【ど根性ガエル】第8話　感想

当たり前じゃないですか、そんなこと。
だって、幼なじみですよ。
ガキの頃からずっとずっと見て来たんだ。
昨日今日、ちょっとかわいいからってね、ホレたのとは訳が違うってなもんですよ。

もうね、もう頭きたからね、結婚とか言ってやんない。
あーーーもう言わない！そんなことも分かんねえバカ女には。

決まってんじゃないですか。
人として仲間なのなんて当たり前じゃないですか。
何があったってね、仲間は仲間ですよ。死ぬまでね！

いや…。
死んだって仲間だよ。
そうでしょ？ ピョン吉くん！

 

ど根性ガエル 　第8話

　　　　

 

寝言でもピョン吉の名を呼ぶ苦しそうなひろしは、ひろしなりに堪えているらしい。

まぁ…でも、母ちゃんまで死んじゃって京子ちゃんと2人で暮らす自由な夢を見ているらしいですけどね。　…それでも、寂しいんだよね、そいうことにして……。

今回は、ゴリライモ…こと、五利良イモ太郎が立候補した選挙のお話。

 

言いたくないけどさ、こんなこと。

じゃあ言わなくていいよ。

「言いたくない」っていうのは「言いたい」ってことなんだよ！

ややこしいな！何だよ！

幼なじみがさ、議員さんになろうって頑張ってんのにそれに比べてうちの息子は何なんだい。

 

夢の中でひろしに殺された母ちゃんはお冠である。

京子ちゃんにしてみてもさ、もし、ひろしとゴリライモ社長のどっちかから選べって言われたらさ～、
まぁ、答えは決まってるよね。普通。

 

まあね…。
今のひろしに選ばれる要素が無さすぎるよね。
選ぶとしたら外見がマツケンだってことと、ピョン吉が付いてるってことだけかな。　

何かとギャーギャーわめいて、ちょっと寅さん的な憎めなさと同時にイラッとさも持ち合わせるひろしである。

けれども、今回、ひろしはちょっとした男気を見せるのだった。

 

ひろし。
俺、京子ちゃんにプロポーズするから。
「当選したら俺と結婚してくれ」…ってな。
お前にだけは先に宣言しておこうと思ってな。

 

ゴリライモにそう言われて焦るひろし。

しかし、焦っても対抗のしようがないのだった。

あっちは学校給食のパンまで一手に引き受けるゴリラパンの社長で、町のために尽くす名士である。こっちは母ちゃんに働かせて家でゴロゴロしていた期間を経てやっとその社長の下で働き始めた脱ニートである。

もんもんとしつつ、せめて笑いで京子ちゃんにウケようとゴリライモ応援のための集会で漫才をするひろし。

 

おう、ピョン吉。
お前の最後の「いいかげんにしなさい」のひと言が一番大事だからな。
分かってんな？

お…おう！
任せとけ！

そうなんでやんすか？

最後のそのひと言でな、今まで言ってためちゃくちゃなこととかそういうことが全部チャラになるわけだ。で、気持ち良く終わると。

ほぉ…なるほどでやんす。へぇ～。

俺のこの状況も「いいかげんにしなさい」のひと言でチャラになりゃいいんだけどな…。

 

「ひろし＆ピョン吉」コンビの漫才はみんなにウケ、京子ちゃんも大いに笑ってくれた。
しかし、笑ってくれたからといって結婚できるわけじゃない。

どうすりゃいいんだよ、俺はよ～！
ゴリライモに１票入れるってことはよ、京子ちゃんとゴリライモの結婚に１票入れる…ってことになるじゃねえかよ！そりゃねえだろ！

悩みつつも選挙に向かうひろし。

そして、開票結果を待つ緊張の中、ひろしはゴリライモを勇気づけるのだ。
ピョン吉をゴリライモに貸すひろし。

 

初めてだな！おいら着るの。

 

うん。初めてだったらしい。
子どもの頃の回想シーンがちょっと切なかった。

ゴリライモはひろしのピョン吉が羨ましくて羨ましくて…
でも、羨ましいって言えなくて。ただ見ていたらしい。

ゴリライモにとって、そういう思い出の人(カエル)だったんだ、ピョン吉は。

一票差で当選を勝ち取ったゴリライモ。

それは、ひろしが入れた一票。

ひろしは頑張っているゴリライモをちゃんと認めているのだった。

 

ま、結婚については、ひろしにとって思いがけない結果だったけど。

 

あれなら 速攻断られた。

ん？

…っていうか、怒られた。

えっ！？

そうなんでやんすか！？怒られた！？

はい。マジで怖かったです。
こんな感じで。

「何なの一体、ふざけないでよ。ゴリライモ君は違うと思ってた。ホント、ひろし君と同じ。
自分のことしか考えてない！みんなの前で言ったらロマンチックだとでも思ってるわけ？
あぁ…も～う最低！却下します。そして記憶から削除します！じゃ」

 

まぁそうだろ…
京子ちゃんは離婚して戻ってきたばかりで、いくら議員になる人だっていったってそんなに簡単に結婚をしたいとは思わないよよねぇ。　

ここ、京子ちゃんの気持ちにちょっとウルっときた。
この京子ちゃんに泣かされる日が来るとは思わなかったわ。

女はそれしかないの？
女取り合って勝負だとか、すぐに結婚だとか、私は今そういうんじゃないの！
女とかじゃなくて人としてもっとちゃんと生きたいの。
そのためにこの町に帰って来たの。

だから、勝手に騒ぐのもうやめて。
人として仲間に入れてよ。
お願い…お願いします。

 

ただ、昔が懐かしくて、みんなと仲間に戻りたくて帰って来たんだよね。

人としてちゃんとなりたくて。

これ、何となく理解できる言葉。

で、これに対するひろしの言葉も良かったな。「ひろし＆ピョン吉」の漫才で。

 

でね、その女がね、言うわけですよ。

ほぉほぉ何て？

「女としてとかだけ見るのやめてちょうだい！人として見てちょうだい～！」

そんなふうに言いましたか。

そうなんですよ、バカでしょ？

バカですよね。そりゃあバカだね。

 

でしょ？

何言っちゃってんの？

そう思うでしょ、ピョン吉くんだって。
どんだけ自分のことをいい女だと思ってんでしょうね。

まったくだね。

当たり前じゃないですか、そんなこと。うん。
だって、幼なじみですよ。
ガキの頃からずっとずっと見て来たんだ。
昨日今日ちょっとかわいいからってね、ホレたのとは訳が違うってなもんですよ。

そうだ！

もうね、もう、頭きたからね、結婚とか言ってやんない。
あ～もう言わない、そんなことも分かんねえバカ女には。

決まってんじゃないですか。
人として仲間なのなんて当たり前じゃないですか。
何があったってね、仲間は仲間ですよ、死ぬまでね！

いや…。
死んだって仲間だよ。そうでしょ？ ピョン吉くん！

その通りだ！

ホレたとか結婚とか、女だからとか…
そういうのは置いておいて「仲間」なのはもう当たり前なんだと言ってやる。漫才で。

優しいよね、ひろし。
みんな優しいよね。

ずっと仲間でいる事を望む青春時代の心地よさと、失う寂しさは河野P作品の永遠のテーマだね。

そして…

ピョン吉はまた剥がれる。

剥がれる面積がどんどん広がっているように見える。

 

いいかげんにしなさ～い！！

ピョン吉を押さえながら叫ぶひろしが切ないよ。

 

最後の「いいかげんにしなさい」のひと言が一番大事だからな。分かってんな？
そのひと言でな、今まで言ってためちゃくちゃなこととかそういうことが全部チャラになるわけだ。
で気持ち良く終わると。

全部、チャラになればいいよね。
ピョン吉が居なくなるなんて悲劇は全部チャラになればいいよ。

ピョン吉が居なくなった後、ひろしはEDのようにうつろな姿で探し回るんだろうか。

今回の冒頭に見ていた夢があのEDならいいな。
全部、チャラになればいいな。

 

【おまけ】
リアル・ドラマ版ど根性ガエルその後……第4話。
「漫画家がマンガを描けなくなる理由 なぜ父は『ど根性ガエル』を描けなくなった？：『ど根性ガエルの娘』第4話」

ゴリライモ（新井浩文）が立候補している選挙の投票日が近付いた。
選挙活動に勤しむゴリライモを横目に、ひろし（松山ケンイチ）は面白くない。
社長で議員を目指すゴリライモと、いつまでたってもうだつの上がらないひろし。
母ちゃん（薬師丸ひろ子）までが、京子ちゃん（前田敦子）はひろしよりゴリライモを
選ぶはずだと言い出す。
そんな中、ゴリライモがひろしに、京子ちゃんにプロポーズすると宣言。
ひろしは、どうしていいか分からず、落ち込むのだった。
ひろしとピョン吉は、ゴリライモの選挙事務所で行われる応援集会で、漫才を披露する
ことになっていた。
ひろしは、いつゴリライモが京子ちゃんにプロポーズするのかと気が気ではない。
ゴリライモを応援する気分になれないひろしだったが、京子ちゃんに「漫才を楽しみに
している」と言われ、張り切る。

選挙活動がすべて終わり、ゴリライモが京子ちゃんに「当選したら結婚してほしい」と
みんなの前で公開プロポーズ。
その場に居合わせたひろしは、ショックを受ける。
そして、投票日。ゴリライモが当選すれば、京子ちゃんと結婚してしまうかもしれない。
しかし、ゴリライモは、議員になって世の中を良くしたいと頑張っている。
ひろしは、ゴリライモに投票するかどうか、思い悩み…。

(上記あらすじは「Yahoo！TV」より引用)

 

　　
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よろしければ→【2015年10月期・秋クールドラマ】ラインナップ一覧とキャスト表

 

※キャスト

ひろし … 松山ケンイチ
ピョン吉 （声）… 満島ひかり
京子ちゃん … 前田敦子
五郎 … 勝地涼
梅さん … 光石研
町田校長 … でんでん
よし子先生 … 白羽ゆり
ゴリライモ … 新井浩文

京子ちゃんのおばあちゃん … 白石加代子
ひろしの母ちゃん … 薬師丸ひろ子

(子役)
ひろし … 髙澤父母道
京子ちゃん … 松本来夢
五郎 … 山﨑光
ゴリライモ … 菊池宇晃

※スタッフ

脚本 … 岡田惠和
演出 … 菅原伸太郎、狩山俊輔
プロデュース … 伊藤響(チーフ)、河野英裕、大倉寛子
音楽 … サキタハヂメ

原作 … 吉沢やすみ「ど根性ガエル」
オープニングテーマ … 「ど根性ガエルのテーマ」
エンディングテーマ … ザ・クロマニヨンズ「エルビス（仮）」

公式サイト　http://www.ntv.co.jp/dokonjyo/

 

 

　
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