「無風地帯」
待ちに待った「深夜食堂」の後枠、深夜ドラマ。
堤監督のドラマは「SPEC」以来？
脚本家の顔ぶれも楽しそう。
「家族八景 Nanase,Telepathy Girl’s Ballad」第1話
簡単感想で。
「私は人の心が読める家政婦」
火田七瀬は、人の心が読めてしまう能力者である。
今回、七瀬が勤めることになったのは、尾形家。
玄関に出てきた奥様は、美しくて上品そうで、しとやかな着物姿。
しかし、七瀬を見ての第一声は
本当に、本当に上がる一方ですわね。税金。
どこか、抜けている感じ。
心を読むとき、その人がどう見えるか。
それはその家によって様々だ。
この家では、心を読む瞬間、その人の姿は裸に見えるようだった。
帰ってきた旦那様は、会って来た愛人の事ばかり考えている。
帰宅が遅い娘の事は、頭の中では怒っていても
「ここは りかいある おやのふりをしなければ」
と、
ところで、調子はどうだ？あ～…サークルの～。
などと上辺の事しか言えない。
娘はと言えば、遅くなった事への言い訳と、会って来たばかりの
先輩・木田の事しか考えていない。
七瀬に対しては
七瀬ちゃんかぁ・・・じゃぁ、「ななちゃん」でいいかな。
と、言いつつも
「よかった このことはなしてれば いいわけしなくてすむかも」
である。おまけに、七瀬を見ては
「でも むねはちいさい。そして むねはちいさい。」
と、余計なお世話。
「まぐわったな きだと」
「きだくんのふとい ふとい きだ」
太い…木田…
思わず声に出てしまい、はっとする両親を前に
太い………ぎだーも弾けないのよ。木田さん。
「ぎだー ぎたー これは くるしい…」
長男は長男で、愛人と「まぐわって」きた事ばかりを考えている。
しかも、その相手は、「節子」であり、七瀬が見る残像は、父親の愛人と同一人物なのだった。
しかし、そんな家族の会話を耳にしながら、奥様の考えている事は、ずっと
家事の事ばかりなのだ。
「あしたはあさいちで ごみをださなきゃ あさごはんは あじのひらきと
あさりのみそしると めだまやき」
翌日の食卓でも、家族の頭は「まぐわい」の事ばかり。
そして、奥様の頭は家事の事ばかり。
七瀬は、ついにキレる。
この家は・・・ひどい！
見せかけだけの平和なんて…破壊した方がマシだ！
さり気なく長男の恋人と旦那様の愛人が同じ名だという事をほのめかすと、
「なに いいだすんだ この おしゃべりおんな」
と、七瀬を追い出そうとし始めた長男は、母親の財布から1万円を抜いて、
七瀬がやったと嘘の告げ口をするのだった。
七瀬は、長男の残像から、それを読み取ってしまう。
しかし、その直後に廊下で出会った奥様は
ななちゃん、明日の朝はゴミをまとめておいてね。
と、穏やかに言うのみ。
頭の中は相変わらず
「これで あしたは なまごみなまごめなまたまご あとは ねるまえに
あいろん びろろん じんじょろげ」
なのだ。
七瀬が財布からお金を盗った事にされてから3日経っても、クビのお沙汰は無かった。
この人・・・家事の事ばかり考えてる。
こんな人、初めてだ。
しかし、ついに奥様は、七瀬に言うのだった。
知り合いの家で家政婦を探しているから、そっちに行ってくれないか、と。
七瀬は、奥様の顔をじっと見た。
「よるは なす ぴーまん せんぎり…」
この人、本心が解らない。
「ついでに しんぶんやさん ゆーびんやさん すいどうやさん がす・・・」
奥様の目から、涙がこぼれた。
えっ。
本心をあたしから読まれないように隠してる？
あなたも能力を持っているの？
「やらなきゃ たくさん やらなきゃ いそがしいいそがしいいそがしい…」
だから、心を読まれないように家事の事だけを考えているの？
もし、そうなら返事して！心で返事して！
奥様は返事せず立ち上がった。
部屋を出ながら、振り向いて語りかける。
ななちゃん…
この家は…ずいぶんと疲れたでしょう？
七瀬は、荷物を持って尾形家を出た。
どうぞ、いつまでもお芝居を続けてください。
いつまでも、家族サーカスをお続けなさい。
悪夢のようですが・・・
元々、筒井康隆の原作が悪夢のようなので、これでいいのです。
へらっ、と笑わせて、ゾクっと落とす…
その按配が素晴らしいのでした。
実は原作は、すっごい昔に読んで、すでに記憶に薄いのです。
しかし、まるで記憶を掘り起こすように再現されていた気がします。
この機会にまた読み直してみよう。
心の声が、ちょっと実際の声よりも捻じれている感じがホラーちっく。
しかし、言ってる事は、ちょっとコメディ。
うすら寒い…
こんな家族の心の声を聞きながら、ずっとここに住み続ける奥様よりも、
移動できる七瀬の方がずっと幸せというものでしょう。
しかし、家族って実際こんなもんだよ、たぶん。
・・・と思ってしまうって事は、ウチの家族もこんなもんって事だからなのかも。
家庭の問題は難しい。
たぶん、破壊した方が、本質が見える事もある。
先日見たばかりの「紀子の食卓」
が、ちょっと頭に浮かんだ。
来週のキャストは
田山涼成、佐藤寛子、須賀健太、池澤 巧、千葉雅子、正名僕蔵
どんな悪夢っぷりを見せてくれるのか楽しみ。
※キャスト
火田七瀬 … 木南晴夏
第1話
尾形咲子 … 葉山レイコ
尾形叡子 … 水崎綾女
尾形潤一 … 木村了
尾形久国 … 西岡徳馬
節子 … 星野あかり
木田 … 栗城秀
※スタッフ
原作:筒井康隆
脚本:佐藤二朗
監督:堤幸彦
コメント
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> やっと見られたよ～
そっちでも始まったんだよねー(^^)/
「深夜食堂」の時よりも始まるの早い気がする。
> 原作は大好きだから何度も読んだよ。
> わたしゃ、ちょっと１回目ではまだ乗りきれてないけど、木南晴夏さんの七瀬はすごくいい感じ。
> 原作だと、もっと硬質な美しい少女を想像してたけど、木南さんの七瀬もユニークでおもしろいわ～
原作だと、もっと大人しい感じかな…
でも、私、原作が結構抜けてるんだよね。
１話目は原作でも１話目だよね。
> 現代を舞台にしているのかと思ったら、しっかり昭和なのも良かった（笑
> ２回目がいろんな意味で楽しみ(pﾟ∀ﾟq)
２話目も面白かったよ^^
お楽しみにーー！
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やっと見られたよ～
原作は大好きだから何度も読んだよ。
わたしゃ、ちょっと１回目ではまだ乗りきれてないけど、木南晴夏さんの七瀬はすごくいい感じ。
原作だと、もっと硬質な美しい少女を想像してたけど、木南さんの七瀬もユニークでおもしろいわ～
現代を舞台にしているのかと思ったら、しっかり昭和なのも良かった（笑
２回目がいろんな意味で楽しみ(pﾟ∀ﾟq)
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良かったですねー（⌒▽⌒）
やっと始まった今期最後の連ドラ。(あ、TBS金曜深夜が後か)
これを楽しみにしていたじいやが喜んでくれて、私も嬉しうございます(;_:)
私もスバラシイスバラシイと叫んでいましたので、心を読まれても
全然大丈夫です。
原作者の作風に堤監督の映像はピッタリだと私は予想し、その通りになったと思います^^
> ちなみに七瀬はこの話ではつぼみですが
> 最終話では開花寸前になるので
> 木南晴夏のバストも膨らんでいくのだなあと
> うっとりと妄想もしておりますぞ。
原作をけっこう忘れちゃっているのですよー。
本を探したのですが、棚がメチャメチャすぎて見つからず・・・^^;
買い直そうかと思っています。
それくらいの価値がある本です。
木南ちゃんの開花寸前を楽しみに見ていきたいです。
脚本家さんがちょろちょろ変わるようなので、そこだけがちょっと心配…
な気もしますが…おそらく大丈夫でありましょう。
次も、うひぉぉぉぉぉと、楽しみに待ちますわ～♪
よく分からない事を言っちゃった
「二日酔いには、岡崎の 八丁味噌が効く」「二日酔いと掛けて 高級な金の靴下と 解
よく分からない事を言っちゃった
「二日酔いには、岡崎の八丁味噌が効く」「二日酔いと掛けて高級な金の靴下と解く、その心は」「はきたい」そう言えば、ねづっち消えたなＳＰＥＣ堤幸彦最新作心が読めるＳＰＥＣを…
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もちろん・・・キッドは七瀬の崇拝者なので
もうひれ伏すしかないのですな。
スバラシイ、スバラシイ、スバラシイと
讃嘆の声で心はいっぱいですから
読心されても大丈夫なのでございます。
もちろん・・・「ふしだらな遊び方」という
原作の上品な表現がドラマでは「マグワイ」と化すのは
21世紀だからな・・・とスルーできるのです。
とにかく・・・尾形家・・・特に女性陣は
もう・・・原作通りの具象化。
ちなみに七瀬はこの話ではつぼみですが
最終話では開花寸前になるので
木南晴夏のバストも膨らんでいくのだなあと
うっとりと妄想もしておりますぞ。
映像化になると
やはり・・・七瀬視点に引きずられて
全員が七瀬的な演技になってしまうパターンとなり
尾形夫人が一瞬・・・正体をみせたように
見えたりするのですが・・・
それはすべて七瀬の心の眼が見ている光景なのですな。
そういう一点だけでもじいめは
うっひょおおおおおーーーっでございます。
うっひょおおおおおーーーなのですぞ～。
本心の裏側の心象の地平線の向こう側の意識に佇む乙女（木南晴夏）
ついに木南晴夏版火田七瀬がお目見えである。 MBS系では先行1月19日オンエアであり、TBS系は5日も待たされてしまったのだ。 東京が後・・・ってある意味、前衛的だな。 とにかく・・・原作誕生の1970年から・・・42年・・・待ちわびた・・・「家族八景・無風地帯」のほぼ?…
家族八景 Ｎａｎａｓｅ，Ｔｅｌｅｐａｔｈｙ Ｇｉｒｌ’ｓ Ｂａｌｌａｄ 第１話 無風地帯
『無風地帯』
内容
人の心が読める家政婦・火田七瀬（木南晴夏）
その日、、、、尾形家を初めて訪れる。
妻・咲子（葉山レイコ）が出迎えてくれる。
その後、家長である夫・久国（西岡徳馬）が帰宅する。
丸裸に見える尾形家の人々。。。。それが今回の見え方のようだ…
家族八景 Nanase,Telepathy Girl’s Ballad TOP
2012年1月より、毎日放送（MBS）制作・TBS系列の深夜ドラマ枠にて『家族八景 Nanase,Telepathy Girl’s Ballad』（かぞくはっけい ナナセ・テレパシー・ガールズ・バラッド）のタイトルで放送中。木南晴夏は本作が連続ドラマ初主演となる。 原作 『家族八景』（かぞくはっ…
家族八景 Nanase,Telepathy Girl’s Ballad #01
『無風地帯』
家族八景 Nanase,Telepathy Girl’s Ballad「無風地帯」
言わずとしれた、筒井康隆の名作「家族八景」。映像化は３回目！ （2008年にも、NHKで「七瀬ふたたび」を、七瀬役・蓮佛美沙子で、やってましたよね）
今回は、深夜枠ならではの大胆表現。なかなかに、実験的なドラマでした。
ヒロイン、火田七瀬（木南晴夏：いよ?…