教えてやる。
訴えたいなら科学を訴えろ!
あなたのご主人を救えなかったのは、現代の科学だ!
そんな事、できるわけないだろう!
だったら、せめて狂気の世界で戦う者たちの邪魔をするな!
土曜プレミアム・リーガルハイ スペシャル
※え~毎度のことですが~ウチのリーハイ記事は長いです。
筋はいらね~という方は、ズズッと真ん中辺りと下の方の感想からお読みください…。
一応、あらすじの間にもツッコミ程度の感想が入っているけどね。
今回は丸々『白い巨塔』パク…ぃゃ、オマージュである。
タイトルからもう『白い巨塔』です。
舞台は、東都総合病院。
赤目院長の総回診が始まります。
と、ずらずら行列を作る医師たち。
『白い巨塔』です。
赤目院長は尊大な態度で1人の患者の妻に接する。
「ハイムリック・ルーゴル症候群」という全ての臓器を侵す全身性の難病らしい。
この難病のために患者は3日前から新薬を投薬されている。
そして状態が悪いので妻は心配しているのだった。
そういう薬だと充分説明したはずですよ。
面倒くさそうにそう言う赤目。
はい。それはよく分かってますが…。
でも、いったん薬をやめるっていうのは…。
構いませんよ。元の木阿弥でいいなら。やめますか。
……続けてください。
うん。 問題ない。
この病気のこと一番分かってるのは私ですから。
しかし、患者はその日、容体が急変して亡くなったのだった。
この妻、中原さやかが1人のヤサぐれたタカリ弁護士と出会う事から話は始まる。
さて。
黛くんは今日も温かい眼差しで弁護活動中。
耳の不自由な方の力になりたい。
素晴らしい言葉を届けたい。
その一心で石井さんは 手話通訳となりこれまで立派に仕事をしてきました。
しかしどんなに優秀な通訳であっても完璧ではありません。
彼も講演会では間違った手話を繰り返してしまいました。
体調が悪く、目まいがし、パニックに陥ってしまったからです。
決して騙して手話通訳をしていたわけではないんです。
黛くんの後ろでずっと手を動かしている被告。
手話が身体に沁みついてしまっている…のだそうだ。
原告の弁護士はネクサスの磯貝さん。おお、懐かしい…。
ってか、ネクサス、まだあったんだね。
今、黛くんの後ろでやっていた手話を手話協会の人に訳してもらったから
読めと言って黛くんに渡す磯貝さん。
「大変だ。背中が かゆい。 とても かゆい」
「おしっこも漏れそうだ」
「100円ちょうだい。エビカニエビカニ」
「大変だ。大きいエビが やって来る」
「大きいカニも やって来る。たくさんやって来る」
「エビカニエビカニ。小さいエビ小さいエビ」
「大きい100円ちょうだい。背中がかゆい。 とてもかゆい」
「おしっこも漏れそうだ」……
裁判は磯貝さん…原告側の勝ちで終了~~…。
髪の毛かきむしりすぎてボロボロで帰る黛くんだった。
つい先日『ささらさや』で天使のような美しいガッキーを見てきたばかりなのに…。
ガッキーをこんなにひどくできるのはリーハイだけ。
なぜ古美門先生が裁判にいないのかというと…。
病気療養中らしい。
しかも、手術を拒否しているらしく、病室からしんみりと木に残った
一枚の葉っぱを見ている…。「最後の一葉」かよ…。
それをほうきで叩き落す黛くん。
盲腸の手術で死んだりしない!さっさと手術を受けなさい!
何で そう言えるんだ。確率が5%なんだぞ!
失敗する確率でしょうが。それも古美門先生独自調べの。
その5%に私が ならないという保証などどこにも ないだろうが!
君のように心身ともに超合金でできている無神経な人間には分からないだろうが
私のように繊細な精神の持ち主はたとえ成功率の高い手術であっても非常に
ナーーーバスになるのだ!
それも理解せず、心の支えであった最後の一葉を故意に毀損したことは病人への
虐待に等しい!
さっさと手術しろって…。
大声出しすぎて本気で痛くなったらしく、そのまま手術室へ。
服部さんそばにいてくれないかな~。終わるまで手握ってて。
手術の邪魔になりますので。
服部さんが執刀してよ。
私は以前外科医を……やったことだけはありません。
何で… あっ、辞世の句詠んでない。まだ辞世の句を詠んでない。
「金が好き ああ金が好き 金が好き」
勝手に詠むな!
「毒舌の 最低弁護士 古美門だ」
そんな古美門かるたみたいなのやだーーーーーー!
こうして手術は…当然無事に終わり、終わったら終わったで美人看護師を
侍らせて王様のようになっている相変わらずの古美門せんせー。
ここからが本題です。
古美門先生が入院していたこの病院が例の東都総合病院だったのだ。
古美門先生。
例のお相手がみえました。会議室へ来ていただけますか?
と看護師の岡部に呼ばれ「古美門先生の総回診です~」ごっこで
会議室へ向かう2人であった。
待っていたのは、やさぐれたガラの悪い弁護士…。
夫を失くした中原さやかの代理人である。
心よりお悔やみ申し上げます。
ですが処置は適正でありまして…。
適正?
中原さんの死因は持病による心不全で手は尽くし…。
おいおい~寝ぼけたこと言ってんじゃねえぞ!
あんたらが薬を入れた途端、容体が急変したんだ。
明らかに医療過誤だろ。
医療過誤…。
学会に出席中の赤目院長に代って、この弁護士に立ち向かう(?)古美門せんせー。
これが顧問弁護士のお仕事です。
ご意見は承りました。
裁判を望まれるのであれば、 どう~~ぞ法的手続きをお取りください。
へ~…えらく威勢がいいな。
裁判になって困るのはあんたら病院じゃねえのか?
いいえ。何事も うやむやにするのはよくありません。白黒つけましょう。
私もそろそろ大きい裁判をやりたいと思っていたところなんですよ。
腕がなまってしまわないように。
申し遅れました。
私、当院の顧問弁護士をしております古美門法律事務所の古美門 研介と申します。
黛真知子です。
名刺渡す2人の姿がなんか漫画チックだぜ…。
黛の顔がペコちゃんに見えた(爆)←不二家のね。
古美門? …あの古美門 研介?
「あの」とは「どの」ことか分かりませんが、例えば
安藤貴和の死刑判決をひっくり返した古美門 研介
ならこの私です。
ハハ…何だよ。
医者のふりしてだますなんてずりいな…。
ぃゃぃゃ…別に医者のふりをしていたわけではなくてですね…
ただ総回診ごっこをしていただけで………。
別に何が何でも裁判ってわけじゃなくてよ、そっちがそれなりの誠意を見せて
くれさえすれば…。
誠意ですか。いかがですか? 広瀬先生。
申し訳ありませんが医療に不測の事態は付き物です。
特別な対応をするわけにはいきません。
病院の若き医師、広瀬はくそ真面目に答える。
それじゃ、あまりにも気の毒だ。
立ち飲み屋ででも一杯やってください。
胸ポケットに入った千円札を丹念に丹念にグシャグシャに丸めてから
シワシワにしてタカリ弁護士に渡す古美門せんせー。
うん…高飛車…。
という事で、今回は医療裁判である。
これが難しいことは、裁判素人の一般視聴者にもだいたい解っているはず。
医療現場では施術や投薬、手術の際に「同意書」を求められる。
これが細かい字で色々と書いてあったりして、特に具合が悪くて病院に行っている者
にとっては読むのも面倒くさい。
一応、医師からの説明はあるが、ほとんど同意書の棒読み…あるいは面倒な
説明をサラサラ言われるだけなので、わけの解らない者はサッサと署名してしまう。
それは「治療において何があっても同意しますよ」という大変な行いなのだが、
大抵の人間は自分の身に「何か」起こるとは考えない。
そして、それらは全てこの「何か」あった時に出されちゃうんだよね…。
ちなみにお子さんの予防接種関係でサインさせられるのもこれと同じですよ、奥さま。
医療現場は知識のない者にとってはワケの解らない密室である。
「医療過誤」なのかそうじゃないのか。
それは内部告発でもない限り証明が難しく、弁護士にとっても原告側には
出来るだけ立ちたくない裁判だと思われる。
(だから今回は三木せんせーもガツガツ引き受けない。賢明な選択。)
それを素晴らしい緊張感と取材力で描いたのが山崎豊子の『白い巨塔』である。
ドラマや映画などの映像化もされている。
個人的には…というか、現在このドラマを見ている視聴者も大半は2003年の
唐沢寿明版が一番記憶に残っていると思われる。
今回の「リーハイ」は映像からキャラクター設定、音楽まで2003年版のパロです。
加古隆さんの劇伴も本当に素晴らしかったからね…。
タカリ弁護士・九條和馬と古美門せんせーの対決がもの凄く見応えあった。
ダラッとしているけれども仄かにセクシーな九條弁護士。
これもキャラ設定的には『白い巨塔』の関口弁護士のキャラだと思うのね。
私が上川隆也に本格的に惚れたのはこのドラマから。
…という話は置いておいて…。
『白い巨塔』と違う所は、我らが主人公・古美門せんせーが原告では無くて
被告の病院側に立っていることである。
だから、視聴者もそういうつもりで見るのである。
ある意味、弱い者いじめを見ている感覚にも陥る覚悟。
だって、大半の視聴者は「医療無知」サイドにいるのだから。
視聴者は本当は原告側に立ちたいはずなのだ。
それをどう説得力ある脚本で見せるのか……。
古沢良太先生は、ホント、挑戦する人だよね。
九條は、自分の妻が「医療に殺された」という過去をトラウマとして持っている。
そのせいもあって生きる力をタカリで使っていたのだが、この裁判で弁護士魂が
蘇るんだね。
1人のヤサグレ中年男の再生記でもある。
そういう意味では……コミーは人を救っているよね。
と言っても、九條のやり方は正当正義な裁判ではない。
初めは甘~く院長や病院の人格否定から入ろうと証人を呼ぶが、私怨で
集まった証人なんて当然裏があるわけで古美門せんせーからことごとく
論破されちゃうのだった。
ここでまるでマスゴミのように「院長の人格否定スキャンダル」を持ってくる九條。
それが当たってマスゴミ討論になり、世間の騒ぎも相まって、古美門せんせーも
ちょっとしたピンチに陥る。
これは、三木せんせーのところの沢地さんが九條に情報提供していたからって
のもあるわけなんだけれども。
そんなことしても三木事務所には何の利もないわけだが、沢地さんはやるのである。
なぜなら……
その方が面白いからだ!!←東かよ…。
で、今回は沢地さんと古美門事務所の草の者・蘭丸くんの戦闘まで見れちゃった…。
蘭丸くんも大活躍。
2時間スペシャルでもレギュラーキャラの立ち位置には手を抜かね~~。
被告側の弁護は「患者が同意していたこと」で病院には落ち度がないこと。
原告側の争点は「医師が患者の心に寄り添っていないから危険な新薬と知っていて
投薬した」というもの。
この点で九條は病院スキャンダルから「不誠実」さを突いてくるのである。
同意書の 「副作用」一覧の中にある「心筋梗塞」についてはどう説明されましたか?
どうも何も、冷たく事務的に読み上げられただけなので深刻には受け止めませんでした。
それに院長はこう おっしゃったんです。
「この薬が他の薬に比べ特別危険ということはない」
「私は今までにない素晴らしい薬だと考えてます」
つまり心臓発作が起こるかもしれないのに素晴らしい薬だと偽って説得したわけだ。
その院長はご主人が亡くなられたとき、あなたに何と言葉を掛けましたか?
「中島さん」
「残念でした。お悔やみ申し上げます」
今日中にベッドを空けてください。次の患者を入れますので」
「中島」じゃなくて 「中原」です!
人の死よりもベッドの回転数。
しかも名前すら覚えていない。
これが難病治療の権威と崇められる赤目院長の本性です。
人生の苦しみの中にいるときに受けた傷は深く恨みになって残る…。
赤目院長、これは本当に落ち度だったよなぁ…と思う。
これに対して、原告の中原さやかの男性遍歴を持ち出した古美門せんせー。
どうせ死んでも構わない程度のダンナだったのでしょう…という風にも聞こえたね。
この泥沼合戦を赤目院長の娘の婚約者である広瀬…
正当な元朝ドラヒロイン(?)・通天閣と、朝ドラヒロインのような黛くんが楽しく
見ているわけがない。
私はフェアにやりたいの。
九條先生にだって広瀬先生と話す権利はあるわ。
これは医療過誤裁判なのよ。人が亡くなってるの。
駆け引きはもうたくさん。
真実を究明するべきだわ。
で、広瀬くん、ついに被告側の証言の席で言っちゃいけない事を言ってしまう。
広瀬先生、あなたは新薬の危険性を知っていたんですよね?
はい。 噂になっていたので。
赤目院長も。
投薬をしたのは私です。私の責任です。
院長の指示に従ったんですよね?
最終的に判断をしたのは私です。
院長が中原さんを説得した…。
主治医は私です。
全ての責任は私に…。
バカな子だよねぇ……。
「責任は私に」って言っても個人の問題ではない。
結果的には責任は病院の物なのだ。
若さゆえの浅はかな衝動……。
って、ここで、ちょっと自分の見方に疑問も感じるの。
本来ならば被告の側からボロが出て、原告が有利になって喜ぶべきシーンなわけだ…。
他のドラマならばね。
けれども、「リーハイ」を見ていると逆になってしまう。
世間一般の大人の事情を応援しちゃうんだよね。
これが面白いところ。
なぜ院長は新薬にこだわったんですか?
製薬会社から 多額の裏金をもらっていたからでしょう。
ここでしか受けられない治療なら患者は こぞって やって来る。
治療費は言い値だ。
どんなに高額だろうが命が助かるなら払う。
こんなにうまい商売はない。
だから新薬にこだわったんだよ!
そうだろうが!
赤目院長は理事会で院長解任。
新・院長の広瀬は原告側と和解することになり、新顧問は三木事務所。
黛くんと広瀬のせいで、古美門陣営に危機が訪れるのだった。
広瀬と赤目の娘・好美の純粋カップルが微笑ましくて…
親に決められた結婚というだけではなく愛を育んでいるのね~と見ていたわけだが、
ここに来て「もしかしたら院長狙いの黒カップルか」とも思えちゃった。
そして、もう一つの完全な敗北に繋がる危機。
肝心な被告…赤目元院長が持病の心臓疾患で倒れ、危篤状態になってしまうのである。
病院顧問からは解任され、赤目さんは瀕死の状態で、裁判は和解。
もうどうにもならず服部さんに甘えて寝込むコミー。
これも、古美門せんせーの謀かと思ったんだけど…本当に危篤らしいし。
色々とイレギュラーなリーハイだ…。
しかし、もちろん、いつも通り、こういう時に強いのが黛くんなのである。
そして服部さんの助言がその切っ掛けなのも、もはやデフォ。
広瀬先生が打ち明けたとおりです。
お医者さんは偉い人だって持ち上げられますから、目の前の患者の命に
寄り添うことを忘れがちなんだと思います。
それが今回の悲劇を引き起こした遠因です。
なるほど。
しかしそれは広瀬先生の真実ですよね。
えっ?
患者の命を救いたくない医者なんかいるんでしょうか。
…あ~ いやいや…あの…あの方の真実はまだ明らかになっていない。
そう思いましたので。
赤目の部屋いっぱいに広がった資料を見て、黛くんは決心するのである。
広瀬に赤目が作ったレポートを見せる。
新院長が 倒れる間際までまとめていた リポートです。
新薬に関するデータですよね?
そのようですね…。
その内容はご存知でしたか?
先生ならそのデーターの意味が解るはずです。
赤目院長が何を言いたかったか。
広瀬先生。
あなたはご自分の信念に基づいた証言をしました。
赤目院長にも…赤目院長の信念に基づいた証言をさせるべきではありませんか。
そして、寝込んでいる古美門せんせーにも、資料を突きつけるのだった。
さあ…お勉強の時間です。
ここで、和解でいいじゃないかと言う大人な三木せんせーをはねのけ、
弁護士魂に火がついた九條も受けて立つ。
最後まで戦いたい。
古美門研介と。
そして、最終弁論を含む本人尋問。
古美門事務所は赤目の意思を背負って法廷に立つ。
(全文書き起こしで長いっす…)
これは証人が倒れる直前まで今日のために準備していた資料です。
そこで異例ではありますが、私が本人に代わってこの資料について説明する事を
お許しいただきたい。
これらは全て、国内外の新薬Zマブ使用患者に関するデータです。
これによると主要七か国、計458人にの患者が新薬治療を受けています。
その1人1人について実に詳細な分析が行われています。
その統計結果を要約すると以下のようになります。
目ざましい効果が上がった患者が164人。
やや効果があった。47人。
効果が無かった、不明が213人。
状態が悪化した患者が38人。
死亡した患者が6人です。
さらにごく簡単に言いかえるとこうです。
新薬は、治るケースが35%
死亡するケースが1.3%
同意書に示されていた通り、心筋梗塞が起こる可能性はあるのでしょう。
しかし、その発生率はわずか1.3%
これは他の治療薬に比べても遥かに小さな数値です。
逆に35%という数値は極めて大きい数値と言えます。
つまり、この薬は他の薬と比べて特別危険という事はないこれまでにない素晴らしい薬なんです。
赤目前院長は決して偽ったわけでも騙したわけでもありません。
データに基づく事実を伝えたんです。
結果は残念ながら痛ましい物でした。
しかし、赤目前院長に落ち度は何一つありません。
以上です。
新薬の危険性はこれで否定された。
赤目は素晴らしいデータを用意していたし…実際、これでは「危険を承知」とは
言えないよね…。
静まり返る法廷。
九條もしばらく言葉が出ない。……と、思ったら…。
くだらない!
と叫ぶ。
データ!統計!
治るのが何パーセント、死亡するのが何パーセント。
全くくだらない!
結局、患者を数字とデータでしか見ていないって事だ!
今あなたが証明した事は、前院長がいかに血も涙もない人間かという事と、
そして彼がいかに医師失格かということだ!
彼が医師失格ですか。
人間一人一人の死に大きいも小さいもない。
例えデータ上では1.3%だったとしても、本人にとってはたった1つの掛けがいのない命だ。
そのことを赤目氏は全く解っていない!
膨大なデータを集めたから何だ。
そこに1人1人の人生が書かれているのか!
どんな悲しみを抱え、誰を愛し、何を夢見て生きて来たのか。
これを読めば解るのか!!
そういう物と向き合おうとも思っていないんだ。
だから危険な治療でも軽い気持ちで進めてしまう。
冷たい言葉で家族の心を踏みにじっても平気でいる。
所詮、人の命を金儲けに使っているだけだからだ!
落ち度がない?笑わせるな。
彼の場合はそれ以前の問題だ。
医師として、人間としての資質そのものが欠落している。
病人の悪口は言いたくはないが、あえて言う。
最低の医者だ!
これには、もはや説得力はないよな…。
薬や医学はデータだよ。
誰の人生がどうだったなんて医療には関係ないもの。
患者が知りたいのだってデータだよね。しかも、なるべく正確な。
古美門先生がまさにそれを語ってくれる。
「医は仁術」
確かにその点から言えば、赤目義二は最低の医者かも知れません。
権威に胡坐をかき、不遜で横暴で、スタッフと軋轢が絶えず、いい年をして
若い愛人をたくさん作った。
患者や遺族の気持ちなど意に介さず、死んだらサッサと追い出し、患者の
名前すらちゃんと覚えていない。
サイテイだ。
最後は病院から放逐され、家族からも見放され、広い豪邸でたった一人、
助けてくれるものもなく倒れていた。
まさに哀れな晩年です。
バチが当たったんでしょうか。
ですが、彼の書斎は膨大な資料の山で足の踏み場もないほどでした。
病院を追われた後も、彼はその山に埋もれて研究に没頭していました。
その姿を思い浮かべる時、私には彼がこう言っているように思える。
「医は科学である」と。
難病治療という科学の発展こそが彼にとっては全てだった。
そのために金を集め、実績を上げ、権力を欲した。
科学に必要な物はデータです。
人生でも名前でもない。
医学を前に進めるために必要な事は、遺族と一緒に泣くことではない。
ただちに次の患者の治療に当たる事だ。
彼はこんな事を言っていた。
病院が潰れようとも、家族がイジメに遭おうとも、そんな事はどうでもいいことだ。
その後に、こう続けたかったのではないでしょうか。
「医学の進歩に比べれば」。
血も涙もとっくに捨てたんですよ。
ここで、広瀬の携帯に連絡。
たった今、赤目義二医師は息を引き取りました。
黛くんがその内容を法廷に伝える。
赤目義二医師は極めて優れた医師だった。
私はそう思います。
何が科学だ!
科学なら人を殺してもいいのかぁ!?
進歩と引き換えに犠牲を要求してきたのが科学だ。
じゃあ、犠牲者はどうなる!?
気の毒だがそれで済ますしかない。
残された人間の悲しみはどうなる!?
彼女がこの先、どんな思いで………。
死んだからこそ、意味があるんだよ。
死は希望だ。
その死の一つ一つが医療を進歩させてきた。
現代の医療はその死屍累々の屍の上に成り立っている。
誰しも医療の進歩のためには犠牲があっても仕方がないと思っているはずだ。
その恩恵を受けたいからね。
しかし、その犠牲が自分や家族のものだと解った途端にこう言うんだ。
「話がちがう」と!
何で自分がこんな目に遭わなければ入れないんだ。
誰のせいだ。誰が悪いんだ。誰を吊し上げればいいんだ!
教えてやる。
訴えたいなら科学を訴えろ!
あなたのご主人を救えなかったのは、現代の科学だ!
そんな事…できるわけないだろう!
だったら、せめて狂気の世界で戦う者たちの邪魔をするな!
もちろん、世間には本当に悪質な医療過誤もある。
それは断じて断罪されなければならない。
しかし、この裁判に関しては医療過誤ではない!
最後の言葉は原告の中原に向かって伝えているようだった…。
赤目医師の遺体は臓器移植と研究検体として提供されているという。
古美門先生は九條に向かって言うのだった。
科学では死に意味があるんです。
死こそ、希望です。
赤目医師を吊し上げても、あなたの奥さんの弔いにはならない。
我々に出来る事は、せめて、今ある命を慈しむことです。
1日1日が、奇跡なのだと信じる事です。
※※※
静まり返る法廷に泣いた…。
「医は科学であり死という犠牲は希望」
そんな事、今まで見てきたどんな法廷ものでも聞いたことがない。
そんなセリフを弁護士に吐かせてくれる脚本家は居なかった。
だから本当に…古沢せんせいは恐ろしい人です…。
私は夫の復讐がしたかっただけなんです。
夫の死で難病治療が大きく進歩する事を願っています。
と、納得して去っていく原告。本当の意味での病院との和解。
今回は赤目医師が亡くなったので法廷でははしゃがなかった古美門せんせーも、
外に出てからの九條の前ではルンルンである。
またお会いしましょう。
と言う黛くんに、
もうたくさんだよ。
俺はタカリの弁護士だ。またタカリに行くよ。
と、笑って去っていく。
けれども、この人も変わったに違いないのだ。
自分が正義に燃えていた頃の、弁護士の在り方…思い出しただろう。
でもって…今、これを見て多くの視聴者がドラマ中の法廷や登場人物と同じくらい
感動してるさ。
私と同じように泣いている人もきっといるさ。
「命」という物に対する尊い考え。
決して捨てられいくわけではない難病患者の死。
…けれども、実は古美門先生は、いつもと同じように「弁護士のお仕事」を
しただけだからね。
これ、もしもコミーが原告側に立っていたら、これと同じくらいの説得力で
「命の尊さ」について語って原告側を勝たせたに違いない。
そっちもぜひぜひ見てみたいなぁ…と思った。
ラストはもうずっと「アメイジング・グレイス」………。
これも『白い巨塔』ですから~…。
タカリ弁護士と被告の中原さんは2人で部屋に入って行ったりして、いい雰囲気~。
純情カップルは父さんのお墓参り。
「私が最も彼を評価している点は、私と正反対の医師だからだ。
彼を支えて頑張りなさい。」
娘への父の言葉に泣く。
三木事務所の井出くんだけが、いつもの名前間違いをもう否定しなく
なったという悲しいラストを迎えたのだった…。
もう何でもいいです…。
部下の名前も覚えていないホントに非情な人間がここにいますよぉぉ…。
古美門事務所はいつものように服部さんの料理で戦勝会……だが、コミーは
急に脇腹を抑えて苦しみだすのだった。
盲腸の再発か。
5%に入ってしまいましたな。
5%って?
盲腸で失敗する確立。
確かに先生ってそんな感じですもんね~!
再手術ですかな。
では、辞世の句をどうぞ!
「あのびょういん いりょうかごでうったえてやる
ぜったいに!」
めちゃくちゃ字余り!
静かに倒れる古美門先生……。
この人、絶対に「死は希望」とか思ってないよね……。
今回も何一つ不満なく面白かったわ!!
堺さん、最近CMとか出過ぎで自分の中でどうなんだ…と思っていたんだけど…
やはり俳優・堺雅人は素晴らしいと再確認できた。
良かったよ…。
って事で……。
3期。お待ちしてますっっっっ!!
今回のテーマは、医療過誤問題。
古美門研介(堺雅人)と黛真知子(新垣結衣)のもとに、巨大総合病院から弁護の
依頼が入る。
依頼は、1年前に病院内で死亡した患者の妻・中原さやか(吉瀬美智子)が弁護士を立て、
病院に対してクレームを入れてきた件を処理してほしいという内容。
古美門が対峙した弁護士・九條和馬(大森南朋)は、うだつの上がらない中年で、依頼人の
夫が死んだ原因を院長である赤目義二(古谷一行)の医療過誤と決めつけ、お金を
巻き上げようとする“たかり弁護士”であった。
もちろん、百戦錬磨の古美門に九條がかなうわけもなく、あっさりと追い払われてしまう。
しかし、その後、古美門のもとに九條が病院を正式に訴えてきたと赤目から連絡が入る。初めは、余裕を見せていた古美門だが、法廷で“たかり弁護士”ならではの戦い方を
見せる九條に苦戦を強いられることに。
そして、裁判は、古美門に対して激しい敵対心を燃やす三木長一郎(生瀬勝久)や、三木の
秘書・沢地君江(小池栄子)をも巻き込み、やがて大きな裁判へと発展していく。
(上記あらすじは「Yahoo!TV」より引用)
よろしければ→【2014年1月期・冬クールドラマ】ラインナップ一覧とキャスト表
※キャスト
古美門研介 … 堺雅人
黛真知子 … 新垣結衣
服部 … 里見浩太朗
加賀蘭丸 … 田口淳之介
九條和馬 … 大森南朋
中原さやか … 吉瀬美智子
赤目好美 … 剛力彩芽
広瀬史也 … 東出昌大
赤目義二 … 古谷一行
三木長一郎 … 生瀬勝久
沢地君江 … 小池栄子
井出孝雄 … 矢野聖人
磯貝邦光 … 古舘寛治
※スタッフ
脚本 … 古沢良太
企画・プロデュース … 成河広明、加藤達也
プロデュース … 稲田秀樹
監督 … 石川淳一
音楽 … 林ゆうき
主題歌 … 「SLY」RIP SLYM
オープニングテーマ … 「Re:」9nine
公式サイト(終了) https://dramablog.cinemarev.net
【送料無料】リーガル・ハイ DVD-BOX [ 堺雅人 ] |
【送料無料】スペシャルドラマ「リーガル・ハイ」完全版 [ 堺雅人 ] |
※「Twitter」やってますです。
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※FC2にトラックバックが飛ばないブログ&サイトさま記事リンク(お申し出下さい)
・
・
【 リーガルハイ 】
第1話 第2話 第3話 第4話 第5話 6話 7話 第8話 第9話 第10話(最終回)
2004年『リーガルハイ・スペシャル 2012年「リーガル・ハイ」
コメント
またまた あの弁護士が!
SPドラマ「リーガルハイ」を見ました。
フジにて 22日 9時からやってました
連ドラがあり、SPもあっての
またも スペシャル 第2弾
今回は病院を舞台にしたもので
白い巨棟のパロディもあり 笑
まぁ 相変わらずの古美門のキャラは健在で
その他 レギュラーメンバーも…
SECRET: 0
PASS: d0970f9a670a457ba04fd47a84598fe5
>テンポ良い展開だったので、2時間があっという間でした♪
さすが「リーガルハイ」ですね。
「白い巨塔」ネタにも大笑い!
全く不安なく面白いですよね~。
古沢さんと演出と堺さんを始めとする役者さんが素晴らしすぎて茫然としますわ。
>「真田丸」が控えているので、当分無理そうですね…。
ぜひその前に1本お願いしたいです…むりかしらーー!
リーガルハイ・スペシャル(2014)超・簡単感想
公式サイト(終了) 相変わらずの日々を過ごしていた古美門研介(堺雅人)と黛真知子(新垣結
土曜プレミアム・リーガルハイ スペシャル
冒頭からして既に、音楽といい、タイトルバックといい「白い巨塔」のパロディ… 遊び心ですよね。途中の、(盲腸で入院した)古美門研介(堺雅人)、黛真知子(新垣結衣)等を従えて「古美門先生の総回診で~す」の行列ごっこも笑えました。迷通訳も、時事問題パロディとして、プププ…。医療過誤問題と、難しいテーマだけに、ほどよく笑いとシリアスを。特に、ゲストが豪華で、訴訟側に今をときめく吉瀬美智子、彼女につく…
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今しがた観終わったので、簡潔に…。
>良かったよ…。
テンポ良い展開だったので、2時間があっという間でした♪
さすが「リーガルハイ」ですね。
「白い巨塔」ネタにも大笑い!
エンディングテーマまでもが…(笑)
これは是非とも3期を作って欲しいですが、
「真田丸」が控えているので、当分無理そうですね…。
土曜プレミアム「リーガルハイ スペシャル」
医療過誤裁判…
詳細レビューはφ(.. )
http://plaza.rakuten.co.jp/brook0316/diary/201411240001/
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リーガルハイ・スペシャル
偏屈で毒舌な上に気分屋で超わがままな古美門(堺雅人)と、社会正義に燃えているんだけど、堅物で融通が利かない真知子(新垣結衣)の弁護士コンビに、巨大総合病院から弁護の依頼が入ります。
ちょうど、古美門は盲腸の手術で入院していましたしw
服部さん(里見浩太朗)にあんなに甘えていたのは、失敗率が5%だから??
ここで親しくなった看護師さんを自宅に呼んでみたり、ブラックジャックを読…
リーガルハイ・スペシャル
「大人気法廷コメディ完全新作!大病院で起きた突然死…医療ミスか不可抗力か!白い巨塔に隠された闇?愛憎渦巻く裁判の罠?」2014年11月22日(土) 21時00分~23時10分 今回のテーマは、医療過誤問題。古美門研介(堺雅人)と黛真知子(新垣結衣)のもとに、巨大総合病院から弁…
土曜プレミアム「リーガルハイ・スペシャル」
「大人気法廷ドラマ完全新作!!大病院で起きた突然死隠された医療ミス!?…愛憎が渦巻く白い巨塔崖っぷち裁判の行方」
内容
入院する古美門(堺雅人)を見舞う黛(新垣結衣)
服部(里見浩太朗)によると、手術を拒否しているらしい。
失敗するかもと、心配しているようだ…
土曜プレミアム 「リーガルハイ・スペシャル」 (2014/11/22) 感想
フジテレビ系土曜プレミアム『リーガルハイ・スペシャル』(公式)
『大人気法廷コメディ完全新作!大病院で起きた突然死…医療ミスか不可抗力か!白い巨塔に隠された闇?愛憎渦巻く裁判の罠?』の感想。
古美門研介(堺雅人)と黛真知子(新垣結衣)のもとに、巨大総合病院から弁護の依頼が入る。依頼は、1年前に病院内で死亡した患者の妻・中原さやか(吉瀬美智子)が弁護士を立て、病院に対してク…
土曜プレミアム「リーガルハイ・スペシャル」
『大人気法廷ドラマ完全新作!!大病院で起きた突然死隠された医療ミス!?…愛憎が渦巻く白い巨塔崖っぷち裁判の行方』
ネタバレです。
白い巨塔 オリジナル・サウンドトラック加古隆ユニバーサル ミュージック クラシック by G-Tools
リーガルハイ・スペシャル〜狂気の世界で戦う者たちの邪魔をするな!
院長の赤目義二(古谷一行)。
彼は、病院での権力闘争にあけくれ、看護師とは男女の関係にあり、製薬会社とは癒着しているどうしようもない医師。
新薬投与で亡くなったさやか(吉瀬美智子)の夫の名字は間違えるし、次の入院患者が入るから早くベッドを空けろと言…