【クロコーチ】 第5話 感想

私達は自らを正当化するつもりは毛頭ありません。
ただ、お話しするからには分かっていただきたいんです。

「下山事件」しかり、「帝銀事件」しかり、「草加次郎事件」しかり…
全ての未解決事件には未解決である理由があります。

それは、国民や国家のために未解決でなければならなかったからです。
犯人が明かされれば国家の威信が損なわれますから。

今から45年前。

昭和43年12月10日に起きた三億円事件も同じです。

 

クロコーチ　第5話

　　　　

 

今までは黒河内の手の平で起きていた仕掛けの数々。
今回は…ハメられたみたい…？

 

山中で一体の白骨化した遺体が見つかった。
遺体の側に埋められていた空のジェラルミンケース。

それを聞いた清家は、すぐに「三億円」を連想する。

頭がい骨の縫合線から年齢は三十代半ば。
白骨化の状況から見て死後約…。

45年。

思わず口に出たのを牛井に聞き咎められる。

いやいや、せいぜい10年ってとこだけど。

あっ…10年ですか！

それならば三億円事件とは無関係だろう。

 

清家さん、45年って何のことですか？

あっ、いえ…。

 

所持品から、遺体は10年前から行方不明になっていた灰谷竜次と断定された。
凶器になったと思われるジェラルミンケースの角に付着していた血痕と灰谷の
DNAも一致した。

灰谷はジャーナリストだった。
…といえば聞こえがいいが、実際にはスキャンダルをネタにゆすりを行っている
「ゆすり屋」という種類の人間だったらしい。

 

灰谷は10年前、行方不明になる直前に5000万円が手に入ると知人に話していたらしい。

ジェラルミンケースの主は、10年前に売上金を強奪されたパチンコ屋。
犯人はすでに自首し、服役中だという。

 

２００３年１０月８日。
新杉本町のパチンコ店で店の売上金 約5000万円が入ったジュラルミンケースが、
目出し帽をかぶった男によって強奪されていますホシは広域暴力団・赤刃組の
元構成員・高宮健太。

高宮は事件発生から2日後に出頭し、一審で懲役10年を宣告され服役。
その後、赤刃組を破門されてます。

 

捜査会議では、当然、高宮が灰谷から何かしらの理由でゆすりに遭い、要求された
5000万を渡さずにジェラルミンケースで殺害して埋めた…。

という方向で進められた。

しかし、服役していた刑務所では、高宮は刑期を終えて、まさに今朝、出所したという。

 

すいません。もう一つ報告が。
刑務官の話によると、最近頻繁に高宮と面会していた人間がいたそうです。

それは、赤刃組の人間？

…それが…また…。

報告した布袋は口ごもる。

また……。

清家にもその意味がすぐに解った。

 

その日の朝。
出所する高宮を迎えた1人の胡散臭い男がいた。

黒河内である。

 

今回、なぜ黒河内が高宮に何回も面会に行き、今日は出迎えにまで来ていたかというと、
高宮が5000万を強奪した理由を掴んだからだった。

 

で、また僕疑われちゃってるんだ？

スポーツクラブで清家に向かって例のニヤニヤ笑いを浮かべながら言う黒河内。

 

なぜ、元赤刃組の高宮健太に面会されていたんですか？
彼は今、灰谷竜次殺害の重要参考人になっています。

それは警察が勝手に決めつけてるだけでしょ？

つまり犯人は別にいると？

それを捜すのが、清家さんのお仕事じゃない？

 

黒河内はスポーツクラブなんかで何をしているかと言うと、別に身体を鍛えて
いるワケではなく。

狙いはちゃんとある。

横浜地検刑事部長・越後弥太郎。

沢渡の現在の担当検事。

トレーニング中の越後に近づいて、大胆不敵にも沢渡の情報を教えてほしいと頼む黒河内。

 

私、口は堅いほうですので。

何もお教えできません。

また5000万積んでも？

5000万？

 

無表情な顔付きなりに、ちょっとだけ反応する越後だった。

驚くのは一緒にいる清家である。

 

この人、よくご存じですよね？
最近総理の私的諮問機関として招集されたＩＴ寵児の「綾川眞之輔」さん。

1人の男の写真を越後に見せる黒河内。

表沙汰にはなってませんけど、10年前、あなたが東京地検特捜部にいらっしゃった頃、
粉飾決算で追い詰めた人ですよね？

けど、なぜか検察は直前になって手を引いた。
それは、あなたが粉飾決算をもみ消す見返りに綾川から5000万円の賄賂を受け取った
からだって噂、私、聞いてましたけど。

身に覚えがありません。

あくまでも無表情を貫く越後だった。

 

つまり、黒河内の考えでは10年前の5000万で繋がっている。

何かしらの理由があり…
高宮は綾川眞之輔のために5000万を強奪した。

そして、たぶん綾川を強請っていた灰谷に5000万を渡さず殺害。
綾川はこれを賄賂として越後に渡して検察を乗り切った…。

高宮が強奪した5000万は最終的には越後の手の中に渡ったのだと。

 

ポイントは、灰谷が金を強請ってた相手は誰かってことだけだよ。
まあ、灰谷をやった犯人を見つければ全部つながるよ。

では…犯人を見つけたとして。

見つけたとして？

全てがつながったら、黒河内さんは越後さんに何を仕掛けるおつもりですか？

 

黒河内は500円札を清家に見せる。

 

清家さんも知りたいでしょ？
これを持ってた人達のことを。

桜吹雪会…ですか？

そのことを今沢渡から聞きだせるのは、あの人の一番近くにいる越後検事だけなの。

じゃあ、灰谷殺しの犯人、早く見つけてね。

 

捜査会議でも高宮と綾川の繋がりはすぐに出てきた。

しかし、警察としては深く関与したくない事情も同時に出てくるのだった。

 

綾川っていえば、総理の私的諮問機関じゃないのか？まずいよな…。

それが…強請りのネタは、もっとまずいみたいなんです。

 

灰谷が綾川を脅していたネタというのは、綾川の娼婦レイプ癖だったらしい。

総理の私的諮問機関が娼婦レイプで強請られていた…。
そして、殺人事件に絡んでいる。

弱腰になる警察上層部。

綾川と高宮との繋がりも解った。
2人は同じ施設で育った幼馴染の兄弟分だったのだ。

 

その高宮は出所してから綾川に度々電話したり、尾行して監察したりしている。

元カノに未練たらたらの男みたいだね。

と、黒河内。

会わないの？綾川に。
10年ぶりなんでしょ？

 

しかし、綾川の事になると高宮は一切口を開かなかった。

 

高宮を尾行し、越後に揺さぶりをかけている間に黒河内に声をかけてきた
人のよさそうな男がいる。

以前、薬師寺と仲良さそうにしている所を見た事がある公安・庶務課の高橋。

黒河内は高橋に、薬師寺が何か言い残していなかったか聞くが、高橋は覚えていない。

 

あっ、そういえば…今度、聞いてほしいことがあると言ってましたね～。
何だったか…ある会の事とか何とか言ってたような…。

「ある会」。
薬師寺は桜吹雪会について、高橋に話そうとしていたらしい。

人当たりの良い高橋に黒河内は気を許し、飲みに行く約束までするようになる。

 

そして、その様子を何処かからずっと観察しているカメラがあるのだった。

 

　　※※※

 

結局…。

高宮はどうして綾川のために現金強奪なんてマネまでしてやったの？
出所してからは、どうして脅すわけでも責めるわけでもなく密かに見守ったりしてんの？

愛なの？愛？

…と思ってたら…。

ホントに愛だったという…。

 

綾川は、ヤクザとの交流がバレて5000万円強請られていると高宮に泣きついていたんだね。
それを信じて高宮は愛する弟分のために現金強奪までしてやった。

ＬＯＶＥだね…。ぇ…。

なのに強請られた本当のネタはレイプという鬼畜の技。

その上、高宮がムショにまで入ってやったというのに、その癖まだ治ってないし。

ついに、高宮は愛する人に見切りをつけてバイバイするのだった。

 

眞之輔…。
てめえのケツは、てめえで拭け。

好きだったよ。

 

兄ちゃん…これもＬＯＶＥだね…。・泣…ってかhomoだね…。

 

警察で、灰谷を殺すつもりはなく、自ら転んでジェラルミンケースに頭をぶつけたのだと
綾川に自白させる黒河内。

棒読みセリフに「言わされてる」感が漂い、清家にも黒河内が何をやったのか
すぐに解ってしまうのだった。

レイプ実行犯で上げるのと引き換えに出した条件は、10年前に5000万の賄賂を
越後に贈ったと言う証言。

これで、越後は仕方なく黒コーチの手先となって沢渡から「桜吹雪界」の実体を
聞きだす事になる。

 

基本的には沢渡と黒コーチの頭脳戦のようなドラマだから…。

相手の手の内はお互いに大体読んでいるわけで。

 

越後に録音を止めさせる沢渡の長い長い語りが……。

非常に興味深く、語る渡部篤郎が不気味だった。

 

篤郎といえば、だらっだらっと語尾を伸ばしてタラタラ～と喋るセリフ回しが
モノマネされるほど有名なワケだけど…。

ここは、ちょっと違った。

低い声でハッキリと、そして不気味に響かせながら語る。
役者だなぁ……当たり前か。　

 

あなたが一番知りたいことをお話ししますよ。
私が関与している「ある組織」について。

犯罪組織というのには少し語弊があります。
なぜならその組織とは、警察官ＯＢによって構成された組織ですから。

警察とは本来、秩序の上に成り立ち、えん罪などは断じてあってはならないものです。
もし内部で犯罪やミスが起これば、警察権力そのものが失墜し、国の秩序が乱れかねない。

しかし、人間、必ずミスは犯します。
なら、そのミスをどうするか。
もみ消す以外にはない。
もみ消すためにはどうするか。
非合法なやり方をしなければならないこともある。

それらの仕事を秘密裏に行う警察内互助会。

それが…「桜吹雪会」です。

ここで、ニカッと笑う。恐い。

ご…互助会……。
そんな美しい物のように言われても～～…。

 

ふざけた名前ですよね。

私が殺したことになっている五島と嶋刑事も同じ桜吹雪会のメンバーでした。
私達は自らを正当化するつもりは毛頭ありません。
ただ、お話しするからには分かっていただきたいんです。

「下山事件」しかり、「帝銀事件」しかり、「草加次郎事件」しかり…
全ての未解決事件には未解決である理由があります。

それは、国民や国家のために未解決でなければならなかったからです。
犯人が明かされれば国家の威信が損なわれますから。

今から45年前。

昭和43年12月10日に起きた三億円事件も同じです。

当時、警察はいち早く犯人を特定していました。
しかし、そこに一つ大きな問題がありました。

あの3億円事件は警察の身内の犯行だったんです。

それを知った一部の警察官達はすぐに隠ぺいを画策しましたが、それ以上に
問題だったのが3億円の現金の処分でした。

焼いて処分をするという意見も出たそうですが、当時隠ぺいに関わった公安当局から
一つの提案がなされた。

3億円の現金。
事実を永久に封印したい一部警察官達。そして、公安。

それらが合わさった時、3億円の使い道は決まり…

「桜吹雪会」は生まれました。

これが会の全貌です。

 

つまり…警察関係者が関わった大事件の隠ぺいや揉み消し。
それを行う事で世間の警察への信頼や権威を維持しよう。

そのための会だった…。

いやいや…隠蔽しなくて済むようにお仕事して下さいよ～。・泣

あああ…でも、本当にありそうで怖い。

ちなみに先週の『都市伝説の女』は三億円事件ネタでしたが、そっちもやはり
警察が隠蔽してるって話で終わった。

警察……昔からどれだけ信用ないねん…。

 

45年前のこの時。

実行犯である青年は、3億円を取り上げられ、父親の部下の刑事から青酸カリを渡された。

「お父様にはすべて話してあります。
　自殺してください。」

それが小出恵介…。

そして、瓶を前にただ座り込む青年の所に来た父親は、黙ってその瓶の蓋を開けた…。

 

高橋に飲みに誘われた黒河内は、約束をして別れる。

黒河内は越後から沢渡の情報が届くのを待ちつつ、川沿いの道を歩く。

高橋は黒河内と別れて……監視カメラや盗聴器が設営されたワゴン車の中へ。

 

計画実行ですね？

 

そして、「計画」は実行されたのである。

 

今回は白骨死体以外、死人は出なかった…と、思ったら主人公が撃たれた～～！！

 

ってか…黒河内はどうせ何もかも先を見越して行動しているんだというつもりで、
私はこのドラマを見て来たわけ。

だから、撃たれた時も「どうせ、防弾ベスト着てるんでしょ」と、思ってたわけ。

なのに…ぇ…普通に撃たれて血を流して倒れちゃうの？あんた。

何処から何処までは見えていて、何処からは騙されているのかよく解らない。

 

・監視され続けていた事には気付いていたのか。
・越後が逆に沢渡に脅される結末は予想していたのか。
・高橋が「桜吹雪会」関係者だという事には気付いていたのか。

もし、何もかも予測していなかったんだとしたら、黒コーチ、案外普通の人じゃん…って
事になっちゃうし～。

逆に自分が撃たれる事まで計算の内だったとしたら……それはそれで恐すぎる…。

とりあえず、このままで次回に続く…になっちゃったので、1週間が長すぎる～。

 

…で、3億円の実行犯＝小出くん……たぶん、死んでないよね。

たぶん…小出くんが高橋＝森本レオさんだよね……。

 

神奈川県内の山中で白骨化した遺体が発見される。
白骨化した遺体は、醜聞をネタに金をゆする脅迫屋（ゆすりや）で行方不明の灰谷竜次
（隈部洋平）であり、死後10年が経過していると判明。
その傍には凶器であるジュラルミンケースがあった。

同じ頃、10年前に県内で起きたパチンコ店の現金5千万円強奪事件の実行犯として
服役していた赤刃組の元構成員・高宮健太(須田邦裕)が出所した。
黒河内（長瀬智也）は高宮を待ち構え、強奪した5千万円の行方について聞くも高宮は
知らないと主張する。
しかし捜査の末、灰谷を殺した凶器であるジュラルミンケースは、パチンコ店の現金強奪事件
で強奪されたものと一致していたことが分かる。

灰谷を殺したのは高宮なのであろうか？
そして、高宮が盗んだ5千万円の行方は！？

(上記あらすじは「Yahoo！TV」より引用)

よろしければ→【2013年10月期・秋クールドラマ】ラインナップ一覧とキャスト表

　　
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※キャスト

黒河内圭太…長瀬智也
清家真代…剛力彩芽

澤 眞智子…香椎由宇
斑目八重子…芦名星
柿崎清彦…利重　剛
牛井　孟…小市慢太郎
布袋善治郎…長谷川朝晴
磯村哲也…川村陽介
坪倉太一…遠藤　要
恬恬…河北麻友子
五島　要…東　幹久 ×
嶋　光男…金子　賢 ×
薬師寺 誠…大地康雄 ×
浅沼兼次…矢柴俊博 ×
伊地知伝助…名高達男
越後弥太郎…板尾創路

高橋秀男…森本レオ

堂島則行…風間杜夫 ×

白バイ警官…小出恵介

沢渡一成…渡部篤郎

 

※スタッフ

脚本 … いずみ吉紘
プロデュース … 中井良彦、石丸彰彦
演出 … 渡瀬暁彦、山本剛義、平川雄一朗、大澤祐樹
音楽 … 出羽良彰、羽深由理

原作 … 「クロコーチ」リチャード・ウー／コウノコウジ

主題歌 … 「ホントんとこ」TOKIO
　　　　　　

公式サイト(終了)　http://www.tbs.co.jp

 

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