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【64(ロクヨン)】土曜ドラマ 第1話 感想

昭和が終わった。
たった七日間の昭和64年に起きた事件だった。

犯人は命と現金を奪ったまま、今も平成の世に紛れ込んでいる。

 

64(ロクヨン) 第1話

     ロクヨンop

 

1989年1月7日に昭和天皇は崩御された。

私はその日の事を割とよく覚えている。

今も昔も変わりなく遅刻体質なので、ニュースも見ずに何も知らずに走っていた朝。
いつもは騒がしい駅が、人の密度は同じなのに不気味に静まっていた。
今から考えれば、音楽というものが街から消えていた。

改札口に半旗が揺れていた。
半分だけ上がった日の丸の旗。
人生でそんな物を見るのは初めての出来事だった。
まだ正月が明けたばかりなのに、気持ち悪い、不吉だと思った。

 

見ている内に、あの日の黒い霧がかかったような気味の悪い街を思い出した。

昭和64年最後の日までの7日間。
D県に住む7歳の雨宮翔子が誘拐され、遺体で見つかる。
身代金は犯人の手に渡り、14年経った現在も事件は未解決のまま。

D県警ではこの事件を「ロクヨン」と名付ける。

 

事件当時、捜一に所属してこの事件を担当していた三上義信が、14年経った現在は
警務部の広報官。

現在は県内で妊娠中の主婦が起こした脇見運転交通事故について
記者クラブから抗議を受けている。

東洋新聞の若手、秋川修次。
脇見運転の主婦の本名を県警はなぜ隠すのかという問いを突き付けてくる。

 

この主婦は妊娠8か月であり、ショックで母胎がどうなるか分からない。
だから匿名にしたと昨日説明したとおりだ。

 

警察が勝手に判断して名前や住所を隠すのがおかしいと言ってるんですよ。
実名で書くか書かないか、それは我々が公益性に照らして判断する事です。

なぜこっちが判断するんじゃ駄目なんだ?

 

事実関係が曖昧になるからですよ。
それじゃこっちは検証のしようがない。
警察が匿名と判断していいなら極端な話それを隠れみのにして隠蔽する事だって
起こりえるじゃないですか!

 

殺人目的で人をはねたワケではなく、不注意による過失である。
別に多くの庶民はそんな人の本名を報道してくれとは思わないよね…
どうでもいいじゃないか。

…と、思ったけれども、結果的にはこの主婦、県警公安委員の娘だったんだ。
つまり秋川の言う通り、本物の隠ぺいだった。

事情を教えてくれなかった理由について警務部長の赤間は、

 

あなたは記者と直接交渉する訳ですから知っていれば顔や態度に出ないとは
限りませんでしょう。

と、しゃあしゃあと言う。

記者クラブとの窓になろうと努めている三上をただ自分のために飼いならしたい…
ヘビのような嫌な目つきが上手すぎる平岳大。

この主婦にはねられた老人は亡くなった。

 

三上は今、警察庁長官が時効間近の「ロクヨン」について視察に来る、その
被害者・雨宮宅への慰問と慰問後の記者会見をセッティングするように
命令を受けている。

しかし、雨宮は慰問を拒否。
記者クラブは、過失事故妊婦の本名を公表しなければ会見はしないと怒りを
ぶつけてくる。

県警広報のために、この仕事を実現しなくてはならない三上の前に障害が立ちはだかる…。

そして、現在、三上は高校生の娘が失踪するという家庭上の悩みも抱えている。
身元不明の遺体を夫婦で確認しに行くシーン。

ロクヨンで娘を失った雨宮の叫びと、自分の嘆きが14年経って被るわけである。

 

概要としては、そんな第1話目。

 

原作は『クライマーズ・ハイ』の横山秀夫。
演出と脚本はNHKドラマ版『クライマーズ・ハイ』の井上剛と大森寿美男コンピ。

鬱々とした事件と世相を映し出す映像の重さ。
それと同時に記者クラブのウルサイほどの熱さ。
前途が閉ざされた三上の気持ちがそのまま映し出されたような絵作りが凄い。
    64.png

ピエール瀧を主役に持ってきたのも、何て素晴らしいキャスティングなんだろう…。

まぁ…まだ『凶悪』のトラウマで沈められそうなんですけれどもね。

あっちでは狂ったヤクザ男にしか見えなかったのに、こっちではちゃんと誠実な
仕事人間に見えるんだから凄いわ。

音楽は『あまちゃん』ですっかり有名人になってしまった大友さん。

ここでは出過ぎない重々しい劇伴でドラマを盛り上げる。
EDの画と音は鳥肌が立つほどだった。

とにかく…カッコいいドラマだ。

 

「ロクヨン」事件当時、身代金受け渡し捜査に関わった刑事たちのその後や、
行方不明になっているという幸田一樹の幸田メモ。

伏線を散りばめて、今後が気になる。

2016年には映画化もされるということで、ぜひここは描かれ方の違いも見ておきたい。

秀逸な出来だった初回。
全5話。

 


地方県警の広報官・三上(ピエール瀧)は、高校生の娘が失踪し、妻・美那子
(木村佳乃)と共に苦悩の日々を送っている。
三上は、突然行われることになった警察庁長官視察を取り仕切るよう命じられる。
7日間しかなかった昭和64年に発生し未解決の少女誘拐殺人事件「ロクヨン」が、
14年の歳月を経てよみがえる。
長官による遺族の雨宮(段田安則)宅への慰問を実現しようと三上は奔走するが、
雨宮はなぜかかたくなに拒否する。

(上記あらすじは「Yahoo!TV」より引用)

 

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よろしければ→【2015年4月期・春クールドラマ】ラインナップ一覧とキャスト表

 


※キャスト

三上義信 … ピエール瀧

諏訪尚人 … 新井浩文
蔵前高彦 … 永岡卓也
美雲志織 … 山本美月
秋川修次 … 永山絢斗

漆原悟士 … きたろう
松岡勝俊 … 柴田恭兵
松岡郁江 … 斉藤とも子
柿沼丈治 … 高橋和也
柿沼芽生子 … 安藤玉恵
日吉浩一郎 … 水澤紳吾
日吉保子 … 佐藤直子
幸田一樹 … 萩原聖人
望月晴一 … 村上淳
赤間光良 … 平岳大

三上美那子 … 木村佳乃
三上あゆみ … 入山杏奈

雨宮芳男 … 段田安則

山科道夫 … 辰巳智秋
高木まどか … 梅舟惟永
宇津木壮一 … 阿部翔平

村串みずき(鈴本みずき) … 中村優子
辻内欣司 … 古今亭菊之丞
石井照行 … 小野了

二渡真治 … 吉田栄作
荒木田利也 … 中原丈雄
…でんでん

※スタッフ

脚本 … 大森寿美男
演出 … 井上剛
制作統括 … 屋敷陽太郎
音楽 … 大友良英
原作 … 横山秀夫「64(ロクヨン)」

公式サイト http://www.nhk.or.jp/dodra/rokuyon/

 

 

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【64(ロクヨン)】 第1話 


コメント

  1. 隠れ常連 より:

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    こんにちは
    昨晩の第三話があまりに素晴らしく、ここに書きこませていただきます。
    交通事故でなくなった銘川さんのくだりに泣かされました。素朴で一生懸命生きた愛すべき小市民の銘川さん。その人生をコツコツと丹念に拾い集めた目立たない広報担当の警察官。交通事故の当事者が実名か匿名かという、そんなことの他に、新聞も警察も目を向けるべきところがあるのではないかという、作者の冷静で優しい視点。
    主人公に大切なものは何かと気づかせ、新聞記者にチクショウと悔しがらせる、小さいけれど真摯で飾りのない人間味にあふれた仕事。キャリアだノンキャリだ、刑事部長だと、くだらないことにまみれていると、見えなくなる部分ばかりですが、私は横山さんのこういった地に足のついた人間味のあるシーンが大好きです。
    同じ作者のクライマーズハイでも、私が一番印象に残っているのは、遺族の母子が新聞を探して新聞社を訪れた時に、主人公が新聞を手渡すシーンです。クライマーズハイでも、主人公がその行為によって目を覚ます機会となったシーンでした。

  2. 『64(ロクヨン)』第1回★濃厚

    『64(ロクヨン)』第1回

     2002(平成14)年。県警の広報官・三上(ピエール瀧)は、急きょ決まった警察庁長官視察を取り仕切るよう命じられる。県警内で‘ロクヨン’という符丁で呼ばれる、1989(昭和64)年の少女誘拐殺人事件の時効が迫る中、被害者の父親・雨宮(段田安則)を長官が慰問し解決への決意をアピールするための視察だが、記者クラブは長官会見への協力を拒否する。数日前、三上は加害…

  3. chia より:

    SECRET: 0
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    本気になったNHKは、凄い、怖い。

    ピエール瀧さんを三上にキャスティングした時点で、その本気度が伝わった。

    そして、その通りの第1話。

  4. 64(ロクヨン)TOP

    『64(ロクヨン)』は、2015年4月18日より、NHK「土曜ドラマ」枠(毎週土曜22:00~23:00)にて全5回で放送中。主演はNHKドラマ初主演となるピエール瀧。 原作 『64(ロクヨン)』は、横山秀夫による推理小説。『別册文藝春秋』(文藝春秋)にて、251号(2004年5月号)、2…

  5. NHK土曜ドラマ『64(ロクヨン)』第1回

    『窓』
    「昭和64年未解決誘拐〜迫る時効横山秀夫ミステリー」

    内容
    昭和64年1月6日、三上義信(ピエール瀧)は、ある現場にいた。。。

    それから14年後。平成14年12月4日。
    三上は、妻・美那子(木村佳乃)と、とある雪深い警察署にやってきた。
    署長(で…

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