弓成(本木雅弘)と昭子(真木よう子)の裁判が始まった。
両者は真っ向から対立する。
しかし法廷に現れた昭子のあまりに痛々しくやつれ果てた様子に、男女関係こそが
この事件の本質であるかのように世間に印象付けられていった。
弓成と由里子(松たか子)は、次男の純二が学校で「ハレンチ記者だ」と同級生に
言われたことが原因で喧嘩をしたことを聞き、謝罪にいく。
原因が自分にあると感じた弓成が向かった先は…。
(上記あらすじ「Yahoo!TV」より引用)
「運命の人」第6話
初公判の日。
この席を借りて、まず取材源を秘匿できなかったことについて
三木昭子さんにお詫び申し上げたいと思います。
弓成はそう述べた。
ですが、私は三木さんとの関係をタテに文書の持ち出しを迫ったことは
ありませんし、取材に利用する目的で三木さんに計画的に接近したという事実も
ございません。
道徳上の問題については捜査当局が介入すべきものではなく、
私自身が厳しく反省すべきものであります。
続けて弓成は、
自分と三木の関係が裁判の争点になってしまっている事に対する疑問、
政府の密約を伝えるために行った取材が罰せられることに対する疑問、
これらを堂々と述べた。
本来、裁かれるべきは国民を欺いた佐橋政権であるはずです。
弓成は仕事に誇りを持っている。
昭子の事はともかく、機密報道に関する事に関しては
裁かれるいわれはないと思っていた。
そんな堂々とした弓成の陳述に対し、三木昭子は全く違っていた。
昭子はヨロヨロと証言台に立った。
その姿は誰の目にも支えが無ければ立っていられない様子に見えた。
裁判長。
三木被告は極度の緊張状態にあるため、メモを読み上げることを
特別にご許可願います。
弁護士の助けによって、やっとの思いという体でメモを読み上げる昭子。
起訴状に記載の事実は…
そのとおり、間違いありません…。
ご迷惑をおかけした人に…申し訳ないと…思っております。
この上は、裁判を、早く終え…
世間が私を…忘れ去ってくれることを望みます。
これだけ述べるのがやっとの昭子。
この、やつれ果てて立っているのがやっとの女の姿は、
裁判所にいる誰もの同情を買うのに充分だった。
先に堂々と意見を述べた弓成の国家政治を批判する姿はかき消された。
大野木弁護士は、声を張り上げて弓成を弁護した。
これまでも新聞記者は、政府の秘密を取材報道してきましたが、
その取材活動が告発された例はありません。
しかし、今回に限って告発されたのはなぜでしょうか。
政府は密約はないと言っている。
しかし、現実に密約書は存在した。
自らの引退の花道とした沖縄返還の裏事情を暴かれた佐橋前総理の
意趣返しといっても過言ではありません。
だが、この弁護も、三木側の坂元弁護士の
三木被告人は公訴事実を全面的に認めており、これ以上のプライバシーの侵害に
女性として耐えられないため、有罪無罪にかかわらず本件から解放されることを
願っております。
懲戒免職に遭い収入の道を断たれた三木被告人に、弓成被告、毎朝新聞は何ら償いを
していないことも彼女を追い詰めており、心身ともに大変不安定な状態です。
という言葉よりも重い物にはならなかった。
法廷は「弓成に利用されて捨てられた哀れな女」を中心に回っていた。
裁判所前に鮨詰めになっている記者たちの姿を由里子はテレビで見ていた。
テレビの中のコメンテーターたちも三木に同情的だった。
フラフラして坂元弁護士に抱えられるように歩く、あの女の姿も見た。
由里子はテレビを消した。
上々の出来ですよ。
あなたには芝居の才能があるようだ。
坂元弁護士の事務所では、三木がそう声を掛けられていた。
世間の同情を呼ぶ。
同じように男女関係で責めてくるだろう検察と同調して、
情状を勝ち取る。
これが三木側の作戦なのだった。
裁判が始まるや、週刊誌はまた事件を書きたてた。
週刊ジャーナルには、三木琢也の告白として、三木昭子が死んで詫びたいと
かみそりや睡眠薬を買い込んだという話や、三木昭子から聞いたとされる
私とのホテルでの生々しい様子がまことしやかに語られていた。
第二回の公判では、検察から
「被告・弓成は、被告・三木から情報を得ようと考え、その日、ビール
、ワイン、ウイスキーと次々に勧めて酔っ払った被告・三木を強引に
ホテルへ連れ込んだ。
組み伏せようとする被告・弓成に対し、被告・三木は「今日は生理なので
家に帰りたい」と懇願したが「どうでもいい」と力ずくで被告・弓成に
思いを遂げられた。
そうやって被告・三木を散々もてあそんだあげく…」
という事実とまるっきり違う証言が行われた。
弓成側は男女間問題の空気を換えるために弁護側冒頭陳述を行ったが、
世論はもう変わることが無かった。
世論はデマを呼び、デマは週刊誌やワイドショーで拡散される。
弓成は「ハレンチ記者」と書きたてられ、それが原因で子ども達が
学校で友達を殴る騒ぎまで起きた。
弓成は相手の子どもの親に頭を下げた。
子どもが友達に殴り掛かったのは、悪口を言われたからだ。
しかし、その悪口の対象は自分自身なのだから…。
弓成は、家を出た。
このまま裁判を続ければ、君だって子供達だってもっと傷つくことになる。
由里子は弓成の背中に叫んだ。
そんなの最初から分かってたことじゃないですか。
それを一緒に乗り越えようとしてきたんじゃないんですか。
ずるいです!
あなたはずるいです!
一方、三木昭子は、坂元弁護士事務所に隠れ住む事に飽き飽きしていた。
ある日、「週刊潮流」の記者が弁護士事務所を訪ねてきた。
彼は、週刊誌には珍しく真実を書きたいという情熱を持った記者に見えた。
昭子は坂元弁護士に秘密で、その記者・松中に電話番号を渡した。
弓成が1人で九州の実家に帰ってしまってから、由里子も自分の実家に戻った。
もう別れる覚悟は出来ていた。
夫は裁判を捨て、妻を捨て、子供を捨てて逃げたのだから…。
そこへ、山部が訪ねてきた。
山部は弓成に伝えてほしい事があるという。
でも、私は弓成とは…
いいのか?それで。
このままだと検察や週刊誌にも…
「あの女にも負けることになるんだぞ!」
第三回公判が明日から始まろうと言う日。
由里子は小倉へ弓成に会いに行った。
弓成は鬱屈したままの状態で競馬場で憂さ晴らししていた。
そこまで足を運んだ由里子。
弓成にとっては最悪の再会だった。
山部さんから伝言預かりました。
小平外務大臣のご配慮で、安西さんが次官を飛び越して
アメリカ大使に抜てきされたそうです。
あなたが安西さんと小平さんの関係を取り持ってきたからこそ
安西さんの将来が開けたんです。
山部さんの情報ですよ。
これを聞けば、あなたも少しは楽になるだろうって。
でも、こうもおっしゃいました。
そうやって外務省の人間は守られるが、あなたは自らの力で
自分を守るしかないと。
だが、俺が自分の信念を貫こうとすればするほど
周りで傷つく人間が増えていく。
そんな戦いを続けていくことに意味なんかあるんだろうか。
大きな意味があるから戦いを始めたんでしょう?
「国のまやかしを暴いて真実を伝えることが世の中を変えることだ」
あなたはそう考えて、新聞記者を志したんじゃなかったんですか?
それを全うするために私が必要だったんじゃないんですか?
東京へ戻りましょう。
私はあなたに新聞記者でいてほしいんです。
パパは立派な新聞記者だ。子供達もそう信じていますよ。
。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。
裁判での三木昭子の様子はやつれて痛々しく…
それだけに、週刊誌記者に自分からコンタクトを取るさまは、
憎らしいほどふてぶてしい。
大した女優だ。
山部のひと言で由里子さんも立ち上がる。
あの女だけには負けてはいけないから。
ラストは、女2人の戦いの序章にも見えた。
…次回には、第一審の判決が下る。
実際のモデル事件通りなら結末は解ってるけど…ネタバレになるので伏せておきます。
それに、原作は読んでいないから、どれくらいアレンジされているのか…。
でも、裁判って長いよね。
来週で全て終わるってことはないだろうから、モデルの事件通りなのかも。
弓成くん、苦しいのは解るけど、よく逃げるなぁ…。
悪い物の根本が国だとしても、今の裁判沙汰の責任の一端は確かに
自分自身にあるのだから、逃げては駄目だよね。
いなくなったって、子供のいじめは今さら収まらないし。
だったら、残って助けてやろうとしてほしい…
とりあえず・・・
安西審議官が、無事に社会復帰できて良かった。・泣
【関連サイト】
※このドラマのネタ元である「西山事件」(沖縄密約事件)の概要。読むとかなりネタバレします。
「西山事件」by Wikipedia
※キャスト
弓成亮太 … 本木雅弘
弓成由里子 … 松たか子
三木昭子 … 真木よう子
山部一雄 … 大森南朋
佐橋慶作 … 北大路欣也
司修一 … 松重豊
清原了 … 北村有起哉
金田満 … 遠藤雄弥
萩野孝和 … 梶原善
恵比寿史朗 … でんでん
荒木繁 … 杉本哲太
社長 大館智文 … 錦引勝彦
主筆 久留 … 吉田鋼太郎
安西傑 … 石橋凌
吉田孫六 … 升毅
山本勇 … 小松和重
林外務次官 … 石丸謙二郎
弓成正助 … 橋爪功
弓成しづ … 吉村実子
弓成洋一 … 今井悠貴
弓成純二 … 山崎竜太郎
八雲泰造 … 山本圭
八雲加世 … 高林由紀子
青山芙佐子 … 柴本幸
鯉沼玲 … 長谷川博己
三木琢也 … 原田泰造
大野木正 … 柳葉敏郎
高槻 … 伏見哲夫
坂元勲 … 吹越満
鳥井裕三 … 斎藤歩
松中雄也 … 眞島秀和
横溝宏 … 市川亀治郎
愛川輝一 … 大和田伸也
曽根川靖弘 … 本田博太郎
田淵角造 … 不破万作
福出赳雄 … 笹野高史
小平正良 … 柄本明
十時正春 … 伊武雅刀
井口捜査二課班長 … 小市慢太郎
森靖之 … 浅野和之
坂元千恵子 … 黒沢あすか
枝川清美 … ふせえり
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コメント
運命の人【第6回】TBS日9
“女”の復讐
「被告弓成は、被告三木から情報を得ようと考え、その日、ビール、ワイン、ウイスキーと次々に勧めて、酔っ払った被告三木を、強引にホテルへ連れ込んだ。組み伏せようとする被告弓成に対し、被告三木は、『今日は生理なので家に帰りたい』と懇願したが、…
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コメントありがとうございますー。
…というか、ご指摘ありがとうございました。
ホントですよね…話を作っちゃってましたね[絵文字:i-201]
日曜日、2本長い記事書いて、ボケてるので…(という言い訳、すいません~[絵文字:i-241])
思わず録画を確認しちゃいましたよ。
そして、「こんな状況なのに競馬~?」「これも親の金?」
とか思いながら見ていた事を思い出しました^^;
ほんと、ありがとうございます!
記事は何とか修正しました。
また変なところを発見したら、こそっと教えていただけると助かります!
SECRET: 0
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由里子が小倉へ行かず、電話で弓成を説得したことになっているのはなぜですか?
理想と現実の間 ~運命の人・第6話感想~
いよいよ始まった公判。
弓成は三木に最初謝罪するが、三木はひたすら『男に翻弄された悲劇の女性』を演じ、世間の同情を引く。
それを面白おかしく煽り立てる週刊誌。
ま、こうなるとマスコミも無責任だか…
最後から二番目の恋六話&運命の人六話&ラッキーセブン六話感想
ちょっとまとめて3つ分をいっぺんにのせます。。
■最後から二番目の恋六話
六話は全体的に声のトーンがうるさかった~(笑)中井貴一と小泉今日子はふたりでフレンチを食事に行くが、メニューを頼みもせずしゃべるしゃべる。。お互いをののしる毒舌合戦は、だんだん?…
運命の人 第6話“女”の復讐
昭子、恐ろしい子…Σ(O_O;)白目…
昭子ってば、ほんま魔性の女だわー!今度は週刊「潮流」記者の松中雄也@眞島秀和を誘惑?
てか弓成との事は本当に好きだったのかしらん?
今の暮らしから別の場所に連れ出してくれる事を期待したものの、それが叶わなかったせいで
余?…
運命の人 第6話
第6話「“女”の復讐」2012年2月19日 弓成(本木雅弘)と昭子(真木よう子)の裁判が始まった。弓成が男女関係を強要しそれを盾に機密文書を見せるように昭子に迫った、と主張する検察側。 それに対し弓成側は、男女関係を強要したという事実はなく機密文書を手に入れたの…
「運命の人」第6回 ますます妖しい真木よう子さん
「運命の人」第6回、もう何が正しいんだかなんだかわからない、複雑なこのドラマ。
やつれた姿で出廷し、本木雅弘さんに騙されたかわいそうな女を演じる真木よう子さん。
一方で、週刊誌の記者と接触す…
「運命の人」沖縄問題を考える6完全に本質の問題はすり替えられ亮太は窮地に立たされるも由里子の支えで再び闘う決心を固めた
「運命の人」第6話はいよいよ法廷の幕が上がり、裁判は亮太側は沖縄密約問題を、そして昭子側は男女問題と全く異なった主張をそれぞれ繰り返す事になる。その影響で亮太の子供た …