松下村塾が型破りな学び舎として広く知れ渡ると、文(井上真央)は塾生たちの
世話で一層忙しくなる。
その様子を見て心配した姉の寿(優香)は、文に縁談を持ってくる。
塾生の久坂玄瑞(東出昌大)は文にほのかな想いを抱いていたが、気持ちを
打ち明けられぬまま、お見合いの付き添い役を任されてしまう…。
一方、小田村伊之助(大沢たかお)は、危機に直面する幕府に対し意見を進言
すべく、藩の派閥争いの中で重大決心に迷いが…。
(あらすじ「Yahoo!TV」より引用)
花燃ゆ 第十一話「突然の恋」
簡単感想で。
ついに叔父上の叔父の玉木文之進から「松下村塾」を譲られる事となった松陰せんせー。
で、今回は「女大学」からの文さん縁談の話である。
兄上の「女大学」のご講義があれほどつまらんとは…。
と、ぶつぶつ言う文さん。
やけど、寅次郎さんはきっと皆さんのために話して下さったんでしょう。
そろそろお嫁入りの年頃ですけぇ。
嫁入り!
そねぇに驚く事はないでしょう。
ええお方とご縁を結びたいもんです。
心ときめくような出会いがしとうございます~。
ときめく?
その人の事を考えると稲妻が走ったみたいにビカッとなって、心の臓が
キュッとなってドキドキが止まらんくなるような…。
なに、この女学園ドラマみたいな恋バナ推しは……花アンかよ。
時代を考えて下さいよ!
とかこのドラマに言ってももう仕方がないので、ここは朝ドラのように見るのが
正解なのである。
塾生の名前を次々と挙げられて、ピンと来ない文さんが久坂の名前を言われて
動揺するシーンなんてもう…「花男」かっ……。
江戸の稔麿から「あますことなく現地を伝える」文が文さんにも届けられ、
それはお菓子作りの本であった。
兄上は文をどのようにお考えなんですか?
年頃の娘に娘らしいたしなみも学ばせず来る日も来る日もおさんどんばかり。
このままでは文は塾生のお世話で一生が終わってしまいます!
まさか文を塾生のどなたかに嫁がせようなどとお思いではないでしょうね。
文は塾の女中ではございません!
これ以上都合よく使い回すのはおやめ下さいませ。
文の嫁ぎ先なら私が見つけます。
寿姉から縁談を世話してもらうからと椋梨様のお屋敷にお菓子を持って来るように
言われ、久坂が文さんの供をするように寿姉から命令され…
久坂の方にも「文さんの縁談」に関する動揺が走ります。
塾生たちにからかわれて、
違う!俺は…俺は…
お文は…美人じゃないし…俺の好みじゃない!
恋バナかっ…恋バナだよ…。
しかし、講義の途中にズカズカ踏み込んだり、他の方々の前で椋梨の奥様に
縁談頼みこんだり、いつも恐いし。寿姉に対する好感度がなかなか上がらぬ。
そして椋梨家の奥様会は今日も白い巨塔奥様会のようなのだった。
でも、奥さまは文さんと久坂を見て、すぐに好きあっているのに言い出せない
おぼこい2人…と察したらしい…。
さすが恋の業に長けた若村の奥様…違…。
一方。
長州藩ではご公儀への意見書をなかなかまとめられない伊之助さまが
椋梨さまから催促されていた。
「万事ご公儀の御意に従いまする」と記すだけでは納得がいかぬか?
公方様への忠勤がそれに尽きるとはとても思えないのです。
何か新たな道はないものかと。
まずは藩の財政を万全にし、変わらぬ忠義を持ってご公儀をお支えする。
これこそが毛利家の第一義である。
それが伊之助には納得いかぬのだった。
そこで周布さまに相談事として持ちかけてみるが、周布さまは一度伊之助に
裏切られていると思い込んでいるから力は貸してくれない。
すっきりしない気持ちでいる伊之助さまは、恋バナに悩んで飲んだくれる
久坂と飲み屋で出会います。
つまり…
文さんの一の夫と二の夫が語り合う貴重なシーンである。
いつも心と裏腹の事をして居たたまれん気持ちになるんです。
幼い頃からそうです。独りぼっちで。
まことは誰より人が恋しいのに平気な顔をしたり。
自分のツンデレ性格についてグダグダと打ち明ける久坂。
くだらん悩みじゃな。
くだらんとは。
心を偽るなど生きていく上では当たり前の事じゃ。
皆そうして生きとる。
決してまともに向き合うてはいけん事が世の中にはあるんじゃ。
俺はそれを父から学んだ。
お父上は?
死んだ。
曲げられん己を抱えたまま。
俺はあのようにはならん。
すると久坂は伊之助が思いもしなかった事を言うのだった。
強い方なんですね。お父上は。
ん?
曲げられん己を抱えたまま死ぬなどと…すごい事です。
そねなふうに生きていけたら…。
このセリフはなかなか好きである。
「曲げられん己」を抱えて損して生きている人間は時代を問わずいるわけで。
自分もそういう部分があったり…
曲げてイライラしたり曲げられずに損したり。
たぶん、引っかかる人にとっては普遍的な悩みですよね。
伊之助は久坂に、
知っとるか?
あいつにはどねな見栄も体裁も通じん。
何もかも見透かされてしまうんじゃ。
うそも弱いところも全部。
と、ヒロイン上げして、帰っていく。
人の心の有り方も、時代の波も、頑張って文さんに絡めている脚本…
まぁこうなるよね……頑張ってるな…と感心します…。
伊之助さまは、評定で「曲げない自分」を見せるのだった。
皆様、いま一度、お考え頂けませぬか。
今、異国の申すままに通商を承諾しては日本はいずれ清国のごとく金銀と土地を
収奪され、異国の侵略を許してしまう事になりまする。
決して条約を認めてはなりませぬ!
ご公儀は我らに服従を求めているのではない。
意見を求めているのです!
ならば諸外国の武威に屈しての通商条約は時期尚早!
そのようにはっきり申し上げる事こそご公儀への何よりの忠義と存じまする。
三方を海に囲まれた我が藩なればこそ、異国の脅威をつぶさに心よりご公儀に
説く事ができるのです。
そのようにこの日本国にご公儀に尽くす事ができるんは、我が藩をおいてほかに
ございませぬ!
今、この意見書をおざなりなままに済ませれば、いずれ我が藩の…この日本国の
決して譲れぬ一大事を見誤る事になりますぞ!
劇伴の雄大さと大沢たかおさんの熱のこもった演技で説得力感じさせる…
ものすごくカッコいいシーンになったのだった。
で、その裏…
この意見に乗った周布さまが椋梨さまに替わってそうせい候のお覚え目出度くなる、
という権勢交替に利用されたシーンでもある。
文さんの縁談に椋梨の奥様の力を頼っていた寿さんの思惑もポシャったところで…
松陰せんせーは久坂と文さんを呼ぶ。
お話があります。
伊之助からの手紙です。
「こたび、塾では新しい学舎を得たと聞く。
若き塾生らと新たな福堂を得たお前に友として一つ進言をしたい」
「決して己を曲げられん男がおる。
掲げた志を胸に暗い道をひたすら歩く事のできる男じゃ。
女がおる。
温かく人を見つめ、寒風にも決して折れん樹のような女じゃ」
久坂。
文。
お前たち、夫婦になれ。
誰かに背中押されなければ前に進めないのは恋愛ドラマにおいて奥手な
カップルのセオリーである。
松陰先生は久坂に向かって言う。
重ねて私からも頼む。
君こそは必ずや第一流の人物となる。
天下の英才じゃと私は信じとる。
家族となってくれたらこねぇに心強くうれしい事はない。
そして、文さんに向かって、
お前は今はまだ妻となるには未熟かもしれん。
じゃが 誰よりも この塾を大事に育んでくれとる。
一人で生きてきた久坂の事もよう分かっとる。
互いを思い合う気持ちさえありゃあ、お前たちはきっとええ夫婦になれる。
茫然として一言も出ない久坂の顔も見ず、
謹んでお受け致します。
と、一礼する文さんであった。
キュンキュン恋愛が松陰せんせーによって成就しました。
実際には、この縁談話は松陰せんせーが切望して久坂に持ち込み、久坂は
文さんの容姿が気にくわないと一度断った。
しかし塾生たちに諭されて受けた……
というロマンも何もない話……。
この夫婦、ほとんど一緒に住んでいないし、久坂ったら〇〇妻まで……
うん…まぁ…ドラマですもの、いいんじゃないって感じの恋バナに仕上がりました。
…で、次回からはそれどころじゃなくなっていく久坂。
【関連記事】
よろしければ→【2015年4月期・春クールドラマ】ラインナップ一覧とキャスト表
※キャスト
杉文 … 井上真央(子役期:山田萌々香)
吉田松陰 … 伊勢谷友介(子役期:板垣李光人)
小田村伊之助 … 大沢たかお
久坂玄瑞 … 東出昌大
杉百合之助 … 長塚京三
杉滝 … 檀ふみ
玉木文之進 … 奥田瑛二
杉梅太郎 … 原田泰造
杉寿 … 優香(子役期:香音)
杉敏三郎 … 森永悠希(子役期:山田瑛瑠→大橋律)
杉亀 … 久保田磨希
玉木彦助 … 冨田佳輔
毛利敬親 … 北大路欣也
毛利都美子 … 松坂慶子
桂小五郎 … 東山紀之
周布政之助 … 石丸幹二
椋梨藤太 … 内藤剛志
椋梨美鶴 … 若村麻由美
松島剛蔵 … 津田寛治
宮部鼎蔵 … ビビる大木
高杉晋作 … 高良健吾(子役期:山崎竜太郎)
吉田稔麿 … 瀬戸康史
伊藤博文 … 劇団ひとり
入江九一 … 要潤
野村靖 … 大野拓朗
前原一誠 … 佐藤隆太
寺島忠三郎 … 鈴木伸之
品川弥二郎 … 音尾琢真
赤禰武人 … 阿部亮平
松浦松洞 … 内野謙太
梅田雲浜 … きたろう
小田村志乃 … かたせ梨乃
金子ツル … 麻生祐未
高須久子 … 井川遥
福川犀之助 … 田中要次
富永有隣 … 本田博太郎
大深虎之丞 … 品川徹
吉村善作 … 日野陽仁
高須 糸 … 川島海荷
入江すみ … 宮崎香蓮
吉田ふさ … 小島藤子
金子重輔 … 泉澤祐希
井伊直弼 … 高橋英樹
語り … 池田秀一
※スタッフ
脚本 … 大島里美、宮村優子
音楽 … 川井憲次
題字 … 國重友美
制作統括 … 土屋勝裕
プロデューサー … 堀之内礼二郎
演出 … 渡邊良雄 、末永創
公式サイト http://www.nhk.or.jp/hanamoyu/
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何度か試して不可能な場合はあきらめています。無視ではありません。ご了承を~
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大量ドラマツィートに耐えられる方はフォローよろしくお願いします~
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コメント
花燃ゆ 第11回「突然の恋」途中からですが…
まずは、ブログの方でもプロフの方でもコメント下さった方々、ありがとうございます!m(__)mお返事の方、もう少しお待ち下さいませねm(__)mさて、結局先週、録画すらも見る時間が無く今…
「花燃ゆ」 第11回、突然の恋
大河ドラマ「花燃ゆ」。第11回、突然の恋。
久坂と文の結婚話。
文の恋というには確かに突然・・・ご都合展開という感じがします。
八重の時も思ったけど、結局は兄の言うままに結婚という所に時代を感じますね。
『花燃ゆ』第11回「突然の恋」★お前たち夫婦になれ
『花燃ゆ』第11回「突然の恋」
松下村塾が型破りな学び舎として広く知れ渡ると、文(井上真央)は塾生たちの世話で一層忙しくなる。その様子を見て心配した姉の寿(優香)は、文に縁談を持ってくる。塾生の久坂玄瑞(東出昌大)は文にほのかな想いを抱いていたが、気持ちを打ち明けられぬまま、お見合いの付き添い役を任されてしまう…。一方、小田村伊之助(大沢たかお)は、危機に直面する幕府に対し意見を進言す…
SECRET: 0
PASS: ec6a6536ca304edf844d1d248a4f08dc
>この夫婦、ほとんど一緒に住んでいないし、
>久坂ったら〇〇妻まで……
この点は端折ったりしないそうですね。
愛人役を広末が辞退したとか何とか。
どうせならホントーに嫌々の結婚で
久坂は愛の無い新婚家庭に居場所が無いが故に
京都でテロリズムに傾倒していくような話なら凄いのに。
花燃ゆ 第11回「突然の恋」〜心を偽るなど生きていく上では当たり前のことじゃ
「なぜ飢える者がいるのか?」
国家や異敵のことばかりを論じている松下村塾で、前原一誠(佐藤隆太)は新しい問題提起。
周囲がしらける中で、松陰(伊勢谷友介)はこの問題提起を採用した。
こういう所、松陰はいい先生ですよね。
抽象的な天下国家の問題も大事…
妻を娶るは子孫相続の為なれば子なき女は去るべし(宮崎香蓮)
江戸時代の女子教育のための覚書のようなものが「女大学」である。 基本的に男尊女卑で貫かれているため、女子に基本的人権がない体裁である。 もちろん・・・当時の女性がそのように生きたとは言えない。 教科書通りに生きるのは昔も今も困難だからである。 嫁としての心得の一つがタイトルの教えである。 この辺りを
花燃ゆ #11「突然の恋」
公式サイト 松下村塾が型破りな学び舎として広く知れ渡ると、文(井上真央)は塾生た
NHK大河ドラマ「花燃ゆ」第11回「突然の恋」
ドラマストーリーブックでは「すれちがう恋」だったのが、今回何と「突然の恋」・・・まあどっちもどっちみたいな?それ以上に、どう言い繕ってもこの時代の結婚に恋愛感情を濃厚に絡めていこうって言う試みが少々無謀なのではないかと~。っていうか恋バナなしでやってもらうのは無理なのかしらねえ・・・
花燃ゆ 第11回「突然の恋」
規模を拡大しつつある松下村塾に登場したのが前原一誠でした。彼は周囲の塾生とはちょっとだけ考え方が異なっていて、貧困に対して問題意識を持っていて自分がどうすることが正しいのか悩んでいたのですが、そこに松陰は進んで意見を聞きながら、さらに松陰自身も最新の自分を反省します。このように自分の考えに固執することなく間違っていると思えば、例え生徒であっても間違えを認めるという姿勢こそが、彼を偉人として後…
大河ドラマ「花燃ゆ」 #11 突然の恋
いきなり恋ですか。
まぁ、史実があまりわかっていないわけですから…。
花燃ゆ 第十一回
『突然の恋』
「突然の恋松下村塾に舞い降りた運命の神のいたずら」
内容
安政四年。新たに前原一誠(佐藤隆太)もやって来て、
身分の分け隔てなく若者たちが集まる松陰(伊勢谷友介)の私塾は、
正式に松下村塾という名前を受け継ぐことになっていた。
そんなある日…
花燃ゆ 第11回「突然の恋」
大河ドラマ『花燃ゆ』のお時間です。
第11回「突然の恋」 あらすじ・・・・・・
〔NHK大河ドラマ〕花燃ゆ 第11回「突然の恋」感想 何故に恋愛結婚を演出したがるのか?
「八重の桜」でもそうなんだけど、どうして女性主人公の大河ドラマは
何故婚前に恋愛感情があった「恋愛結婚」と演出したがるんだろう?
「江〜姫たちの戦国〜」なんて戦国・安土桃山時代の大名家同士の婚姻なんてナンセンスの極みなんだけど。
実…
大河ドラマ「花燃ゆ」吉田松陰の妹11文は寿が進めた縁談に困惑!しかし伊之助が進めた久坂玄瑞の縁談には自らの心を察してくれた事に感謝し縁談を受け入れた
大河ドラマ「花燃ゆ」第11話は松下村塾は身分関係なく塾生を募っているという事が評判となり広く知られるようになっていた。そんな中長州藩ではアメリカからの日米通商条約の締 …