【息もできない夏】第3話

玲さんが今苦しんでるのは、お母さんと過ごしたこれまでが
幸せだったからじゃないですか。

あなたが玲さんをここまで守ってきたじゃないですか。

その思いを伝えてあげてください。
大切なのはこれからじゃないですか。

 

「息もできない夏」第3話

    「息もできない夏」感想

約束の2時を過ぎても、母・葉子は来なかった。
玲は待ち続けた。

携帯は繋がらず、留守電にも応答はなかった。

お母さん。

もしかしたら途中で来る気なくなっちゃったのかな。
事故とかケガとかじゃなかったらいいんですけど。

しょんぼりと帰っていく玲を見送る樹山。

 

家に帰るとテレビで身元不明の女性の遺体が発見されたニュースが放送されていた。
そのタイミングで母の携帯に警察が出る。

慌てて警察に駆けつけると、ニュースの遺体の身元は判明した。と笑われる。
警察からの電話は、携帯電話が届いた事だった。

母の携帯はバスの中に落ちていたのだそうだ。

区役所に来ようとしてたんだ。
あの、私、2時に区役所で母と待ち合わせしてたんです。
だけど来なくて…連絡もつかなくて。

警察からは、様子を見て失踪届を出すようにと言われる。

母は何処へ行ってしまったのだろう。

携帯を持って帰ると妹から電話をもらった祖母が来ていた。

 

逃げたのね。
そんなに心配しなくていいわよ。

あの人はね、周りを狂わす人なの。啓介だって…。

お父さん?
お父さんが何?

父は仕事の事故で亡くなったと聞いていた。

 

啓介はね、一刻も早く玲の戸籍を何とかしてやらなきゃって、あなたの将来のことで
言い合いになって家を飛び出したあの人を捜して、それで事故に遭ったのよ。

もちろん、直接の原因じゃない。
でも、あの人のせいで…。

祖母が母と自分に冷たいと感じていた理由を初めて知った玲。

祖母は珍しく優しく玲に語りかけた。

信じてたのよね。かわいそうに。
自分を守るために、親が子を裏切るなんてね…。

 

ネットの掲示板で、また「ウィスキーボンボン」さんと語る玲。

 私のお母さんは、子供のころ、熱を出すとリンゴをすりおろして食べさせてくれました。
 それが、すごく嬉しくて。

 私は「魔法のリンゴ」なんて言ってた。

 でも、今は私に戸籍がなくて病院にも行けなかったからだって分かる。

 いい思い出は嫌な思い出に変わった。

 大好きだったリンゴを今は見たくもない。
 私は、もう母を頼りません。

 

店では、店長が、しばらく玲の事はアルバイトとして雇用する、と言ってくれた。
その方が役所に行ったり活動するのに時間の都合が付くだろうから、と。

そして、フリーペーパーの「未来のパティシエ特集」に玲を出したいと言ってくれた。

あなたはやっぱりアップルパイよね。

玲はしばらく考えて答えた。

あの…ショコラエスプレッソじゃ駄目ですか?

えっ?

ショコラエスプレッソが作りたいんです。

林檎は、もう玲にとって思い出深い果物ではなくなっていた。

 

妹の麻央は、母が玲のことばかり考えている。と言って泣きながら出て行った。
当分は祖母の所で世話になると言う。

翌日、玲は母子手帳や卒業証書をかき集めて区役所へ行った。

 

これで、これで何とかしてください!

一体どうしたんですか?

お母さんがいないんだから申述書がなくてもどうにかしてください!
お母さんも逃げたし、妹も出てったんです!
こんな家嫌だって、出てったの!

谷崎さん。ちょっと落ち着いてくださ…。

樹山さんだって分かってるじゃないですか!
もう家はメチャクチャです。

何でこんな制度のせいで…どうして、こんなにもこんなにも苦しめられなきゃいけないの?

お母さんは、前の夫の戸籍にあなたを入れたくなかったんだ。

お母さんが私のこと、本当にちゃんと思ってくれてたら、こんなふうになっていない!

私は自分でできることをやります。
もう母に頼るのは止めたんです。

だけど…出生証明書がありません。

 

樹山は玲の母子手帳を見た。「菊池産婦人科」。
個人病院ならば、まだカルテが残っている可能性はある。

玲はそう聞いて、自分が生まれた病院に行ってみることにした。

 

産婦人科の看護師は18年も前の話に戸惑った顔を見せたが、保管庫を探してくれた。

玲のカルテは残っており、出征証明書は発行された。

 

ありがとうございます!

はい。
お幸せに。

えっ?

ここで生まれた赤ちゃんにこれをお渡しする時にいつも言うのよ。
幸せな人生を送れますようにって送り出すの。

 

これが自分がこの世に生まれた証し。

看護師に笑顔で送られて、玲は初めて生まれた気持ちになれた。

 

玲は母の故郷である北海道にも行ってみた。

母の母である「夏目小百合」という人は、もう亡くなってしまったらしい。

母は故郷にも帰っておらず、母の実家だったらしい会社で、玲は従業員から尋ねられた。

 

お父さん、小樽でまだガラス細工を?

えっ? いえ。
父は福祉の仕事をしていました。

福祉。

ガラス細工なんて聞いたことありません。

その人は私のお父さんじゃありません。

 

家に帰った玲は出生証明書を持って区役所に行った。

まずは、先日、取り乱して怒鳴り散らした事を樹山に謝る玲。

 

出生証明書もらうことができました。

そうですか。それは良かった。

その時、看護師さんに言われたんです。「お幸せに」って。
「幸せな人生を歩んでねって思いでいつも赤ちゃんを病院から送り出してる」って。

私、アップルパイを作ってるとすごい幸せな気持ちになった。
他人から見ると、すごい小ちっちゃいことなんですけど。

でも、それは何にも知らなかったから。

幸せだなって思ってたことが全部嘘だった。

 

人生には思いがけないことが起こるもんだ。

でも、どんなことがあっても今までの自分を否定してはならない。

 

その夜、夜間受付をしている樹山の元に1本の電話が入る。

 

谷崎です…谷崎 玲の母です。

樹山は玲の様子を伝え、心配していたと言った。
葉子は電話の向こうで玲に合わせる顔が無いと泣いている。

私ができること教えてください。

申述書はお母さんしか書けません。

…送っていただけますか?

 

聞いた住所を頼りに、樹山は翌日、申述書を届けに行った。

わざわざ持ってきた樹山に葉子は驚き、恐縮した。

 

彼女、頑張ってます。
不安に押しつぶされそうになりながら、それでも自分ができること、探して出生証明書も
1人で取りに行きました。

申述書がなくちゃ駄目なのに、それでも何とかしてくれと写真とか母子手帳とか
集めて区役所まで来ました。

連絡してあげてください。
玲さんを守れるのはお母さんしかいないんです。

 

主人もよくそう言ってました。
「玲を守れるのは俺たちしかいない」って。

 

泊まっている民宿は、昔親子3人でよく来た場所だった。

玲が熱を出したりケガをすると、いつも、身体の心配よりも
保険証が無い事に対する心配が先に立った。

学校に入れる時も何度も足を運んで苦労した。

しかし、玲には一切悟られることはなく、明るく素直に育ってくれた。

 

私は弱い人間です。ひどい親なんです。

ひどい親だとは思いません。

嘘ついて傷つけて、苦しめてきたんですよ?
恨まれて当然のことしてきたんです!

玲さんが、今苦しんでるのは、お母さんと過ごしたこれまでが幸せだったからじゃないですか。
玲さん、強がってるけど待ってますよ。
信じたいと思ってるんですよ。大好きなお母さんのことを。

あなたが玲さんをここまで守ってきたじゃないですか。
その思いを伝えてあげてください。
大切なのはこれからじゃないですか。

 

葉子は玲に手紙を書いた。

 

「玲へ」

「玲。区役所での待ち合わせに行けずに本当にごめんなさい。
 電話では上手く伝えられるかわからなかったので、あの日のことと
 私の思いを手紙に書きます。

 あの日、お母さんは区役所に向かおうとバスに乗っていました。
 その時、バスの外を歩く前の夫を見てしまったのです。

 怖かった。
 そして 『なぜこの町に?』と思いました。

 私がいると解ってこの町にきたのか、それとも偶然か。どちらかは解らない。

 でももし、私が彼に会ってしまったら玲が危ない目に遭う危険性がある。
 だから私は逃げました。

 私は、あなたに大きな過ちを犯しました。

 だけど、あなたはいつも私に笑顔をくれた。
 それが辛い日々の中でどれだけ私の救いになったか。

 もしもあなたがいなかったら、私は生きてこられなかった。

 許してもらえるかどうかはわからない。
 でも、玲、戸籍は必ず作ります。申述書を書いて、必ずあなたの元に戻ります。

 玲。弱い母親であなたを苦しめたけれど、あなたのこと守りたい。」

 「心から愛しています。母より」

 

玲は手紙を押し抱き…

 

店では、やはりアップルバイを焼くことにした。

母を信じて待つ。
希望が見えた気がした。

 

  。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。

はぁぁぁぁぁ・・・

もう、初回からこの第3話に至るまで葉子への怒りしか沸いてこない。

玲へのお手紙は、玲は安心したかもしれないけれども、見ている方にとっては
詭弁にしか思えなかった。

「私が彼に会ってしまったら玲が危ない目に遭う危険性がある。
 だから私は逃げました。」

って、どうして玲のために逃げたように書くの!?

全然そんなんじゃないよね。
明らかに自分自身が恐くて、自分自身のために逃げたんじゃん。

連絡の1本も入れず、携帯さえ放り投げて逃げたくせに。

まさしく、祖母が言うとおり逃げ癖のある人…なんでしょう。

 

過去の苦労話も自分が恐くて出生届を出せなかったから。
なのに、全て玲のせいだと置き換えられている。

玲が素直に信じてしまうお人よしに育ったことが幸いです。

 

もちろん、その恐怖感は解ります。

でも、産んだんだよね。
戦ってあげなければ娘に幸せは来ないと理解はしているんだよね。

葉子がね…いっそ、すごい無責任まる出しの育児放棄の親だったら、それはそれで
腹は立つけど仕方ないよね、って気分にはなれる。

なまじ、とても子供思いみたいにしているから…
持って行きようのない怒りに襲われる。

 

とにかく…早く何とかしてあげて欲しい~…そしたらドラマが終わるけど。 

 

そして、娘の存在に気付いたらしい元ダン・鮎川。

自転車を転ばせたのはわざと…

母と面影が似ていると言う設定らしいから…気づいたよねぇ…。

 

何だかんだツッコんでイライラしつつも、たぶん今の所は今期一番先が楽しみな
ドラマだと思う。

引っ張り方…ですよね。

別に秀作だとも名作だとも言えないけれども、ただ先が楽しみ。

それだけは確かです。

 

 。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。

谷崎玲(武井咲)は、母親の葉子(木村佳乃)と区役所で待ち合わせをする。
しかし葉子は、約束の時刻を過ぎても区役所に現れなかった。
実は葉子は、区役所に向かうバスの中で、偶然、元夫の鮎川宏基(要潤)の姿を目撃していた。
樹山龍一郎(江口洋介)は、葉子を待ち続ける玲の姿をいたたまれない思いで見つめていた。

諦めて家に戻った玲は、葉子の携帯電話が警察に届けられていることを知る。
携帯電話は、勤務先の医療センターから駅に向かうバスの中に落ちていたらしい。
葉子の件を知った祖母の香緒里(浅田美代子)は、葉子は周りを狂わせる人だ、と玲に告げた。
続けて香緒里は、玲たちの父親・啓介(神尾佑)が事故死したのも葉子のせいだと言い出す。

一方、葉子が家を出たまま戻らないことに不審を抱いた麻央(小芝風花)は、玲を問い詰める。
玲が何かを隠しているというのだ。
麻央は、自分だけが仲間外れだと泣き出し、こんな家にいたくない、と言い残して
香緒里の家に行ってしまう。

ひとり残された玲は、母子手帳や卒業証書などを手に、区役所へと向かった。
そこで玲は、もう母には頼らないで自分でできることをやる、と樹山に告げる。
樹山の助言に従い、出生証明書を再発行してもらうために、自分が生まれた産婦人科を訪ねる玲。
そんな折、樹山のもとに葉子から連絡があり…。

(上記あらすじはYahoo!TVより引用)

 

よろしければ→【2012年7月期・夏クールドラマ何見ます?】ラインナップ一覧とキャスト表と展望

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【キャスト】

谷崎玲 – 武井咲
樹山龍一郎 – 江口洋介
谷崎葉子 – 木村佳乃
草野広太 – 中村蒼

井川さつき – 原幹恵
亜沙美 – 霧島れいか
谷崎麻央 – 小芝風花
田所光子 – 濱田マリ

鮎川宏基 – 要潤
中津大輔 – RIKIYA
安倍川衣里 – 橋本麗香
西川純 – 清水一希
筒井宗太郎 – 勝 信

谷崎香緒里 – 浅田美代子

夏目周作 – 北大路欣也

 

  

 
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【息もできない夏】第1話 第2話 第3話


コメント

  1. 息もできない夏【第3回】フジ火9

    母娘哀しき断絶!そして新たな悲劇開幕 

    「一体どうしたっていうの??今日一緒に区役所行ったんじゃないの??やっぱり…。逃げたのね。そんなに心配しなくていいわよ。あの人は

  2. くう より:

    SECRET: 0
    PASS: d0970f9a670a457ba04fd47a84598fe5
    >要くんと北大路欣也って、親子なんだよね?
    要は欣也の事なんか知らない人っぽかったけど、あれはなぜ?
    若年性アルツ??

    ううん。そうじゃなくて、たぶん北大路欣也は葉子の父親。
    つまり、要は婿に当たるのかな。駆け落ちしてたとはいえ…。
    だから北大路欣也が要にお金渡したりしていたのが疑問なのよね。
    手切れ金とか「娘をほっといてくれ金」とかそういう物なのかな

  3. くう より:

    SECRET: 0
    PASS: d0970f9a670a457ba04fd47a84598fe5
    >母はあなたを愛しているのよ~とか言いながら、実際の所は逃げてるだけという(^^;)

    そもそも電話じゃ上手く話せないから手紙、って所からして逃げていると思う~。
    ちゃんと話すべきことだよね。

    >裁判用にあの思い出したくもないDVの証拠写真を残してるのは分かったので、それを添付すれば一番早いんじゃないのかしらとかも思ったり。

    それをするのも嫌なんでしょうね。
    とにかく…心の病ですよね。
    とりあえず、病院に行けと言いたいです^^;

    >私も引っ張り方だけが気になるところですけど、続きが気になる作品という点では、今作が一番なのは同感です~♪

    来週が待ちきれないーーと思うのって今期、これくらいなんですもん…
    あとは清盛?
    他ももう少しの頑張りがほしいですね~^^;

  4. 高丸 より:

    SECRET: 0
    PASS: d0053710e48063097bfe6719953dab0e
    要くんと北大路欣也って、親子なんだよね?
    要は欣也の事なんか知らない人っぽかったけど、あれはなぜ?
    若年性アルツ??

  5. NelsonTouchBlog より:

    息もできない夏三話&トッカン四話感想

    ■息もできない夏三話
    木村佳乃の逃げっぷりがひたすらむかつく三話だったな(苦笑)娘が戸籍なくて困りすぎてるのに、そこまで逃げ続けて謝罪まで手紙かよ・・。本当、こりゃ武井

  6. 息もできない夏 第3話

    『母娘哀しき断絶!そして新たな悲劇開幕』

    内容
    戸籍の手続きのため、区役所で母・葉子(木村佳乃)を待つ玲(武井咲)
    でも、、、来なかった。
    不安を感じ、携帯に電話を入れると

  7. 息もできない夏 第3話

    03「母娘哀しき断絶!そして新たな悲劇開幕」7月24日火曜夜10時  谷崎玲(武井咲)は、母親の葉子(木村佳乃)と区役所で待ち合わせをする。葉子は、DVに苦しんだ過去を乗り越えて…

  8. なぎさ美緒 より:

    SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    母はあなたを愛しているのよ~とか言いながら、実際の所は逃げてるだけという(^^;)
    裁判用にあの思い出したくもないDVの証拠写真を残してるのは分かったので、それを添付すれば一番早いんじゃないのかしらとかも思ったり。
    私も引っ張り方だけが気になるところですけど、続きが気になる作品という点では、今作が一番なのは同感です~♪

  9. ドラマ「息もできない夏」 第3話 あらす…

    母の失踪-----–!?まさかの展開に驚きだった前回。まあ、あれですんなり戸籍が取れたら2時間番組でいいわけで(^^;)では何故母は市役所に来ないのか?途中で来る気がなくなって…

  10. 息もできない夏 #03

    『母娘哀しき断絶!そして新たな悲劇開幕』

  11. 息もできない夏 第3話:母娘哀しき断絶!そして新たな悲劇開幕

    はよ書けやっ!(#゚Д゚)ゴルァ!!
    そりゃぁね、思い出したらペンも止まるくらい・・・そして顔を見たら何もかも投げ出して
    思わず逃亡してしまうくらい、ひどい目に合わされたのだと…

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