もっともらしい顔して会議なんかしたって、そこで話す建て前に一体何がある。
本音っていうのはな、あんなところじゃ出ないんだよ。
金が欲しい。ポストが欲しい。あいつが邪魔だ。こいつに褒められたい。
あんなやつより俺の方がずっとずっと仕事ができる。
俺はな、愚痴や噂話や、会議室なんかじゃ絶対に見せない本物の気持ちを拾って、
それをあっちこっち繋いで、そうやってここまで生き延びてきたんだ。
七つの会議 第2話
あらすじ拾いつつの簡単感想で。
弁護士・加瀬の質問から始まる冒頭シーン。
佐野健一郎さん。ご存じですよね?
…はい。
カスタマー室の室長です。
顧客からのクレームを処理…というか、握り潰すのが彼の仕事です。
あなたと佐野さんは、同じ頃、前課長・坂戸さん更迭の裏には何かが隠されていると
気付き始めた。
この佐野健一郎…サノケン登場からいきなり面白くなった今回…。
サノケンは…いや、佐野室長は秘密を暴く事に闘志を燃やしていました。
社内政治家…と呼ばれていたようですね。
情報は彼の命です。
どの部署にも腹心がいて何でも握ってるんです。
誰についたら得か、何をしたら損か、その流れを読むだけで営業部の次長まで
異例のスピードでたどりついた人でした。
サノケンが、原島が気づいたトーメイテックのネジの件に辿り着いた切っ掛けは
1件のクレームからだった。
自社製品のパソコンチェア「リラクーン」の背もたれに体重をかけたところ、
背もたれが壊れたというクレームを受けた事を佐野は会議で発表した。
もっとも、この破損は通常使用によって起きた破損とは言い難く、顧客側に問題がある
と推測されるものである事は確か。
しかし、原島はカンづく。
ネジが折れたのだと。
原島は顧客の元を訪ねて破損の状況を調べる。
そして、佐野の方は、原島がクレームを調べている事を知った。
この前、原島課長からこれまでのクレームについてリストがあったら見せてほしいって
言われまして。
見せたのか?
いや~全部じゃありません。
ネジに関してだけ。
ネジ?
資材調達の参考にしたいからと言われまして…。
佐野はまず営業一課の社員から、課長が原島になった途端にネジの転注をした事を知る。
まあ、上に立つと色々こう…やりたくなるんだろうさ。
前任とは違うってとこ見せたくて。
…にしたって、何で今やらなきゃなんないんですか?
トーメイテックだって…ああ、切られた会社ですけど。
いい迷惑ですよ。
一方、原島は開発室の奈倉に製品の破損原因について聞き込みをしていた。
やっぱりネジでした。
そうか…。
椅子本体の製造は2年前の2月。
壊れたのは設計ミスでも使用者のせいでもありません。
背もたれを留めていたネジの強度不足が原因です。
ところが、同じ製品でも2年前より以前のものは全て規定を満たしているんです。
つまり…不良品はこの2年間に集中してるという事か。
つまり、それらは前任の坂戸がトーメイテックに依頼したネジであった。
同じ会社で作られたネジ全部、調べた方がいいかもしれません。
他にもあるって事か?ああ…それは調べないと。
ですが、そのためにはサンプルが必要です。
工場はどこだ?
高崎です。
しかし部品は厳重に管理されている。
ネジを調べている事が大っぴらになるのも困る。
手に入れる手段に迷う原島。
そんな原島にアドバイスを与えてきたのは、意外にも佐野だった。
工場、行きたいんだろ?
製造過程を見たいっていう顧客はいっぱいいる。
特に新規だ。
そいつら連れて見学に行けば、お前は堂々と工場へ踏み込める。
工場の連中はギャラリーがいれば張り切る。
この工場見学の企画をカスタマー室で立ててもらえないかと原島は佐野に頼み、
佐野はそれを引き受けた。
もっとも、佐野には佐野の狙いがある。
カスタマー室で、部下に指示する佐野。
原島が一課長になった。
その途端、強引な転注で下請けが切られた。
ポイントはネジだ!
原島は見学にかこつけて、あそこで何かするつもりだ。
何かって…何ですか?
それをつかむんだよ!
うまくすれば営業部全体を手玉に取れる。
でかい切り札が手に入る。
かくして工場見学は実現し、原島は問題のネジを手に入れる。
佐野もネジに何があったのか大よそ見当がつき始めた。
開発室に2人で行くことになる原島と佐野。
開発室の名倉はすぐにデータを調べてくれた。
お二人から預かったネジは全て精査しました。
ネジの種類は 全部で32種類。
問題の「リラクーン」のネジはトーメイテック製造のサンプル5本全て強度不足でした。
強度不足?
そうか…。
トーメイテックは強度不足のネジを大量に売ってた。
はっ…なるほど。右肩上がりの秘密はそれか。
会社が隠蔽していた「秘密」の内容にやっと合点がいく佐野。
思わず笑ってしまう佐野と対照的に、名倉の顔付は深刻だった。
どうした?
椅子ぐらいどうにかなるだろう。
そうですね。
パソコン用チェアなんて、大した事じゃないかもしれません。
ほかのネジの結果は?
32種類のネジのうち、今回のテストで規格を満たしていたのは1/3の10種類。
あとの22種類はサンプルが全て不良品か一部不良品という結果でした。
特に問題なのはこの3つです。
印をつけた製品番号を指し示す名倉。
これらは全て……合金で出来た特殊ネジです。
どんなネジだ?
おい、言え。
R始まりの製造番号か。
R?
Rは…椅子です。
…列車のシートです。
列車だけじゃない。
航空機用にも使われています。
目を見張る2人。
何だと?
世界中の高速鉄道や航空機に搭載された東京建電のシートが全て強度不足に
なっている可能性があります。
これをリコールしたら…うちの会社なんてひとたまりもありません…。
帰り道、2人の口は重かった。
どうします?…報告しますか?この事…。
報告?
佐野は笑い出す。
フッ…フフフフフ…。
どこへ?
ぞっとした…。
先週、三沢が行ったネジ強度のテストで、ポキンと折れたネジ。
あれが、こんな大事に繋がって来るとは思いもしなかった。
報告…してよ。
リコールしてよ!
会社なんかよりも人命だろうよ。
列車や航空機で事故が起きたら、どんな事になるのか解ってるの?
…と、思いながら見ていた。
しかし…
その後、原島が三沢の工場を訪れるシーンで気づいた事もある…。
以前の取引先で折れたネジについては何も言わない。
自分は自分に出来る最高の仕事をする。
と言ってくれた三沢。
東京建電が潰れたら、こういう下請け会社も連鎖して倒産してしまうんだね。
そう考えると、正義だけが全てを救うとも言い切れない。
北川部長あてにこの件についての投書を送ってきた佐野。
部長は全て知っていた。
2年前、坂戸は営業ノルマを達成するためコストダウンを優先し強度不足のネジを
そうと分かって受け入れた。
トーメイテックという会社で大量に作られたネジは鉄道や航空機用シートの製造に
使用され、納品された。
それは…部長の指示で?
違う。
部長この事…。
知ってたらもっと早く手を打った。
最初に気付いたのはハッカクだ。
半年前から少しずつ裏付けを取り、坂戸に確かめた。
坂戸は不正を認めた。
どうせ部長が坂戸に指示した上で尻拭いまで押し付けたんだろ…。
と、思ったけれども、人命にも関わる大きな不正だ。
大事故でも起きて発覚したら、それこそ頭を下げるくらいじゃ済まない。
また、リコールするような事になれば、それも会社の危機だ。
そう考えると…やっぱりこれは坂戸の独断なんだろうか。
どうしてこんな大それた事を……。
パワハラをでっち上げ、現在は休職させているらしい坂戸。
原島は北川に命令されるのだった。
佐野を説得しろ。
これ以上、つまらない脅しはするなと。
なぜ私が?
一課長だろう。
前任の不祥事を知った以上事態の収拾を図るのはお前の役目だ。
隠蔽に加担しろ…という事ですか?
ほかに何がある?
本件が表沙汰になればうちの会社は生き残れない。
その時は全社員が路頭に迷うんだぞ!
自分が一課長になったのは、この事が発覚しても、問題起こさなそうだから。
言われた通りに隠蔽に加担するに決まっているから。
もし何かあっても首を挿げ替えやすいから…。
情けない思いで佐野に会う原島。
佐野は言う。
北川と稲葉には辞任してもらう。
第三者委員会の設置と北川、稲葉の更迭。
それ以外の譲歩は受け付けない。
帰ってあいつらに伝えろ。
そんな事はしかるべき会議の場で言えという原島を佐野は笑う。
会議!
もっともらしい顔して会議なんかしたって、そこで話す建て前に一体何がある。
本音っていうのはな、あんなところじゃ出ないんだよ。
金が欲しい。ポストが欲しい。あいつが邪魔だ。こいつに褒められたい。
あんなやつより俺の方がずっとずっと仕事ができる。
俺はな、愚痴や噂話や、会議室なんかじゃ絶対に見せない本物の気持ちを拾って、
それをあっちこっち繋いで、そうやってここまで生き延びてきたんだ。
北川の手先になって動く、いくらでも代わりがいる強度が足らない不良品のネジ…。
佐野からそう言われる原島。
また、佐野は告発文を社長にも送っていると告白。
社長は東京建電のたたき上げだ。
うちがメーカーである事に心から誇りを持っている。
あの社長が北川と稲葉の隠蔽工作を知ったら…
どうなるかな?
原島が慌てて会社に連絡を入れた時、北川と稲葉はすでに社長に呼び出されていた。
そして、社長の口から2人にお達しが下る。
この件、隠蔽せよ。
結局…。
みんな我が身が可愛い。
事故が起こらなければ、上手く行けばネジの強度の件は発覚せず、ずっと会社は安泰だ。
それよりも、身分や立場が壊されるのが恐い。
「清廉潔白」だと言われた社長の口から出る「隠蔽せよ」の絶望感…。
綺麗な人間なんて、どこにもいないのか…。
前回のボンヤリした感じが嘘のように、面白かった!!
これは、すごいドラマだ。
先週はボンヤリして感じたインスト…のようなEDも、今回は何故か神がかって見える。
あと2話かぁ…。
この件、どういう方向に行くのか楽しみだ。
原島(東山紀之)は、製品用ねじが強度不足で折れる瞬間を見て、前課長・坂戸
(眞島秀和)更迭の裏側に何かが隠されているのではと考え、真実を探り始める。
坂戸が課長のころに発注されていたねじを入手しようと、カスタマーセンター室長
・佐野(豊原功補)と共謀し、高崎工場への顧客見学ツアーを企画。
やがて、ねじにまつわる恐るべき真実が明らかになる。だが、報告を受けた宮野社長(長塚京三)の指示は意外なものだった…。
(上記あらすじは「Yahoo!TV」より引用)
よろしければ→【2013年7月期・夏クールドラマ】ラインナップ一覧とキャスト表
※キャスト
原島万二 … 東山紀之
八角民夫 … 吉田鋼太郎
坂戸宣彦 … 眞島秀和
原島江利子 … 戸田菜穂
佐伯浩光 … 田口淳之介
加瀬孝毅 … 堀部圭亮
新田雄介 … 山崎樹範
浜本優衣 … 村川絵梨
川上省造 … 矢島健一
三沢逸郎 … 甲本雅裕
三沢奈々子 … 遊井亮子
加茂田久司 … 野間口徹
稲葉要 … 中村育二
佐野健一郎 … 豊原功補
奈倉明 … 戸次重幸
梨田元就 … 神保悟志
原島の父 … 竜雷太
北川誠 … 石橋凌
宮野和弘 … 長塚京三
※スタッフ
脚本 … 宮村優子
制作統括 … 谷口卓敬
演出 … 堀切園健太郎
音楽 … 横山克
原作 … 池井戸潤 『七つの会議』
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コメント
七つの会議 TOP
『七つの会議』は、2013年7月13日から、毎週土曜日21:00 – 21:58に、NHK総合で放送中。東山紀之主演。全4回予定。 概要 大手電機メーカーの下請け子会社を舞台に「内部告発」をテーマとし
NHK「七つの会議」第2話★社内政治家・佐野(豊原功補)と強度不足のネジ
NHK「七つの会議」第2話
二度と戻れない〜工場ツアーで真実に迫れ
痺れる!!
ストーリー、キャスト、映像などどれを取っても圧倒的なクオリティ!!
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御前会議で、パソコ…
NHK土曜ドラマ『七つの会議』 第2回
『二度と戻れない』
内容
坂戸(眞島秀和)の更迭で、課長となった原島(東山紀之)は、
北川部長(石橋凌)の指示で、特殊なネジの発注し直しを命じられる。
坂戸が契約を切った会