【フランケンシュタインの恋】第10話 最終回感想 異形のものを愛せ

私は最近、他人に嫌われているような気がして人間が怖くて外に出られなくなったんです。


なるほどねぇ。
とりあえず、それなら外を街だと思わず森だと思って出てみたらどうでしょうか?


森ですか?


別に他人と関わろうとしなくてもいいんですよ。

人と会ったら その人に自分がどう思われてるかじゃなくて、その人も自分と同じじゃないかなって考えてみるんです。

人間を怖がっているんじゃないかなって。

で、 もしそう思えたら、その人に何て声を掛けてあげたいかを想像したらいいんですよ。

人間が怖いっていうのはそういう想像力も働くことだと思うんですよね。
怖がらなくてもいいよって人に言いたくなったら、きっとまた自然に誰かを好きになれますよ!


フランケンシュタインの恋 第10話(最終回)

 
     franken-op

今さらだけれど、日テレに河野英裕 氏というプロデューサーさんがいて。

「すいか」「野ブタ。をプロデュース」「セクシーボイス アンド ロボ」「Q10」など日テレ木皿泉脚本作品は全て手がけている方である。

他に、「妖怪人間ベム」「泣くな、はらちゃん」「ど根性ガエル」なども手掛けて来られた。


共通する事は、「世界」で生きづらい人たちが、それでも一生懸命幸せや生き甲斐や楽しさを求めて生きていく様。


「ど根性ガエル」は、ある意味、集大成なのかなぁ、と思っていた。
世界で頑張り、みんなに根性を分け与えて、ピョン吉が消えてしまう話。


けれども、集大成はこっちにあったのかも知れない。

人間には善と悪が同居していること。
違う世界に生きる宿命であっても、どこかで繋がることはできる事。
どんなにクズな世界でも温かい場所はちゃんとあって、逃げずに立ち向かえば何か手に入れられること…。

だって、研さんは人間が好きだったから。
はらちゃんと同じように。

楽しい事を生み出す場所には楽しい人たちがいるのだと信じたかったから。


ラジオで真実を語ることで、研さんを受け入れた人たちもいた。
けれども、研さんを拒否する人も当然いた。

「悪い菌を持つ男」の話は拡散され、おそらく津軽さんを救った良い菌の話は広まらない。

Twitter等やっていればよく解る。
ネガティブな話は拡散され、それを否定する話は拡散されない。

ラジオ局にはクレームが寄せられて天草はクビになり、稲庭工務店は仕事が無くなり、近所からの通報で保健所がやってくる。

こんな世の中…

という話である。

稲庭先輩と工務店の人たちが立ち向かって逃がしてくれ、研さんは自由になった。

けれども、研さんは別に人間から逃げ出したわけでは無く、絶望したわけでもない。

ただ、自分がいると津軽さんが幸せになれないと知ったから。
だから山へ帰って行ったのだ。

ここで「研さんは山に籠ってる方がいいよ」と言ってしまってはダメなのだ。

それは、この世界と人間の敗北を意味するの。
異形の者はここでは生きていけないことになるの。

こんな結末はイヤだなぁ…

と、思っていたけれども、ドラマは、ちゃんと研さんを救ってくれた。

鶴丸先生と稲庭先が用意してくれたフィールドワークのための車。


ここで菌を培養して大学に持って行って研究をする。
国内の森ならこれでどこにでも行ける。
津軽さんか俺が交代で研さんのそばにいて大事な菌を培養する。
必ず役立たせるからね。


これは君のためじゃない、我々のためだ。
科学者のエゴだ。
君も我々と一緒に学んでくれないか?


学ぶ?

君自身が君の博士になるんだ。

僕が 僕の博士に…?

これから君はどんな菌をこの世に放つとも限らない。
できれば優しい菌をたくさん作ってもらいたい。
そしてその菌を君自身が研究するんだ。
もちろん、我々研究チームの一員として。

難病を 一つでも なくすためです。
これはあなたと命を繋いで行くことになります。
それは私の夢です。
一緒に革命を起こしましょう。




難病をなくす研究は呼六の夢だった。
120年の時を超えて、それが実現する。

そして、それが人間と呼六を繋いでいく。
今は共存できなくても、いつか人間が研さんを博士として愛してくれる日が来るかもしれない…。

夢のような結末。

この物語は120年の時を超えた恋を描いてきたけれども、120年の時を超えて、研さんに研究者としての夢を実現させたの。

こっちの方が素敵。
こんな素晴らしい事があるだろうか。
 franken10-2人


物語はきちんと数十年後を描いて締める。

稲庭先輩は、努力家で善良で優しかった美琴と一緒になって、いいおじいちゃんとおばあちゃんになっていた。

孫は研究者になって、父の仕事を継いでいる。
研さんと世界との橋渡し。

研さんの研究は今は世界を救い、必要とされていることが解る。


けれども、津軽さんはもうこの世に居ない。

居ないけれども、細胞が残っている。

2人で共に育てた細胞が形づく木を見上げる研さんの瞳は、もう誰かに縋らなければ世界と繋がれなかった頼りない瞳ではなく、凛とした意志がある。


時を超えて、無垢なフランケンシュタインの子供から、世界を救う博士に成長した研さんを演じる綾野剛の美しさ。
 franken10-けんさん



私は、このドラマに出会えて、このラストを見ることが出来て、本当に幸せだったなあ。


例えば何かしらの疾患を抱えていたり、ケガを負っていたり、性格が世間とズレていると感じたり、世間についていけない何かを抱えていたり。

そういう人たちも、この世界で生きていける。
山に籠らなくてもいい結論が私は欲しかった。

視聴者が嫌悪するリアルなキノコの図。
あれがまさに、人が接したくない異形の者に思えて。
なんてリアルに残酷な描写をするドラマだろうと思っていた。


この世界の人間は結局、自分に得する菌を持っていなければ受け入れてくれない…という結末でもあったけれども、それでも、そこと彼を繋いでくれる人たちは優しい世界の人たちだった。
 franken10-社長


研さんをクビにしてしまったら、会社は立て直せても人間関係は立て直せない…と言う社長の言葉の優しさ。


この美しい言葉をもっともっと聞きたい。

大森寿美男さんにも河野さんにも、もっともっと作り続けていただきたいです。

素敵なドラマをありがとうございました。


深志研は、自分が津軽の先祖・サキと恋をしていた120年前の記憶を津軽に語り、二人は、お互いの気持ちを確かめ合う。
ラジオでの深志研の告白に、世間は賛否両論。
深志研の持つ菌を危険視する声、深志研を支持する声など、さまざまな意見がラジオ局に寄せられる。
そんな中、近所の住民が通報し、保健所の職員が深志研を調べるため、連行しにやってくる。

深志研と津軽は、120年の恋を貫くことができるのか!?感動の最終回!

(上記あらすじは「Yahoo!TV」より引用)




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※キャスト

怪物(ふかし けん) … 綾野剛
津軽継実 … 二階堂ふみ
稲庭聖哉 … 柳楽優弥
天草純平 … 新井浩文

稲庭恵治郎 … 光石研
室園美琴 … 川栄李奈
飯塚光毅 … 葉山奨之
宍喰丈 … 篠原篤
米子秋良 … 中村無何有
玉名瑠以 … 大西礼芳
津軽晴果 … 田島ゆみか

牛久輝成 … 森岡龍
十勝みのる … 山内圭哉
大宮リリエ … 水沢エレナ

日立叶枝 … 木野花

深志研太郎 … 斎藤工
サキ … 二階堂ふみ
美琴の元彼 … 深水元基

鶴丸十四文 … 柄本明


※スタッフ

脚本 … 大森寿美男
演出 … 狩山俊輔、茂山桂則
プロデュース … 河野英裕、大倉寛子

音楽 … サキタハヂメ
主題歌 … RADWIMPS「棒人間」









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コメント

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5件のトラックバック

  • ぐ~たらにっき
    2017年6月26日

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  • ドラマハンティングP2G
    2017年6月26日

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  • Akira's VOICE
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  • のほほん便り
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    深志研(綾野剛)のおかげで、昏睡状態の津軽(二階堂ふみ)は目を覚まし、助かりました。彼のもってた菌が津軽の難病に利くものだったのですね。工務店の人々の優しさがしみました。でも、異型の研を駆除しようという動きが起こり、森に逃げ込みます。いったんは騒動の責任をとらされていた、天草(新井浩文)も報いられて安堵。鶴丸(柄本明)と稲庭(柳楽優弥)が、研のために準備した研究ワゴンカーは良いアイディアでしたね。これで、異型モンスターから、世界を救う、研究家に。そして年月は流れ、ラストがハッピーエンドで温かなキモチ…