自分のための忘備録的記事です。
サブタイトルはシンプルに「春の特別編」。
最近は時間延長したり、細々とショートショートストーリーを入れ込んだり、色んな手法を使っている世にきみょだけれども、今回は作品数もシンプルに4作。ジックリ作った感じがある。
一番良かったのは、それぞれの作品に本当に合った「この作品でこの役者の演技が見たい」と思えるキャスティングだったこと。
テーマは「夢」ね。
では、簡単感想で。
※以下は完全ネタバレ感想なので、これから見る方は注意っっっ!
全て簡単感想のみで。
土曜プレミアム 世にも奇妙な物語 ’16 春の特別編
『美人税』
財政が逼迫する中、日本政府は「美人税」を導入する。
美しい愛子(佐々木希)の美人税は20%と高額。
「美人税」が思わぬ事態を次々と巻き起こしていくのだった…。
(あらすじは「Yahoo!テレビ」より引用)
「美人」だとマシーンが判定すると美人度によって課税されるという…
差別だとか蔑視だとか何とかハラスメントだとか当然視聴者も騒ぐわけだが、実際に美しくて得している人はたくさんいるのだから、人生で得した分を多く払っていただきましょう…という発想には女性は結局それほど声を荒げない。
「美人」の判定に自分が漏れるのは不快だけれども、その分色々と安いと思えばちょっと腑に落ちる。そういう人間の心理を掴む。上手く出来ている。
けれども、やっぱり「美人」と言われて愛されたい!
と言う心理を満足させる美人基準の変革。
それを操作しているのは国策を仕込まれたマスメディアと…
とことん上手く出来ている。
知らず知らず国策に翻弄されるステレオタイプな「美人」の役に佐々木希さん。
ピッタリだったし、上手くなったね。
※キャスト
貴島愛子 … 佐々木希
野々村健一 … 浦井健治
田島麗子 … 中村アン
古参囚人 … 杉本彩
※スタッフ
脚本 … 高山直也
原案 … 加藤公平
演出 … 西坂瑞城
『夢見る機械』
野間崎健二(窪田正孝)は漫画家になる夢を抱きながら作品を描き続けているがなかなか認められない青年。
いつものように母親と言い争った際、驚きの事実が明らかに!
(あらすじは「Yahoo!テレビ」より引用)
お父さんもお母さんもロボットになっちゃって、あらあら、結局自分もロボットでしたっていうよくあるパターンのオチかと思ったら、現実に失望した人たちが夢の中で夢を実現している間、世の中にはコピーロボットが代わりに活動してくれているという話。
こんな精度の低いコピーじゃ、すぐにロボットだとバレるだろ?と思うけれども、まぁ、安心。だってみんなロボットだから誰にバレるってこともない~~。ええぇぇぇ……。
お母さんもお父さんも現実が嫌になって映画みたいな夢の世界に逃避している。
彼女も幸せそうなユートピアに逃げ込んでいる。
これって結局、自分の存在が周りの人たちにとってちっとも癒しにも生きる希望にもなっていないってことで、複雑な心境だよね。
みんな、彼が生きている世界に価値を感じていないということで、つまり彼の存在全否定だよね。
人間って自分は「死んでしまいたい」とか「こんな世界は嫌だ」とか思うけれども、周りの人間が世界を捨てていくことにはショックを感じるのよね。勝手な生き物だ。
たぶん、みんながお互いの存在に感謝して思いやりを持って生きればこんな事にならないのだろうが、そんな風になっていない…という、有りえない設定だけれどもリアルなストーリーなのだった。
飛んでいく赤い風船に、子どもすら現実よりもユートピアを選んでしまう世の中に絶望を見たね。
SFでは有りがちな話ではあるけれども、不気味な演出が素晴らしく、何よりも窪田正孝の演技を堪能できる一本だった。
※キャスト
野間崎健二 … 窪田正孝
稲葉慶子 … 石橋杏奈
理事長 … 山路和弘
受付嬢 … すみれ
野間崎六郎 … 小野了
野間崎直美 … 船木幸
※スタッフ
脚本 … 高山直也
原作 … 諸星大二郎「夢みる機械」
演出 … 松木創
『通いの軍隊』
前島啓一郎(西島秀俊)が住む日本では、「ニュー・イバラキ」が日本からの独立を宣言し政府軍との戦いが続けられている。
前島が勤める会社が納品したライフルに不具合があり謝りに行くと、そこはサラリーマン化した戦場。
前島を驚くべき結末が待っていた…。
(あらすじは「Yahoo!テレビ」より引用)
こんなオドオドしたニシジは久しぶりに見たかもーーー!!
最近、何に出ていても真実を追い求めていて、ちょっと…MOZU過ぎるし。
この西島さんはラ王食べたそうな感じが新鮮だったわ~(爆)
世にきみょらしい、ナンセンス枠。
原作は筒井康隆で演出が佐藤祐市監督という豪華な組み合わせ。
戦争に行くっていうのに9時5時で通いとか「みんなでワイワイやってます」とか、チョーー軽い。
全然戦争感はないけれども、でも死ぬんだよね…。
戦争を知らない世代の命の重さが解らないまま消えていく感覚。
本当に死が隣に訪れてからじゃなきゃ実感できないノンキさ。
命の問題を描いているという部分もあり、また、会社のために死んでいく企業戦士への揶揄でもあり…。
子供が出来たことを打ち明けた途端に死んでしまう夫婦もな…
思う存分に働けなくなった事に対する戸惑いや、それを察して絶望した妻、みたいにも見えるよね。
※キャスト
前島啓一郎 … 西島秀俊
前島唯 … 中村優子
森内 … マギー
※スタッフ
脚本 … 徳尾浩司
原作 … 筒井康隆 「通いの軍隊」
演出 … 佐藤祐市
『クイズのおっさん』
古賀三郎(高橋一生)はクイズ番組に出演する。
クイズで優勝した三郎に与えられた賞品は、優勝賞金100万円そして「クイズ1年分」。
翌日からクイズを出題するナゾのおっさん(松重豊)が現れる。
(あらすじは「Yahoo!テレビ」より引用)
もうーーーとにかく一生が可愛いーーー可愛いーーー!!
からのーーおっさーーーん!!な話だった…何のことだ…。
クイズ王として優勝し、賞金100万円と副賞を手にしたものの、それは実生活には何の潤いも持たらさなかった。
職場では営業成績上がらず、虐められ、「クイズ王」と馬鹿にされる。
資格になるわけでもなく、転職にも何のメリットもないクイズ王。
しかし、副賞「クイズ1年分」として現れたクイズのおっさんとの共同生活が癒しになっていくんだね。
初めてのおっさんとの出会い…
雨に濡れるおっさんを部屋に上げてあげた時。
おっさんがボッたくりBARに助けに来てくれた時。
一緒に囲んだテーブル。合鍵。
おっさんがくれた数々のクイズとその意味。
それがラストにテレビで見ているクイズ王決定戦の副賞として読み上げられる「クイズ1年分」……僕のおっさんが新しいクイズ王に奪われてしまう!!
いや~~すごい。
たったこれだけの時間で2人のキャラ付けがシッカリ行われ、たったこれだけの時間でたっぷり1年分の思い出をインプットされ、こんなにも愛おしく切なく感じるラスト…。
おっさん@松重さんと、一生のお芝居の素晴らしさね。
人間と世界に絶望する「夢見る機械」とは対極の人間賛歌だなぁ。
彼は、この後またクイズ王に挑戦するね。
おっさんとの友情をただの思い出にしないために。
※キャスト
古賀三郎 … 高橋一生
おっさん … 松重豊
森本ゆみ … 藤本泉
クイズ司会者 … 福澤朗 :
※スタッフ
脚本 … 宇山佳佑
原作 … 竹本友二「おっさんの宴」
演出 … 石川淳一
※ストーリーテラー … タモリ
プロデューサー … 永井麗子
アソシエイトプロデュース … 小椋久雄
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個人的VIPは『クイズのおっさん』。
上にも書いたけれども、ショートストーリーとしてとてもまとまっていたと思うのだ。
まとまっていただけでは無くて、この後に広がる余韻がある。
この後の世界を想像する楽しみがある。
他の3作も、とても好き。
今回は本当に役者さんの演技を思い切り楽しめる構成だった。
そして、4作ともちょっと現代社会に対して物申す的なストーリーだった。
奇妙な世界に見せつつ、リアルな世界を揶揄する…。
面白かった。
みんな「夢みる機械」なEDも楽しめた。
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コメント
バランス良く、楽しめた 奇妙な物語
SPドラマ「世にも奇妙な物語 16春の特別編」を見ました。
28日 フジにて9時からやってました
恒例な世にも~ですね
今回はどれも楽しめたかな
どれもタイプの違う作品でバランスが良く
「美人税」はコメディとして軽く見れて楽しいし、「夢みる機械」の怖さ スリル感も…
土曜プレミアム『世にも奇妙な物語’16春の特別編』
今回は、こんなストーリーを、この役者さんで… って感じで、どれも面白かったです。
特に『通いの軍隊』… 「ノー残業デー」とか、“ニュー・イバラキ”だの、軍隊を徹底的に軽くコミカルに描き、西島秀俊が演じた原作は、筒井康隆の原作だったのですね。ちょっと感心…
最初の『美人税』は、佐々木希、という素材を最大限に活かしてる気がしたし、展開もオチもコミカルで、コミックか、ショートショート・…
世にも奇妙な物語’16 春の特別編
恒例の世にも奇妙な物語、
そういえば春の特別編、まだやってなかったね。
すっかり夏のような暑い日が増えてきたのに。
今回は面白いストーリーが多かったと思います。
ただ、最近フジテレビの番組が視聴率で苦戦しているためか、
ストーリーが終わっても次のストーリーをすぐ始めたり、
ラストでNGを流したり、いろいろ工夫しているようでしたが、
ストーリーが終わったらやはりいったんCMを流して、
心の切り…
世にも奇妙な物語’16春の特別編『通いの軍隊』
筒井康隆の小説「通いの軍隊」を西島秀俊主演でドラマ化。
会社に出社するかのように軍隊に“通勤”し、午前9時から午後5時の間戦争をしているというドラマ世界・・・・。
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前島啓一郎(西島秀俊)は、会社のクレーム処理がきっかけで戦争に参加するようになった。
5時のチャイムと共に戦闘が終わる様は滑稽で面白い。
戦争を徹底的にお気楽に描いている。
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残業をすることになった…
土曜プレミアム『世にも奇妙な物語’16春の特別編』
『美人税』内容美人には“美人税”が課税されることに。街での買い物だけで無く、給料まで課税されるのだ。。当初は、差別と反対の声もあったが、徐々に好意的な声が多くなっていく。“美人税20%”の貴島愛子(佐々木希)は、嫌な気持ちだったが。…