あの日、私はたくさんの大人たちに取り囲まれて
実の両親、秋山恵津子と秋山丈博に引き渡された。
あの時の母の顔は忘れられない。
柔らかいと思って触った動物の毛がゴワゴワだった時のような驚きだった。
恵理菜は、取材に来た千草と共に小豆島に向かっていた。
母は私を恐がってた。今もたぶん恐がってる。
母は小豆島の言葉で話す恵理菜を激しく叱責した。
母は怒ってばかり、父は逃げてばかり。
友達はいない。息が詰まりそうだ。
そうだ、家に帰ろう。海へ。
あの青い空が広がる場所へ。
でも、何処まで行っても海は無かった。
家へ帰りたい、と言う恵理菜に母は言った。
あなたはね、赤ちゃんの時に世界一悪い女に誘拐されたの。
それで私は思ったんだ。
母が怒ってばかりなのは、父が逃げてばかりなのは
その悪い女のせいなんだ。
それで、私はその人の事を忘れた。
心に蓋をして二度と思い出さないようにした。
小豆島に発つ前、恵理菜は母に告白した。
お母さん。私、妊娠した。
でも安心して。産むつもりないから。
不倫の子堕ろしって、あの人と同じだよね。
お母さんが大嫌いなあの人と。
親子でもないのに、何で似ちゃうんだろうね。
恵津子は恵理菜を叩きながら泣いた。
どれだけ私を苦しめれば気が済むの・・・
と。
小豆島に着いた2人は、まず製麺所を訪れた。
製麺所は代替わりしていた。
おかみさんは亡くなったらしい。
代替わりしたおかみは、新聞の写真の女「宮田京子」を知らなかった。
2人は希和子と薫が巡ったという寺巡りをした。
恵理菜に記憶は全く無かった。
崖を上っていくと言う最後の寺へ辿り着き、長い階段を下りる帰り道、
恵理菜の中にちょっとした既視感が生まれる。
階段の途中に落ちた蝉の脱け殻。
恵理菜はそれを手に取った。
町の写真館に行った時、初めてそこで希和子と恵理菜が
この島にいたと言う足跡を見ることが出来た。
店の入り口に2人で撮った写真が飾られていたのである。
仲の良い親子だった。と言う店主。
実感の湧かないまま、帰りのフェリーを待つ恵理菜だったが、
ふと港に着いた漁船の男が気になった。
千草は、希和子の写真を見せて、子供を攫ったこの被告の事を知らないかと尋ねた。
この人らは、普通の親子だったよ。
被告やら犯罪者やら言うもんじゃなかった。
京子さんは普通の母親で薫ちゃんは愛娘やった。
お互いを大切にして、一時も離れたくないみたいに
いつもいつもくっついとった。
その男は文治だった。
教えて下さい。
その人が子供から離されるとき、何て言ってたのか。
何て叫んでたのか。
教えて下さい。最後の時に何て言ってたのか!
文治はそこにいるのが薫だと気付いた。
あん人は、最後まであんたの心配をしとった。
こう言うたんよ。
待ってくれって。
引き離されるとき、希和子は必死に藻掻きながら叫んでいた。
待ってください!
その子はまだ
まだ、朝ご飯を食べてないの・・・!
普通の母が子供に掛ける普通の愛情。
恵理菜は泣いた。
お母さん
と何度も叫びながら。
野々宮希和子は刑期を終えて出所していた。
薫。
お母さんを許してくれますか?
お母さんは貴女を愛していた。
今はただ、あなたの今が、そして未来が幸せであることを祈るばかりです。
8年前。希和子は手紙を持って秋山の家を覗いた。
そこでは13才になった恵理菜の誕生日パーティが開かれていた。
幸せそうな普通の家庭の灯りを窓の外から見る希和子。
薫は、もう薫では無くなっている。
希和子は手紙を燃やした。
裁判の時、謝罪の言葉を、と裁判官に言われた希和子は
丈博と恵津子の方に向き直って言った。
5年間、子育てと言う喜びを味わせていただいた事、
お二人に深く感謝したい気持ちです。
判決は懲役七年。
出所してからは東京にいたり、新潟で働いたり転々として過ごした。
ある日、どうしても小豆島の海が見たくなって、
岡山までやってきた。
でも、お母さんは島には渡れなかった。
船に乗る勇気が持てなかったのです。
島に行ったとしても、そこには貴女はいない。
そして何ヶ月かして、その岡山の船着き場で働くようになった。
希和子は毎日、こちら側から渡れない海を、
幸せだったあの島を見ていた。
八日目まで生きた蝉は孤独だけれど、
他の蝉が見る事が出来なかった美しい景色を見ることができた。
あそこには天国がある。光の国がある。
貴女と過ごした温かい日々がある。
希和子が働く売店から、テーブルに座る女性が見えた。
薫に似ている。
そう思ったが、そんなはずはない、と思い直した。
あれから、成長した薫に似たような気がする女性には
すぐに目が行ってしまうようになっていた。
彼女がいなくなってから、希和子はテーブルの上の空き缶を片付けに行った。
空き缶の横に、蝉の脱け殻。
希和子はその人を追って、走り出していた。
。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。
ラスト、薫の名を呼ぶ希和子と、希和子を母と呼ばず
背を向けて去っていく恵理菜。
希和子は、この後も薫と過ごした日々を思って
海の向こうの夢の国を見ながら生きていくのだろう。
二度とあの島へ渡る事はないのだろう。
薫は、もう居ない。
恵理菜は再びこの人と会う事はないだろう。
しかし、自分が間違いなく愛されて生きてきた軌跡を思い出す事は出来た。
子供は産む。
美しい世界を見せてあげたいから。
希和子が自分にくれただけの愛を注いで育てていく事が出来るだろう。
恵津子は、そんな娘を見守りながら生きていく。
かつて夫の愛人に与えてやれなかった幸せを
恵津子は娘に与えてやるのである。
「八日目の蝉」は本当に幸せなのか。
1人夢の世界に取り残されて、綺麗な物だけを見ながら生きていく。
その日々は、感謝なのか。
寂しい物・・・ではないのだろうか。
薫は、もしかしたら薫のままでいた方が幸せだったかも知れない。
希和子の愛情は、いつまでも変わらず注ぎ続けられていっただろうから。
しかし、その愛も実は本物とは言えないかも知れない。
「薫」と言う子供は、本当は希和子があの時堕ろした子供であったはずだから。
希和子は、ずっと夢を見ていた女だったのだ。
恵理菜を手に抱いたその日から。
愛人を傷つけた男は、自分の行いを悔いていると思う。
嫉妬に狂った妻は、今、かつての行いを悔いていると思う。
しかし、私には希和子に最後まで後悔も反省も感じられなかった。
だふん、そういう物は希和子にはないのだ。
昔も、これからも。
毎週、本当に夢中で見ていたドラマだった。
後味は。。。決して良い物ではないかなぁ。。。
薫が生きる気になれただけでも、良かったと思えばいいのかな。
全6話は濃縮された緊張感や感動があったけれども、
やはり、急ぎすぎな感じもする。
10話くらいで、もう少しゆったり見たかったかも。
原作は、ぜひ読んでみたいと思います。
【キャスト】
檀れい
板谷由夏
津田寛治
北乃きい
岡田浩暉
あき竹城
京野ことみ
坂井真紀
藤田弓子
岸谷五朗
左時枝
吉行和子
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この記事は、2011年8月に楽天からお引越ししてきた過去記事です。
コメントは引っ越せましたがトラバはお引越しできませんでした。
ご了承ください。
コメント
スギヤマさん
コメント、ありがとうございました。
全く無礼でも何でもありません。
私はこのドラマが大好きで(劇場版よりもドラマの方が好きです)、コメントいただいたおかげで懐かしく読み返しました。
希和子という人は直情的な人ですよね。
発作的に家に入り、子どもを攫ってしまった。
愛人とその妻に精神的に追い詰められていたからこそやってしまった事で、おっしゃる通り、もしも普通に子どもを生んで育て、あるいは愛人と結婚できたりして家庭を持っていたらこんなに一生懸命子どもを守ろうとはしなかったかも知れない。
希和子の薫に対する気持ちは恋愛の吊り橋心理と同じだったのかも知れません。
全ては「If」なので(笑)
このストーリーでは希和子は恋人のように薫と過ごし、わずかな人生の思い出を作り、ささやかな復讐を遂げた。
恵理菜は確かに愛されていた思い出に縋ってこの後の人生を生きる。
殺されたりしなくて本当に良かった。
そう思えるお話でした。
別パターンでストーリー立てるとまた別の楽しみ方ができるかも知れません。
またどうぞお越しください^^
こんばんは
先日「母になる」への記事で八日目の蝉のことにふれていらしたので
又、映画やら、ドラマやら、小説まで見返して、色々と思うところもありましたので。
私にはこの希和子という人、結構恐怖で、何かと…性格がと言うか、タイプとか雰囲気が
なんか自分の妹に似てまして…妹ももういい歳で美人だけれど、いろいろあって独りです。
連絡もほほない状態…孤独ですよね
ふと思ってみたんだけど、もし希和子が自分の子供を(薫)産んでいたとしたら
あんな風に夢中にはならなかった気がして。
産んだことで不倫相手とはうまいこといかなくなるのは目に見えてるし
自分の子供だったら長い年月反抗期もあろうし
希和子は依存体質だから、すぐに恋人もできそう
恵津子と希和子は現れる表面的なことは違うけど、実は似てるから、
(好きになる男も一緒)
恵津子みたいな息苦しい子育てをしたかも
もしも…もしもですけどね。
本当に、すごく印象的な話で観た後ざわざわしますし、何だかもんもんと気になります。
すみませんこんなドラマの話をする相手がリアルにいないので長々書き込んでしまいました。
無礼があったらすみませんでした。
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コメントありがとうございました。
コメントをいただいたおかげで私も今一度記事を読み返し、懐かしく思い出しました。
良いドラマでしたね。寂しいドラマでした。
この後「八日目の蝉」は劇場版も観に行きましたが、私はこのドラマ版の方が好きです。
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「薫」への愛も実は本物とは言えないかもしれない。
「薫」という子供は本当は希和子があの時おろした子供であったはずだから。
希和子の愛は純粋で美しい。それはまさに七日しかいきられないことを最初から知っている蝉だったからこそ。
私が何年経っても忘れられないドラマですがあなたのブログを読んで
懐かしく鮮明に蘇ってきました。他の方の感想を見れて「そうだよね」でした。
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>GW出掛けてたので、見るのが遅くなっちゃいました。
良いですね~(*^^*)
お天気も良かったし、羨ましいです~♪
>希和子から後悔も反省の念も感じられませんでしたね。
>確かに最後まで夢を見てる人でした。
何か羨ましくもありますね。
良い夢を見続けてこの後も生きていくんでしょうね。
>記憶はあっても、本当の母じゃない。
>厳しく怒る母こそが、苦しんだ本当の母。
それなんですよね。
厳しくするのも実の親だから。。。
5才まで別々に暮らしていて、恵津子だって扱いに戸惑った事でしょう。
ずっと違和感のあるまま暮らしてきたと思うと恵津子も恵理菜も気の毒です。
>希和子はこれからどうなるのかなぁと心配になりました。
>ちょっと精神が病んでる感もあるような。
>文治さんと一緒になればいいのになぁと思ってしまいます。
私もそう思いました。
文治さんと暮らせば、現実から逃げられなくなってしまう。。。のかも知れませんね。
ずっと夢の中にいるためには1人の方が良いのかなぁ。。。
>おかみさんに生きていてほしかった。
>薫に会ってほしかったです。
>あと久美さんがあそこにいてくれたらと。
>薫を知る人にもっと会ってほしかったかな。
ね~。あの人、どうなったんだろう、って人がいっぱいいますよね。
製麺所の跡継ぎは久美じゃなかったんですね。。。
おかみさんが亡くなった時は久美は側にいたのかしら。
色々と気になることばかりなのでした。
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GW出掛けてたので、見るのが遅くなっちゃいました。
本当ですね。
希和子から後悔も反省の念も感じられませんでしたね。
確かに最後まで夢を見てる人でした。
恵理菜は昔の愛された記憶を思い出しながら、
最後希和子に気付いたと思いますが、
振りかえりませんでした。
やっぱりそういうことなんですよね。
記憶はあっても、本当の母じゃない。
厳しく怒る母こそが、苦しんだ本当の母。
希和子はこれからどうなるのかなぁと心配になりました。
ちょっと精神が病んでる感もあるような。
文治さんと一緒になればいいのになぁと思ってしまいます。
魅入ってはいたけど、後味はよくないかな。
他の人の目線も完結させてほしかったです。
おかみさんに生きていてほしかった。
薫に会ってほしかったです。
あと久美さんがあそこにいてくれたらと。
薫を知る人にもっと会ってほしかったかな。
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>本を読んでいなければ、それなりに考えたんだろうけれど
>話が飛んでしまっているのはともかくとして
>小説とドラマの内容が変わるのはよくあることだけど・・・・・・
やっぱり原作とドラマはかなり違うのね~!
6話のドラマでは描ききれてない部分はいっぱいあるだろうとは
想像できたけれども、もっと大事な何かも抜けているって事なのかしら。。。
>だけど、薫は母の元では母親の無償の愛を一生味わえなかったと思うんだ
>
>たとえさらわれないで、ずっと母のそばにいたとしてもね
って事は原作ではもっと恵津子が出てくるって事なのかな。。。
そしてドラマよりも恵津子の描かれ方が。。。問題なのかな。。。
原作が読みたいわ~!
図書館待ちのつもりだったんだけど買っちゃおうかな。。。^^;
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>希和子は薫を 自分の子(お腹にいた)と彼らの子と
>どちらを見ていたんでしょうね。
もう、混同なんでしょうね。
攫ってきた子だという自覚はあるけれども、罪の意識は感じられない。
考えないようにしていたのかも知れません。
>でも本当に 5年間愛情を持って育ててきたのは
>痛いほど 伝わってきました。
そうなの。でも攫ってきた子だから、いつか離れなくてはならないと言う自覚はある。
だから注がれる愛情の密度も濃い。痛々しいほどですよね。
>実の親でも 作らない 食べさせなくっても平気な親も
>たくさんいるんだからね。
私も、それ思った。。。
ウチは朝は超手抜きなので^^;
私だったら、子供が急に離されることになったら、ご飯の心配なんて
しないかも知れない。実の子なのに。
だから希和子は本当にちゃんとした母親なのよね。。。
薫にとっては愛されていた何よりの証拠だよね。
>でも6話目 ちょっと急ぎ過ぎやなぁ
ね~。NHKのドラマって基本6話なんだよね。
回数に拘らずに内容に沿って作ってくれればいいのに。
民放の視聴率を取りたいとしたら6話じゃ不利なんだし。。。
そろそろ考え直してほしいわ。良いドラマが多いんだし。
>なんで 恵理菜はあの最後 振り向かなかったんだろう。
う~ん。。。もう薫じゃないから。。。なのかなぁ。。。
夢の中の人ではなくて、恵理菜として現実を生きていく決意なのかも。
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>娘は「最後までおかんだったんだ?」と至極満足してました。
>娘から見た母。
>自分のことより・・娘の身を案じてくれる母。
2人が普通の愛情を通わせていた親子だった事が証明されるシーンですよね。
それで恵理菜は自分が愛されていた事を知る。
希和子のやった事は自分勝手な犯罪だし、希和子の目線は
常に自分たち親子の事しか考えていないように思えましたが、
自分たち、と言うよりも「薫の事だけ」考えて生きてきたんでしょうね。
この思いは、引き離されることなど頭にもない普通の実の親よりも
強い物だったかも知れません。
>私たちの母性ってそんなに綺麗では無いのかもしれない。
>そんな気がした。
そうですね。
希和子の愛は純粋で美しいです。
それは、まさに7日しか生きられないことを最初から
知っている蝉だったからこそなんでしょうね。
>この少女が過って愛されていた。と確認出来てよかった!
>娘と2人、最終回を見て、安堵しました。
そうですね。この事だけがこのストーリーの中で安心できた所かも知れませんわ。
でも、この事件で一番の被害者はこの子自身なんですから、
この子が救われればそれでいい、そう思えました。
>主人公の女性は、不思議な人ですよね?
>永遠に覚めない夢の中で一生を終えるのでしょうか?
>
>原作を読みたくなりました!
希和子は、たぶん、ずっと薫といた夢の中で生きるのでしょうね。
できたら、文治さんと再会して、彼女にも現実の幸せを
味わって欲しいと思いますが。。。
私も原作が読みたいです^^
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PASS:
>ラストの微笑みも私にはどう捉えたらいいのかよくわからなかったわ・・
そうなんだよね~。。。
私はね、希和子は今も薫と言う夢を見ているような笑顔だと思ったの。
私は基本的に希和子と言う人は、すでに正気を逸した人だと思ってるんで。。。
奇跡的にまた巡り会えた事を喜んでいるのかと。
でも、「背中を向けて去ってしまった薫を見て、今は恵理菜として
幸せになっていることを確認したから、母として安心したと言う笑顔だ」と
言われると確かにその通りな気もする。。。
>それと、恵津子と心を通わせる場面はもっとじっくりと描いても良かったと思う。
結局、このドラマには恵津子は必要ないんだよね、たぶん。
希和子の夢物語であって、その中に実の母はいないって
そんな作りになってる気がするの。
こう言っちゃ何だけど、希和子は、とことんヒロインで
恵津子は悪役みたいな気がした。
そして最後にちょっとだけ良い人に昇格できるんだよね^^;
>でも、すごく惹き付けられるドラマではあったよね。
なんだろうね~。。。すごく泣けてしまったわ。
近所の幼い子の親子とか見ると、自分の子供が幼かった頃を思い出して、
あの頃に戻りたいな~。。。なんて思ってしまう今日この頃。。。
もちろん、今の我が子も可愛いけどさ~^^;
希和子の独白って、そんな子供が幼い日に戻りたいって
気持ちを呼び覚ますような気がして。。。
だから泣けてしまうのかも。
ある意味、羨ましい人だよ。
子育ての一番良い時期だけを死ぬまで思い出として抱えて生きていくんだもん。
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PASS:
最終回
がっかりした・・・・・
本を読んでいなければ、それなりに考えたんだろうけれど
話が飛んでしまっているのはともかくとして
小説とドラマの内容が変わるのはよくあることだけど・・・・・・
絶対にしてはいけないことをしてしまった
だけど、薫は母の元では母親の無償の愛を一生味わえなかったと思うんだ
たとえさらわれないで、ずっと母のそばにいたとしてもね
原作を読むと・・・・・
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私もじっくりと 腰据えてみてました。
希和子は薫を 自分の子(お腹にいた)と彼らの子と
どちらを見ていたんでしょうね。
希和子の行動は決して許されるものではないし
彼女の行動で 実の両親 そして恵理菜の人生は大きく
変わってしまったのですから・・・
でも本当に 5年間愛情を持って育ててきたのは
痛いほど 伝わってきました。
最後の 『朝ごはん まだ食べてないんです・・・』
はかなりぐっときました。
実の親でも 作らない 食べさせなくっても平気な親も
たくさんいるんだからね。
でも6話目 ちょっと急ぎ過ぎやなぁ
もう少し ゆっくりと展開してほしかった
なんで 恵理菜はあの最後 振り向かなかったんだろう。
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何故か?21歳の娘も一緒に見ました。
娘は最後の言葉を聴きたかったようです。
「まだ薫は朝ごはん食べてないのよ」と彼女は言ったのですね?
娘は「最後までおかんだったんだ?」と至極満足してました。
娘から見た母。
自分のことより・・娘の身を案じてくれる母。
母の無償で無条件の愛を感じること・・
それが子どもには必要だから・・。
だけど・・
其れは永遠では無い。
そんな気がする。
そしてそれがそんなに綺麗なものでもない。
ということを母である私は知っているーー
私たちの母性ってそんなに綺麗では無いのかもしれない。
そんな気がした。
だけど
子どもには永遠では無いけど・・
過って母に愛された記憶が必要。
そう想った。
わが子を愛し、子どもが育つまで面倒をみるって、考えたら凄くたいへんなこと。
それを出来るのは、生まれて数年の子どもの文句なしの可愛いらしさがあるから・・。
8日目の蝉。
蝉は地上に生まれ7日で死ぬ。
同じ時に生まれた蝉は、同じ時期に死ぬ。
だけど人間の親子は同じ時に生まれてない。
親は大人になって子どもを産む。
過って子どもだった親は、子どもの頃、無条件に愛された記憶があるから、わが子を愛せる。
其れは生まれてから数年だと想う。
血の分けた実の親子でも、中々そのチャンスを失うと、元には戻れない。
愛された記憶・・
愛してくれた『記憶の中の母』・・母たるものを持った人を求め・・続ける。
この少女が過って愛されていた。と確認出来てよかった!
娘と2人、最終回を見て、安堵しました。
良かった。
この少女はこれでやっと大人に親になることが出来る。
本妻さんもやっと安堵出来てよかった。
考えてみたら・・
この本妻さんも犠牲者だものね。
主人公の女性は、不思議な人ですよね?
永遠に覚めない夢の中で一生を終えるのでしょうか?
原作を読みたくなりました!
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>しかし、その愛も実は本物とは言えないかも知れない
そうだよね。希和子の薫への愛情は別れた後も変わらなかったけど、彼女は愛を注ぐ相手が欲しかっただけなのかもしれない。
罪の意識が欠落している希和子の心の落ちつき先がどうもしっくりこなかったというか・・・
ラストの微笑みも私にはどう捉えたらいいのかよくわからなかったわ・・
それと、恵津子と心を通わせる場面はもっとじっくりと描いても良かったと思う。
なんかすごい駆け足で終っちゃったような気がして、
私はわからない部分が多くてすっきり終れなかったなぁ・・
でも、すごく惹き付けられるドラマではあったよね。
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>希和子はそれを幸せだと考え
>恵理菜はそれを孤独だと考えたとこに
>それぞれの今が感じられます。
そうですね~。本当にその通りですわ。
希和子は過去を見つめて生きていく事が幸せなんですよね。
>たしかに希和子は
>どこまでも独善的な人だったんでしょうね。
独善的と言うよりも、軽くおかしくなっちゃってるんだろうなぁ。。。
と言う気がします。
結局は全て男が悪かったわけなんですよね。
その罪は、ヒジョウ~に大きいと思うのですが、物語は
あえて元凶である夫の存在は軽くし、女たちだけに
焦点を当てているんですよね。
つまりは、母と子の話って事なんですね。
どんな男で何をやった父だろうと、あんたは無関係、勝手に逃げてろって言う^^;
>ただ、希和子がこうなってしまった事を考えるに
>今の恵理菜にとってはいい反面教師になってるというとこと
>恵理菜が島言葉を話す自分を隠さず今を生きる気になれたのは
>
>物語として救いがあります。
そうですよね。。。そう考えてあげれば良いんですよね。
薫は救われた。
もう「母」がいなくても自分が母になって強く生きていけるんですもんね。
>で、ちなみにこの手の作品を民放でやるとしたら
>個人的に日テレ・水10でお願いしたいものです ̄▽ ̄ゞ
そうでしょうね。。。NHKじゃないならば、その辺の枠ですかね~。。。
ただ、できたらこの演出家は変えないでやっていただきたい気がするので。。。
(スタッフはTBS系列のドラマを多く担当している人たちみたいです。)
NHKも、いい加減に全6話に拘らないで作ればいいのに、って気がします。
SECRET: 0
PASS:
「八日目の蝉」をどう捉えるのか
それは個人の主観なんでしょうけど
希和子はそれを幸せだと考え
恵理菜はそれを孤独だと考えたとこに
それぞれの今が感じられます。
たしかに希和子は
どこまでも独善的な人だったんでしょうね。
第一話を思い出す限り
恵理菜を抱くまで、その瞬間まで
彼女を殺そうとしていた訳ですからねぇ。
まぁ勝手すぎますね。
ですが、恵理菜=薫にとって
あの5年間、彼女はたしかにお母さんに
愛されていた訳ですからね。
なので恵理菜の視点で考えるとちょっと複雑ですね。
ただ、希和子がこうなってしまった事を考えるに
今の恵理菜にとってはいい反面教師になってるというとこと
恵理菜が島言葉を話す自分を隠さず今を生きる気になれたのは
物語として救いがあります。
>10話くらいで、もう少しゆったり見たかったかも。
そうですねぇ。
民放だったら5年間をじっくり描いてくれた事でしょうね。
で、ちなみにこの手の作品を民放でやるとしたら
個人的に日テレ・水10でお願いしたいものです ̄▽ ̄ゞ