【やすらぎの郷】第81・82・83・84・85話(第17週) 一週間まとめてあらすじ感想

アザミ(清野菜名)と会う約束をした菊村(石坂浩二)はその日を待ちわびる。
一方、しのぶ(有馬稲子)の認知症が悪化し、貝田(藤木孝)らは徘徊(はいかい)する彼女の後を付けていた。
だが、次第に貝田らの手には負えなくなっていく。
アザミと会う前日、菊村は人目に付かないカフェを選ぶが、そのことは冴子(浅丘ルリ子)らに筒抜けだった。
当日、菊村は律子(風吹ジュン)への罪悪感を抱きながら、アザミと待ち合わせた駅へ向かう。

(上記あらすじは「Yahoo!TV」より引用)

連続テレビ小説「やすらぎの郷」第17週 第81~第85話

   yasuragi

いよいよ榊原アザミが菊村栄に会いに来る日が迫り。
床屋に行くなど準備に余念がない栄。

郷では、及川しのぶが徘徊して踏切に入り、ついにもっと警備が強固な別の施設へ移されることになった。

この事は郷の住民の心を沈ませたが、栄の心はそれよりも目の前の懐かしい思い出の香りを楽しむことに夢中だった。

簡単にあらすじおさらい

第81話(月曜日) : アザミとの対面に心躍る栄は町の床屋へ行き、外を徘徊する及川しのぶと、それを追う貝田を発見。

2人の後ろには事務局の車も後をつけており、栄は一緒に2人を追う事になる。

しのぶは町の公会堂でコンサートを開く妄想に取りつかれていた。
踏切で動かなくなったしのぶを事務局は無理やり車に乗せて帰り、徘徊の頻度が高い しのぶはついに他の施設へ移されることになった。
 yasuragi17-しのぶを追う

第82話(火曜日) : しのぶの一件は心に影を残したものの、栄の心はもうすぐ会えるアザミの事でいっぱいだった。

どこで会えば郷の連中に気づかれずに済むか考えた栄は、マロから伸子とのデートの場所を教えてもらうが、その事が切っ掛けで栄とアザミが会う事は瞬く間にいつもの連中に知れ渡るのだった。

第83話(水曜日) : ついにアザミと会う日がやってきた。駅に迎えに行った栄は、マロに言われた通り「ワイレア」という店へ。

初めて会うアザミは安西直美に顔だけではなく仕草も声もソックリで、栄は思い出に浸って幸せなひと時を送った。

しかし、直美の近況を聞くと愕然とする答えが返ってきた。
尚美は6年前、東日本の震災で亡くなったのだと言う。

言葉も出ず、おもわず涙ぐむ栄。
 yasuragi17-震災の話

第84話(木曜日) : 「ワイレア」に、いつもの連中もいつの間にか来て2人を見張っていた。偶然のように姿を現したみんなに囲まれ、アザミの周りはしばし賑やかになる。

栄は1人、律子の事を思い出していた。
律子は直美の存在の大きさに気づき、栄に釘を刺していた。
当時、直美の存在は夫婦の間をギクシャクさせていたのだ。

場所を「山屋」に移して2人で様々な話をした後、栄はアザミを駅へ送る。
電車に乗る直前、突然栄に抱きつき、アザミは直美の香りを残しながら笑って帰って行った。

第85話(金曜日) : カサブランカで直美について皆で語り合った後、栄はヴィラに戻ってアザミから預かったシナリオ原稿を読んだ。

「手を離したのは私」と題されたそのシナリオに書かれていたのは間違いなく震災の日に手を取り合って逃げたアザミと祖母・直美の物語であり、栄は直美の手を離してしまったアザミの心の傷の大きさを知る。

そこには栄がかつて直美に渡した別れの手紙のことも書かれており、栄は愕然とする。
アザミは何もかも知っていて栄に会いに来たのだった。
 ドラマimg

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ウキウキとアザミとの対面を待つ栄ちゃんと、しのぶの退去という老いの切なさを一緒に描くのはこのドラマ始まってからずっと為されてきた手法。

老いらくの恋も生きている間の楽しみなのだから。
人間は生きている内が華なのだから。

悲しい描写もそういう気楽さと達観で片付けてきた「やすらぎの郷」に、ついに墓場まで持って行っても風化させてはならない話が訪れる。

そう、人間はどんな大きな災害もあっと言う間に忘れるが、それは身近にないからなんだよね。

かつて愛した人が飲まれた波は、死ぬまで忘れることは無いだろう。

しのぶの物語からそこへ繋げる手法がやはり素晴らしい。
思えば、しのぶは先週は波の音を拍手として聞いていたんだよね。

そこからここに繋がって来たのかと思うと、改めて、ゾッとするほどすごい。

簡単な感想

日々の感想はツイッターを拾います。

 yasuragi17-しのぶ

 yasuragi17-ハッピーのメール

 yasuragi17-みんないる

 

 yasuragi17手紙

  yasuragi17-手

エピソードの繋がりが濃い1週間だった。

しのぶの徘徊からの退所。
そんな事も人の死も風化する。
全て忘れる。震災すら風化するのだから…と語っていた栄が、決して風化できない遺族を目の前にする。

その体験は、きっと栄自身の中でも今後、死ぬまで風化する事は無いだろう。

及川しのぶにとって、ステージは痴呆になっても風化できない妄執だった。

繋いだ手と手を津波の中で離した記憶はアザミにとって、どんなに年をとってもきっと風化されることはない。

そんな風に亡くなった直美に関する思い出は、律子のことも含めて栄の記憶から消えることはない。

人間はすぐに忘れる。
とても大切なことも、とても苦い記憶もすぐに消える。

どんな悲しい話を聞いた後でも笑い話に出来る仲間も居る やすらぎの郷で。
それでも風化される事は無い記憶はあるのだと栄は知るのだ。

まさに神の手に寄る脚本を見せられた週。

再放送

通常再放送は BS朝日 毎週月曜~金曜日 朝7時40分~8時。

前週分の無料配信は「TVer」

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※キャスト

菊村栄 – 石坂浩二

白川冴子 – 浅丘ルリ子
及川しのぶ – 有馬稲子
水谷マヤ – 加賀まりこ
三井路子 – 五月みどり
井深凉子 – 野際陽子
高井秀次 – 藤竜也
真野六郎 – ミッキー・カーチス
九条節子 – 八千草薫
岩倉正臣 – 山本圭
松岡伸子 – 常盤貴子
財前ゆかり – 松岡茉優
名倉みどり – 草刈民代
菊村律子 – 風吹ジュン
名倉修平 – 名高達男
貝田英信 – 藤木孝

三角寬次 – 山谷初男
堺田俵介 – 毒蝮三太夫
原田 – 伊吹吾郎
那須 – 倉田保昭
中井竜介 – 中村龍史
宮下一馬 – 平野勇樹
中里正 – 加藤久雅
進藤秀夫 – 山下澄人
橋本忠吉 – 納谷真大
野村伊三郎 – 芳野史明
菅野平助 – 西岡ゆん
村松豊 – 福崎峻介
千倉和夫 – 森谷勇太
冲正之 – 熊澤洋幸
荒木実 – 関健介
正岡治 – 池田絢亮
田辺三郎 – 湯川尚樹
茅野大三郎 – 伊藤初雄
茅野順子(カメコ) – 長内美那子

中山保久 – 近藤正臣
侘助 – 小松政夫
玉子 – 野村麻純
犬山小春 – 冨士眞奈美
石上五郎 – 津川雅彦
四宮道弘 – 向井理
榊原アザミ – 清野菜名
菊村梢 – 山本舞香
菊村加奈子 – 森上千絵
菊村一郎 – 水津聡
住職 – 坂本長利
おかみ – 福井裕子

※スタッフ

脚本 – 倉本聰
演出 – 藤田明二、阿部雄一、池添博、唐木希浩
プロデューサー – 五十嵐文郎
音楽 – 島健

主題歌 – 中島みゆき「慕情」

公式サイト http://www.tv-asahi.co.jp/yasuraginosato/

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