清海(佐藤めぐみ)がテレビで活躍する姿を見て、「落語家への夢をあきらめる
わけにはいかない」と思い直した喜代美(貫地谷しほり)。
改めて草若(渡瀬恒彦)に弟子入りを志願するのだが、やはり草若は受けつけてくれない。
草々(青木崇高)からも、「3年もの間落語から離れていた師匠が、新しく弟子をとって
育てることは難しい」と言われてしまう。
なんとかして弟子入りしたい喜代美は、一人で落語の勉強を始めるのだが…。
(上記あらすじは「Yahoo!TV」より引用)
連続テレビ小説「ちりとてちん」第46話「袖振り合うも師匠の縁」
※「ちりとてちん」は、2007年10月期のNHK連続テレビ小説です。
当方は当時の放送をオンタイムで見ているので感想は恐らく回顧目線になりがちです。
ご了承のうえ、ご覧くださいませ。
※レビューでは先のネタバレは控えるよう努力します。
※レビューの更新はイレギュラーで…。週まとめは必ず書くようにいたします。
※再放送時間は月~土・午前7時15分からNHKBSプレミアムにて。
エーコのお天気テレビ放送は、小浜の和田秀臣家も家族そろって見ています。
大学の友達からサインを貰って来いと言われたと笑う友春に、ちょっと厳しい秀臣。
それよりも友春。
冬休みぐらい工場手伝ったらどうなんだ?
何で?
お前、跡継ぎの自覚あるのか?
…分かっとるわ!うるさいな。
反抗期ですかいな…。
ぼんぼんっぷり炸裂な友春。
喜代美は、もう一度師匠に頭を下げます。
私を弟子にして下さい!お願いします!
無理やて!
決めつけんといて下さい!
私、子供の頃からずっと言われてきました。
「あんたはすぐ投げ出すんやさけ」って。
でも今回は絶対に諦めません!
あのテープを出して師匠に見せる喜代美。
これ…小さい頃から何百回も聴いたテープです。
私はこのテープが私をこの家へ…。
師匠さんの所へ連れてきてくれたと思うてます。
ほやさけ…!
あのな、喜六…。
師匠は言うのです。
今は店子だから喜代美から家賃が入る。
弟子になったら家賃は取れん。
家賃がのうなったら酒が飲めん……。
そんな理由で…と、食い下がる喜代美でした。
だったら、弟子になっても家賃は払います…で済む話。
それよりも、ここで師匠が喜代美に「喜六」、と語りかけること。
そっちの方が大事ですよね。
もう、師匠にとって喜代美は「落語の中の人」やん…。
認めてるでしょ。
しかし、ままならぬ理由は、そんな事ではないのです。
3年間というブランクによって作り出された自信の欠如。
喜代美が挨拶に行く前に、ブツブツと1人稽古しては首をかしげる師匠。
今の師匠に弟子入りすんのは無理や。
師匠はこの3年、落語から離れてはった。
自分の芸にも不安があるはずや。
よく解っているのは草々さん。
落語会の時の「愛宕山」あんなにすごかったのに…。
素人には分からへん。
そんな時に新弟子取って育てる事なんかできる訳がない。
師匠だけやない。俺かて3年のブランク感じてる。
草原にいさんかて四草かてそのはずや。
ブランクの間に、ライバルだった三国志の2人はとっくに先へ走っています。
徒然亭は「置いて行かれた3年間」を取り戻す事がまず大事。
「平兵衛はん。これはわしの死に金や。これでどうぞひとつ世間体
無事に納まるように算段してほしいのやがな」
「25両…。金の顔見てから言い方変えたらえらい薄情なけど…」……
ここまで言ってはたと止まる四草。
忘れてる…!
ええ!?
稽古をみてやっていた草原兄さん、目を丸くする。
申し訳ありません!平兵衛さん!
あさっての方向に詫びの礼する四草。
誰に謝ってんねん?
落ち着け。こうや。
「25両。金の顔見て言い方変えたらえらい薄情なけど…」…
止まる。
お…俺も忘れてる。
言葉を失う2人。
3年…。
喜代美は、奈津子さんの職場でボヤきます。
私、どねしたらええんでしょう?
やっと自分の道見つけたのに、いきなり閉ざされとるんですよ。
しかし、奈津子さんは奈津子さんで上の空…。
人間、生きてたら予想もつかへん事が起きるもんやの。
そこらの男ではちょっと手ぇの出されへん仕事のできる女になろう思て
頑張ってきたのに…。
フーテンの四十男はないやろ、奈津子!
この時、頭に浮かんでるのが小次郎おじちゃんだとは、この時の喜代美には
想像もつきまへん。
大阪に出てきた時にここに小次郎さんが来たのも、喜代美は知らないしね。
何の話しとってんですか?
あっいや…!そやからぁ、喜代美ちゃんも師匠さんだけが男…ん?…師匠さんだけが
落語家やない思て、ちょっと、こう…視野をね、広げてみたら?
視野を広げる?
四草の中華屋で、いつのまにか出前をしている喜代美がいました。
出前の先はもちろん「天狗座」。
天狗座に出前ついでに覗き見して落語を聞き…。
家に帰って調べて「落語ノート」に付ける。
独学で始めた勉強。
偉いわ………。
けれども、やはり他の師匠は喜代美には考えられない。
物言いたげな喜代美の視線に困った顔の草若師匠。
本当は…かなり喜代美を気に入ってはるんでしょう…と思われる。
けれども弟子をとる自信はない。
この辺、喜代美の視線が切なくて。
師匠の困惑顔も切なくて。
初老のおっさんに恋してしまった少女とのプラトニックな恋愛関係のようにも…
見えてしまうほどなのでした。
さて。
小草若の番組のアシスタントに、なんと、エーコが付く事になったようです。
何や。新しいコーナーアシスタントってあんたやったんかいな。
え?
知ってるで知ってるでぇ。
「ニュース1」のお天気おねえさんにして、喜代美ちゃんと同姓同名の幼なじみや。
ビーコの事、知ってらっしゃるんですか?
知らいでかいな。うちのおやじんとこの下宿人でな。
そうか。…そういうたら草々さんも確か「徒然亭」…。
エーコにとっては、これは心強い事ですよね。
ビーコが知らず知らずまたエーコを助けているという…。
ほんと、どこまでも表裏くっついたオセロのコマのような2人。
そこへ、いきなり友春が現れます。
エーコの仕事場を偵察しに来たそうで。
実家にいても秀臣と上手く行かないし。
まぁ…ぼんぼんの憂さ晴らし…& 物見遊山。
友春を見て驚く小草若。
ああ~!
お前は株式会社若狭塗箸製作所跡取り和田友春!
一度しか会うてへんのに、よく覚えてんな~。
あっ!そういうお前は徒然亭いそぎんちゃく!
小草若じゃ!何じゃ!?
この2人もまた、宿命のライバル……ってほどの事でもないけれど。
喜代美ちゃんなあ、俺の身内になるかもしれへんど。
と、得意げに語る小草若。
えっ?ど…どういう事や!
焦る友春。
まぁ…小草若の妄想の中では妹弟子=オレの嫁…だからな。
そして、焦った友春は、落語家なんかになるなと言いに、喜代美の部屋まで
わざわざ押し掛けに来たのでした。
そんなもん女がなるもんやないやろう!
素直に株式会社・若狭塗箸製作所の次期社長夫人になったらええんや。
あんた、会社の手伝いも何もせんと、そういう事だけは言うんやね…。
と、ツッコみたい所ですが、ここは友春なりにちゃんと考えています。
ほんまの事言うたら、俺…自信ないんや。
お父さんみたいになる自信。
ほやけんど、お前が俺の横におってくれたら頑張れる気ぃするんや。
いつになく弱気なぼん。
喜代美はきちんと気持ちを伝えます。
友春さん。ありがとう。
でも…私、友春さんの横で生きていく事はできん。
決めたんや。
私は師匠さんの落語を受け継ぐって。
受け継いで伝えていくんやて。
へちゃでえ頭悪くて何の取り柄もない私にどこまでできるか分からんけど。
投げ出さんと最後までやってみよう思うとる。
ほやさけ…友春さんも立派な若狭塗箸製作所の社長さんになって。
くじけそうになったら、きっと友春さんも同じように悩みながら一生懸命お父さんの
塗箸受け継いどるんやなあて、そない思うさけ。
この時の喜代美が、なんや神々しくて…。
ビーコ…ビーコのくせに人を励ましとるわ。
…そう思いつつもニヤけてしまったのでした。
ニヤけながら、感動した。
最近……まぁ…某現行朝ドラでも未熟な主人公が人を励ますシーンを見ましたが……。
なんつーか…セリフも演出も全然違いますな…。
貫地谷しほりちゃんの表情が温かくて頼もしくて。
心から喜代美に頑張ってほしい、そう思えるシーンなのでした。
人間くさいよね。「ちりとてちん」は。
藤本有紀さんが作り出す登場人物は。
未熟な凡人が、簡単に事は進まない中で悩んだりジタバタしたりして生きていく。
その描き方が滑稽で、かつ温かい。
だから好きなんだよ。改めてそう思う。
よろしければ→【2013年10月期・秋クールドラマ】ラインナップ一覧とキャスト表
※キャスト
和田喜代美/徒然亭若狭 … 貫地谷しほり(少女時代:桑島真里乃)
徒然亭草若(三代目) … 渡瀬恒彦
徒然亭草々 … 青木崇高(少年時代:森田直幸)
徒然亭草原 … 桂吉弥
徒然亭小草若 … 茂山宗彦(少年時代:榎田貴斗・森川翔太)
徒然亭四草 … 加藤虎ノ介
木曽山勇助/徒然亭小草々 … 辻本祐樹
吉田志保 … 藤吉久美子
和田糸子 … 和久井映見
和田正典 … 松重豊
和田小梅 … 江波杏子
和田小次郎 … 京本政樹
和田正平 … 橋本淳(少年時代:星野亜門)
和田正太郎 … 米倉斉加年
和田清海 … 佐藤めぐみ(少女時代:佐藤初)
和田友春 … 友井雄亮(少年時代:小阪風真)
和田秀臣 … 川平慈英
和田静 … 生稲晃子
野口順子 … 宮嶋麻衣(少女時代:伊藤千由李)
野口幸助 … 久ヶ沢徹
野口松江 … 松永玲子
野口春平 … 斉藤勇人/新岡澪
野口順平 … 斉藤隼人/新岡塁
熊五郎 … 木村祐一
咲 … 田実陽子
磯七 … 松尾貴史
菊江 … キムラ緑子
徳さん … 鍋島浩
お花 … 新海なつ
緒方奈津子 … 原沙知絵
原田緑 … 押元奈緒子
鞍馬太郎 … 竜雷太
万葉亭柳眉 … 桂よね吉
土佐屋尊建 … 波岡一喜
万葉亭柳宝 … 林家染丸
土佐屋尊徳 … 芝本正
柳宝の弟子 … 林家染左、林家染吉
烏山 … チョップリン西野
原田颯太 … 中村大輝(少年時代:河合紫雲)
音大の教授 … キダ・タロー
あわれの田中 … 徳井優
横山たかし・ひろし … 本人
五木ひろし … 本人
ニュースキャスター … 浅越ゴエ
竹谷修 … 渡辺正行
堀田由美子 … 和田はるか
高島恵 … 中井飛香
北川沙織 … 村上佳子
語り – 上沼恵美子
※スタッフ
脚本 … 藤本有紀
演出 … 伊勢田雅也、勝田夏子、井上剛、菓子浩、三鬼一希、吉田努、櫻井壮一
制作統括 … 遠藤理史
音楽 … 佐橋俊彦
テーマ曲・ピアノ演奏 … 松下奈緒
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【ちりとてちん】第1週~第3週、19 20 21 22 23・24
25・26 27・28 29 30 31・32・33・34 35・36 37・38
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コメント
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>「秀吉」じゃなくて「ひでおみ」ですよ。
すいません!
誤打というか、以前は「ひで」と打ち込むと予測変換で「秀臣」が出てきていたので、
全く気付かず同じ感覚で打ってました。
最近「清須会議」の感想を書いたので、そこから「ひで」は「秀吉」に変わってしまったようです。
ご指摘ありがとうございました。
>そのネタバレ満載のキャスト表にも書かれてますのでよく見てください。
あ~現行朝ドラの場合は徐々に変えていくのですが、これはまぁいっかと思って
最後までこのままで行くつもりでした。
そうですよね。初めて見る方もいらっしゃいますもんね。
きっっっつい言い方でのご指摘ありがとうございます~^^;
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>いやーいろいろな見方、考え方があるもんだ、と思いました。私にはただ独善的ではた迷惑にしか見えないんだけど(笑)。
ですね^^;
そりゃあっちの話は「簡単」だもの。
そもそも質が違いますわ。
>喜代美ちゃんを始め、ここの登場人物たちのやさしさ、不器用さ、(はた迷惑でない)一生懸命さが好きだなあと思います。
私もです。
ちゃんと人間を描いてくれていると思います。
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>喜六って呼んだ!と私も反応しました。
そして、平兵衛に謝る四草も(笑)
どこに謝っとるんや!ですよねw
草原にいさんよりも早くツッコみましたわ。
>首かしげながらの愛宕山の師匠。
三年のブランクはプロにとっては大きすぎるほど大きいですよね。
芸の道は何でもそうですね。
落語忘れなくても勘は狂う。
弟子取ってる場合やないと言うのはよく解ります。
>師匠や他の弟子達の思いも分かるし、
きよみの何とも言えぬ「おかしみ」も
落語で活かされたらいいなぁと思います。
生かされることでしょう^^
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前回に書かれたときは「打ち間違いだろう」と思ってスルーしたのですが、何度も連発されているので…
「秀吉」じゃなくて「ひでおみ」ですよ。
そのネタバレ満載のキャスト表にも書かれてますのでよく見てください。
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某現朝ドラの感想ツイで「めーちゃんはトラブルに遭っても自分で考えて行動する。賢い。流されているだけのびー子とは違う」というような書き込みがあって、いやーいろいろな見方、考え方があるもんだ、と思いました。私にはただ独善的ではた迷惑にしか見えないんだけど(笑)。
喜代美ちゃんを始め、ここの登場人物たちのやさしさ、不器用さ、(はた迷惑でない)一生懸命さが好きだなあと思います。
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徒然亭イソギンチャク、うちの子達が大喜びでした。
6歳児から喜寿越えじいさんまで年齢関係なく、ごちそうさんは心から楽しめます。
喜六って呼んだ!と私も反応しました。
そして、平兵衛に謝る四草も(笑)
首かしげながらの愛宕山の師匠。
三年のブランクはプロにとっては大きすぎるほど大きいですよね。
師匠や他の弟子達の思いも分かるし、
きよみの何とも言えぬ「おかしみ」も
落語で活かされたらいいなぁと思います。