【ATARU】第5話

どんな病でも、こんなふうに新しい薬は次々にできる。

でも新しい病が次々に見つかってるのは精神科だけだ。
そういう意味では人の未来は精神医学にかかってると私は思ってる。

皆さんには、未来を助けるドクターになってほしい。

 

ATARU(アタル)第5話

    

帝都医大の外階段から植松教授が転落して亡くなった。

教授が階段から落ちるのを目撃していたのは、何と蛯名の弟・
そして、もう1人、助手を勤めている浅尾。

植松教授が転落した時に後ろに人がいた。
と証言した昇に対して、浅尾の証言は

植松教授は、お一人でしたけど。

昇は確かに去っていく人影を見た。
このままだと、どちらかが嘘をついている事になる。

 

お前の弟が見てなかったら捨て山だったのに。

と、野崎に言われて、

東京弁の関西人がっ!

と後ろ姿に怒鳴る蛯名。

蛯名は弟の証言を信じたい。

しかし、被害者のネームプレートから血痕は出てきたものの犯人の物とは確証できず、
事件は事故・「捨て山」として処理されそうだった。

「ブレイン ハルシネーション」

「幻覚?」とチョコザイに言われて昇も自信が無くなってきていた。

 

浅尾が誰かを庇っている可能性を探り出した沢は、同じ研究室の桂井と浅尾が交際している
事を突き止める。

桂井は、植松教授に論文を酷評されて准教授になれなかった過去があると言う。

精神医学科の門倉教授に話を聞く沢と蛯名。

ノートルプチン パロキサミン…

門倉教授がそう言うと、

「ゾルゾラム エムゾラム フニトラグラムプロクロン…」

と、つぶやき始めるチョコザイ。

すごい… すごいなあ。

興味深そうに笑う門倉教授。

なんです?今、彼が言ったのは。

ノートルプチンとパロキサミンという成分が入ってる向精神薬だ。

その成分は抗うつ薬の効果を強めるために入れるのが普通だ。
今、彼が言ったのもその手の薬ばかりだ。

だが、植松教授は、その二つの成分だけで効果があると論文を書いた。

その論文でもめたんですか?

忠告しただけだ。
利益相反に問題がある。
私はその二つの成分だけで抗うつ薬の効果があるとは思えん。

じゃあなんで植松教授はそんな論文を?

その論文どおりの薬を売ってるんだよ。「優志製薬」が。

 

元々は、この優志製薬の弁当つき説明会に全員参加しようと移動している所だったのだ。

植松教授の講座は、ほぼ優志製薬から多額の寄付をもらってる。

つまり賄賂?

彼は製薬会社に都合のいい論文を書いたんだ。
それによって効き目のない薬を買う患者が増える。

それが利益相反だそんなやつは…ドクターじゃない。

 

最近腹が気になっているから、と言って昼食を半分残して立ち上がる門倉教授。
チョコザイは、なぜかその半分が気になるようだった。

 

沢と蛯名は「優志製薬」の北見を捕まえて話を聞くことにした。

北見は薬の効果については自分の口からは話せない、と言う。

余った弁当を沢と蛯名にくれたが、自分自身はこれから健康診断なので
何も食べられない、とお腹を鳴らしている北見。
疲れた様子に、沢と蛯名は同情する。

確かに植松教授の論文のおかげで、ウチのその薬広く使われるようになりました。

北見から得られた話はそれだけだった。

 

食堂で浅尾を捕まえて北見から聞いた話をすると

植松教授のその論文なら読んだことがあります。
門倉教授が怒るのも無理ないですよね。

と言う。

尊敬してるんですね。門倉教授を。

もちろんです。

もしかして植松教授が転落したとき、その場にいたのは門倉教授じゃないんですか?

違うっ!
ホントに… 誰もいなかったです。

浅尾は、食事を半分残して立ち去った。

その残りご飯をやはり気にするチョコザイ。

「真ん中はどこ?」

 

僕が見間違ったのかもしれない。

その日の夕食時、昇はそう言い出した。

明日、そう言っといて。警察の人に。

ホントに見間違ったの?

だって浅尾さん、なにも見てないんでしょ?
なにも見てないなら、僕が見間違ったしかない

 

翌日、渥見に呼び出された沢は、発見された血痕は被害者の物ではなかったと言う。

じゃあ、やっぱり犯人の血?

かもしれないけどDNAに前科はなかったのね。
でも特徴的な成分が検出されたのね。

アムロジピン?

高血圧や狭心症の薬なのね。
高コレステロール症の薬なのね。

つまり犯人はこの手の薬を飲んでる人物…

私、門倉教授が薬を飲んでたの見たんだった!

 

沢と蛯名が門倉教授への疑いを強くする中、浅尾に対してポリグラフの検査が行われた。

結果、浅尾の証言に嘘はないと証明され、昇はついにみんなの前で頭を下げた。

 

やっぱり… 僕の見間違いだ。

すいませんでした!
警察の捜査を混乱させて、大学の人にも迷惑を…すいませんでしたっ!

弟の様子を心配そうに見つめる蛯名はまだあきらめきれない。

そして、チョコザイは

「ご飯食べなかった!」「半分食べなかった。真ん中はどこ?」

を連発し始めるのだった。

 

翌日、沢と蛯名は門倉教授室の学生を全員集め、横に何本か引いた線の真ん中に
それぞれ印をつけるテストをしてもらった。

多くの学生が線の真ん中に印をつける中、1人だけ大幅に右にずれた印をつける者がいた。

浅尾だった。

 

「ブレイン ハルシネーション」「ブレイン ハルシネーション」

と言うチョコザイの指摘を受けて、教授は浅尾に聞く。

浅尾くん。脳梗塞や脳いっ血の経験は?

ありませんけど…

頭のオペ…

あっ、スキーで転んだときに脳挫傷に。

脳血腫の摘出オペか。

はい。

いつ!?

国家試験に合格した後…

 

被害者・植松教授のネームプレートから出た血痕の中の成分、アムロジピンとスタチンは、
「優志製薬」の北見が自ら治験として服用している事が解った。

MRの仕事で一番大切なのは、薬の売り込みじゃないんです。
自社の薬の有効性と副作用を医師に示し、医師からは使用したときの有効性と
副作用の情報を収集する。
そうやって、やっと薬は良いものになっていくんです。

なのに、効果のない薬にまるで効果があるような論文を書かせて、代わりに多額の寄付を
する。そんなことするためにMRになったんじゃない!

 

効果の実証されない新薬の売れ行きが、植松の論文で良すぎるほどになった事に
北見は恐怖と不満を感じていた。

論文の訂正をしてほしくて、植松教授に詰め寄った。

その結果、バランスを崩して教授は階段から落ちた。
北見は、その場から逃げ出してしまったのだった。

 

捕まるのは時間の問題だと思っていました。
でも、浅尾さんは誰も見てないと言った。
なんで、浅尾さんは私をかばったんでしょう?

かばったんじゃなく、見えてなかった。

いや、見えてたけど。

見てなかったんです。

 

脳外科医の井下田悦四郎先生の説明では、

半側空間無視の典型的な所見

だと言う。

脳の右側を損傷した場合は左、左を損傷した場合は右に示された視覚、聴覚、触覚などの
刺激を認識できなくなる症状です。

浅尾君の場合は、それが左の視覚に特化されているのが最大の特徴です。

左側に症状が現れる場合、本人がそれを自覚していない事が多いのだという。

浅尾は、10年間も大学内で迷子になったり、何かにつまづきやすい自分を
全くその症状だと自覚しないで生活してきたのだった。

 

僕は…この障がいに気づかずに、見えないはずのものを補って誤魔化して生きていたんですね。

でもこれでハッキリしました。
僕はもう、ドクターにはなれないんだなって。

 

そんな浅尾に門倉は言うのだった。

なぜドクターになれないんだ?
君のその症状は、君の研究に生かせないのか?

君は半側空間無視という症状を抱えながらも、私の助手としてちゃんとやってきたじゃないか。

それは君が持つ能力だ。

このまま私の研究室にいなさい。

 

。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。

今回のエピソードの大部分は、事件の解決そのものよりも、浅尾の「半側空間無視」
ために当てられた。

「BOSS」の2ndシーズンCASE4でも、同じ症状が挙げられていたんですよね。
古谷一行さんのゲスト回。

 

事件とは直接には無関係な症例を解くために時間を費やすなんて・・・・・

と、言う風に見る向きもあるかも知れないけれども・・・

このドラマの場合はそれで面白いんだから文句ない。

 

結局は、この症例の「特に見たくない物は認識しない」事は、チョコザイのサヴァン症候群
にも共通した物があり、また、門倉教授が言った「それが君の能力」という言葉も
チョコザイに当てはまる。

無関係なエピソードを流しているわけではない。

全て繋がっているのです。

「捨て山」という言葉がよく使われているけれども、エピソードはどれも捨てられていない。
このドラマの中に、捨てる部分はないという事。

それは、捨てる物なんてない。全てに意味があると言うメッセージとして受け取れる。

素晴らしいです。

 

エンケンさん@門倉教授の言葉に2度も感銘を受けた。

「未来を助けるドクター」を作っている人なのだという事。
障がいではなく「能力」だと認めてくれる心。

ステキな人だなぁ…
昇くんが、この教授の元で学びたいと強く願う気持ちが伝わった。

(…ってか、エンケンさん、いい人の役で良かった。・泣そして、カッコいい。)

 

しかし…事件自体は…事故じゃねこれ… 

故意に突き落としたわけじゃないし、北見さん、逃げなければ良かったね。
どうか、あんなおっさんのために罪に問われないで済みますように。

 

でも、今回は、ちょっと豪華ゲスト過ぎたな…。
これって、普通レギュラーメンバーで出てくる役者さんたちでしょ。贅沢すぎ。

昇くんの大学の先生方なわけだし、どうかみんな今後も出てきてくれますように~。

 

※今回も当麻と瀬文が後ろ姿で登場してた~!みなさん、よく見つけはりますなぁ…。すごい。

 

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【キャスト】

チョコザイ … 中居正広
沢 俊一 … 北村一輝
蛯名舞子 … 栗山千明

蛯名 昇 … 玉森裕太
蛯名達夫 … 利重剛
蛯名真理子 … 奥貫薫

中津川 洋治 … 嶋田久作
渥見怜志 … 田中哲司
野崎蓮生 … 千原せいじ
犬飼甲子郎 … 中村靖日

松島光輝 … 庄野崎謙
石川 唯 … 光宗薫
黒木永正 … 中村昌也
玉倉 孝 … 三好博道

チョコザイの父 … 市村正親
ラリー井上 … 村上弘明

【CASE05 ゲストキャスト】

門倉 松雄 – 遠藤憲一

浅尾 茂樹 – 岡田義徳
桂井 まどか – 臼田あさ美
井下田 悦四郎 – 池田鉄洋
北見 光治 – 東根作寿英

大島 香 – 岩田さゆり
鎌田 – 清水一希
仲 – 千代将太
植松 秀高 – 小島康志

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コメント

  1. キッド より:

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    ものすごく濃いゲスト陣でしたな。
    岩田さゆりなんてほとんどエキストラ扱いだ・・・。
    浅尾の病状にピンと来た時の
    門倉教授、桂井講師の
    クールな精神科医ぶりが
    ものすごくかっこよかったですな。
    ああ・・・このそつのなさが
    精神の病の診療にはかかせない・・・ということですな。

    その対極にあるのが脳外科医の井下田・・・。

    一同爆笑ポイントです。

    まあ・・・同時に医療の暗黒面がのぞき・・・
    善人が悪を為すことの痛痒感を残す。
    このあたりは・・・まさに相棒テイストでしたーーーっ。

    そろそろ夏の気配ですな。
    今季の秀作・・・半分とっておいてほしかったと思う
    今日この頃でございます。

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    前半買いメインなり

    火神&黒子など面白くて

    後半お父さん登場も

    火神の動きで良い感じだし

    次は緑間らの試合の様だ

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    階段にはもうひとりの人物がいたのか。
    第5話ネタバレです。
    アルジャーノンに花束を (ダニエル・キイス文庫)ダニエル キイス Daniel Keyes 早川書房 by G-Tools

  9. ATARU CASE05

    『本当にあった透明人間事件』

    内容
    舞子(栗山千明)の弟・昇(玉森裕太)が通う帝都医大のキャンパスで、
    植松秀高教授(小島康志)が階段から転落して。。。そのまま死亡する。
    その状態を目撃していたのは、昇と精神科助手の浅尾(岡田義徳)

    やって来た沢(北村一…

  10. ATARU (第5話・5/13)

    4/15からTBSで始まったドラマ『ATARU』(公式)の第5話『本当にあった透明人間事件』の感想。

    確かにチョコザイが前面に出てるんだが…

    前回の感想で、いっそチョコザイをもっと前面に押し出して…

  11. ATARU 第5話

    MISSON 05「本当にあった透明人間事件」2012.05.13 ON AIR   昇(玉森裕太)が通う帝都医科大学のキャンパス内で、植松教授(小島康志)が階段から転落して死亡した。目撃していたのは、階段を上がっていた精神科助手の浅尾(岡田義徳)と昇だった。 知らせを受けた警…

  12. ATARU 第5話

    舞子(栗山千明)の弟・昇(玉森裕太)が通う医科大学のキャンパスで、植松教授
    (小島康志)が階段から落ちて死亡する。
    目撃していたのは、階段を上がっていた精神科助手の浅尾(岡田義徳)と昇だった。
    知らせを受けた警視庁の沢(北村一輝)、野崎(千原せいじ)た…

  13. ATARU 第5話「本当にあった透明人間事件」

    何かすごい久々に更新する気がする^^;
    見る曜日が偏ってるからなぁ。あといろいろバタバタしてるのもあるし。
    それにしても今週はゲストが豪華だったなぁ、エンケンと岡田さんかぁ。

  14. 「ATARU」第5話

    CASE05「本当にあった透明人間事件」   

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