あんな話とかした後で、よくご飯とか食べられますよね。
普通、きつくないっすか！？
普通、もっときつくないっすか！？
普通じゃないから。
普通じゃないんで。妹、殺されんの。
出会ってしまった被害者の家族と加害者の家族。
坂元裕二氏の真骨頂。
詩のような登場人物のモノローグとセリフの中で、ストーリーが静かに、
しかし、ざわざわと心を揺らしながら進行していきます。
「それでも、生きてゆく」第1話。
日にちが経ってしまったのでレビューのみ・・・
思い出せないんすよね。
この頃、亜季の顔。
洋貴の家には、亜希の写真が1枚もなかった。
父が全て焼いてしまったからだ。
子供、また作ればいいじゃないか！？
あの時、父は母に向かってそう叫んでいた。
そんなことは到底受け入れられることではない。
母は弟を連れて家を出て行った。
焼いても焼いても決して消す事が出来ない事件のしこりと、洋貴と父を残して。
末期がんを宣告されてから、父の様子は変わってきた。
父は包丁を持って電車に乗ろうとし、警察に保護された。
不思議だな。
ここに来ると、いつでも亜季に会えるような気がする。
この前なんか 亜季とブドウ狩りに行ったとき・・・。
分かったよ！もういいだろ！？
あんただけだよ。そんなこと言ってんの。
だいたいさ自分でしょ？
亜季のこと忘れようって言ったのは。
でもな。でも、無理だったんだ。
お父さんさ、あの日亜季が揚げてる凧を見たんだ。
見たんだよ。
夏の空に白い凧が飛んでんのを。
よく飛んでた。
ところが凧が急に落っこって。
お父さん、何だか分からないけど急に胸騒ぎし始めて。
見に行こうかな、と思ったんだけど・・・
あの日は暑くて。
暑くてさ・・・。
お父さん、亜季、助けられなかった。
父は、犯人の男を殺しに東京へ行こうとしていたのだった。
「少年A」は、8年も前に少年院を出たという。
先週、彼の保護司が亡くなった。
その葬儀に現われるはずだ、と父は言うのだった。
父が亡くなったことを知らせると、母は、「たまにはご飯食べにいらっしゃい」と言った。
そんなもんなのかな？
少しは。
少しは、あの人のために泣いてやっても。
母はぼんやりと洋貴を見た。
もう、涙なんか無くなったわ。
あれより悲しいことなんて、この世にないもの。
洋貴は、今、恐らく自殺志願者だろうと思われる目の前の女に
ペラペラと亜希のことを語っていた。
うち、写真とか１枚もなくて。
だんだん・・・だんだん、何か亜季の顔、どんなだったか分からなくなってきて。
自分、いっつも亜季に冷たくて。
冷たくしたのが1000回だとしたら優しくしたのは１回ぐらいで。
それなのに、亜季、いっつも「お兄ちゃん、お兄ちゃん」って。
何でですか？
はい？
何で、会ったばかりの私に、そういう話。
ああ。何か、同じようなの感じて。
同じ？
すいません。
何か同じような目に遭ったことあるんじゃないかなって。
何か・・・被害者的な。
加害者は中学のときの友達だった。
亜希は何度も何度も金槌で頭を殴られて水に沈められた。
しかし、洋貴は、犯人は自分のように感じていた。
あの日、いや、いつも、亜希に優しくしていたら。
亜希の凧上げに自分が付いて行っていれば。
事件は、きっと起きなかったのだから。
犯人である「三崎文哉」は、今は名前を変えて、この空の下の何処かに居る。
父が亡くなってから、初めて、洋貴の記憶に亜希の姿がハッキリと蘇ってきたのだった。
女・・・双葉は、ある意味、「被害者」と言っても良い人間だった。
加害者一家もまた、事件の陰で何もかも失ってきたのだから。
しかし、彼女は被害者であり、また加害者の味方でもあるのだった。
味方・・・
兄妹。
決して仲良くなくても、今、何処で暮らしているのかさえ知らなくても、
切ることができない何かで繋がっている物。
父が果たそうとした事をやり遂げようとした洋貴を、双葉は止めた。
それは、ほとんど衝動的な行動だった。
逃げて！ お兄ちゃん！
お兄ちゃん、逃げて！
洋貴を押えながら、双葉は叫んでいた。
兄というもの。
妹というもの。
それを繋ぐものは、一体何なのだろう。
決して、仲が良かったわけではないのに。
加害者家族も被害者家族も、あの日から時が止まったまま生きている。
あのさ、お兄ちゃん。
『フランダースの犬』って何のためにあるの？
ネロはさ、お父さんもお母さんもいなくて、いじめられたり
騙されたりして、最後には死んじゃうのよ。犬も一緒に。
何のために、こんな悲しいお話があるの？
ネロは生まれない方が良かったんじゃない？
お兄ちゃん。
今はもう、洋貴の頭の中に、亜希の姿も声も、ハッキリと蘇っていた。
※キャスト
深見 洋貴 – 瑛太
遠山（三崎）双葉 – 満島ひかり
日垣（深見）耕平 – 田中圭
雨宮 健二（三崎文哉） – 風間俊介
草間 真岐 – 佐藤江梨子
遠山（三崎）灯里 – 福田麻由子
日垣 由佳 – 村川絵梨
藤村 五月 – 倉科カナ
臼井 紗歩 – 安藤サクラ
深見 達彦 – 柄本明
日垣 誠次 – 段田安則
草間 五郎 – 小野武彦
遠山（三崎）隆美 – 風吹ジュン
三崎 駿輔 – 時任三郎
野本（深見）響子 – 大竹しのぶ
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コメント
それでも、生きてゆく ＃１
いよいよ夏ドラマ始まりましたね～(^^)
ちょっと今期は見たい！って思うドラマが少ないのですけど、
とりあえず、このドラマは興味あって見始めました。
いやぁ～～重いね。テーマが(^_^;)
妹を殺さ…
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「ウルトラマンマックス」（2005年7月～2006年4月／TBS系）のエリー役で注目して以来、注目していた満島ひかりさんが、連続ドラマで初ヒロイン役をつとめるということで見ました。 …
『それでも、生きてゆく 』 瑛太、満島ひかり 主題歌 小田和正『東京の空』
『それでも、生きてゆく 』 第一話観ました。
予想通り、重たい・・暗い感じで始まりました。。
この先どう進んでいくのかが、とても楽しみです。
それでも、生きてゆく 第1話
「禁断の出逢い…」 湖畔の釣り船屋『ふかみ』。深見洋貴（瑛太）は、ここで父の深見達彦（柄本明）を手伝いながら暮らしている。翌日は、15年前に亡くした妹、深見亜季（信太真妃）の誕生日。洋貴は亜季の顔をはっきりと思い出せなくなっていた。そんな時、逹彦が倒れて…
それでも、生きてゆく #01
『禁断の出逢い…』
それでも、生きてゆく 禁断の出逢い…
うわぁ、どちらの境遇もハード。家族を含め、辛いなぁ… その似た者同士の匂いゆえ、知らず知らずの間。絆が生まれる？
キャスティングに魅力を感じて見てみました。覚悟はしてたけれど、扱うテーマがテーマだけに、お、重い… しっかり好みが分れそうですね (^^;)
…
「それでも、生きてゆく」第１話 柄本明さん・瑛太さん・満島ひかりさん、それぞれの渾身の演技
「それでも、生きてゆく」第１話、柄本明さん・瑛太さん・満島ひかりさん、それぞれの渾身の演技に脱帽。
この先を続けて見るには、それなりの覚悟が必要なのであろう、重たいテーマのドラマの第一回でした…
それでも、生きてゆく （第1話 7/7） 感想
7/7からフジテレビで始まったドラマ『それでも、生きてゆく （公式）』の第1話『禁断の出逢い…』の感想。
エンディングまでやっと…
予告編は暗いし、個人的に今ドロドロしたドラマを観る精神的余裕も無いし、脚本が坂元裕二氏と言うことで、全く見るつもりはな?…
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『禁断の出逢い…』
内容
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妹の世話を頼まれていた洋貴、耕平は、、、知らないと。。。
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それでも，生きてゆく
初回の感想
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『禁断の出逢い…』
内容
１９９６年夏
深見達彦（柄本明）響子（大竹しのぶ）の娘・亜季（信太真妃）が行方不明に！
妹の世話を頼まれていた洋貴、耕平は、、、知らないと。。。
そして数日後、三日月湖で亜季の遺体が上がる。
殺したのは中学生。。。。。洋貴の友人・…
それでも、生きてゆく 第1話：禁断の出逢い…
どっちも辛いね・・・(´；ω；`)ｳｳｯ…
被害者家族も、加害者家族も、あの事件以来辛い思いを抱えて生きてるよう
だけど、加害者家族は離婚はしたけど、家族で肩を寄せ合ってくらしてるけど
被害者家族は離婚後に、母は再婚？そして次男だけを引き取ってるよう。
父と?…
それでも、生きてゆく 第１話「禁断の出逢い…」
第１話「禁断の出逢い…」
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