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【アンナチュラル】第5話 「死の報復」感想

どうして?
どうして止めなかったんですか?

殺すやつは殺される覚悟をするべきだ。

そんな話をしてるんじゃない。
鈴木さんの人生の話をしてるんです。

人を殺させて……

思いを遂げられて、本望だろ。

納得できません。

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【アンナチュラル】第5話 「死の報復」感想

 
  
 unnatural-op

「666」は、ヨハネの黙示録に「獣の数字」として記されている。

思慮のある者は 獣の数字を解くがよい。その数字とは 人間をさすものである。そして その数字は 666である。

リチャード・ドナーの名作ホラー『オーメン』でお馴染みのアレだ。
 

 

中堂 系は恋人を失い、その体を自らの手で切り刻んだ時から、獣の数字の申し子になったのだと思われる。

烏田検事に「いつまでも逃げおおせると思うな」と、なぜ言われたのか。

 

もしかしたら、中堂さん、今回と同じような事を以前にもしてしまっている

死体損壊罪に問われる(?)ミコトさん

持ち込まれた案件は、自殺した妻の死因を知りたいという「鈴木」さんから。

警察は死因は「自殺」だと断定した。
なぜなら、女が飛びこむところを見た目撃者がいたから。

しかし鈴木さんは妻が自殺などするはずがないと思っている。

 

事故死ならいいですね。

そう願いたいけど溺死の判断って難しいんだよね。

うっかり落ちたとしても、自ら飛び降りたとしても、溺れ死んだら全部「溺死」で、法医学的所見は同じだから。

 

それはそうだ。

自殺だろうが事故死だろうが、解剖で解る事は「溺死か溺死ではないか」それだけ。

今回も目撃者がいなければ死因は「事故」だっただろう。

 

まあ、誰かに突き落とされた「他殺」でも、溺死は溺死で所見は同じだな。

そう。もう一つあるのだった。

「事故」「自殺」の他に。
突き落された可能性。

UDIラボでは、そこまで追及する。

 

解剖は2人体制で、と言われて即同意するミコトである。

あれ以来、中堂に対する疑いが消えないので、1人で作業させたくない。監視のつもりだった。

 

しかし、解剖中に思わぬことが起こる。

 

遺体は葬儀の直前に盗まれたものだったのだ。

それ、うちのご遺体です!
うちの葬儀場から盗まれたご遺体なんです!

と言う大林。

 

三澄さん、今、死体損壊罪になってます!

「鈴木」

ご遺体の名前は「鈴木果歩」さん。
解剖を依頼してきたのも「鈴木」さん。

2人は別に夫婦ではなく、単純に同姓のカップルだった。

「鈴木」は日本で2番目に多い苗字。(ちなみに一位は「佐藤」さんだ。どうでもいいですか、すいません(笑))

たまたま付き合う人が同姓でも全く不思議はなく、これはUDIラボが勝手に誤解したことだった。

ミコトは言われた仕事をしただけ。

死体損壊罪を問われるのは鈴木の方です。

三澄先生は、だまされた被害者ということで。

と毛利刑事に言われつつも、恐縮するミコト。

 

鈴木果歩の両親は娘の遺体に傷をつけたくないと解剖には反対だったんです。

今も泣くわ怒るわ大変ですよ。

 

私だったら、娘がこんなことになったら真実を知りたいところだけれども……。

 

実は、鈴木果歩さんは鈴木さんと、両親の反対を押し切った駆け落ち同棲をしていた。

その日、鈴木さんは工事現場で泊まり込みの仕事をしていて帰ってこなかった。

遺体が発見された後に帰ってきた鈴木さんは青森の漁協で彼女の死を知らされ、遺体はすでに東京の実家へ。

両親は、駆け落ち同然に娘を連れて行かれた恨みもあって、鈴木さんが帰宅しなかったから悲観した娘が飛び込み自殺をしたという話で頭がいっぱいになっていた。

 

両親の中ではすでに犯人は鈴木さんだった。

今さら解剖なんぞどうでも良かったのである。

 

果歩さんは絶対に自殺なんてしてません!

俺達、もうすぐ入籍しようって約束してたんです。

果歩さんは絶対に自殺なんてしてません!

実家まで来て必死に叫んでも両親は彼女の遺体に会わせてもくれず。

真実を知りたくて思い余った鈴木さんは遺体を盗み出す……。

こういう流れ。

 

「もうすぐ入籍」まで考えていたならば、両親に許してもらうためにまず頭を下げに来るべきだった。

親なんて2人の結婚に関係ないでしょ、と思われがちな現代だけれども、祝福されない結婚は必ず憂いを残すもの。

例えばこういう事になった時だって。
2人は幸せだったと思ってもらえていないとこんな思い込みを生んでしまう。

誤解を解く努力は死んでからやっても空虚しか生まない。

人間って、ほんと、後悔だらけの生き物だ。

永遠に答えの出ない問い

遺体は中堂が閉じて、東京の鈴木さんにお返しした。

……が、恐ろしいことに、中堂はすでに採取した胸腔液を検査に出していた。

そして、冷蔵庫から「666」のラベルが付いた容器を出して言うのである。

 

ああ、そういえば。
肺を体にしまい忘れたな。

 

怒るミコトだが、中堂は動じない。
 unnatural5-666

 

まだ調べるつもりですか?
中堂さんは個別の案件に深入りするタイプじゃないと思っていました

どうしてそんなに?
納得のいく説明をしてください。

 

考えたことがあるか?
永遠に答えの出ない問いを繰り返す人生。

今、結論を出さなければ、もう二度とこの人物がどうして死んだのかを知ることはできない。

今調べなければ、

調べなければ、永遠に答えの出ない問いに一生向き合い続けなきゃならない。

そういうやつを一人でも減らすのが法医学の仕事なんじゃないのか?

中堂さんは、ずっとずっと、その問いと向かい合い、苦しみ続けて生きて来たんだね。

だから鈴木さんに自分を重ねているんだね。

 

……果歩さんの死を……

彼女と同じだと思っているんだね。

 

溺死の真実

事件の前日、果歩さんは鈴木さんにネックレスを貰って幸せの絶頂にいた。

自殺のはずがない。

過去の「真実」を知りたい好奇心の鬼なのはミコトも同じ。

結局、中堂の家で分析を始めることに。

プルテウス幼生の確認。
妖精クリオネじゃないよ。

 

手が足らなさすぎて、いつものメンバーで集まるシーンは楽しかったし。

くそっ!!
何で辞めたんだ、坂本は!

いやいやいやいや……どの口が……。

 

こういうシーンで笑ったりホッコリする盛り上がりの部分と、闇の部分のギャップに唸るドラマだよね。

生活感皆無な部屋にあった絵本の作家名は「こうじや ゆきこ」。
  unnatural5-絵本

 

「彼の恋人・糀谷雪子さんを殺した犯人はまだ捕まってません」

 

鈴木さんに彼女の死の真実を教えてあげて、前を向かせてあげたいというミコトの気持ちがゆらぐ、中堂と鈴木さんの影の符号。

真実と復讐

結果、鈴木果歩さんは海水での溺死に違いなかったが、普通の溺死とは違うことを指摘するミコト。

ドライ・ドローニングの可能性がある。

普通の溺死がウエット・ドローニングって言われるのに対して ドライ。

今回は神経反射による溺死かも。
中でも顔面反射、エベック反射ともいうんだけど、顔面から水の中に飛び込んだ時にまれに発生するの。

暑い夏の日に冷たい水の中に飛び込んだ場合とかね。

ショック状態みたいなもん?

そう、水中で脈が遅くなり気を失った状態になってそのまま溺死。

だから飲んだ水の量も少なくて肺の膨らみも小さかった。

 

つまり、落ちて泳いで徐々に水を飲んで死んでいったのではなく、落ちたショックで気を失い、そのまま死亡。

遺体の発見地点まで移動していったのは自力では無いということ。

 

しかし、目撃者は離れた場所で飛び込む女を見ている。

水に落ちた女は2人いた。

 

鈴木果歩は顔面から水に落ちて死んだはずだ。

じゃあ、足から落ちたそいつは誰なんだ?

自殺を偽装するために彼女のふりをして落ちてみせるなんて無関係な人間がすることじゃない。

 

それは、漁協で働いている まゆという女だった。

果歩の両親に「鈴木くんが帰ってこなかったから果歩は飛び込み自殺をした」と思いこませた女である。

彼女が果歩のネックレスをしているのをミコトは見ていた。

 

犯人と目的が解れば当然復讐心が沸く。

 

そもそも、鈴木さんはなぜ彼女の死亡理由を知りたかったのか。

「真実を知って前を向いて歩いていくため」

なんて人はなかなかいないだろうなぁ。

 

ミコトは、でも、人間の善を信じたかったし、法医学は人を生かすための医学だと信じたかっただろう。

 

けれども、中堂の目的は違っていた。

 

ネックレス、ちょっと借りたらすぐ返せって しつこかったんだもん。

ちょっと押したら海さ落ちて……

 

突き落としたんだ。
助けてれば助かった!

 

自慢するんだもん。

何で あんな子が私より幸せなの?

嫉妬で人を殺し、怒りに復讐される。

何度も まゆを刺す鈴木さん……。

 

その覚悟で来ているのだから。
そうなるでしょう。

だから。

ミコトは鈴木さんに真実を伝えなかったのに。
 unnatural5-鈴木

 

まゆは一命を取り留め、鈴木さんは殺人犯にはならなくて済んだ。

 

もちろん、全て犯人が悪い。

けれども、自分の恨みを他人の気持ちに投影させて、こうなるように持って行った、この男はもっと凶悪。

 

犯人、助かりました。

 

素人はダメだ。
刺す場所を分かっていない。

UDIラボを辞めてください。
あなたがいると迷惑です。

 

誰に何を言われようと辞める気はない。

だったら、糀谷雪子さんの事件のことを話して。

あなたの気持ちを考えたり、遠慮するのがクソばかばかしくなりました。

さっさと解決して永遠の問いに決着つけましょうよ。

 

同情なんてしない。
絶対に。

 

獣の数字に憑りつかれた中堂さんの話をミコトが聞いて、悪魔祓いをしてあげるのね……。

しかし、そのミコト自身も憑りつかれる要素はあるのだった。

自分の意思に関わらず命を奪われたり奪われそうになった気持ちの行き場が無い人たち。
 unnatural5-中堂

 

法医学は、どう人を救うのか。

 

という話。

 

彼は彼なりに、きっと死者と死者に纏わる思いを救っているつもりなのだろうけれども。

新兄さんの演技がもう、とにかく凄くて。

闇の中に引きずり込まれそうです。

崇徳院の怨みは深いよ……

御霊を鎮めていただかないと~~。
 白峯神宮


ある日、鈴木(泉澤祐希)と名乗る男が、溺死した妻の解剖依頼にやってくる。

警察は海へ飛び込む瞬間を見た目撃者がいたため自殺と断定。しかし妻が自殺をするはずがないと主張する鈴木は、真実を突き止めるため青森からはるばるUDIを訪ねて来たのだった。

解剖に取り掛かるミコト(石原さとみ)たちだったが、鈴木が持ち込んだ遺体は葬儀場から盗まれた遺体だと判明!

ミコトは死体損壊罪に問われ、鈴木は夫ではないと発覚する…

(上記あらすじは「Yahoo!TV」より引用)

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※キャスト

三澄ミコト … 石原さとみ

中堂 系 … 井浦新
久部六郎 … 窪田正孝
東海林 夕子 … 市川実日子
神倉保夫 … 松重豊
坂本 誠 … 飯尾和樹

末次康介 … 池田鉄洋
木林南雲 … 竜星涼

三澄夏代 … 薬師丸ひろ子
三澄秋彦 … 小笠原海

関谷聡史 … 福士誠治
宍戸理一 … 北村有起哉
毛利忠治 … 大倉孝二
向島 進 … 吉田ウーロン太

松村沙友理

※スタッフ

脚本 … 野木亜紀子
演出 … 塚原あゆ子、竹村謙太郎、村尾嘉昭
プロデュース … 新井順子、植田博樹
主題歌 … 米津玄師「Lemon」
音楽 … 得田真裕

コメント

  1. くう より:

    きこりさん
    >いや~新兄さんがいいよお~やっぱ惚れるわゞ( ̄∇ ̄;)ヲイヲイ

    静かに危ない男といえばARATA兄ぃだねぇ~。本領発揮だわ(笑)

    >そして中堂をこっち側に引きこむのではなく、すぐに中堂側に飛び込む決意をして
    向き合ったミコトが凛々しい。

    ミコト自身が取り込まれる可能性もあるしね。先が読めなくて面白い。

    毎回の事案も興味深いし、これは期待通りの逸品❤

  2. いや~新兄さんがいいよお~やっぱ惚れるわゞ( ̄∇ ̄;)ヲイヲイ
    この役をやってくれて良かった。
    そして中堂をこっち側に引きこむのではなく、すぐに中堂側に飛び込む決意をして
    向き合ったミコトが凛々しい。
    ますますおもしろくなっていくのう・・・

  3. アンナチュラル 第5話

    ミコト(石原さとみ)は、大林(竜星涼)の手引きで葬儀前の遺体を検案する中堂(井浦新)の様子を見ます。 そしてミコトは、中堂の過去に何があったのかを神倉(松重豊)に問い詰め、8年前に中堂が恋人の他殺体を解剖したことを知ります。 中堂の過去を知ったミコトは、彼の行動を理解しようと歩み寄って行きます。 坂本(飯尾和樹)が辞めたことで、中堂はミコトが率いる三澄班のサポートをすること…

  4. アンナチュラル 「盗まれたご遺体!?亡き妻は自殺か?他殺か…?」

    坂本(飯尾和樹)が辞めたことで、三澄班の記録員・久部(窪田正孝)が、ミコト(石原さとみ)の仕事だけで無く、中堂(井浦新)の仕事にまで加わることになり、完全な人手不足状態そんなUDIに担ぎ込まれたのは、鈴木巧(泉澤祐希)が、溺死した妻の解剖を依頼飛び込むところを見た人がいたため、警察には自殺と判定されたが、死ぬわけない。どうしても真相が知りたいと。ところが、それは、葬儀場から盗んだ遺体。あわや、執刀医のミコトは、遺体損害罪という大罪を犯していたことにでも、鈴木の情熱に負け、中堂のマンションに全員集合し…

  5. アンナチュラル 第5話「死の報復」

    アンナチュラルの第5話を見ました。 第5話 死の報復 坂本が辞めたことで、人材不足となったUDIはしばらくの間、中堂はミコトが率いる三澄班のサポートをすることになるのだった。 「クソッ、何で辞めたんだ、坂本は」 「何でって自業自得じゃん」 「解剖の目標件数割っちゃうかもね」 そんなある日、鈴木巧という人物がUDIに溺死した妻の解剖を依頼しにやって来る。 海に飛び込むとこ…

  6. 金曜ドラマ『アンナチュラル』 第5話

    『死の報復』「盗まれたご遺体!?亡き妻は自殺か?他殺か…?」 内容中堂(井浦新)の班の臨床検査技師・坂本(飯尾和樹)が辞めたため、三澄班の記録員・久部(窪田正孝)が、ミコト(石原さとみ)の仕事だけで無く、中堂の仕事にまで加わることになり、パンク状態。そこで神倉(松重豊)は、後任が見つかるまで、受け入れを少なくし、ミコトと中堂が共同で解剖を行うことを決めてしまう。そんななか、UDIラ…

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