【空飛ぶ広報室】第9話 感想

どうして組織のくくりでしか見ようとしないんですか。
あそこで働いてるのは普通の人達です。
ただ一生懸命自分の仕事をしてるだけです。
誇りを持って働いてるだけです。

いい企画をってことばっかり考えてる人達もいます。
自分達が盾になるんだって頑張ってる人達もいます。
つらい過去があっても笑って、それが仕事なんだって言う人もいます。

みんな、ただそこで働いてるだけの人達なんです。

 

空飛ぶ広報室　第9話

　

 

あらすじ追いながらの簡単感想で。

PVが出来上がってリカも広報室もホッとひと安心。
その出来の良さでみんな気持ちの良い思いをしていたその矢先。

柚木が夕刊を見て顔色を変えた。

「戦争賛美に他ならぬ姑息なイメージ戦略に疑問符」
「就職説明会に持ち込まれた航空自衛隊のＰＲビデオを見てがく然とした」
「若い女性を主人公にその入隊の経緯がまるで父と娘の感動的な話であるかのように
　紹介されていた」
「しかし、やっていることは戦争賛美である」
「今にも世間に軍靴の音が聞こえてきそうだ」
「経済の疲弊は就職難にあえぐ若者を搾取する構造を作り上げ…」

 

どうして！
どうしてこんな…。

ショックで愕然とする空井。

あのビデオから戦争賛美ってかなりムチャだよな。

よっぽど自衛隊が嫌いなんでしょ。

つつこうと思えばどっからでもつつけるからな。

芳川士長に何て…。

こんな楽しくもない記事知らせても仕方ないだろ。

目に触れないことを祈るだけですね。

 

同じころ、リカもこの記事を目にしてショックを受けていた。

しかし、もっとショックな事が自局で起こる。

帝都テレビの報道番組に、この記事を書いた小日向という人物が出演したのだ。

「ホームレスの就職支援を行っている法人主宰・小日向耕三さん」

番組でそう紹介されたのを聞き、思わずテレビのボリュームを上げる空井。

小日向耕三は、この日、就職難にあえぐ現代社会をテーマにした番組内で、あの新聞記事と
同じことを発言した。

「まともな求人ならいいんですが、先日は自衛隊が来まして」
「そのＰＲビデオが父と娘の美談。さもいい話かのように作ってるわけです。
　ドキュメンタリー風に。」
「ああいう手法ってのは便利なもんで、創作でも本当のことかのように見える。」

創作じゃねえよ。

と、テレビに向かって反論する片山。

「自衛隊が求人を出すのは違法じゃありませんから。」

そうだ！

「私はね、資格が取れる安定してるという美辞麗句や、感動をあおる姑息なイメージ戦略で
　職がない人を徴用するようなマネが問題だと言ってるんです。」

 

個人の主義主張としては何を言っても自由だけど、ちょっと一方的すぎたね。

司会のフォローがほしかったな。

印象悪いまま終わっちゃいましたね。

しかし、この時点では空井は何とかなると信じていた。

まだ番組は終わってません。
帝都テレビですよ？
稲葉さんのいる帝都テレビですよ。
大丈夫ですよ。必ずフォローしてくれます。

しかし、鷺坂室長は、この「ＮＥＷＳピープル」という報道番組に抗議を入れると決定した。

要点は２ヵ所。
1つ目はウチのＰＶが捏造であるかのような印象を視聴者に与えたこと。
もう1つは我々の隊員募集活動が経済的弱者の搾取であるという極めて一方的な
意見で語られたこと。

広報室にはすぐに番組視聴者からの問い合わせやクレームの電話が鳴りはじめた。
それに対応するメンバー。

空井はただ困惑する。

 

リカは取材の仕事を終えて、空井からの留守電メッセージに気付いた。

「空井です」
「ついさっき…帝都テレビさんのＮＥＷＳピープルに空幕広報室から抗議の申し入れをしました」
「すいません。一応お伝えしておきます」

そして、リカは編成局が決定した事項を阿久津の口から聞くことになる。

帝都テレビとしては謝罪も訂正も行わない。

「公式サイトでの謝罪文掲示はいたしません」
「再発防止については以後留意させていただきます」

この回答に室長は

まっ、予想どおりだね。

と言う。

抗議した意味ないじゃないですか。

抗議を表明することに意義があるの。

 

リカは当然納得いかない。
阿久津に抗議するリカ。

ＰＶがやらせかのような発言は明らかな事実誤認です！

かのような発言だ断定じゃない。

そういう印象を与えます。

番組としてじゃない。ゲストの発言だ。

でも、番組内での発言です。

そのような印象を与えたレベルの一ゲストの発言に正式な謝罪なんて出せるわけないだろ！

ならせめて、やらせじゃないことぐらい番組でフォローすべきです！
それすらしないで…。

これが社の決定だ。

これがもし警察や消防他の職業だったら、あんな言われ方しませんよね。
ビデオだってホントのことなのに自衛隊ってだけで…。

やめなさい。
他の仕事と比べることに意味はない。

 

空幕広報室の方は、相変わらずこの番組視聴者の対応に追われている。
しかし、鷺坂室長はひるまない。

いいねいいね、素晴らしい！
これだけの人が直接電話をしてくださってる。
ありがたく対応させてもらおうじゃないの。
みんな、誠実に！

はい！

元気に電話対応する空幕広報室だった。

 

問題のPVに出演した芳川士長には、空井と片山が頭を下げに行った。

芳川は、笑いながらPVはそのまま使ってくれと言う。

ここで引き揚げちゃったらまるでホントにやらせだったみたい。
大丈夫です、私は。使ってください。

しかし、空井と2人きりになると、やはり父との思い出が「やらせ」扱いされた事への
不満や悲しみは隠しきれないようだった。

これが他の仕事だったら、こんなふうに言われなかった。
あれは…あのＰＶは、私のお父さんの話です。
…お父さんの話です。

泣きながらそういう芳川にかける言葉がない空井。

 

一方、リカは報道局長に直談判しに行く。

 

今回の件は帝都テレビのマスコミとしての責任が問われる問題ではないでしょうか。
彼女は亡くなった父親のことを大切に思っているごく普通の女性です。
それが放送のせいで捏造だと非難される事態に陥っています。

ゲストの発言は徴用だとか搾取だとか偏見に満ちていました。
そういう極端な意見を出す場合、反対の意見も取り上げなければフェアではありません。

帝都テレビは、あの発言に直接関わりはないかもしれませんが、結果一方的な意見を
放送に乗せたという責任はあると思います。

そう言って意見書を置いてくるリカ。

 

しかし、この意見書が問題を引き起こす。

阿久津から呼ばれたリカは広報室の担当を外され、密着取材の中止を言い渡されてしまう。

何かの圧力ですか？

違う。俺の判断だ。
局長はこれをきちんと読んで報道局内で俎上に載せてくれた。
お前のこの一方的な意見書をな！

一方的って…。

お前の視点は空自に立ちすぎだ。
一方的な批判を展開したゲストの意見も一方的にかばうお前の意見も極端なことに変わりはない。

 

うん…。

ドラマ見ている間はムカムカムカムカしてたわけですよ。

勝手な意見を述べるゲスト。
それに対して反論しない司会者。

結果、真実が捏造だという話になって視聴者に伝わり、ネットで拡散される。

よくある話です。

リカの言っている事は正論だし、ゲストが番組で放った勝手な意見は1人の女性を傷つけた。
みんなの怒りも当然です。

 

けれども、リカのやった事はやりすぎだった…。

と、今、こうして書きながら考えるとよく解る。

ゲストの意見は一方的だ。
けれども、自衛隊に肩入れしすぎてるリカのやった事も一方的だった。

視聴者はどちらが正しいか誰も知らない。
ゲストの意見を局が勝手に訂正したら、それもそれで言論の自由を取り上げたことになる。

ゲストが何を喋るのか、あらかじめ解っていなかった番組が悪いとも思うんだけど…
言っちゃった言葉は今さらどうにもならない。

頑張って自分の意見を上に直に持って行っちゃったリカ。
間にいる人たちは当然面白くない。

また、事情を知らない人たちにはリカが変に空自に入れあげているようにしか見えない。

そこに広報室の人間と恋愛関係があるという話まで出て来るから始末が悪い…。

距離が出来ちゃう空井くんとリカが切ない。

 

私は担当を外れました。密着取材も白紙です。
申し訳ありません。
だから、もう関係ないんです。

ああ…
なんて不器用な人たちなんだ。

想いをきちんと伝えられない。

せめて「外れた」じゃなくて「外された」と言えばいいのに。
そうすれば頑張った事だけは空井くんに伝わるのに…。

…と、思ってたら、カメラマンの坂手さんが、ちゃんとリカが広報室のために頑張った所を
映して空井くんに持ってきてくれたーーーー！

ＧＪすぎるぞ、坂手さん～～！

 

鷺坂室長もリカが担当を外されたと聞いて、わざわざ阿久津さんに会いに来てくれた。

自分たちが「稲ぴょん」に近づきすぎたせいで困ったことになったのではないかと。

阿久津さんもリカの事をちゃんと認めて考えてくれている。

 

むしろ上司としてお礼申し上げます。
稲葉はいいものを作るようになりました。

だとしたら、それは空井の力です。

何なんだ…この素敵な上司たちは。

こんな良い会社、なかなかないよ～。

 

リカは広報室のために頑張った。
その気持ちが分かったからこそ、今は距離を置く。

ラスト、駆けつけたのに止まっちゃった空井くんは、足が痛くなったから…だけじゃなく、
会社人としてのリカの立場を守ってあげようと考えたんだよね。

だから、会わなかった。

 

切ない…けれども、これも成長。

 

リカが撮った「あしたキラリ」が放送されて…それで多くの人が芳川士長のＰＶを
やらせじゃないと解ってくれればいいんだけど。

そういう番組になればいいんだけど。

特に、あの発言をしたオヤジに解らせたいーーー！！！

 

マスコミの力を見せてほしい！

 

。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。

芳川士長（南明奈）が出演した空自のPVが、新聞に引き続き、リカ（新垣結衣）が働く
帝都テレビのニュース番組でも取り上げられた。
出演者の批判的なコメントに対し、正式に抗議を表明する空幕広報室。
空井（綾野剛）は、「稲葉さんがいる帝都テレビなら絶対にフォローしてくれる」と信じるが、
帝都テレビ側は「一出演者の一コメントに対し、謝罪も訂正もしない」という回答を示す。
そんななか、事情を一番よく知るリカはなんとか事態を改善・フォロー出来ないか、と奔走する。
しかし報道局長に直談判に行ったことを阿久津にとがめられ、ついに空自の担当と密着取材を
外されてしまう…。
大切にしていた取材相手である空幕広報室に対し、顔向け出来ないリカは、空井からの連絡にも
応じることが出来ず、さらに社内でもあらぬ噂を立てられ、どうすることも出来なくなってしまう…。

(あらすじは「Yahoo！TV」より引用)

よろしければ→【2013年7月期・夏クールドラマ】ラインナップ一覧とキャスト表

　　
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【キャスト】

稲葉リカ … 新垣結衣
空井大祐 … 綾野剛

柚木典子 … 水野美紀
片山和宣 … 要潤
槙博巳 … 高橋努
比嘉哲広 … ムロツヨシ
藤枝敏生 … 桐山漣
坂手はじめ … 渋川清彦
香塚ともみ … 三倉茉奈
大津裕一 … 前野朋哉
佐藤珠輝 … 大川藍

峰永圭介 … 阿部丈二
村瀬勝彦 … 池内博之
阿久津守 … 生瀬勝久
鷺坂正司 … 柴田恭兵

桐谷隆史（キリー） … 桐谷健太（特別出演）

【スタッフ】

プロデュース … 土井裕泰、磯山晶
演出 … 土井裕泰、山室大輔、福田亮介
脚本 … 野木亜紀子

公式サイト http://www.tbs.co.jp/soratobu-tbs/

 

 
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