ入道ではないので斎藤利政という。うちのブログでは面倒なので「道三」を貫き通したい…)の動向もあまり分かっておらず、帰蝶という娘も本当に土岐頼純に嫁入りしていたか分からず、この「加納口の戦い」も諸説あるという状態。

でも、とりあえず。

このドラマでは、主人公・明智十兵衛は堺への旅から戻り、何だか知らないけれども攻め込んできた織田を相手に侍大将の首を2つ取らねばならなくなったのだった。


大河ドラマ『麒麟がくる』第2回 感想 首2つ

ところで、そなたに渡した旅の費用だが、あれで足りたか?

はい。十分でございました。

すぐにとは言わぬが半分返せよ。

はっ?

皆やったわけではないぞ。
金がないと申すゆえ貸したのだ。

返す当てがなければ戦で返せ。
こたびの戦で侍大将の首を2つ取れ。
それで帳消しにしてやる。

では行け!

冗談なのか本気なのかね2つ取れなかったらどうするのか、どうなるのか……。よく分からない道三の迫力。怖い。

黄色鮮やか織田木瓜

前回よりも彩度が落ち着いたと思ったけれど、単にここまで室内だったからか、戦場はやはり緑が突き刺さる彩度……いや、好みですけれど、個人的にはもう少し落としていただいた方が……。

黄色鮮やか織田木瓜のぼり~~。
大河ドラマ『麒麟がくる』第2回 感想 今日も彩度高すぎ織田木瓜

そこそこ押されていると思われたところで、突然引いて籠城すると言い出した道三にみんな不満ブーブー。不満の受け皿になる義龍くん(この時点では高政)。

父は自分のことなんて全く注目してくれていないのに、中間管理職みたいな扱いにだけはなっていて、戦場で念仏をとなえたくなるよね……(となえてもいいよ)
大河ドラマ『麒麟がくる』第2回 感想 戦場で念仏をとなえなきゃ

叔父上は双子だった(違)

しかし、これは道三の策略で。

織田が安心しきったところで攻めに行くという……。多いね、戦国、安心しきる武将、多いね。

調子に乗って斬りまくっていた十兵衛くん、とある侍に乗りかかり、首を取ろうとしたところ……。

黙れこわっぱ……じゃなくて叔父上!!
大河ドラマ『麒麟がくる』第2回 感想 2人の叔父上

最初は、叔父上が内通でもしているのかと思っちゃった。

そうではなく、よく似た人で、肝を冷やしたというところ……。

まんじりともせぬまま、味方の勝どきに声を合わせる十兵衛。

おめでとうございます。
お手柄をお立てになったと聞きました。

と声をかける東庵先生に、

それほどおめでたくもない気分です。

と答えるナーバスな十兵衛くんである。

討った侍大将の顔が…叔父上に少し似ていた。

急にためらいが…。
それで首を落とすのが遅れてしまい。

その時、妙なことを思うていたのです。

これが武士の本懐かと。

武士の誉かと。
こんなことが…。

しかし戦は戦だ。
勝たなければ自分が討たれる。
戦がある限り……勝つしかない。

ここで、東庵先生は、

よいではありませんか。
それでお勝ちになった。

と言い、

駒は、

おめでとうございます!

と笑う。

ここは好きだな。

人の命が何とかだと説教せず、戦は嫌じゃとは言わない。だって、この2人は戦のことなど分からぬ庶民なのだから。

ただ、怪我人の手当てをし、何かを悩む十兵衛を見守る。この段階ではこれがリアル。

そして若き十兵衛は学ぶ。
「首」の主は妻も家も甥もある生きている人間なのだと。

特保のお茶じゃなくて毒保のお茶ですねん

冒頭で「加納口の戦いの経緯も諸説ある」「何だか知らないけれども攻め込んできた織田」と書きましたが、終盤、そのカラクリが道三の口から語られる。諸説の一説。

帰蝶は、身共が思っておった以上に守護様のご事情を存じておるようで。

事情?

こたびの戦が何故起きたのか、何故、織田が挙兵したのか 。その事情にあなた様が深く関わっておいでだというその事情にござります。

織田信秀と取り引きなさいましたな。
この美濃に攻め込み、身共を討ち果たした暁には相当の領地を与えると。

誰がそのような根も葉もないざれ言を?

ほう……。
あなた様が三月前、織田信秀の舎弟・信康にお出しになった文に、しかとそう書いてありますぞ。紛れもなくあなた様の文でござりましょう?

道三が娘・帰蝶を嫁がせている土岐頼純…この時、隠居した(させられた)叔父の頼芸から譲られた美濃守護職就任中。

もともと、この土岐という家、頼純の父の代から周囲を巻き込む兄弟喧嘩をしているんだね。

頼純の代になってからも、叔父の頼芸と和睦したり追放したり攻めたり攻められたり和睦したり追放したり……という繰り返しの中に、斎藤も織田も戦力として加担しているのだった。

黙れ黙れ!

そちの父は身分卑しき油売りであった。
それを我らが温情をかけて世に出してやったのじゃ。

その恩を忘れ土岐家を2つに裂き、美濃を我が物のごとく振る舞うておる。

この成り上がり者!

ま……それは正しい評価ではあるのだけれど、力を持たぬものが吠えても消されるわけで……。

おもしろや この宿は
縦は十五里 横七里
薬師詣でのその道に
梅と桜を植えまぜて
おもしろや この宿は

こんなドロドロした場面で歌いながら点てた茶とか、飲んだらダメだって分からないかな……坊やだからさ……

大河ドラマ『麒麟がくる』第2回 感想 道三の特茶(毒茶)

静かに苦しみながら倒れる婿を歌で送りつつ、そのまま紀行に入る。

この大河、思ったよりホラー。

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キャストとスタッフ

キャスト

明智光秀 – 長谷川博己

牧 – 石川さゆり
明智光安 – 西村まさ彦
藤田伝吾 – 徳重聡

煕子 – 木村文乃

斎藤道三/利政 – 本木雅弘
斎藤義龍/高政 – 伊藤英明
帰蝶(濃姫) – 川口春奈
深芳野 – 南果歩
土岐頼芸 – 尾美としのり
土岐頼純 – 矢野聖人
稲葉良通/一鉄 – 村田雄浩

菊丸 – 岡村隆史

織田信長 – 染谷将太
織田信秀 – 高橋克典
土田御前 – 檀れい
織田信勝 – 木村了
平手政秀 – 上杉祥三
藤吉郎 – 佐々木蔵之介

足利義輝 – 向井理
足利義昭 – 滝藤賢一
三淵藤英 – 谷原章介
細川藤孝/幽斎 – 眞島秀和
細川晴元 – 国広富之
三好長慶 – 山路和弘

駒 – 門脇麦
望月東庵 – 堺正章

松永久秀 – 吉田鋼太郎

伊呂波太夫 – 尾野真千子

今川義元 – 片岡愛之助
太原雪斎 – 伊吹吾郎

徳川家康 – 風間俊介(子役期:岩田琉聖)
松平広忠 – 浅利陽介

語り – 市川海老蔵

スタッフ

脚本 – 池端俊策、前川洋一、岩本真耶
原作 –
音楽 – ジョン・グラム
題字 – 中塚翠涛
時代考証 – 小和田哲男
制作統括 – 落合将、藤並英樹
プロデューサー – 中野亮平、佐々木享
演出 – 大原拓、一色隆司、佐々木善春、深川貴志

麒麟がくる紀行語り – 桑子真帆
 

【麒麟(きりん)がくる】
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コメント

  1. Sosuke Washiya より:

    初めまして、鷲谷と申します。
    いつもトラックバックさせていただいているのですが、今回初めてコメントさせていただきました!

    いつも貴ブログを楽しく拝見させていただいております。

    「いだてん」もよかったのですが、また歴史ものに戻ったので張り切って視聴&拝読しています笑

    よろしくお願いします!

  2. 大河ドラマを楽しむ方法(1)(『麒麟がくる』第1~2回)

    皆さんこんばんは。今回は今年の大河ドラマ『麒麟がくる』第1~2回)に関しての楽しみ方をご紹介したいと思います。この大河ドラマシリーズは今までは単に感想を書いていただけでした。しかし、それではあんまりおもしろくないかなと思いまして、自分なりの楽しみ方をつらつ

  3. くう より:

    巨炎さん

    >「平清盛」の時は画が汚いと批判されましたが、今回はどんな反応が出るでしょうか

    清盛の時に「知事がうるさい」とも話題になってしまったので、もう口出ししないと思います(笑)でも、目に刺さるのは本音(爆)

    >昔の大河は野外シーンが明らかにセットで民放時代劇に比べて抵抗があった訳ですが

    今やNHK大河のセットは大金掛けたすごい財産!下手なロケ&CGよりもずっと見ごたえありますよね(笑)

    道三が魅力的で、なかなかお話の方も見ごたえあります^^

  4. 巨炎 より:

    戦場が綺麗過ぎると殺伐感が薄れますね。
    「平清盛」の時は画が汚いと批判されましたが、今回はどんな反応が出るでしょうか。
    昔の大河は野外シーンが明らかにセットで民放時代劇に比べて抵抗があった訳ですが。

    でも「国盗り物語」展開を外さないのは偉い。

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