NHK朝ドラ【ちりとてちん】(2013年・再放送) 第22回 感想

草々(青木崇高)に、磯七(松尾貴史)が持ってきた仕事を受けて「辻占茶屋」を
演じるように訴える喜代美(貫地谷しほり)。
しかし、草々は「辻占茶屋には三味線の下座(げざ)が必要だから無理だ」と言って相手にしない。
改めて「辻占茶屋」と下座について勉強した喜代美は、成り行きで「三味線は自分が弾きます」
と申し出てしまう。
草々は断ろうとするが、それを聞いていた草若(渡瀬恒彦)が思わぬことを言い出した。

(上記あらすじは「Yahoo!TV」より引用)

連続テレビ小説「ちりとてちん」第22話「小さな鯉のメロディ」
     

      ちりとてちん感想

 

※「ちりとてちん」は、2007年10月期のNHK連続テレビ小説です。
当方は当時の放送をオンタイムで見ているので感想は恐らく回顧目線になりがちです。
ご了承のうえ、ご覧くださいませ。

※レビューでは先のネタバレは控えるよう努力します。
※レビューの更新はイレギュラーで…。週まとめは必ず書くようにいたします。

※再放送時間は月~土・午前7時15分からNHKBSプレミアムにて。

 

磯村屋さんの言うとんなった、落語会に出てもらえませんでしょうか?

 

思い切って草々さんに言うてみたものの、慣れない事に緊張してしゃがみこむ喜代美。

「告白」っつーのは愛の告白でなくても勇気がいるもんです。
ましてや今まであきらめて逃げてきた人生。
他人にちゃんとぶつかっていくいうのは、喜代美にとっては初めてのことなんですな。

 

私、いろいろ事情聞いて。…三年前の事とか…。

人を動かす言葉ってなかなか難しいですよね。
しかも、相手は山のようにデカくて目つきが鋭くてヤーさんのようだと来てる…。 

今も、ほら、めっさ睨んでるし。

す…すいません!
でも、いつか師匠さんと高座に上がるんやと思とんなるんやったら先に、草々さんが
高座に上がれるようになっとかなあかんのやないかなって…。

お前には関係ない。

 

でも、めげない。

 

こ…こたえますね…。お節介焼いて怒られるいうのん…。

…でも。せっかくやから全部言います。

「せっかくやから」て…。

「辻占茶屋」をやって下さい!

 

「辻占茶屋」いうのは昨日の記事でも書いたように1人ではできない演目らしいです。
その辺は喜代美の耳にはあまり入って来なかったのか…。
よく知らないから言えるって事もありますね。
喜代美にとっては、とにかくトラウマを乗り越えてほしい思いの一心だったのでしょう。

 

お前あほか。
下座をどないすんねん?

げざ?

下座いうのはお囃子さんの事や。
出囃子はもちろんやけど、「辻占茶屋」は途中で唄が入ったやろ。
あないして唄入れたり、効果音入れたりするんは「はめもの」言うて、上方落語
独特のもんなんや。
「辻占茶屋」は特にその「はめもの」が重要な噺なんや。
下座さんがおらんとどうしようもない。

 

ここで、そう言えば尊建が「げざが」何たら言うてたわ…と思い出す喜代美。

奈津子さんにその話をしたら、

それやったら喜代美ちゃんが下座さんやったら?
三味線弾けるんでしょ?

と言われる。

もちろん弾けますが…これは喜代美自身のトラウマ。

 

「変わらなあかん」そない思て大阪出てきたんやなかったっけ?

 

奈津子さんから貸してもらった本で勉強し、

こりゃ無理やわ…。

 

と一度は思ったものの「変わらなあかん」を実行し始める喜代美。

喜代美をそう思わせるのは「背中」なのでした。
草々さんの背中。

なんやデッカクて、なのに寂しそうで、でっかいのに消えてしまいそうな切ない背中。

この絵が…見ている者にも思わせるのでした。

この人を変えてあげたいと。
この人に立ち直ってほしいと。

だから、

何でこのヒロイン、こんな無茶な事やろうとしているの
とか、変な女だとか、無理強いだとか…思わずに済むのです。

草々さんの切なさと喜代美の必死さが伝わる回。

そして、草々さんを変えてあげるために喜代美自身も変わろうと思った回。

ある意味、主人公の節目に当たる回です。

 

三味線のたどたどしさと…
この家の中で三味線の音が今響く事自体に対する草々さんの苛立ち。

でも、喜代美は負けまへん。

悔しそうでした。
柳眉さんの「辻占茶屋」聴いとる時の草々さん…すごい悔しそうでした。
「あそこにおるんが自分やったらなあ」てそういう顔しとんなりました。

きっと後悔します。
ほんのちょっとの勇気が出せんで一番やりたい事やらへんかったら…。
絶対、後悔します!

 

ずーーーっとその様子を見ていた草若師匠の、

わしはもう、高座に戻る気ィもない。
けどお前、違うやろ。
お前、高座が恋しいてたまらんのやろ。

あほのキーコがこない必死になってんのや。
なんぞ面白いもんができるかも分からへんな。

の言葉に押され…。

床屋の磯七さんに高座を引き受ける旨を伝える草々さん。

居酒屋「寝床」のみんなの嬉しそうな顔。
本当は組合の慰安なんか口実で…
草々さんが落語に戻る手助けをしてくれはったって…。

みんな、ほんまにええ人です。・泣

 

そして、たどたどしい「下座」喜代美と草々さんの稽古が始まったのでした。

 

よろしければ→【2013年10月期・秋クールドラマ】ラインナップ一覧とキャスト表

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※キャスト

和田喜代美/徒然亭若狭 … 貫地谷しほり(少女時代:桑島真里乃)

徒然亭草若(三代目) … 渡瀬恒彦
徒然亭草々 … 青木崇高(少年時代:森田直幸)
徒然亭草原 … 桂吉弥
徒然亭小草若→徒然亭草若(四代目) … 茂山宗彦(少年時代:榎田貴斗・森川翔太)
徒然亭四草 … 加藤虎ノ介
木曽山勇助/徒然亭小草々 … 辻本祐樹
吉田志保 … 藤吉久美子

和田糸子 … 和久井映見
和田正典 … 松重豊
和田小梅 … 江波杏子
和田小次郎 … 京本政樹
和田正平 … 橋本淳(少年時代:星野亜門)

和田正太郎 … 米倉斉加年

和田清海 … 佐藤めぐみ(少女時代:佐藤初)
和田友春→野口友春 … 友井雄亮(少年時代:小阪風真)
和田秀臣 … 川平慈英
和田静 … 生稲晃子
野口順子 … 宮嶋麻衣(少女時代:伊藤千由李)
野口幸助 … 久ヶ沢徹
野口松江 … 松永玲子
野口春平 … 斉藤勇人/新岡澪
野口順平 … 斉藤隼人/新岡塁

熊五郎 … 木村祐一
咲 … 田実陽子
磯七 … 松尾貴史
菊江 … キムラ緑子
徳さん … 鍋島浩
お花 … 新海なつ
緒方奈津子→和田奈津子 … 原沙知絵
原田緑 … 押元奈緒子

鞍馬太郎 … 竜雷太
万葉亭柳眉 … 桂よね吉
土佐屋尊建 … 波岡一喜
万葉亭柳宝 … 林家染丸
土佐屋尊徳 … 芝本正
柳宝の弟子 … 林家染左、林家染吉
烏山 … チョップリン西野
原田颯太 … 中村大輝(少年時代:河合紫雲)

音大の教授 … キダ・タロー
あわれの田中 … 徳井優
横山たかし・ひろし … 本人
五木ひろし … 本人
ニュースキャスター … 浅越ゴエ

竹谷修 … 渡辺正行
堀田由美子 … 和田はるか
高島恵 … 中井飛香
北川沙織 … 村上佳子

 

語り – 上沼恵美子

 

※スタッフ

脚本 … 藤本有紀
演出 … 伊勢田雅也、勝田夏子、井上剛、菓子浩、三鬼一希、吉田努、櫻井壮一
制作統括 … 遠藤理史
音楽 … 佐橋俊彦

テーマ曲・ピアノ演奏 … 松下奈緒

 

 

 【ちりとてちん】第1週~第3週、19 20 21 22



コメント

  1. くう より:

    SECRET: 0
    PASS: d0970f9a670a457ba04fd47a84598fe5
    >いいですねえ。15分間がとっても豊かで、泣いたり笑ったりして、明日も楽しみ〜という気持ちで終われます。

    そうなんですよね。
    15分って…こんなに色々と描けるもんなんだなって…。
    こういう感覚で見るのは久しぶりです。
    …って、一度見ているはずなんだけど^^;改めて思います。

    >草々さんの背中、雄弁ですよね。今回見て、青木さんって、本当にいい役者さんだと改めて思っています。

    私もです~!
    ずっともう青木崇高さんを見るたびに草々さんを思い出していたはずなのに、
    改めてこうして見ると本当~に凄い役者ですよね。
    あの背中をこう見せる演出も素晴らしい!

    >ちょっとした表情や間に泣かされたり、まわりの一人一人が丁寧に、愛情を持って描かれているところも、ああ、いい脚本だなあ。演出もだけど、きっと本がしっかりしてるんだろうなあ、と思えます。

    脚本力の凄さは最終回まで見た者にとってはもう鳥肌ものですわね。
    ここからああなって、こうなって…と先も考えると、今やっている所は
    振り返りになるわけですが、その作り込みが凄い。
    藤本さんは天才です。

    >(と、ここまで書いて、これまで書いた感想を、そのまま裏返しにすると、今の朝ドラの感想になってしまうことに気がつきました。同じ「がんばっている」姿なのに、愛おしさがわかないめー子嬢。)

    ふふふ…気づきました?
    実は私、たぶん「ちりとて」感想を始めたのはそういう事なんですよ^^;
    自分でたぶんと言うのも変ですが…書かずにおれなくなったのです。

    >これからも、レヴューを楽しみにさせていただきます。

    ありがとうございます~^^

  2. くう より:

    SECRET: 0
    PASS: d0970f9a670a457ba04fd47a84598fe5
    >今日は、床屋の磯七さんの「そうか!やってくれるか!」の笑顔に
    泣かされました。
    みんな口では色々言ってるけど、草若さんや草々さんの事を
    心から心配してるんだなーって。

    そうなんですよね!私もウルッとしました。
    人情に溢れているんですよね。
    熊五郎さん夫婦の笑顔にもホロッと…(ノ_-。)

    もう毎日こうですよ。
    笑ったり泣いたり感情の持っていかれ方がハンパないです(>_<)

    >今『ちゅらさん』も再放送をされてますね。
    一度も観た事がなかったので、こちらもこれまた楽しませて貰って
    ます♪
    国中涼子ちゃんって、こんなに可愛かったんですね。(*^_^*)

    国仲さん、最近変な役ばかり多くなっちゃって…(ノ_-。)
    ほんと、エリーはカワイイですわ。
    個人的には髭もなくお肌がツルンとした山田くんも可愛い…と思いながら見ています(#^.^#)
    「ちゅらさん」は青い海の風景も素晴らしいですよね!

  3. やみー より:

    SECRET: 0
    PASS: 154d6f00a51054fa181a46414343d6bd
    いいですねえ。15分間がとっても豊かで、泣いたり笑ったりして、明日も楽しみ〜という気持ちで終われます。

    草々さんの背中、雄弁ですよね。今回見て、青木さんって、本当にいい役者さんだと改めて思っています。

    ちょっとした表情や間に泣かされたり、まわりの一人一人が丁寧に、愛情を持って描かれているところも、ああ、いい脚本だなあ。演出もだけど、きっと本がしっかりしてるんだろうなあ、と思えます。

    前回見た時、喜代美ちゃんの、最初うじうじしているところは苦手だったんですが、がんばるようになってからの喜代美ちゃんは愛おしく、この後何度も負けそうになりながら、道を極めていく姿には毎日声援を送っていました。

    (と、ここまで書いて、これまで書いた感想を、そのまま裏返しにすると、今の朝ドラの感想になってしまうことに気がつきました。同じ「がんばっている」姿なのに、愛おしさがわかないめー子嬢。)

    これからも、レヴューを楽しみにさせていただきます。

  4. えん より:

    SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    ここんとこ毎日涙涙です。
    今日は、床屋の磯七さんの「そうか!やってくれるか!」の笑顔に
    泣かされました。
    みんな口では色々言ってるけど、草若さんや草々さんの事を
    心から心配してるんだなーって。
    観ると心がほわほわして、「私も人に優しくなろう!」って思わせて
    くれるドラマですね。
    明日も楽しみだー!!(^^)/

    今『ちゅらさん』も再放送をされてますね。
    一度も観た事がなかったので、こちらもこれまた楽しませて貰って
    ます♪
    国中涼子ちゃんって、こんなに可愛かったんですね。(*^_^*)

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