常子(高畑充希)は花山(唐沢寿明)の働くバラックの喫茶店を訪ね、編集の道を諦めた理由を尋ねる。
しかし花山は何も話す気はないと店を飛び出す。
残された常子にコーヒーを出す関元(寺田農)。
戦争で息子を失ったという関元は、息子の戦友だった花山について語り始める。
一方、鞠子(相楽樹)と美子(杉咲花)は売れ残った「スタアの装ひ」を何とかしようと闇市に店を構えるも、場所代を払えとこわ面なやからに絡まれてしまう…
(上記あらすじは「Yahoo!TV」より引用)
連続テレビ小説「とと姉ちゃん」第15週「常子、花山の過去を知る」 第86話
※朝ドラは半年間の長丁場なので、良い感想を書いてある時も悪いことが書いてある時もあります。レビューはその日その日の感想なので、その点ご了承くださいませ。
↑…テンプレだす…。
簡単に…本当に本当に簡単に。
花山の戦中戦後の話をする関元を見ていて、この話は花山の方が主人公だったらもっと面白いかも…と、ふと思う。
花山君はね、帝大出なのに幹部候補生を志願しなかった。
で、息子と同じただの二等兵から始めて相当大変だったそうだ。
猛訓練でメチャクチャに…。
兵隊たちが死んでもすぐに代わりの兵隊が来る。
一銭五厘の葉書
一枚で替えはいくらでも集まると
とことんひどい扱いを受けたそうだ。
アニメチックで不気味な映像と寺田農さんの語りの上手さで、「一銭五厘の命」の虚しさや静かな怒りを受け取ることが出来た。
そんな中で息子と花山君は絆を深めていったらしいが、彼は満州で結核にかかってね。
病気除隊になったんだよ。
その時、息子や戦友たちを残して一人帰国する事に後ろめたさを感じていたらしい。
戻ってくると少しでもお国のために役立とうと内務省の宣伝の仕事を引き受けたと言っていた。
花山君が内地に戻ったあと、息子も満期除隊になってひと度は帰ってきたんだ。
そんな縁で戦争が終わったあとこの店を手伝ってくれないかと言われて。
きっと身寄りのない僕を案じて声をかけてくれたんだろう。
あっ…
息子は結局戦死したんだ。
除隊後1年で再召集され、南方で。
一銭五厘の命だが、僕にとっては掛けがえのないただ一人の息子だった。
終戦後、花山君はすぐに弔問に来てくれてね。
息子の遺影を前にずっと泣いていたよ。
泣いてる姿を見たのはあれが初めてだった。
その時に彼が言ったんだ。
「8月15日。全てに気付いた」と。
あれだけ国策に協力する活動をしてしまったのだもの。
出来うる限りのアイデアと絵と文芸の才能。
それをお国のためと信じてやり続けたのだもの。
そりゃ虚しいだろう。
自分が殺したように感じただろう。
「一銭五厘の命」は家族にとってどれだけ重い命だか。
関元さんのように残された人たちのために、花山は償いの時を送っているのだ。
その話を何となく他人の不幸のように聞き「何に気付いたんですか?」と訊ねちゃうヒロイン家族は、やはり脳天気なのだった。
早くにととを亡くしたが、男兄弟はおらず、そのおかげでこの戦争で男の家族を失くすという悲劇に遭わなかった。
星野さんとはとっくにさよならしちゃったおかげで、もし戦死してしまっていたとしても記憶の彼方だ。
たまたま引越ししたおかげで家も焼けずに済み、飢えが何とか言ってもとりあえず食べていたし、仕事も上手くゲットして何と本を作る蓄えまであるのだ。
身の周りに男性がいないおかげで、この人たちには直接降りかかる悲しみがない。
「読者を想像できていない」
と花山に言われるのはこういう所から…ってのもあるよね。
所場代も払わずコミケにブースは持てないよ。
薄い本は勝手に売らないでねーーー。
うーーん…こりゃ主人公一家に好感持てなくても仕方ないよね~。
…というか、そういう風に描いているよね。
そして、しつこく花山に「8月15日に何に気づいたか」聞きに行くヒロイン。
想像力とは………。
どうしても花山を編集長に迎えるという話にピンと来ないのは、やはり『スタアの装ひ』がどう見ても同人誌にしか見えず、商業誌として成り立つ感じがしないから。かな。
(給料だって出せないはずだし、そこもピンと来ないのよね)
『カーネーション』第81回で昭和21年3月復刊されたという「婦人美粧」である。
昭和21年春ごろには、婦人雑誌もそろそろ復刊され始めていた。
その後、どんどん新しい雑誌も出始め、ここで新規に雑誌を作るというのもアイデアが必要だったでしょうね。
自分的には、この状況で限りなくボランティアに近い編集長を花山がどう引き受けるのかが最大の興味だわ。
まぁ…
悲劇が薄い一家だからこそ、人に与えられる力っていうのもあるかも知れないし…。
よろしければ→【2016年7月期・夏クールドラマ】ラインナップ一覧とキャスト表
※キャスト
小橋 常子 … 高畑充希(子役期:内田未来)
小橋 君子 … 木村多江
小橋 鞠子 … 相楽樹(子役期:須田琥珀)
小橋 美子 … 杉咲花(子役期:川上凛子、根岸姫奈)
小橋 鉄郎 … 向井理
小橋 竹蔵 … 西島秀俊
青柳 滝子 … 大地真央
隈井 栄太郎 … 片岡鶴太郎
青柳 清 … 大野拓朗
花山 伊佐次 … 唐沢寿明
五反田 一郎 … 及川光博
谷 誠治 … 山口智充
水田 正平 … 伊藤淳史
相田良輔 … 兒玉宣勝
富樫隆彦 … 笠原秀幸
花山三枝子 … 奥貫薫
関元 … 寺田農
村野(中田) 綾 … 阿部純子
田所 竜子 … 志田未来
銀太 … 中島広稀
三宅 … 有薗芳記
工藤せつ … 西尾まり
森田 まつ … 秋野暢子
森田 宗吉 … ピエール瀧
森田 照代 … 平岩紙
森田 富江 … 川栄李奈
長谷川哲典 … 浜野謙太
星野 武蔵 … 坂口健太郎
田畑 … 谷田部俊
根本 … 杉山裕之
下宿のおばさん … 大島蓉子
木戸 稔 … 白洲迅
早乙女 朱実 … 真野恵里菜
多田 かをる … 我妻三輪子
諸橋 道子 … 野村麻純
島田 早紀 … 菅野莉央
山岸 隆一 … 田口浩正
坂田 徳之助 … 斉藤暁
佃 博文 … 斉藤洋介
東堂 チヨ … 片桐はいり
玉置茂雄 … 大内田悠平
玉置正雄 … 加藤諒
玉置幹雄 … 藤野大輝
山田 … 田中幸太朗
杉野栄治 … 田山涼成
大迫博文 … ラサール石井
ナレーション(語り) … 檀ふみ
※スタッフ
脚本 … 西田征史
演出 … 大原拓、岡田健、藤並英樹、松園武大
プロデューサー … 盆子原誠
制作統括 … 落合将
音楽 … 遠藤浩二
衣装監修 … 黒澤和子
主題歌 … 宇多田ヒカル「花束を君に」
公式サイト http://www.nhk.or.jp/totone-chan/
とと姉ちゃん(part1) [ NHK出版 ] |
暮しの手帖 2016年4月号 【特集】 『暮しの手帖』を創ったしずこさん(連続テレビ小説 『と… |
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暮しの手帖別冊 しずこさん「暮しの手帖」を創った大橋鎭子 2016年 04月号 [雑誌] |
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コメント
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>常子の、私となら理想の雑誌を作れますよって、超超高飛車発言に…何というか……びっくりって言うか、違和感って言うか
ですよね。
何を根拠に人の家庭の家計や人生にまで関わる大事な結論を無理強いしてるんだ…と思ってしまいました^^;
ドラマ的には「花山も本当はペンを捨てたくない」「戻りたい道にヒロインが戻してあげた」という風に描いている(つもり)というのは解ります。
しかし、花山が技量的にも社会的な立場的にも圧倒的に上過ぎて対等にならないのでおかしいんですよね(笑)
今日も妄想で突き進む とと姉ちゃんでした。
>花森安治の素顔を、元暮らしの手帖編集部員さんの唐澤さんって方が書いておられ
ドラマのせいで色々と言いたい事が溜まっているというのもあるかも知れませんね。
「暮らしの手帖」社のHPも大橋鎭子さんと花森さんの言葉に溢れていて素敵ですよ。
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特別番組とと姉ちゃんとあの雑誌って、今度の月曜朝8:15から有るらしい…土曜の今日、気が付きました。火曜14:05からのスタジオパークと同じタイトルだから、火曜日のスタジオパークは、前日の月曜日の特別番組とと姉ちゃんとあの雑誌の再放送かもしれません。どちらも視てみるつもりです。さて、土曜日の今日16日のとと姉ちゃん、常子の、私となら理想の雑誌を作れますよって、超超高飛車発言に…何というか……びっくりって言うか、違和感って言うか……。今後の雑誌作りストーリーに期待したいと願いつつ、モヤモヤしてしまった私でした。唐沢寿明様の演技すら、今日は、受け入れ難く……。そうそう、文藝春秋八月号に、花森安治の素顔を、元暮らしの手帖編集部員さんの唐澤さんって方が書いておられ、非常に興味深く拝読しました。
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>これまで80話以上あったのに、1回でも花山さんが手がけたという雑誌、それとは知らずとも常子が触れ憧れるような描写があれば…。
そう。常子は花山の作品にはほとんど触れていないんですよね。
触れたといえば、あのカットのみ。
花山に関しては、あとは「また聞き」ですよねーー。
そして「スタアの装ひ」に対する評価だけ。
それで編集長になんかしちゃっていいんでしょうかね^^;
それだけではなく、常子が雑誌に関わる描写は少なすぎたんですよね。なのに「私のやりたい企画企画」というから唐突感が^^;
>いきなりのエピソードが多すぎる上に、簡単に収束してしまうので。
朝ドラには多いっちゃ多いことですが、このドラマは目立ちますね^^;
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>水曜日の唐沢寿明様の演技に魅了されました。
むしろもうそこだけで持って行ったような力技ですよね(笑)
>ただ、君子に大工さんと間違えられるっていう、コミカルっぽくしてある場面……流石の唐沢寿明様なのに、イマイチ
唐沢さんだからまだ見れるのだと思いました^^;
いつもの事ですが、もう、かかに丸っきり好感持てなくて~~。
来週の火曜は楽しみですね!
仕事で外出なので録画します^^
とと姉ちゃん 第86回
内容花山(唐沢寿明)のカフェを訪ねた常子(高畑充希)だったが。。。
敬称略
それにしても。。。ほんと、主人公は、誰に対しても上から目線だね。
丁寧な言葉も、ほぼ使わないし。。。。ほとんど、タメ口。
一銭五厘の命>『とと姉ちゃん』第86話
西田はもうちょい役者の力量に任せても良いんじゃ…なんて生意気なことを書いた記憶があるけど私が間違えていたのか>疑い濃厚西田が変わってきたのか最近は何だか丸投げ!&hellip…
一銭五厘の命>『とと姉ちゃん』第86話
以前
西田はもうちょい役者の力量に任せても良いんじゃ…
なんて生意気なことを書いた記憶があるけど
私が間違えていたのか>疑い濃厚
西田が変わってきたのか
最近は何だか
丸投げ!
…な姿勢が見られる気がする今日この頃
…ひじゅにですが何か?
「8月15日、全てに気付いた」by花山
頑なになっている人がいる
↓
実は心の傷が原因
…
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もう、挫折寸前…と言うか、ほぼかけているだけの状態に近いのですが、それでも言いたいことが山程出てきてしまいます。
これまで80話以上あったのに、1回でも花山さんが手がけたという雑誌、それとは知らずとも常子が触れ憧れるような描写があれば…。
そしてその編集者が誰であるかを五反田さんあたりに教えてもらって…というような流れでもあれば、もう少し素直に楽しめたと思うのですが…。
いきなり花山さんの才能が…、と言われたって、説得力がなさすぎます。
いきなりのエピソードが多すぎる上に、簡単に収束してしまうので。何だかちょっと前の朝ドラよりも見ていてイライラしてしまいます。
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水曜日の唐沢寿明様の演技に魅了されました。ただ、君子に大工さんと間違えられるっていう、コミカルっぽくしてある場面……流石の唐沢寿明様なのに、イマイチ……民王のスタッフなら、きっともっと上手く仕上げるんだろうのに…な〜んて、民王ロスを急に再発……。さて、来週火曜日の話ですが、唐沢寿明様がスタジオパークに!更に、2時過ぎからのスタジオパークに、とと姉ちゃんとあの雑誌って事で、加賀美幸子さん、ヤマザキマリさん、樋口恵子さんも出演!暮らしの手帖を語られるんでしょうね!楽しみ!!どうか、予定が変更になりませんように!!
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>>悲劇が薄い一家だからこそ、人に与えられる力
>ありますかねー。
うーーん…リアルだったら「ない」と思うけれども、朝ドラ的には「闇に毒されていないから人を救えるのです 太陽の陽子」…みたいな感覚はあるかもですね(笑)
>そもそも青柳商店に来た頃の常子は「人を見る目がある」という事でしたが
そういえば、そんなシーンがありましたねーー←私も忘れていた(笑)
そもそも視聴者的には常子に人を見る目なんて感じたことがない(爆)
とと姉ちゃん (第86回・7/12) 感想
NHK総合・連続テレビ小説『とと姉ちゃん』(公式)
第15週『常子、花山の過去を知る』『第86回』の感想。
なお、本作のモチーフで、大橋鎭子著『「暮しの手帖」とわたし』は既読。
常子(高畑充希)は花山(唐沢寿明)の働くバラックの喫茶店を訪ね、編集の道を諦めた理由を尋ねる。しかし花山は何も話す気はないと店を飛び出す。残された常子にコーヒーを出す関元(寺田農…
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>悲劇が薄い一家だからこそ、人に与えられる力
ありますかねー。やはり「おひさま」以降のAK作品における戦中~終戦には不信感が。
そもそも青柳商店に来た頃の常子は「人を見る目がある」という事でしたが、森田屋に移って
君子さんのイタイ所を描くのがメインになっている内にすっかり忘れられているような…。
そりゃ、若い頃に見られた才の片鱗も環境次第で伸びずじまいという事もあるでしょうが…。