「どうして短いスカート買ってくれないの?」って亜季に聞かれるたんびに
いつも私ね、「膝小僧さん守るためよ」って。
転んでも擦りむかないでしょって。
だから、亜季の膝、いっつも奇麗だったの。
こう、触るとくすくすって笑うんです。くすくすって。
だけど1年生になって夏になってどうしても短いのはきたいって言うから
とうとう根負けしてデパート連れてって。
座ると膝が出るスカート。
亜季、帰りの電車で、もうそれ履いて何回も座ったり立ったり。
最後の日も、あのスカート履いてました。
あの子置いて仕事 行くとき、少し気になったの。
スカート短か過ぎるかなって。
でも、時間なくて。
菓子パン1つだけ置いて出掛けて。
霊安室の白いシーツ剥がすと、そこに亜季がいて・・・
小さい亜季が、短いスカート履いていました。
膝小僧触っても、亜季はもう、くすぐったがったりしませんでした。
響子はずっと思っていた。
アキが殺されたのは、自分のせいだと。
短いスカートを履かせたからだと。
あの日、スカートの短さが気になった。でも、そのまま家を出た。
アキを殺した少年は・・・どういう目的で娘を殺したのだろうか。
響子は、アキの遺体の状態を何も聞かされていなかった。
双葉の家に嫌がらせを繰り返していたのは響子だった。
耕平は言う。
亜季が殺されてから、母さんが日本中に何言われたか知ってる?
母親のくせに何であんな小さな子供から目を離したんだって。
何で、娘殺されて、まだ死んだことも理解できないような母親を
責めたりするんだろうね。
生きてるのが・・・生きてるのが不思議なぐらいだよ。
誰も知んないし、教えてくんないもんな。
子供が殺された後の生き方なんて。
だから、今、あの家族に嫌がらせすることだけが
母さんの生きがいなんだよ。
洋貴は、初めて知ったのだった。
母の苦しみ。母がやってきたこと。
母も、アキが殺されたのは自分のせいだと思っていたこと。
洋貴は、アキの「検視調書」を手に入れた。
響子にとっては聞きたくないだろう、けれども知りたかっただろう事実を読み上げる。
「前頭部に1カ所。後頭部に5カ所の、かん・・・陥没を伴う挫創あり。
ハンマーなどの鈍体による打撃を…打撃を被ったものと推測される。
左右膝前面に表皮…剥脱あり・・・」
「また、検察官からの要請による姦淫の有無に関して・・・
着衣の乱れや損傷は認められず、創傷は頭部及び、膝にのみ認められる」
「下半身においての創傷が認められないことから姦淫は否定される」
母さんが心配してたようなことはされてない。
亜季は即死だった。
母さんのせいじゃない。
母さんのせいじゃないんだよ。
母は泣いた。
自分がアキを置いていったから・・・と洋貴も泣いた。
自分のせいじゃない。自分のせいで亜季が死んだわけではない。
響子は深見家に対する嫌がらせを止めると言ってくれた。
でも・・・
と、響子は思うのだ。
でも、自分のせいじゃないからと言って、それが何だと言うんだろう。
だって、亜季は今でも言っている。
あのね、お母さん。
ゴリラの血液型って、みんなB型なんだよ。
カンガルーの袋の中は、赤ちゃんのうんちの臭いですごい臭いんだって。
アキ、カンガルーのおうちの子供じゃなくて良かったよ。
後ね、シンデレラの本名はエラなの。
後ね、アリジゴクいるでしょ。こうなって穴が滑るやつ。
あれね、アリが捕まるの1カ月に1回くらいなんだって。大変だよね。
あのね。お母さん。
じゃあ、何でアキは殺されたの?
お母さんのせいじゃないでしょ。お兄ちゃんのせいじゃないでしょ。
お父さんのせいじゃないでしょ。
じゃあ、何でアキは殺されたの?
人は大切な物を失った時、その重さに耐えられなくて、
誰か攻撃する対象を探さなくてはいられなくなる。
その影では、実はそれを失ったのは自分の責任なのではないかと自分を責めている。
その思いが大きければ大きいほど、また誰かに責任を負わせずにはいられない。
響子は、犯人の少年は亜季へのいたずらが目的で亜季に近づいたのでは、と思っていた。
その原因を作ったのは短いスカートだと思っていた。
そのスカートを与えたのは自分。だから亜季が死んだのは自分のせい、だと思っていた。
洋貴は母に真実を伝えて、母を不安から解いた。
しかし、それを知ったら亜季が帰ってくるわけではなく・・・
自分を責める気持ちから放たれた響子の心が向かう先は、どこに行くのだろう。
「もっと前向きになって」とか「そんな事、やっちゃいけない」とか、
そんな事は私は言えない。思えない。
愛する娘を奪われた苦しみや恨みが晴れる日なんて、やって来ないだろうと思うから。
たぶん、私でも同じ事をするだろう。
だって親だから。
響子の苦しみが伝わりすぎて苦しかった。
だから、双葉の天然さが相変わらずウザい。
双葉と普通に車に乗っちゃったりしてる洋貴も、よく解らない。
きっと、双葉の存在が、少しずつこの家族の心を溶かして行く・・・んだろうな、
とは思うのだけど、その展開にも、あまり納得できない。
目的は果たしたわけだから、そろそろ消えてくれないかな。とか思う。
(それじゃドラマにならないけど・・・と毎週言う)
文哉の元に現われた、文哉の正体を知っている臼井紗歩@安藤サクラが
一体何者なのか。亜季とどんな関係なのか・・・
それが気になるところ。
満島ひかりちゃんと安藤サクラと言えば超長編映画
「愛のむきだし」だな・・・と思ったけど、
よく考えたら「クヒオ大佐」でも共演してるよね~
堺さま・・・・・
そして、いつも安藤サクラは恐い役なのだった
※キャスト
深見 洋貴 – 瑛太
遠山(三崎)双葉 – 満島ひかり
日垣(深見)耕平 – 田中圭
雨宮 健二(三崎文哉) – 風間俊介
草間 真岐 – 佐藤江梨子
遠山(三崎)灯里 – 福田麻由子
日垣 由佳 – 村川絵梨
藤村 五月 – 倉科カナ
臼井 紗歩 – 安藤サクラ
深見 達彦 – 柄本明
日垣 誠次 – 段田安則
草間 五郎 – 小野武彦
遠山(三崎)隆美 – 風吹ジュン
三崎 駿輔 – 時任三郎
野本(深見)響子 – 大竹しのぶ
[CD] 辻井伸行(音楽)/それでも、生きてゆく オリジナル・サウンドトラック |
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コメント
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>だから、双葉の天然さが相変わらずウザい。
>双葉と普通に車に乗っちゃったりしてる洋貴も、よく解らない
この2人、もう惹かれ合っているのではないでしょうか?
私は、双葉の天然、気にならないです♪(^^)
文哉の正体を知っている臼井紗歩は、五月を通じて、検視調書を手に入れてくれた少年事件の記者ではないかと思うのですが、どうでしょう?
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ほんま 子供を亡くしたらどんな親も辛いのに、、
殺人で子を亡くしたら やはり私もこの母のようになるでしょう
絶対に家族も許さない、、、ましてや普通に暮らそうなんてあつかましい。
そう思って当然だと思います。
双葉の天然さというか 明るさが妙に浮いてて嫌だわ。
満島ひかりさんは すごく気になる女優さんなんで好きなんですが
今回の双葉は なんだか変、、
普通 被害者家族と加害者家族があんな風に付き合いできないでしょ
まぁ ドラマだから出来るんだろうけど。
>臼井紗歩@安藤サクラが・・・・
↑気になりますよねぇ ますますドラマから目が離せませんねぇ
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最初は加害者家族になんてことをするんだろうと
響子に憤ったりもしましたが
響子が抱える苦しみ
特にふと聞こえてくる娘の声
「じゃあ、何でアキは殺されたの?」
あの声を聞くと、自分を責め続ける一方で
やり場のない悲しみや怒りを誰かに
ぶつけずにはいられなかったのでしょうね
そういえば耕平が言ってましたね
被害者の家族に
なんの準備もなくそういう風になってしまった
誰も対処法なんて教えてくれない
それって加害者の家族も同じ訳ですが
結局のところ、どちらも
自分のせいだと責め続けるのでしょう
それでいて加害者家族と被害者家族は
絶対に相容れないという
大人達の言葉の行き着く先がとても気になります
ちなみに臼井紗歩について
自分の予想では亡くなった保護司の親類ではないかと
考えてるんですが、どんなもんでしょうねぇ
年齢的には双葉と近いのも気になります
それでも、生きてゆく #3
そ、そんなデリケートな部分の話までしちゃうんですね(O_O)!!
でも、実際にそんなもんなのかも。
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わかるような気もします。私も娘がいる母なので。
ですが、
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祭の場にやって来た洋貴(瑛太)と双葉(満島ひかり)
そこで母・響子(大竹しのぶ)と弟・耕平(田中圭)の嫁・由佳(村川絵梨)と
出会ってしまう。
洋貴は、母の動揺を恐れ、双葉のことは告げなかった。
「あの人僕のこと許していない」
と…
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「お母さんだから…」 祭りの夜、深見洋貴(瑛太)と遠山双葉(満島ひかり)は、野本響子(大竹しのぶ)、と弟の日垣耕平(田中圭)の嫁・日垣由佳(村川絵梨)と出くわしてしまう。洋貴は双葉に響子を母だと紹介。しかし、響子の動揺を恐れた洋貴は、双葉が何者かは言わ…
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もちろん、紹介することなんてでき …
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>そして、いつも安藤サクラは恐い役なのだった
そうなのよ~!
って、やっと安藤サクラ様登場だよ。
見るからに恐ろしいものを持っていそうな女だよね。
どういう関係で何しにきたんだろ?
文哉が関わった人間ってそんなに多くないはずだよね。
15年経って、娘の死を受け入れられた響子だけど、これからどこへ行くのか・・こちらも不安だよ。
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>そして、いつも安藤サクラは恐い役なのだった
そうなんだ!私的には初めて見た女優さんなんだけど
出てきた時から、ちょっと恐い雰囲気をかもし出してたよねぇ。
文哉の事さえも、まだあまり知らない段階なのに、
今からあの農園で何か良からぬ事が起きそうでヒヤヒヤドキドキ・・・
しかし今回は大竹さんの演技にめっちゃ惹き込まれた~!
被害者家族でありながら、世間からも傷つけられ、もちろん
母親としての自分自身のあの日の行動を悔やみ・・・
これって体験した人でないとわからない痛みや苦しみなんだろうし、
例え誰かに慰められようとも、死ぬまでその呪縛からは
逃れられないんだろうなぁ。
双葉が青臭い正義感で、これ以上余計な事をしでかしませんように・・・
とは思いつつ、それじゃドラマが成立しないんよね(笑)。
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不気味…{{{{( ▽|||)}}}}ぞぉ~~~~~
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最初はわかって近づいてると思ってました。
響子は知らなかったんですね。
でも、やっぱり子供を事故で亡くしたとかそういうのではなく、殺されたとなると、精神的にも追い詰められるでしょうね・・・。
今後はまた新しい人物も絡んでくるようですし、次回からは展開が読めないです(><)
でも、おっしゃるとおり、無神経っぽい双葉にイラっとさせられますね。
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母親との遭遇----------–。
偶然の再会に驚きを隠せない洋貴。
その場はなんとか誤魔化したけど、なんだかぎこちない空気が流れる。
それでもドロだらけな双葉にストールをかけてやる響子。
そんなことしないでいい。
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