でもさ。
遠く離れてると存在が薄くなるって感覚あるよね。
えっ?
時々ね、変な気持ちになる。
電話しないでメールとかだけ見てると「あれ?この人現実に存在したっけ?」みたいな気分になって。
勝手に殺さないであげて。
あ~生きてるのにすでに思い出みたいにしてたかも。
思い出?
遠くてきれいな思い出。
【女子的生活】第3話 感想
「電話しないでメールとかだけ見てると「あれ?この人現実に存在したっけ?」みたいな気分になって。」「あ~生きてるのにすでに思い出みたいにしてたかも。」
というの……とてもよく解る気がするなぁ。
最近は友達とのやり取りはほぼメールになり、私は電話は滅多に使わない。
現実に会っている友達はそこに居る感覚があるけれども、LINEやメールのやり取りだけだと付き合いはどんどんデジタル化していく。そうすると、生きている感覚が無くなる。
本当に存在する人なのか。
それは、向こうにとっての私もたぶん同じで。
付き合いが薄くなると、不安よりも安心感が出てくる。会わないで済む安心感。
両実家の関係など面倒なものほど、薄くなっていくことに安心感を覚える。
かくして、どんどん人づきあいが苦手になっていくのである。困った。いや、それほど困っていない事に困る(笑)
中の人特集
ディレクターがしつこい。
いや、君みたいに世間の偏見や差別に負けず強く生きてる人はね、視聴者に勇気と感動を与えると思うんですよ。
というか君にとってこの番組出演はね絶対にプラスになる!…んじゃないかなって僕は思ってる訳で。
君がこれから前を向いて生きていくために…。
実にもったいない!もったいない!
言葉がぺらっぺらに薄くて全然響いてこないんだけど、要は……。
見世物にしたい!
見世物にしたい!
見世物にしたい!
それがペラッペラに透けて見える、みき。
ヒジョウーーーに、クソマスコミ的に描いているけれども、これは今回の大きな壁で。
ディレクターの目的は「見世物」だが、みきが「今を楽しんで生きる」ための壁に背を向けて生きていることは事実なのだった。
たぶん、メールのやり取すらもせずに逃げたまま去ってきた故郷。
テレビに出るべき……とは思わないが、この壁を超えてきちんと向き合わなきゃ「存在していない人」になってしまう。
今回は、みきが壁と向き合い超えるための旅。
それを強要するんじゃなくて、心配してくれる同僚が居る会社。本当にいいなぁ。
自分は「何者」なのか
服のプリントデザイントラブル解消のために、故郷・香住の方まで出張しなくてはならなくなった みき。
デザイナーは、母親と2人暮らし。
あの子ね、大学出て就職したはいいけどすぐ体こわして辞めて、そのまま結婚もせずにだらだらしてるのよ。
でも良かったわ、ほんと。
これで誰に聞かれても「娘の仕事はデザイナーです」って言えるもの。
ほんと恥ずかしかったのよ。
親戚やご近所さんから「娘さん何しとんなるん?」って聞かれても答えられなくて。
あの子、家事もまともにできないから、まさにニートだったのねぇ!
ほんと、どれだけ私に恥をかかせるつもりかしら。
この、デザイナーの母の言動に、みきは自分の境遇を思い出す。
実家にいた頃、兄に恥ずかしい恥ずかしいと言われて小さくなっていた自分。
距離を置いてみたらいかがでしょうか?
私の友達が田舎に彼を置いて神戸に出てきたんです。
そしたら、お互い離れて暮らすうちにだんだん現実感が希薄になってきて不思議と彼がきれいに見えるようになってきたんですって。
生きているのに思い出みたいだって。
いい感情も悪い感情も近くにいるからこそだと思うんです。
実は私も家族とうまくいかない事があって…。
でも、そういう時って無理して一緒にいる必要ってないんじゃないかなぁって思って。
だから覚えておいてほしいんです。
距離を置くって事。
選択肢のひとつとして。
母親に頭を押さえつけられ支配されている彼女への同情と、自分を重ねてのアドバイス。
……でも……
みき、素敵!
とは、ならない展開。
ありがとうございます。
あの……
最後にひとつだけいいですか?
はい。
男の方…なんですよね?
えっ?あっ……はい。
あっ、やっぱり!
さすが都会って感じ!
都会だとこういうのも許されるんですね!
これ、イヤミや攻撃じゃなくて、天然で言っているからタチが悪い(笑)
私には、このデザイナーは母親に頭を押さえられているだけじゃなくて、自分から抜け出さなかった。甘えにも見えたな。
「こういうの」って何だ。
私はモノか。
ていうか許されるって誰に?何を?
頑張って下さいね!
逆に励まされる みき(笑)
バックに流れるカニのテーマソングがシュール(爆)
後藤
プンプンしながら電車を待っていると、なぜか後藤が登場。
何であんたいんの!?
えっ?いや~~かおりちゃんから聞いてさ。
今日お前が仕事で地元に行ったって。
何であんたが来たの?
えぇ~~…付き添い?
誰の?
お前の?
はぁ?意味分かんないんだけど。
うん、俺も正直よく分かんない。
後藤、最高かよ!
後藤はノーデリカシーなりに、みきを心配して、みきの実家との戦いを仲裁しに来たつもりなのだ。なんてイイ人!
しかし、みきは実家に帰るつもりも家族と会うつもりもなかった。
電車が止まって、駅で偶然父と会ってしまうまでは。
そして、
仲よくしてくれとるんだね。
ありがとね。
と言う父に、
とんでもないです。
俺の方こそ世話になりっぱなしで。
一緒に住まわせてもらったりとか、いろいろ。
と、早くも爆弾!
和解
父と話している最中、喫茶店に兄の敏生が飛びこんで来る。
実家の面倒くささは、父ではなくて兄にあったんだねぇ。
「一緒に暮らしている」とまた言ってしまって、ついに兄に殴られる後藤。
何回自爆すれば気が済むん(笑)
そんな格好でここら出歩いて、誰かに見られたらどうする気だ?
そんな姿、ここで見せるな!
地元のヤツらに知られてみろ。
お前のせいで俺たち家族は一生苦しむ事になるんだよ。
高校の時、お前がこうなんだって知ってどれだけ苦労したか……。
俺だって友達にバレたらどうしよう……おやじたちだって絶対近所にバレたらどうしようって悩んで苦しんでたんだよ。
お前分かってんのか!?
どうしてそんなに開き直って偉そうなんだよ!?
堂々とそんなちゃらちゃらした服着やがって。
そんなきらきらした爪しやがって!
そんな爪でどんな仕事ができるってんだ?
どうせろくな仕事なんかできやしないだろうけどな。
自分の事さえまともに受け止められずにそんなちゃらちゃらした格好に逃げ込んでるヤツなんかには!
今回の話は「肩書き」とか「見てくれ」とか「体裁」の話で。
それがそのまま存在感になってしまっているこの世界の話で。
ヒドイ話だ……とは思うのだけど、現実にたぶん、地方にいくほどそうなのだと思う。
「肩書き」がないと、自分の存在感が不安になるのは都市部でも同じ。だけれども、恐らく、その不安は地方の比ではなくて。
長男として土地に縛られて親や家を守ってきたこの兄としては、この土地に住めなくなるような噂が立てられたりすることは恐怖以外の何物でもないんだよね。
みきも、それは理解している。
理解しているからこそ距離を取ってきた。
どちらも苦しんできたんだろうなぁと思うと。何だかやるせない。
別に逃げてる訳じゃない。
私はこの格好が好き。
ファッションが好き。
だからこの仕事をしてるの。
だからこの服を着るの。
こういう格好をしてるの!別に逃げてる訳じゃない。
「好き」だけでは生きていけない兄にとっては、それは嫌悪であり羨望でもあるのだろう。
父は言ってくれた。
お前は不幸なんか?幹生。
いや、今は別に不幸って訳じゃ……。
幸せなんか?
はい。
ならいい。
おやじ、なに言ってんだよ!?
子供の幸せを願わん親なんておらん。
俺は俺の子供が不幸になってほしいとは思わん。
それはもちろん、お前も含めての事だ。
涙が出てきた。
お父さんの優しさに。親心に。
兄が言った通り、たぶん、父も悩んできただろう。
この土地で一生生きるなら。
やっぱり「人と違う事」は噂の種だから。
けれども、親にとってはそんな事よりも、もっともっと、子どもが幸せで、そして兄弟が仲良いことの方が大事なの。
幸せでいてほしいのよね。
お父さん……(泣)
と、いう視聴者の感動をぶった切る後藤……
よかったなぁ、小川。
言いたい事ちゃんと言えて、お兄さんとも仲直りできて。
よかったな!
後藤、お前は今まで目の前で何見てたんだYO!!
やっぱり、後藤、最高かよ(爆)
カニ
兄さんは、みきに蟹を送って来てくれた。
いや、やっぱりお兄さんもさ、何だかんだ言ってあの人はあの人なりにお前の事ちゃんと理解しようとしてんだよ、きっと。
違うね。
この爪で……食べてみせろって。
な~に言ってんだよ。
そんな事ないよ絶対!
俺はお兄さんのすっげえ「好き」って気持ち感じるぞ。
分かってないねぇ。嫌みなの絶対。
そういう人なの、昔から。あの人は。
メールじゃなくて、宅急便だよ。
「居る」んだよ。デジタルじゃない繋がり。
みきの爪がちゃらちゃらしていても、みきの側には、ちゃんと蟹の殻を取ってくれる後藤が居る。
みきの幸せは、多くのリアルな繋がりで形成されている。
お兄さんも、いい人だよ。
そう思った。
全4話。
来週で終わっちゃう。
寂しいわ。
無神経で子どもみたいで天然で、とびっきり男らしくて優しい後藤。
ここに町田啓太をキャスティングしたスタッフ、有能すぎるでしょ。
みきと後藤には、ずっと一緒に暮らしてほしいんだけどなぁ……。
最終回。どうなるか。
仕事のトラブルで故郷・香住に戻ることになった、みき(志尊淳)。トラブルは解消するも、その相手の家族関係に、かつての自分を重ね合わせ、ブルーになる。一方、みきが家族にカミングアウトしていないことをかおり(玉井詩織)から聞かされた後藤(町田啓太)は、みきのことを心配し、香住へ。みきと再会した後藤だったが、降雪で電車が不通になり立ち往生。
そんな時、みきは父・富生(本田博太郎)と偶然、出会ってしまう。
(上記あらすじは「Yahoo!TV」より引用)
※キャスト
小川みき … 志尊淳
後藤忠臣 … 町田啓太
かおり … 玉井詩織
仲村 … 玄理
ゆい … 小芝風花
板倉 … 羽場裕一
高山田(ミニーさん) … 中島広稀
ともちゃん … 西原さつき
銚子(テレビ神戸) … 夙川アトム
小川敏生 … 鈴木裕樹
小川富生 … 本田博太郎
柳原美穂 … 前田亜季
美穂の母 … 山村紅葉
鈴木慶一
楠見薫
小松健悦
土村芳
山口翔悟
※スタッフ
脚本 … 坂口理子
演出 … 新田真三、中野亮平
プロデュース … 木村明広
制作統括 – 三鬼一希
音楽 … 鈴木慶一
原作 … 坂木司『女子的生活』
トランスジェンダー指導 … 西原さつき
コメント
紫花浜匙さん
>客観的には見れるけど、自分の息子や娘がトランスジェンダーだったら、
私は背中を押してあげられる親になれたかな。
私は無理だと思うな。
自分の世間体なんて年々どうでも良くなっていくけれども、親の願いはやはり「社会から迫害されない事」。
それが幸せだと思ってしまうよねぇ。
だから、このお父さんを尊敬する。
幸せならそれでいいんだと思えるようになろう。
>町田啓太は、2枚目も3枚目も、気持ち良く演じてくれるね〜
私が町田くんを認識したのは「花アン」からなんだけれども、見るたびに上手くなるなぁと思うわ~。
そして後藤は最高だよ。
もう他の役者では考えられない!
このドラマのせいで町田くんの過去作まで掘り起こしそうな勢いのファンになりそう(笑)
最終話、まだ見れてないんだけど、見たら終わっちゃうから悩んでる(笑)
録画した本編を見る前に、くうさんのレヴュー先に読んでそして涙が込み上げて来ました。^^;。
都会の小洒落た生活だけを取り上げるでなく、故郷の場面は足に絡まる様なしがらみ。
頑張らなければいけない生活から抜け出す為に、好きな道を選んだのに、
やっぱり頑張ってる様に見られてしまうのね。
客観的には見れるけど、自分の息子や娘がトランスジェンダーだったら、
私は背中を押してあげられる親になれたかな。
理解するのには、やっぱり時間がいるだろうな。
その子のせいじゃないのは解っているから、自分を責めるのかな。
と、重くなる気持ちを後藤が一蹴してしまう。
町田啓太は、2枚目も3枚目も、気持ち良く演じてくれるね〜。
くうさんのレヴューを先に見てたから、お兄さんの宅急便の宛名が気になってたの。
宛名が「小川」だけで、ミキでも幹生でもなかった所に、
お兄さんの認めようかな、認めようかな・・・な悩ましい気持ちが感じられた。
全4話なんて、短過ぎ!
町田啓太は、2枚目も3枚目も出来て良いね。
女子的生活 第3話
みき(志尊淳)は仕事のトラブル処理のため、地元の兵庫・香住へ仕事を終えて、帰ろうとした、みきは、父・富生(本田博太郎)、ならびに兄と再会。みきが家族に‘カミングアウト’していないとかおり(玉井詩織)から聞かされた後藤(町田啓太)は、みきを気に掛けて、駆けつけてくれます。紆余曲折あれど、父が認めてくれてヨカッタですね。兄も葛藤しつつ、距離感を工夫。ビターだったけれど、実りある帰省に思われました。 (ストーリー)みき(志尊淳)は仕事のトラブル処理のため、地元の兵庫・香住へ。みきが家族に‘カミ…