【息もできない夏】第5話

私は、母を苦しめた男の姓を受け入れられなかったの。

一瞬でもあんな男の戸籍に入りたくないって思ったし、
母にも父にも悪いと思ったから。

「息もできない夏」第5話

    息もできない夏

申述書などの手続きは終わりました。
間もなく、これらを法務省の方へ提出する予定です。

玲の戸籍取得の手続きは順調に進んでいた。

あ~あ、さみしくなるな。

んっ?

いや、戸籍が取れるのはうれしいけど、そうなったら樹山さんの所に
来れなくなるんですよ。

何か相談事があったらいつでも来ればいいって。

いいんですか?

もちろん。

そんな風に樹山とたわいない会話ができる余裕。
玲は幸せだった。

職場のみんなも「おめでとう」と言ってくれた。
さつきも祝ってくれた。

家族でもお祝い。祖母の香緒里も来てくれる。

しかし、葉子には気になる事があった。

玲の戸籍のことだけど、谷崎の姓に すぐに入れるの?

と、お祝いの後で葉子に聞く香緒理。

一度前の夫の戸籍に入ってから、すぐに谷崎の姓に移します。

あなた、それが気になってるんじゃないの?

…玲には戸籍が必要ですから。

あの子たちをもう悲しませることはないのよね?
二度とあの子たちをつらい目に遭わせないでちょうだい。

葉子は1人で区役所に聞きに行っていた。
前夫・鮎川の籍に入れず、直接谷崎の姓を名乗らせる方法が知りたくて…。

お気持ちは分かります。
でも、今の法律からして玲さんが直接谷崎さんの戸籍に入るのは難しいと思います。

もちろん可能性がないことはないんですが。
それには裁判が必要になります。
時間もかかりますし、過去の判例からいって勝つのは簡単ではないと聞いています。

田所にそう言われて、やはり玲が戸籍を取れるなら、と、葉子は思い直したのだった。

玲は、草野から「無戸籍の人が集まって情報交換をするオフ会」に誘われて参加した。

そこには、自分と同じくらいの年の人たちがたくさん集まっていた。

その日は玲の他に2人の初顔がいたらしい。

戸籍がないせいで高校へ行けず、今もアパートが借りられないから先輩に
間借りさせてもらっているという、いずみ。

小学校の時に学校で大やけどを負ったが保険証がないために病院へ行けず、
今だに大きなやけどの痕が残っているという知之。

いずみは妊娠をしていた。
しかし、このままでは生まれる子供も無戸籍児になってしまう。

そして、今、裁判中なのだと言う。

彼女は、母親の前の夫の戸籍に入るのが嫌で、今法廷で争ってるんだ。

そうなんですか。

私は、母を苦しめた男の姓を受け入れられなかったの。
一瞬でもあんな男の戸籍に入りたくないって思ったし、
母にも父にも悪いと思ったから。

いずみの話は、玲の心に引っかかった。

帰り道、草野は言う。

結局は子供が犠牲になるんだ。

いずみさんは親のために戦ってるって言ってたけど、結局
そうなったのは親のせいじゃん。
背負いたくもない運命背負わされてさ。

草野君?

あっ、ごめん。

谷崎さんは今のままでいいと思う。
ちゃんと前だけ向いて歩いてるからさ。

玲は区役所に顔を出して、樹山と話をした。

私、このまま戸籍を取っていいんでしょうか?
最初は戸籍が取れるだけで嬉しかったから気にならなかったけど、今まで谷崎として
生きてきたのに、たとえ少しの間でも他人の名前になるのってよく考えてみたら
おかしな話ですよね。

それにお母さんを苦しめていた人の戸籍なのに。

お母さんとは何か話せた?

いいえ。
母は戸籍が取れて 私が前に進めるだけで うれしいって言ってました。

私は恵まれてるのかな。
お母さんは何も反対しないし、私が戸籍を取ることを一番応援してくれてるんですから。
…だから、このままでいいんですよね…。

樹山に話して、少しすっとする。
今は、とにかく戸籍を取ればいい。
母も応援してくれているんだから…。

翌日、公園でお昼を広げていると、この前自転車を起こしてくれた男の人が来た。
あの後、玲のアップルバイも買いに来てくれたのだ。
いつも静かに微笑んでいる優しそうな男性だった。

その人は、ガラス職人をしていると言っていた。
そして、身に着けていた小さなリンゴのストラップを玲にくれた。

俺の好きな人もリンゴが好きだったんだ。

でも昔の話。
だから、もらってよ。
おいしいアップルパイのお礼かな。

ホントですか?ありがとうございます。

リンゴのおかげで新しいスイーツのヒントを思いつき、出来上がったら
一番にご馳走する、と約束して、玲は男性と笑って別れた。

ティラミスにリンゴを足すアイデアで作ったケーキは店で好評だった。
来週から店に出したいから完成させてと店長に言われ、玲は一日も
早く仕上げたくて店から調理用具を持ち出した。

重たくてバランスの悪い調理用具は自転車に上手く乗らず、何度も倒れた。

その時、またあの男性がいつの間にか自転車を起こしてくれた。

同じ方向だから、と言って荷物を持って玲の家まで送ってくれた男性を
玲はお礼がしたくて家に上げた。

葉子は、その日、警察で作ってもらった前夫の暴力を証明する書類を持って
区役所に行った。

あれから考えたんですけど、やっぱり私は娘と一緒に前を向いて
歩いていきたいと思います。

樹山に色々と相談に乗ってもらった礼を言い、夫が好きだった花を買って帰った。

家に入ろうとすると、誰かが来ていた。

お客さん?

うん。この前話してたティラミスのヒントをくれた人。
荷物運んでもらっちゃって。

お母さんからもお礼言って。

ああ。

葉子は家の中に入り、座っている客人をゆっくりと見て…

花を落とした。

玲を抱きしめて台所の隅に走り、叫び続けた。

逃げて!! 逃げて 玲!!逃げて!! 逃げて!

逃げて!来ないで!来ないで!!来ないで来ないで…!

男は土下座して、葉子に謝り、やり直したいと言った。

震えながら玲を抱きしめる母を見て、玲は目の前にいるこの男が誰なのか初めて悟った。

出てってよ!出てって!

出てってよ!!

貰ったリンゴのストラップを、玲は男に投げつけた。

男が帰った後、玲は母に言った。

私が間違ってた。
お母さんの気持ち何にも考えてなかった。
私、あんな人の戸籍には入りたくない!

お母さん大丈夫。…大丈夫だから。

ううん。私が嫌なの。

だって…だって、私はお父さんとお母さんの子供だよ。

帰ってきた妹の麻央に母を任せ、玲は区役所に走った。

樹山さん、書類、全部返してください。

どうしたの?

私、戸籍作れない!
私、バカだった。お母さんを苦しめた人の戸籍に一瞬でも入ろうとしてた!
もうお母さんの悲しむ顔は見たくないんです。
私、お母さんを守りたいんです!

樹山さん。

私、裁判をします!

  。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。

う~ん。難しい問題ですねぇ…。

人それぞれの考えがあるだろうから何とも言えませんが、私はあの「いずみ」という子が
母親のために母の前夫の戸籍に入りたくないから裁判をしているという話を聞いて、

ずいぶんと良い子だね。
よっぽど母親との親子関係が密だったんだね。

と、冷めた視線で見てしまいました。

まさに、ウィスキーボンボンさん@草野くんが言うように、

いずみさんは親のために戦ってるって言ってたけど、結局そうなったのは
親のせいじゃん。
背負いたくもない運命背負わされてさ。

と、私も思ってしまったわけ…。
冷たいですかね、この考え。

こう言ったら元も子もないけど、たかが「姓名」だよ。
されど「姓名」であり、日本では戸籍が無ければ何もできない。

だったら…どんな名前の物でもまずは手に入れようよ。

…と私は思ってしまう。自分勝手ですか、この考え。

玲が…何と言うか、まだ若くて思春期だから
感傷的…というか感情的すぎ。

「いずみさん」に会わなければ、この考えも浮かばなかっただろうし、
裁判もしようなんて全く考えもしなかったはず。

今は、母の心に寄り添おうとし過ぎている気がする。

母の方は母の方で

だって、やっと玲が未来に向かって歩きだせるようになったんだもの。
それだけで十分。

とは、一体何事他人事

それを阻んでいたのは貴女なのですよーー。解ってる

玲さん…「お母さんは一番応援してくれている」…のではなく、
そうする事が当然なんだよ。

裁判なんぞやらずに、大人しく今の線で戸籍を取得してほしいわ。

そして、裁判よりも、まず、そこから引っ越せ。

さて~…

鮎川と葉子がついに接触。
これは、ますますこの男相手に裁判なんてとんでもない気がする。

葉子は玲を渡さない、渡さない、と言っていたけれども、戸籍に入る事と親権は別。

もし万一親権を主張されても、見た限り別にお金持ちでも何でも無さそうな上、
DVの履歴まである鮎川に親権が取れるわけがない。

では、葉子は何を「渡さない」と言っているのか………。

予告と併せて考えても…

やっぱり「血筋」だよね。たぶん。

なお、樹山と暮らしている女、亜沙美さんですか。
彼女はこのドラマに必要なのでしょうか

樹山の過去の仕事の犠牲になったらしいこの人のストーカーっぷりが
結構ウザいです。

樹山と玲が何か怪しいならともかく……ただ笑いながら話してるだけじゃん。

病院行って……ほんと。

今回は要の演技に「息もできない夏」って感じのドキドキを感じました。
さすがだね。

そして、その後はバレーボール 対中国でまたドキドキしたよーー。

 。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。

玲(武井咲)は、母・葉子(木村佳乃)の協力の下、戸籍を作るために必要な書類を樹山
(江口洋介)に提出する。
玲の戸籍は、いったん以前の鮎川姓で作り、その後に現在の谷崎姓に移す形をとるという樹山。
すぐに谷崎姓に戻ることに安堵を覚える玲。

一方、葉子も笑顔を見せるものの、どこかで不安を感じているのか、玲が席を外した際に、
「いったん記録された戸籍はずっと残るのか?」と、当たり前のことを樹山に尋ねる。

翌朝、「パティスリー・シャルロット」で、戸籍がとれそうだと報告する玲。
店長の安倍川衣里(橋本麗香)や、バイト仲間の西川純(清水一希)も、自分のことのように
喜んでくれた。嫉妬心から玲につらく当たってきた井川さつき(原幹恵)も、玲を祝福する。

その日の昼、「パティスリー・シャルロット」の表に鮎川宏基(要潤)がやってくる。
店内に働く玲の姿を見つけると不敵に笑う鮎川は、店内へ入っていく。偶然の再会に驚く玲の
様子にあわせて、鮎川も驚いた素振りを見せる。

ある日、しばらく連絡が取れなかった草野広太(中村蒼)から、無戸籍の人たちが集まって
情報交換をするオフ会に誘われる玲。
オフ会に参加した玲は新しい仲間として紹介される。
参加者それぞれが、現在の状況を報告しあう中、1人の女性が、母を苦しめていた男の姓を
受け入れられず、裁判で争っている最中だと話す。
自分の境遇によく似た話に、玲は深く考えさせられることに。

(上記あらすじはYahoo!TVより引用)

よろしければ→【2012年7月期・夏クールドラマ何見ます?】ラインナップ一覧とキャスト表と展望

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【キャスト】

谷崎玲 – 武井咲
樹山龍一郎 – 江口洋介
谷崎葉子 – 木村佳乃
草野広太 – 中村蒼

井川さつき – 原幹恵
亜沙美 – 霧島れいか
谷崎麻央 – 小芝風花
田所光子 – 濱田マリ

鮎川宏基 – 要潤
中津大輔 – RIKIYA
安倍川衣里 – 橋本麗香
西川純 – 清水一希
筒井宗太郎 – 勝 信

(谷崎啓介 – 神尾佑)

谷崎香緒里 – 浅田美代子

夏目周作 – 北大路欣也

  

 
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【息もできない夏】第1話 第2話 第3話 第4話 第5話


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  1. くう より:

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    PASS: d0970f9a670a457ba04fd47a84598fe5
    >黒キャナメがめっちゃ憎たらしいんだけど、
    その演技にゾクゾクしちゃう♪
    なので、葉子がおびえるのもわからんでもないけど
    やっとここまで漕ぎ着けたのに、今更裁判て・・・

    いやー葉子さんの身になって考えたら、まさに息もできない感じだよね、あのシーン。
    この世で一番怖い人間が、まさかの家の中だもん~。
    あの作りときゃなめの演技はすごいーー。

    >今までは居場所を知られるのが怖かったんだろうけど、
    こうなったら開き直ってしまえばいいのに・・・

    でも、きゃなめの戸籍をここまで嫌がるのにはそれ以上の理由がありそうな、ですわね、奥さん。
    結局、裁判なんかやっちゃったら嘆くことになるのは玲自身って結果になりそう。
    つまりは、たぶん、きゃなめの子なんだよね。
    …か、どっちの子供か解らない状態で産んだか…。
    これからどうなるか…まったく息もできない夏ですわー^^

  2. くう より:

    SECRET: 0
    PASS: d0970f9a670a457ba04fd47a84598fe5
    >まず裁判云々より、逃げようよ、引っ越そうよですよね(^^;)

    そうそう。居場所も知れちゃったし~。
    これは逃げるしかないでしょう。

    >いやぁ、でも本当要さんがいい演技してくれて。
    意味深な笑みが判断に迷いを見せて面白くしてくれましたわ。

    普通に優しそうに笑っていても恐く見えたり、その逆だったり、
    この人すごいなぁと思いましたわ。
    良い役者さんですよねぇ。今さらだけど^^;

    >次回は何が明かされるのか。
    相変わらず次回予告に妄想させられるドラマです(^^)

    何だかんだ言っても今期一番面白いと思ってます~いいのかな、そんなんで…^^;

  3. 息もできない夏 第5話

    『最悪の悪夢がやって来た…あの男がついに』

    内容
    様々な書類と、母・葉子(木村佳乃)の申述書なども揃い、
    玲(武井咲)は、樹山(江口洋介)らに提出し、戸籍作りが進み始める

  4. 息もできない夏 第5話

    05「最悪の悪夢がやって来た…あの男がついに」8月7日火曜夜10時 谷崎玲(武井咲)は、母・葉子(木村佳乃)の協力の下、戸籍を作るために必要な書類を樹山龍一郎(江口洋介)と田所…

  5. まこ より:

    SECRET: 0
    PASS: 07af5b8e07a195e1e93130d7617e5041
    黒キャナメがめっちゃ憎たらしいんだけど、
    その演技にゾクゾクしちゃう♪
    なので、葉子がおびえるのもわからんでもないけど
    やっとここまで漕ぎ着けたのに、今更裁判て・・・

    と、あたしもやっぱ当事者ではないし、そげな怖ろしい
    経験もないせいか、取りあえずは戸籍取ろうよ!!!って
    思ってしまう・・・・・・
    今までは居場所を知られるのが怖かったんだろうけど、
    こうなったら開き直ってしまえばいいのに・・・

    警察にも届け出したんだし、鮎川の方を退ける手立ては
    ありそうなもんだけど、何とかならないのかなぁ。
    はぁ~息苦しいドラマだこと[絵文字:i-229]

  6. 息もできない夏 第5話:最悪の悪夢がやって来た…あの男がついに

    キャナメ怖っ!((( ;゚Д゚)))ガクガクブルブル
    親切そうに近付いて来て、新商品のヒントや大好きなリンゴのガラス細工の
    キーホルダーくれたおじさんが、まさかママの元夫の

  7. Happy☆Lucky より:

    息もできない夏 第5話

    第5話

    JUGEMテーマ:エンターテイメント

  8. 息もできない夏 #05

    『最悪の悪夢がやって来た…あの男がついに』

  9. NelsonTouchBlog より:

    リッチマン、プアウーマン五話&息もできない夏五話感想

    ■リッチマン、プアウーマン五話
    国の戸籍システムに替わるパーソナルファイルの運用実験を行うと決めた「NEXT INNOVATION」の代表・小栗旬。大手のライバル社も虎視眈々と同じ事業に参

  10. ドラマ「息もできない夏」 第5話 あらすじ感想「最悪の悪夢がやって来た…あの男がついに」

    戸籍を今度こそ作る-----—!!

    戸籍を作ることに前向きになった葉子と一緒に、全ての書類の提出をした玲。

    ただし、法律上、一度鮎川の姓に入ってから、改めて谷崎の姓に入るよ

  11. なぎさ美緒 より:

    SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    まず裁判云々より、逃げようよ、引っ越そうよですよね(^^;)
    いやぁ、でも本当要さんがいい演技してくれて。
    意味深な笑みが判断に迷いを見せて面白くしてくれましたわ。

    次回は何が明かされるのか。
    相変わらず次回予告に妄想させられるドラマです(^^)

  12. ドラマ「息もできない夏」 第5話 あらす…

    戸籍を今度こそ作る------!!戸籍を作ることに前向きになった葉子と一緒に、全ての書類の提出をした玲。ただし、法律上、一度鮎川の姓に入ってから、改めて谷崎の姓に入るよう。戸籍…