昭和21年。
長かった戦争が終わり、闇市は食料や職を求める人々でごった返していた。
常子(高畑充希)は、貸本業を続けながら甲東出版を守っていたものの、大学出の鞠子(相楽樹)ですら勤め先はなく、君子(木村多江)と美子(杉咲花)は縫い物などでわずかな収入を得ていた。
そんな折、カストリ雑誌が爆発的に売れている光景を目の当たりにする。
娯楽に飢えている今、雑誌を作れば必ず売れると鉄郎(向井理)からあおられるが。
(上記あらすじは「Yahoo!TV」より引用)
連続テレビ小説「とと姉ちゃん」第14週「常子、出版社を起こす」 第79話
※朝ドラは半年間の長丁場なので、良い感想を書いてある時も悪いことが書いてある時もあります。レビューはその日その日の感想なので、その点ご了承くださいませ。
↑…テンプレだす…。
簡単に…本当に本当に簡単に。
昭和21年2月。
東京大空襲からすでに1年近く経過しているので、「こんな時に雑誌なんて!」というのは、ちょっと違う。
けれども、復興はまだまだ。
食料は不足し、闇市は大盛況。
普通にやっていたら食えない世の中である。
闇市の映像など、こういう所はやはり良いと思うんだ。
よく解らないスープや魚すらちょっと美味しそう。
小橋家は木村多江さんだけがすごくボロボロな感じ。さすが。
「このころ戦争で職を失った人や外地からの引き揚げ者、そして復員兵など日本各地で職を求める人々が溢れかえっていました。
この影響を受けたのが女性たちで、大学を出た鞠子といえども勤め先は見つかりませんでした。
君子と美子は着物の仕立て直しや縫製の仕事を請け負っていましたが、稼ぎはあまりありませんでした。
一家を支えていたのは常子が貸本業で得た僅かな収入でした。」
と、今日も大黒柱を強調するとと姉ちゃんである。
常子。いい加減やめろ貸本なんて。
あんなちっぽけな稼ぎのために続ける必要なんかねえだろ。
と、例によって不穏なことを焚きつけようとする叔父さん。
すると、仕事が見つからない鞠ちゃんがぶち切れるのだった。
叔父さんは男だから分からないんです!
女が働く場所はほとんどないんです。
仕事に就いていた人も復員してきた男の人たちに職を奪われて…。
簡単に仕事やめろなんて言わないで下さい!
鞠ちゃん、メンタルちょっと弱いし、仕事はないし、食べ物はないし、すごくネガティブで愚痴っぽい。
けど、キャラとしては一番共感できるんだよね。
普通ーーだからね。
仕事が見つからなくてキレたりするの解るもん。
こんなに追い詰められている妹に比べて、特に文学の勉強をしたわけでもなく、むしろ成績もイマイチだったはずなのに、ちょっと動くと文芸社に勤められてしまう姉の方はとてもラッキーだと思うのだ。
五反田さんも社長も帰還して、甲東出版はついに業務再開できそう。
「だーーれだ」は、ちょっと間違えればセクハラですが、ミッチーだからいーーんです。
今、国民は心底活字に飢えている。
長い間の統制で自分たちが読みたかったものを読めなかったからね。
俺も現地で文字のありがたみを感じたよ。
慰問袋に入っていた面白くもない本だけど読書の時間だけはつらい事を忘れられた。
人間は飯を食うだけじゃ生きていけないんだって。
と、社長。
雑誌を出すのは早い方がいいから7月の発刊を目指すというのだった。
いや、しかし紙もなければ原稿も何もなし。
昔世話になった先生の多くは戦死か行方不明で…。
お前の小説があるじゃないか。
こいつ本当は小説家志望なんだよ。
こう見えてロマンチックで美しい物語書くんだよ。
書きためてあるのは知っとるぞ。
どうだ?自分の作品を世の中にそろそろ出してみては。
五反田さんはミッチーな上に小説も書けるらしい。
こうして、ミッチー星の王子の話が連載されるのですね…。
ここで、常子が、
あ…あの…。
と、言い出したので、やっと鞠ちゃんを推してくれるのかと思ったら……。
新しい企画を立ち上げる訳ではないんですよね?
ああ。
まず今までやってきた文芸誌「新世界」 ここにありというとこを見せつけねば。
ええ~~…何でだろう…。
小説家志望(らしい)妹が目の前で困っているのに、なぜ話だけでも出してくれないのだろう。
せっかく文芸誌に勤めていながら「ウチの妹の原稿を見ていただけませんでしょうか」って一度も言った事ないよね。
ここまで頑なに橋渡しを拒まれると、もはや悪意すら感じるわ…。
どうして、鞠ちゃんを作家志望少女なんかの設定にしたのだろう。
どうして主人公を文芸誌勤務にしたのだろう。
ここに関連性はないのかい…。
・もうすでに橋渡しはしたけれども却下されたんだ。
・史実の妹が作家にならなかったんだから仕方ない。
・戦争の間に書く気力が無くなってしまったんだ。
あれぇぇ…
もしかしたら、そういう風に妄想することがこの場合は「行間を読む」ことなんですかね。
以前から様々な朝ドラに対して申し上げていますが、無い行間は読めないんですよ。そこんとこ、よろしく。
史実の人は小説家にならなかったし文学部出身でもないのだから、その通りの設定にすればいいし、作家志望なら学生時代からもっと我武者羅に書いている描写を入れるべきだと思いました。はい。
とりあえず、鞠ちゃんに早く陽の目を。
で……。
ボロボロになって訪ねてくる綾さんである…。
大変だったんだね。
よろしければ→【2016年7月期・夏クールドラマ】ラインナップ一覧とキャスト表
※キャスト
小橋 常子 … 高畑充希(子役期:内田未来)
小橋 君子 … 木村多江
小橋 鞠子 … 相楽樹(子役期:須田琥珀)
小橋 美子 … 杉咲花(子役期:川上凛子、根岸姫奈)
小橋 鉄郎 … 向井理
小橋 竹蔵 … 西島秀俊
青柳 滝子 … 大地真央
隈井 栄太郎 … 片岡鶴太郎
青柳 清 … 大野拓朗
花山 伊佐次 … 唐沢寿明
五反田 一郎 … 及川光博
谷 誠治 … 山口智充
水田 正平 … 伊藤淳史
相田良輔 … 兒玉宣勝
富樫隆彦 … 笠原秀幸
花山三枝子 … 奥貫薫
村野(中田) 綾 … 阿部純子
田所 竜子 … 志田未来
銀太 … 中島広稀
三宅 … 有薗芳記
工藤せつ … 西尾まり
森田 まつ … 秋野暢子
森田 宗吉 … ピエール瀧
森田 照代 … 平岩紙
森田 富江 … 川栄李奈
長谷川哲典 … 浜野謙太
星野 武蔵 … 坂口健太郎
田畑 … 谷田部俊
根本 … 杉山裕之
下宿のおばさん … 大島蓉子
木戸 稔 … 白洲迅
早乙女 朱実 … 真野恵里菜
多田 かをる … 我妻三輪子
諸橋 道子 … 野村麻純
島田 早紀 … 菅野莉央
山岸 隆一 … 田口浩正
坂田 徳之助 … 斉藤暁
佃 博文 … 斉藤洋介
東堂 チヨ … 片桐はいり
玉置茂雄 … 大内田悠平
玉置正雄 … 加藤諒
玉置幹雄 … 藤野大輝
山田 … 田中幸太朗
杉野栄治 … 田山涼成
大迫博文 … ラサール石井
ナレーション(語り) … 檀ふみ
※スタッフ
脚本 … 西田征史
演出 … 大原拓、岡田健、藤並英樹、松園武大
プロデューサー … 盆子原誠
制作統括 … 落合将
音楽 … 遠藤浩二
衣装監修 … 黒澤和子
主題歌 … 宇多田ヒカル「花束を君に」
公式サイト http://www.nhk.or.jp/totone-chan/
とと姉ちゃん(part1) [ NHK出版 ] |
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コメント
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>私の(そもそも無い)行間読みとしては、
常子は実は鞠子の文才の無さを知っている。もしくは、
甲東出版、それ程原稿料良く無いので生活の足しにならない。
鞠ちゃん、この時代には珍しい女子大卒なのに文才ないのか~~(泣)
じゃあ、仕方ないね(行間読みが終了した(笑))
>何を差し置いても、そこをスルーせずに一回でいいからセリフにしてほしい!!!!痒い所に手が届かなさすぎる。
私の友達は普通ーーにその内にヒロインが自社の雑誌で鞠子をデビューさせるのだと思い込んでいて、私は「史実の人は文学部出身ではないし小説家にならない」と壮大にネタバレしちまいました…ごめんね、友達(笑)
>ミッチーの「この胸でお泣き」「け、結構です。」は、アドリブなのかしら?
アドリブかも知れないねーー。
ミッチーのキャラは今のところ普通にミッチーだよね(爆)
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>君子さんが「私と武蔵さんで創った世界」にしか関心が無いように
常子は「私が『とと姉』でいられる世界」にしか関心が無い?
まさにそれだと思いますね~。
鞠ちゃんや美子が自分よりも稼いでしまったら大黒柱の面目丸つぶれなので、いい職を世話しないようにしているのでしょうね(←行間を読んでみました)
「マー姉ちゃん」は子どもの頃に見た記憶があります。
けれども「サザエさんのモデルの人たち」という以外の記憶が全くありません(笑)
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試写会に行っていたので「家族に乾杯」が見れなかったのですよ…
再放送を録画しなくちゃ。
>鞠ちゃんは常子より活躍しては困るのか?
そういう風に見えてしまいますよね。
ととだったら協力してあげなさいよ、と思います。
>生かせない設定なら史実通りのほうがずっといいのに
作家志望の妹と文芸社の姉、という、ものすごく調度いい設定が生かされない理由とは…それはもう大人の事情だけですよね^^;
鞠ちゃん、可哀想。
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本当に、本当に、今度こそ鞠ちゃんの名前が・・・とうずうずイライラ。
私の(そもそも無い)行間読みとしては、
常子は実は鞠子の文才の無さを知っている。もしくは、
甲東出版、それ程原稿料良く無いので生活の足しにならない。
何を差し置いても、そこをスルーせずに一回でいいからセリフにしてほしい!!!!痒い所に手が届かなさすぎる。
ミッチーの「この胸でお泣き」「け、結構です。」は、アドリブなのかしら?
何かその部分だけ、ちょっこしぎこちなく見えるのよね^▽^。
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序盤で君子さんが一番のイタキャラだったのが中盤から常子?
君子さんが「私と武蔵さんで創った世界」にしか関心が無いように
常子は「私が『とと姉』でいられる世界」にしか関心が無い?
高学歴の鞠子に高収入の道が開けると自分の立場が脅かされるため妨害工作?
この二人は普通に仲が良くて朝ドラとしては珍しい正統派と思っていましたが
実は水面下で陰鬱でブラックな関係が展開されているのでしょうか…。
駄目お姉ちゃんが天才の妹を助けるため怖いお母ちゃんに土下座までして
居合わせた末っ子の方にフォーカスが当たって、着実に母に認められる存在になっている姉と
自分のギャップに愕然とするという
行間を読むのが楽しくてしょうがない作品も世の中にあったというのに。
「マー姉ちゃん」は全く未見ですが、どんなだったのでしょう。
「長谷川町子物語」を観ると朝ドラでは姉の方を主役にした意味はよく解りましたが…。
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「鶴瓶の家族に乾杯」石田三成殿の回を観ていたら「岐阜県養老村」という場所がでてきました。
大橋鎮子さんのお父さんはここから東京深川に養子にきたんだーとちょっと嬉しく思いました。
鞠ちゃんは常子より活躍しては困るのか?最近ちょっとつまらないキャラになってますよね。
>どうして、鞠ちゃんを作家志望少女なんかの設定にしたのだろう。
>どうして主人公を文芸誌勤務にしたのだろう。
ほんとですよ。生かせない設定なら史実通りのほうがずっといいのにと思います。
とと姉ちゃん 第79回
『常子、出版社を起こす』
内容昭和21年。常子(高畑充希)は、貸本をして働き、家庭を支え、鞠子(相楽樹)美子(杉咲花)君子(木村多江)それぞれ頑張るが、仕事を見つけることも困難で。。。。
そんななか、五反田(及川光博)が復員してくる。
敬称略
思うんだけど。
こういう…
娯楽への飢え>『とと姉ちゃん』第79話
鉄郎叔父さんをここで導入したってことは
叔父さんの特質を生かした話にするのかと思ってたよ
例えば闇市で活躍するとかさ
確か『梅ちゃん』では、似た様なタイプの叔父さんが
闇市で梅ちゃん達に、かつ丼だの何だのご馳走してたんじゃなかったっけ?
それとも、それを意識してワザと違う方向へ?
…ひじゅにですが何か?
「こいつ、本当は小説家志望なんだよ」by社長
…
娯楽への飢え>『とと姉ちゃん』第79話
鉄郎叔父さんをここで導入したってことは叔父さんの特質を生かした話にするのかと思ってたよ例えば闇市で活躍するとかさ確か『梅ちゃん』では、似た様なタイプの叔父さんが闇市で梅…
とと姉ちゃん (第79回・7/4) 感想
NHK総合・連続テレビ小説『とと姉ちゃん』(公式)
第14週『常子、出版社を起こす』『第79回』の感想。
なお、本作のモチーフで、大橋鎭子著『「暮しの手帖」とわたし』は既読。
昭和21年。長かった戦争が終わり、闇市は食料や職を求める人々でごった返していた。常子(高畑充希)は、貸本業を続けながら甲東出版を守っていたものの、大学出の鞠子(相楽樹)ですら勤め先…