【クロコーチ】 第7話 感想

当時は、悪は悪でも、それは善だとみんな信じてた。

 

４５年前は悪は善になれたかもしれませんけど
４５年たって、善は綻んで悪になったんじゃないですか？

 

クロコーチ　第7話

　　　　

 

「少年Ｓ」は、あなたでいいんですよね？
高橋さん。

 

ようやく辿り着いた当時の犯人…。

と、思ったが、高橋はスルスルと逃げる。

違いますよ。
彼は45年前に自殺してるじゃありませんか。

3億円の現ナマは、今どこにあるんですか？

どこにもありませんよ。そんな大金。
私は3億円なんて持ってませんし、隠しても捜してもいません。

でも、あなたがいる桜吹雪会の発端は三億円事件なんですよね？

 

笑みを湛えた表情を崩さず…倉庫の屋根の方を見る高橋。

 

あまり下手なことはおっしゃらない方がよいですよ。
今の時代、どこで誰が見ているのか分かりませんからね。

私も。
あなた方も。

 

そこには監視カメラが備えられていた。

今まで何度か来たこの場所にカメラがあった事に初めて気づき、驚く清家。

「私も。あなた方も。」
っていう事は…高橋自身も監視されているという事なんだろうか。

 

その点、昔は監視カメラがなかったからラッキーだった。
いや…。
あのときも、誰かに見られていたから事件は隠蔽されたんですかねえ…。

 

…まあ…仮にそうだとしても

私には関係ありません。

 

後ろ姿を見送って、黒河内は清家に言うのだった。

 

あるんだよなあ。他に入り口が。
3億円の入り口がね。

3億円に関わっているのは高橋1人ではない。
在処を知っているのは沢渡と高橋だけではない。

黒河内はそう思っている。

 

あの～…「3億円の入り口」とは、もしかして事件を隠蔽した警察関係者のことでしょうか？

そう。45年前のことなら、まだ生きててもおかしくないでしょ？

当時30歳なら？　75歳。
当時35歳なら？　80歳。
当時40歳なら？　85歳。

はい、せいか～い。

つまり、桜吹雪会を創った人は生きている。

まあ、1人とは限んないんだけどねえ…。

 

その人達の中に父を殺した犯人がいるんでしょうか？

清家の関心はそこにある。

 

だから、入り口を見つければそれも分かるんじゃない？

 

翌日は父が亡くなって10年目の命日。

清家は有給を取って墓参りに行った。

父の墓の前で手を合わせる老人がいる。
近寄って声をかけた。

 

ひょっとして、清家君の娘さん？

優しそうな男性だった。

あっ。はい。

そうですか。いや、私はね…こういう者なんですよ。

 

「遠藤司法研究所（警察年金勉強会)　遠藤剛史」

遠藤剛さん…。

遠藤は、元警察官。
清家の父と同じ捜査班にいた事もあると言う。

いや～、お父さんには色々と世話になってね。
出会いからいったらもう45年も昔だ。

45年…。

それじゃ、私は仕事があるんでこれで。

清家は墓参りの礼を言って遠藤と別れた。

すると、墓石の後ろから現れる黒河内…神出鬼没。　

清家が出会った遠藤という男が45年前に清家の父と仕事をしていた。
それを聞いた黒河内は遠藤にリサーチしろと言うのだった。

 

てことは、3億円の捜査してる可能性あるよね。
清家さん、聞いてきてよ。当時の捜査のことを。
もしかしたら入り口の人を見たことあるかもしれないでしょ。
3億円の入り口の人をさ。

黒河内さんは3億円を見つけ出して、どうするつもりなんでしょうか？

まあ、色々。報告しないとね。

報告？

本当のことを知りたかった人がいて、でも知ることができなかった人がいて。
そういう思いを知っちゃってる僕らがいるわけでしょ。
あなたのお父さんもクソをキレイに拭き取れないまま、あの世にいっちゃった
感じなんじゃないの？

ついでにお父さんのことも聞いてみたら？

 

三億円事件の捜査をやっていたのか訊ねると、遠藤はアッサリと言った。

確かに捜査は やっていましたよ。
私も君のお父さんも。

当時、君のお父さんは、まだ交番勤務の巡査でね。
とてもやる気のある人だったから…。

清家の父は積極的に捜査に関わっていたという。
しかし、捜査は時効で打ち切りとなった。

忘れもしない昭和50年12月9日。

捜査の甲斐なく3億円事件は時効を迎えてしまったんです。
みんな大きな宿題を残したまま現場を去ったんですよ。
何も知ることができないままにね。

清家の父はその後も独自に捜査を続けていた。
そのことは知らなかったと遠藤は言う。

 

遠藤の事務所に立てかけてある昔の写真。
その中に清家の父はいなかった。

あの写真は？

ああ。昔の仲間でね。

この方達もやはり三億円事件の捜査をされていたんでしょうか？

ええ…。一番右端にいるのが私ですよ。

懐かしそうに写真を見る遠藤。

あの…他の方のお名前も伺ってもよろしいですか？

私の隣にいるのが金井さん。
その隣が山路さん、一番左が城尾さんという人間ですよ。

金井さん、山路さん、城尾さん…。

三人とも亡くなってしまったがね。

そうなんですか…。

 

夜。黒河内からの電話を受けて、清家は、特に入口に関する話は聞けなかった事。
そして写真の話をした。

その中の城尾平蔵さんという方が、元公安だということが今分かりました。

4人の名前を聞いて、しばらく黙る黒河内。

 

いや。清家さん。それ、ビンゴだよ。

「ビンゴ」とは？

そこに遠藤さんの名前を入れて、目をパタパタしてみなよ。
何か見えてくんじゃない？

 

遠藤
山路
金井
城尾

 

目をパタパタ……。

遠　山　金　城　

遠山金四郎…桜吹雪…！

大せいか～い…。
入り口、見いっけ！

 

電話を切った後、しばし呆然とする清家。

 

桜吹雪会をつくったのは…遠藤さん達。
父を殺したのは、遠藤さん？

 

その時、清家は何者かに狙撃される。

慌ててデスクの下に隠れると携帯に着信。

も…もしもし？

「手を引いてください。」

誰ですか？

「お父さんのようにはなりたくないでしょう？」

 

一方、整形外科に身を潜めている黒河内も刺客に襲われていた。

しかし、逆に男を捕獲する。

スコップが映し出されたので、また殺して埋めちゃったのかと思ったら…

全身スッポリ埋めて生首のように首だけ土から出した状態で男に詰問する…。

 

まさか生け捕りになるとは思わなかったでしょ。

 

男は「園田」という警察手帳を持っていた。
警備についていた男だと黒河内は覚えている。

黒河内は、記者に作らせた自分の死亡記事の原稿を園田に見せた。
写真は目がパッチリなプリクラ仕様…。

上の欄は空白になっている。

 

俺に何かあったら、ここにあんたの顔が載っちゃうんだよね。
それだけならいいけど、これ切っ掛けで桜吹雪会も世間にさらされちゃうかもな。
あんたのせいで。

俺の暗殺を中止するよう、高橋に言え。

 

清家も襲われたと知った黒河内。

たぶん、もう襲われないと思うよ。
でも、おかげで清家さんに3億円から手を引くよう仕向けたのは、ほぼ遠藤で
間違いないでしょう。
しかも、捜してた入り口の人でね。

ただ、あなたが襲われたことは、遠藤にとっては想定外だったかもね。

 

遠藤は、沢渡の元を訪れていた。

 

君は清家の娘さんを殺すつもりか？
私達に警察官としての誇りがあるはずだ。

 

沢渡はいつもの笑顔を浮かべて答えた。

私は…守っているだけですよ。
城尾さんに言われたことを守ってるだけです。

 

　※※※

この後…。

遠藤さん、消されちゃうんだもんね…。
まぁ、登場した時から消されちゃうんだろうとは思っていたけれども。

しかし、遠藤が「桜吹雪会」創設者の1人で、その創設者でさえ消されてしまうとは。
こうなると、すでに鬼籍に入ったという後の3人も、どんな風に死んだんだか…。
「桜吹雪会」を守るという沢渡の信念はそうとう強いらしい。

その「信念」、「正義」とは全く違うけど。

 

「革命分子との内戦の時代」だった日本。
その中で警察は絶対的な威信を保っていなくてはならなかった。

だから、世を揺るがす大事件が警察官の家族の仕業だなんて知られてはならなかった。
隠すことが「善」だった。

そうかな…。

その当時だって、隠すことは「善」なんかじゃなかったはずだ。
その答えは逃げだと思った。

その時に逃げたから、今になって取り返しのつかない「悪」が生まれてしまった。

過去の事は、今さら変えられないけれど。

 

桜吹雪会は、その裏金を管理運営するために作られたんですね。

そうだよ。

すごいアッサリ白状しちゃって…。
あれじゃ「桜吹雪会」としては生かしておいたら危なくて仕方ないもんな。

 

あっちゃ～…入り口なくなっちゃったじゃん…。

遠藤が死亡して、そう言った黒河内だけれども、それも計画の内だろうと沢渡は言う。

そう考えると黒河内もホント恐い。

黒河内自身も「悪」を暴くために「悪」を行っているわけで…。
決して「善」じゃないって所にゾクっとする。

 

3億円はどこにあるんですか？
もう一度聞きますよ。

3億円は
どこにあるんですか？

 

それは…
桜吹雪会に入ったら、教えてあげます。

 

黒河内のギラギラした笑顔も、沢渡のニヤけた笑顔も、どっちも恐い～。

 

そして、また、違う穏やかにしか見えない高橋の笑顔も怖い。

 

黒河内さんは、今の日本どうお思いですか？

45年前、「少年Ｓ」は何を見たんでしょうかね。

 

「高橋」は、自殺から逃れ、公安に身を置いて「桜吹雪会」に監視されながら生きてきた
のかと思っていたけれども…彼なりの何か大義がありそうな気もする。

そもそも、なぜ3億円を盗ったのか。

 

そして、黒河内は3億円をどうするつもりなんだろ。

警察内部の事だから、警察に通報しても無駄なわけだし。
国民に暴露するのに使えるのは、やはりマスコミに直接かなぁ…。

 

誰が「桜吹雪会」なのかゲームも佳境に入ってまいりました。　
やっぱり小市慢太郎さん、怪しすぎ。

 

次回は↓のキャスト欄にまた×が増えそうですが…。

 

10年目の命日のため父親の墓地を訪れた 清家 (剛力彩芽) は、墓前で手を合わせている
初老の男と出会う。
司法研究所の所長をしているという その男 (山本學) は、元警察官で45年前に清家の父と
ともに同じ捜査班にいたこともあったと話す。
男は 「遠藤」 と名乗った。 何故かその場で話を聞いていた黒河内 (長瀬智也) が、
その男が45年前に三億円事件の捜査をしていた可能性があったのではと、当時のことを
聞きだしてくるよう清家に話す。

遠藤に接触した清家は、当時の三億円事件の捜査の話をすると、初めて自分の父親が
生前に三億円事件の捜査に参加していた事実を知る…。

(上記あらすじは「Yahoo！TV」より引用)

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※キャスト

黒河内圭太…長瀬智也
清家真代…剛力彩芽

澤 眞智子…香椎由宇
斑目八重子…芦名星
柿崎清彦…利重　剛
牛井　孟…小市慢太郎
布袋善治郎…長谷川朝晴
磯村哲也…川村陽介
坪倉太一…遠藤　要
龍井秀樹… 伊藤正之
恬恬…河北麻友子
五島　要…東　幹久 ×
嶋　光男…金子　賢 ×
薬師寺 誠…大地康雄 ×

郷田文吾… 石丸謙二郎 ×
橋本俊治… 小木茂光 ×
畑山 肇… 中丸新将
田宮 弘… 池田政典
浅沼兼次…矢柴俊博 ×
伊地知伝助…名高達男
越後弥太郎…板尾創路

遠藤剛史… 山本學（←東根作寿英) ×
山路武治… 木下政治
金井 道夫…神農直隆
城尾平蔵… 花王おさむ（←眞島秀和）
拘置所刑務官… いしだ壱成
園田雅巳… 松原正隆
杉 隆太郎…阿部亮平

葉月トモ … 奥田恵梨華 ×
清家真次… 内倉憲二 ×
遠山宗司… 菊池敏弘 ×
金本真美… 佳苗るか ×
堀… 渡部豪太 ×

赤羽 甚五郎… 品川徹 ×
佐野 満… 尾関伸嗣
綾川 眞之輔… 加藤虎ノ介
高宮健太… 須田邦裕

高橋秀男…森本レオ

堂島則行…風間杜夫 ×

白バイ警官…小出恵介

沢渡一成…渡部篤郎

※スタッフ

脚本 … いずみ吉紘
プロデュース … 中井良彦、石丸彰彦
演出 … 渡瀬暁彦、山本剛義、平川雄一朗、大澤祐樹
音楽 … 出羽良彰、羽深由理

原作 … 「クロコーチ」リチャード・ウー／コウノコウジ

主題歌 … 「ホントんとこ」TOKIO
　　　　　　

公式サイト(終了)　http://www.tbs.co.jp

 

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