つきあうのに、そんなすごい理由いります?
普通に 「好きになった」でいいんじゃないですか?
ううん、十分よ。 好きなら いいの。
頑張って。
恋愛は本来頑張るものじゃないけど…
この恋愛は頑張らなきゃいけないかも。
NHKドラマ10 お母さん、娘をやめていいですか? 第3話「暴走」
日本は昔は儒教的な思想の国だった。
子は親を尊び感謝し大切にし、親の言う事や思想に従い、死ぬまで尽くすことを善とする。
まぁ大切に育まれ多くを与えて貰ったことに感謝して恩返しすると言うのは人間の基本姿勢だと思うので、別に現代だってそれでもいいと私は思う。
けれども、現代では、親は子供を産んだのだから育てて当たり前、子どもが育ちきったら出て行かれて当たり前、老後の面倒は自分自身で見るのが当たり前……と考えるのが常識になっている。
戦前戦後を体験した残り少ない世代の方々にとっては、ご自分が生きている内のこの変化は受け入れ難いものだろう。
そして、そういう世代に育てられた世代もまた「子育て迷子」になっている。
親世代からは「育ててやった自分の思い通りにならない親不孝者」と罵られ、子ども世代からは「子供は独立した一個の人間です」と拒否られる。
かくして彼らは、子供との距離感を計れないまま、何となく老いていくしかないのだった。
早瀬顕子は、そんな中で、とても上手く自分の分身を作り上げていた。
娘の美月は自分が思い描く通りに素直に成長し、思考も嗜好も何もかもが自分と生き写しである。
服からインテリアまで自分と趣味がピッタリで、とくに仲の良い友達も恋人もおらず、母親である自分と一緒に時を過ごすのが娘の一番の幸せ。
自分の夢であった教師にもなってくれて、仕事の相談も報告も逐一漏らさずメールしてきてくれる。
将来的には婿を取って自分たち夫婦と一緒に死ぬまで暮らしてくれるらしい。
今現在はその家を新築中。
自分と娘の夢の家である。
インテリアはもちろん、自分と娘の趣味のまんま。
夫は新築の家は自分と娘の家だから好きにしていいと言っている。
顕子も夫の意向など特に聞く気もなかった。
美月さえいれば幸せな人生なのだから……。
早瀬美月は幸せだった。
専業主婦の母は友達の人形教室の手伝い以外はいつも家に居て、美月の気持ちを気にしてくれている。
優しくて料理上手で、美月の趣味にピッタリな服やインテリアを用意してくれている。
何故かいつも美月の心配や悩みに言い出す前から気づいてくれて的確なアドバイスを送ってくれ、ママの言う通りにしていれば人生に何の迷いも間違いも無かった。
しかし、そんな美月の人生は、少しずつ歪になって来ていた。
今まで一生懸命ハメこんでいたパズルのピースが実は無理やりハメこんでいたものだったと気付いたように、美月はゆっくりと自分の人生の歪みに気づき始める。
ママの言う通りに生徒に接したが、全く上手く行かなかった。
自分の求めているインテリアや服のセンスが借り物のように見え始めた。
何より…
ママが自分の行動を全て目に見えるように理解しているという考えは間違いだった。
美月はママが自分の行動を尾行して調査して監視していることに気づいたのだ。
そして、ママが「止めろ」と言う方向に、美月は歩きだすのである。
ママはあなたの事 思って言ってるのよ。
あなたの気持ちをこの世でいちばん大事にしてるのはママなのよ。
それ…
私の気持ちじゃない!
新築中の家の現場監督をしてくれている松島太一と付き合う事にした。
これが、ママに反抗したいという気持ちだけの付き合いじゃなければいいけどね。
現場を知らないのにトンチンカンなアドバイスをしてくるママと違って、太一のアドバイスは美月の気持ちを優先してくれるものだった。
初めての公開授業。
ママのアドバイスは美月の心にもう全く沁みない。
美月が自分の思い通りにならないと、体調を崩して倒れてしまうような女である。
そうやって、美月は留学まであきらめてきた。
まあ、あんま気負わず
楽しんだらいいんじゃない?
親は君じゃなくて自分の子供を見に来てるんだからね。
そうですよね。
深呼吸。 吸ってー吐いてーー吸って…はい!止めて!
じゃ!頑張って。
太一の明るい笑顔はただ勇気とやる気をくれた。
公開授業は凍りかけたが、挑戦的な後藤礼美の助けによって上手く突破することができた。
その様子を参観している顕子。
教師の親による教師の授業参観である。
見てたの?
心配だから見に来ちゃった。
気が付いたでしょう?
…分からなかった。 夢中だったから。
そう? まあいいわ。
ねえ 、お茶飲んでいこう。
近所に美味しいパンケーキ屋さんがあるんでしょ。
ごめん。 約束あるんだ。
約束?
うん…。
多分ご飯いらない。
じゃあね。
ママがついてくる。
初めは、振り返ると隠れるいつもの尾行だった。
けれども、もうママは姿を隠すのを止めた。
監視している自分を隠そうともせず、ママはついてくる。
美月は顕子を振り切った。
そして、太一と会った。
今は、「太一と会う」それが顕子に対する最大の反抗だ。自己主張だ。
まるで見せつけるように。
その夜。
新築中の家に「誰か」が侵入した。
太一のアドバイスによって、美月が初めて顕子の意に反するデザインを考えた。
そのロフト部分に「犯人」は赤いペンキを投げつけた。
コワイコワイコワイ……
おっかないですよ。
娘が思い通りにならないと(恐らくはワザとではなくて気鬱からなんだろうけれども)病気になっちゃうのね。
そんなのワガママだろーが!!と言いたいけれども、心の病となると仕方ない(って思わなきゃ駄目なんでしょ?)
パパもしっかりしてくれよって思うけれどね。
妻の病気を理解していながらも、その薬的役割を娘に依存しちゃってるんだよね。
パパもいっぱいいっぱいな感じの現状だからなぁ。
しかし、自分の家を自ら破損させるって…犯罪ですよ。自分の家だとしても。
本人はせいせいしてるだけなんだろうけど。
これが、娘のデートを中断させる手段だもんね。
もう隠れて尾行することを止めた顕子がどんどんついてくる緊張感。
どこからでも支配してやるという緊張感から逃げたくて逃げたくて。
それでも…
顕子自身がこうなった理由に美月が踏み込もうとすると、今度は逆に逃げていく。
踏み込んでは来るけれども踏み込ませてはくれない。
美月の心は母に寄り添えない不安に彷徨う。
ずっと、お互いにゴムを引っ張り続けているような緊張感が緩むと逆に不安になるんだよね。
縛り縛られているからこその均衡。
おばあちゃんね、ママを育て間違ったから…。
これね。
私も親から言われたよ(笑)
子育てを「間違う」とは、すなわち思い通りにならないこと。
人間1人を何だと思ってるのよ…
とも思うけれども、自分自身も子どもを育てた身。
実は解らない感情でもない。
子育てなんて所詮人間のする事で、正解なんてないし試行錯誤の連続だよ。
ある意味、この裏でやっている『下剋上受験』と併せ鏡なドラマだと思う。
その子が本当に幸せになるのか、現段階でやっていることが正しいのか、将来恨まれたりしないのか…。
そういうアレコレの上に、人間の一生があるのだった。
親の育て方を恨むなかれ。
親の言動を嫌悪するなかれ。
…という意味で…
恐ぇぇ母親だわ、と思いつつ顕子が哀れだとも思っている。
美月が28歳の今からでも自分という一個の人間を確立できるといいよね。
とりあえずは……
このドラマが終わるまでに斉藤由貴の左頬が擦り過ぎで無くなりませんように……。…
※第3話の再放送は1/31(火)15:10~16:00 NHK総合です。
早瀬美月(波瑠)と母の顕子(斉藤由貴)は恋人同士のように仲のよい母娘だった。
美月は完璧な母のサポートで順調に育ち、女子高の英語教師になっていた。
家を新築しようとしている時、住宅メーカーの担当者、松島(柳楽優弥)が不思議な人懐っこさで二人と親しくなる。
顕子は彼を気に入り、美月とつきあうように背中を押す。
美月は松島と初めてのデートに出かけるが、顕子がその二人を尾行する。(第1話)美月(波瑠)は顕子(斉藤由貴)に反発し、松島(柳楽優弥)とつき合うことにする。すると、顕子が突然倒れてしまう。
美月は顕子を気遣い、いったんは松島と距離を取ろうとする。しかし、顕子が回復すると、再び美月は松島に会いにいこうとする。
その美月を顕子が尾行していた。気づいた美月は走って顕子を振り切り、松島の元にたどりつく。
取り残された顕子は、建築中の早瀬家の美月の部屋に、夜一人で忍び込む。
(上記あらすじは「Yahoo!TV」より引用)
※キャスト
早瀬美月 … 波瑠
早瀬顕子 … 斉藤由貴
早瀬浩司 … 寺脇康文
川端玲子 … 大空眞弓
松島太一 … 柳楽優弥
後藤礼美 … 石井杏奈
後藤佳代子 … 池津祥子
立原真紀 … 壇蜜
太田和幸 … 眞島秀和
雪村勝治 … 棚橋真典
御手洗孝史 … みのすけ
村主栄三 … 佃典彦
牧村文恵 … 麻生祐未
※スタッフ
脚本 … 井上由美子
演出 … 笠浦友愛、佐藤譲、大橋守
制作統括 … 櫻井壮一
音楽 … 富貴晴美
主題歌 … サラ・オレイン「Little Doll」
コメント
Qさん
>頭ごなしに子供を自分の思いどうりにする親は とても身近に知っているのですが
ウチの親もそんな傾向でしたよ~。恐怖政治みたいに力で押し切る感じ。
でも、このママはまた違いますよね。
ジワジワ攻めていって洗脳する感じ。
こっちの方が間接的で恐いかも(笑)
>わたしは両方の家の家計を心配してます。家なんか建てちゃって大丈夫?合格しても学費大丈夫?
えっ、私も「下剋上受験」の予告で会社辞めるとか言うのを聞いて「あかんーー!!」と言いましたわ(笑)
合格するまでだけじゃなくて合格してからも親の勝負じゃないですか。
人生で一番金が掛かる私立中学。本来ならば贅沢品ですよ。
めっさ心配しますよね(笑)
家に関しては、このドラマも木曜の家族全員就活の家も新築中で、どうしてみんな今さらそんなに家を買うのかと。
きっと現金がいっぱいあって……ローンの心配がないんだね^^;
きこりさん
>顕子の場合ずっと意識しないで美月を支配してきたんだけど、尾行がバレて
お互いに確認しあったことで自分の行動を認識できれば・・って思ったけど
私も尾行がバレたら我に返るのではとか甘い事考えてたよ。
もっとサイコパス的なものだったわ(笑)
悪いと思ってやってないんだね、堂々とだよね^^;
>美月にとって松島と付き合うことが自立への道になりそうだけど
その太一くんがなぁ…
家庭の事情がよく解らないところを考えると柳樂くんだけについつい「誰もしらない」を連想しちゃって( ̄∇ ̄;)
付き合う事でお互いにお互いの傷と家族と向き合って立ち直れる良い機会になってくれるといいよね。
怖いよ~、不気味だよ~。頭ごなしに子供を自分の思いどうりにする親は とても身近に知っているのですが、この人はちょっと違う。子供の側からすると 反発というより見捨てるという感覚になっちゃうのかな。太一が思ったより頼りになりそうで、ちょっとホッとしました。
>『下剋上受験』と併せ鏡なドラマだと思う。
確かに!サダヲさんだから楽しく見ちゃうけど…。
わたしは両方の家の家計を心配してます。家なんか建てちゃって大丈夫?合格しても学費大丈夫?余計なお世話かな(笑)
お母さん、娘をやめていいですか? TOP
『お母さん、娘をやめていいですか?』は、2017年1月13日から、NHK総合・ドラマ10枠(毎週金曜 22:00~22:50)にて放送中。全8話。 概要 波瑠と斉藤由貴の共演で、複雑に絡む娘と母の関係を描くモンスターホームドラマ。一番の親友であり、まるで恋人のようでもあっ…
>踏み込んでは来るけれども踏み込ませてはくれない。
もうブロック!ブロックだよね。もうずっとそうやって生きて来たから娘だからといって
許す訳にはいかないんだよね。
顕子の場合ずっと意識しないで美月を支配してきたんだけど、尾行がバレて
お互いに確認しあったことで自分の行動を認識できれば・・って思ったけど
難しいみたいだねぇ・・( ̄∇ ̄;)
美月にとって松島と付き合うことが自立への道になりそうだけど
最終的にどうなるかねぇ・・
「お母さん、娘をやめていいですか」 第3回 暴走
こわい・・・・・としか言いようがない。 でも、おもしろい。 その怖さは自分の中にも確実にあるものだから。 美月の心のドアが静かに一枚づつ開いていくのがわかる。 顕子の …