【リーガル・ハイ】第3話

いつになったら手足が生える？オタマジャクシ。
榎戸がバリバリのストーカーの変態野郎だったとしても、あらゆる手段を使って無罪にしろ。
それが君の仕事だ。

私はそうは思いません。
私たちの仕事はあくまで適正な判決に導くことです。

オタマジャクシのまま、この世界から消えるがいい。

 

「リーガル・ハイ」第3話

 

　　　

 

古美門弁護士事務所にテレビの取材がやってきた！

張り切る古美門。

 

(ナレーション)古美門研介。弁護士。
今だかつて、裁判で負けたことはない。人は彼を「勝訴請負人」と呼ぶ。

「今、何を考えてらっしゃいますか？」

「えっ？ ああ…。
なぜ世界から悪がなくならないんだろうって。」

「先生は高額な弁護士費用を取るって聞いたんですけど？」

「ケース・バイ・ケースですね。
私たち弁護士の使命は人の心に寄り添うことです。金儲けではありません。」

 

はあ、緊張するね。
僕の顔はさ、なるべく左側から狙ってくれるかな？

８・２です。

と、服部さん。

 

そんな中、黛は国選弁護の依頼を受けて1人奮闘していた。

ごみ箱を漁りに行くのは構わないが、私の事務所に不潔な残飯を持ち込まないで
くれたまえよ。貧乏がうつる。

と言う古美門は頼れない。

案件は、「略取、監禁」。

花嫁・村瀬美由希を結婚式場から拉致し、自宅アパートに監禁したという物。

依頼主である容疑者・榎戸は1年ほど前から被害者・村瀬美由希へのストーカー規制法違反で
付きまとい禁止命令を受けていたという。

罪を認めた上で、情状酌量を訴えていく方針で構いませんか？

接見しても何も語らない榎戸。

この案件は黛にとって少し複雑な事情を抱えていた。

自分が学生時代に教えを受け、頼りにし、恋心を抱いていた相沢が検事だったのだ。
自分が弁護する裁判で恩師と対決する事になってしまった。
当然、気は進まない。

しかも裁判が始まると、今まで口を閉ざしていた榎戸は突然無罪を主張し始めた。

勝手なことをされては困ります。
無罪だと主張したいなら、なぜ事前に言ってくれないんですか？

黙秘権です。

私はあなたの味方なんですよ。

君は僕を黒だと思ってるだろ？
僕はストーカーなんかじゃない。

でも現実に…。

僕と美由希ちゃんは付き合ってたんだ。

付き合ってた？

僕たちは結婚するつもりだった。

 

榎戸は、榎戸と美由希は美由希が勤める銀行で出会ったのだと言う。

僕が当時勤めてた工場の近くの銀行で、彼女の方から声を掛けてくれたんだ。
それから時々バスで一緒になることがあって何となく話すようになって。
家がすごく近所だと分かって、何かこれはもう運命的だなって。
そして彼女が仕事終わるのを待って一緒に帰るようになり…。
朝も彼女のマンションの前で待ってて一緒に通勤するようになった。

僕たちは愛を深めていった。そしてプロポーズしたんだ。
大学時代からしつこく付きまとってるやつがいるって言われて。
だからそいつに美由希ちゃんと別れるように話をつけに行ったんだよ。
でもあいつは結婚を強行した。
ああするしかなかったんだ！

つまり…

美由希は銀行で仕事として榎戸に声をかけ、バスで待ち伏せされるようになった。
家を突き止められ、朝も付きまとわれるようになった。
プロポーズされたので婚約者がいると言って断った。
そして警察にもストーカーとして届け出て、付きまとい禁止令を出してもらった。
なのに、結婚式当日、榎戸は乗り込んできて自分を攫って行った…

と言う風にしかどう考えても見えないのだった。

 

それをストーカーというんですよね？
こんなの無罪にしろと言われたって…。

できないとでも言うつもりか？変態の女神ともあろう者が…。

勝手に任命しないでください。
先生だったらできるんですか？

愚問だね。
すでに17通りの戦略を思い付いてるが。
君には一つも教えてあげな～い！

結構です！
先生は自分の心配こそなさったらいかがですか？
そっちもかなり無茶な裁判ですから！

私が負けることはない。
君も私の事務所にいる以上同じことだ。
必ず無罪を勝ち取りなさい。

負ければ首だ！

 

一方、古美門も案件を抱えていたのだった。

これは、取材スタッフから訴訟に取り組んでる姿を撮りたいと言われて
服部さんが持ってきた案件。

訴訟相手はプロ野球球団ゲッツ。
ヤジが汚いからと試合観戦中に球場を追い出され、出入り禁止になった主婦・望月。
長年応援してきた事をそんな形で追い出された事に対して1000万の慰謝料を
請求していた。

おまけに球団側の弁護士は三木事務所。
普通に考えたら言いがかりの様なこの案件に古美門は自信満々だった。

 

神聖なる裁判の場に向かう時、私はいつもこんなふうに思うんです。
「どうか法という名の女神が私にほほ笑んでくださいますように」と。

行ってきます。

 

裁判では、古美門はまず望月にどのようなヤジをとばしたか聞いた。

どこ見て投げとんじゃ、われ！
やる気ないなら辞めちまえ！
毎晩六本木でバット振りやがって、いっそてめえの
一物握って打ったらどうだ！
得意なプレーはＳＭですってか。
女子アナとやりまくって膝がくがくじゃねえか！

はい結構！ありがとうございます。

強制退去させられなければならないほどの発言だと思いますか？
良いプレーは褒め、悪いプレーはやじる。これは当然です。
だから連れ出されたのは納得いきません。

裁判長が聞く。

望月さん。

球団は入場料の返却に応じてくれてますね？
その上でなお1500円万の賠償を請求しているわけですが、非常識な額だと思いませんか？

私から説明しましょう。

望月さんは強制的に引きずり出された際、腰を強く打ち、重い後遺症が残りました。
その治療費が 500万。

・・・捻挫ですよね？

加えて望月さんには大きな夢があったのです。
本を出版することです。そのタイトルは？

『望月ミドリのヤジ語録』40年以上愛するゲッツに捧げてきた名作やじの数々を
一冊の本にまとめて出版する予定だったんです。

もし出版されていたらどれくらい売れていたと思いますか？

全国10万人のゲッツファンは必ず買ってくれただろうと思います。

一冊の定価は？

1600円くらいかと。

今後、その本を完成させられると思いますか？

腰の痛みで大きな声が出せませんし、何よりあれ以来恐怖でスタジアムに行けません。

彼女は二度とやじが言えない体になってしまったのです。
望月さんが得るはずだった印税収入は 1600万円。
他の事情で出版できなかったケースを考慮し損害額は1000万としました。
後遺障害を伴う損害賠償額と合わせて1500万円です。

以上。

 

一方、黛の裁判は苦戦していた。

あなたと美由希さんが愛し合っていたのなら、なぜ美由希さんは牧野さんとの
結婚を選んだのでしょう？

美由希さんはあなたがおっしゃるとおり、内気でおとなしい。
だからこそ毎日職場や自宅の前で待ち伏せてるあなたに実は恐怖を感じつつも
黙って従っていたんだとは考えられませんか？

あなたが現在の住所に引っ越してこられたのはいつですか？
美由希さんと知り合って間もないころですよね？

相沢の尋問はいちいち的を射ていたし、榎戸の返答はストーカーの思い込みにしか
思われない物だった。
裁判官の心象もどんどん悪くなる。

そんな中で、黛は学生時代、相沢に寄せていた自分の淡い思い出に浸っていた。

 

古美門の裁判では、三木法律事務所の若手弁護士・井出が、コンサートで騒いだ客や
フィギュアスケートの大会で卑猥な言葉を投げた観客が退去させられた例を挙げ、
今回の球団の措置は妥当なものだと弁論していた。

井手先生はこの問題の本質がまったく分かっていらっしゃらないようだ。

静かに鑑賞すべきコンサートとプロ野球を一緒にしてどうするんです？
鳴り物と呼ばれる太鼓やラッパ 応援歌。思い思いに飛び交うやじやエール。
それらが一体となって試合を盛り上げるのがプロ野球です。
いわば観客もまた、プレーヤーであり表現者なのです。
表現を暴力的に制圧することは何ぴとにも許されるものではありません。
それは取りも直さず憲法21条「表現の自由」の侵害に他ならない！

球団のやったことは憲法違反です！
日本国憲法を踏みにじる行為そのものです！

もう、古美門の独り舞台……

 

古美門先生にアドバイスを求められては？
素直に教えを請えば、きっと応えてくれる方だと思いますよ。

服部さんにそう言われた黛が恐る恐る声をかけると・・・

あの…　ことわる！

間髪入れず断られる……

 

翌日は検察側の証人として美由希の友達が出廷し、美由希が榎戸を好きだった事は
有りえないと証言した。

美由希さんがあなたに好意を持っていると思う理由は何ですか？

一緒にいてそう感じたんです。理屈じゃないです。

あなたの思い込みでは？

一度似顔絵をプレゼントしました。僕が描いた美由希ちゃんの似顔絵。
すごく喜んでくれました。「大事にする」って言ってくれましたよ。

あと「僕といると ほっとする」って。「落ち着く」とも言ってくれました。

 

美由希さんは「そのようなことを言った覚えはない」と言っています。
また「似顔絵は受け取ったが気味が悪いのですぐに捨てた」とおっしゃっています。
以上です。

その時、黛は、裁判と全く別の事を考えていた。

学生時代、黛は相沢にバレンタインのチョコをプレゼントした。
相沢は、すごく喜んで受け取ってくれた。

しかし…

 

いつの間にか法廷に古美門が来ていた。

あざ笑いに来たんですか？

こっちも口頭弁論だ。
早く着き過ぎたんで暇つぶしにな。

どうせやられまくってますよ。

空中戦をやり過ぎだ。
相手の検事に意識が行き過ぎている。

君がアピールするべき相手は裁判官だろ。
あの検事と何かあるのか？

…何も。

 

裁判の後、榎戸は初めて弱気な気持ちを黛に語った。

思い込みかな？
僕みたいな女にモテたこともないような派遣社員と、あんな美人な銀行員なんて
普通に考えておかしいもんね。

僕…キモいね。

 

黛は思い出していた。

バレンタインにチョコレートはあげた。

しかし、相沢はそれを机の上に放りっぱなしにして、自分の彼女に発見されていた。

彼女は言った。

たまには煮っ転がしをつまみ食いしたいわけだ？

アハッ。まあね。
自分よりできる女と付き合ってると疲れるからね。
たまにはホッとしたいよ。

その気もないのに気を持たせると可哀想よ……

 

　　。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。

う～ん・・・もう・・・
どういう風に感情を持って行って見ればいいのか解らなくなった。

黛ターンが、とにかく切なくて切なくて。

自分の依頼人がストーカーにしか見えず、弁護に力も入らない中、裁判が進むにつれ
黛は自分と対峙している自分の恩師への淡い恋心を思い出す。

この依頼人が、だんだん過去の自分に思えてきて…

喜んでくれていたと思っていた似顔絵。
喜んでくれたと思っていたチョコレート。

行きすぎた恋は確かにストーカー行為に繋がるのだけど、その境界線は
ハッキリしない。

誰でも、例え正式に付き合っている間柄でも、思いの強い方はいつも行きすぎる。
恋ってそういう物だと思う。

黛は、過去の自分が可哀想で、榎戸の思いが可哀想で、だんだん自分自身を
弁護しているようになってくる。

せっかく、バスの中で2人は仲良さそうだったと言う証人も見つけたのに…
大切に取ってあったのだろう似顔絵も見つけたのに…

結局、榎戸自身が裁判から降りてしまう。

 

先生。
もういいよ。

僕はストーカー行為をしました。

勝手な思い込みで美由希さんに付きまとい、拉致しました。

僕はストーカーです。
すいませんでした。
すみませんでした。

 

自分が好きだった美由希の困った顔を見ていられなくなったんだね。

切なくて・・・ホロっとしてしまった。

 

なのに、それと代わる代わる出てくる古美門の古美門節裁判！　

あくまでも望月さんのやじが周囲を不快にしていたのか、試合の妨げに
なっていたのかが重要なんです。

ゲッツファン塚本裕一さんの証言。
「望月さんのやじは過激で下品だが、あれが試合を盛り上げていたのも事実」

町田満さん。
「望月さんのやじが聞けなくなって寂しい」

長谷川里美さん。
「望月さんのいない球場なんて、ミッキーのいないディズニーランドのようなもの」

千葉卓也さん。
「入場料の半分は望月さんに支払っているつもり」

加藤順子さん。
「もはや試合を見に行く理由はない」

 

誰だ、その人たち・・・!!!!!

最後には望月さんの野次は「子どもを叱咤する母心」・・・
で、勝っちゃうんだから・・・

井出先生も、とんでもない裁判に立候補しちゃったもんです。お気の毒。

 

何が食いたい？

は、裁判と恋に負けた黛への古美門先生の精一杯の優しさ・・・

でも、「何が食いたい？」と言って、レストランなど外食に行かなくていいってのは良いね。
服部さんがいれば、レストラン要らず。

 

そして、待望のテレビ出演を閉めたのは、古美門先生自身ではなく…

「そうですね。
私が申し上げるのは誠に僭越ですが、まあ弁護士とは法という女神に仕える
ナイトのように思われますね。

まあ差し詰め私などは、そのナイトに仕える馬の口取りですか。
はっはっは・・・」

 

なぜ服部さんで終わった？

さあ。

出過ぎたまねをいたしました。

服部さんのせいじゃありませんがね！
ディレクターに電話してみよう。

いややめましょうよ。みっともない。

編集の意図を知りたいんだ。

だからコメントが良かったからじゃないですか。

何も最後にしなくたっていいじゃないか！
全部持ってかれちゃってるじゃないか！

申し訳ありません。

服部さんのせいじゃありませんがね！

 

なぜか、服部さんには気を使っているようで・・・

 

今回も、お見事な落とし。　

 

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古美門研介(堺雅人)の事務所に、テレビのドキュメンタリー番組の取材が入った。
古美門はカメラ映りを気にしたり、自分のスマートさだけを撮ってもらいたい様子。
そのため、黛真知子(新垣結衣)が持ち込んだ国選弁護の話になど見向きもしない。

黛はひとりで、ストーカー規制法違反で訴えられた榎戸信也(永山絢斗)の弁護をすることになる。
しかし、古美門も番組ディレクターから訴訟に取り組む様子を撮影したいと頼まれた。
黛を手伝う気もなく、さりとて当面、仕事の予定のない古美門。
すると、助け舟を出すように服部(里見浩太朗)が、弁護士会からの依頼を話す。

榎戸は黛に、なかなか思っていることを打ち明けようとしない。
仕方なく弁護方針を減刑に持ち込もうとする黛。
裁判で原告側につく検察官は、黛が法科大学院時代に教壇に立ったことのある相沢秀臣
(東根作寿英)。黛は相沢に、ある思いを秘めていた。

一方、服部が古美門に持ち込んだのは、汚い野次で球場から強制退去させられたことに怒る
望月ミドリ(阿知波悟美)が訴える、球団への賠償請求。
なんとも勝ち目のなさそうな訴えだが、古美門は余裕しゃくしゃく。
球団側の弁護についた三木長一郎(生瀬勝久)は、若手の井手孝雄(矢野聖人)を古美門にぶつけてきた。

初公判では、榎戸が突然無罪を主張したことで黛は混乱。
反対にミドリを弁護する古美門は、法廷でお得意の弁舌を繰り広げ始めた。

(上記あらすじは「Yahoo!TV」より引用)

 

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【キャスト】

古美門研介 – 堺雅人
黛真知子 – 新垣結衣

三木長一郎 – 生瀬勝久
沢地君江 – 小池栄子
加賀蘭丸 – 田口淳之介
井出孝雄 – 矢野聖人

服部 – 里見浩太朗

 
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