ねえ。何が嫌なの?どうしてそんなヒドイ事言うの!
ママが重いの!
重い…?
分かったわ…。じゃ自由にしなさい!
そのかわり。…そのかわり松島さんとは別れなさい。
だってだって独立するんでしょ?
男の人に頼るなんておかしいじゃない!
ママ…私に嫉妬してるの?
嫉妬?
いっつもそうだった…。
言うとおりにしてればママは嬉しそうだけど、私が自分で幸せになろうとするのは嫌なんでしょ。
ママ…。
やめていい?
あなたの娘をやめていいですか?
NHKドラマ10 お母さん、娘をやめていいですか? 第7話「出口なし」
後藤礼美の母・佳代子は顕子と争った後、ゾンビ姿の礼美の手を無理矢理引いて帰ろうとした。
そして、階段から転落して病院に運ばれる騒ぎとなる。
その場に居合わせた美月には警察からの事情聴取が入った。
礼美母子がどちらも一切口をきかず、どういう状況で転落したのか解らなかったから。
先生、その場にいたんですよね?
礼美さんが突き落としたって事はないですか?
もみ合っているうちにお母さんが転落したんです。
礼美さんは暴力を振るうような子ではありません。
しかしねぇ…彼女が大声出すのをたくさんの人が聞いてるんですよ。
「ババア!死ね!」
ってね。
翌日には臨時の保護者会が行われ、散々母親たちの不安と不満の声を聞かされたあげく、美月は休職処分となった。
警察に松島が迎えに来たところを太田に見られたのも運が悪かった。
校門を出ると、ママが待っていた。
待って。
ママね、校長先生におわびしようと思って来たの。
菓子包みを持って来たらしい。
こんな事でどうにか収まるほど社会は甘くないと顕子は理解していない。
私ね、休職する事になったの。
だからもう何もしなくていいの。
そう。
じゃあ…じゃあ、じゃあ、うちに来てこれ一緒に食べない?
こういう時ぐらい家でゆっくりしたらいいじゃない。
じゃあ日曜日新しいうち行かない?
いよいよ完成なの。ねっ。一緒に最終チェックしよう。
行かない。
そう?
じゃあ…せめて引き渡しの日だけは来てね。
ママね、みっちゃんと一緒に新しい鍵受け取るの夢だったから。
私は要らない!
どうしてそんなに意地張るの?
おかしいよ、みっちゃん!
おかしいのはね、ママなの!
やっと言った…。
後藤佳代子が階段から落ちたのは礼美母子の揉みあいのせいだが、佳代子がここまで激高する事になった要因の1つは顕子なのだから少し(いや、だいぶ)責任はあるワケなのだが、丸っきりそれを感じていないらしい。
それに、教師の母親が学校に乗り込んで来て生徒の母親に掴みかかるというのは、やはり不祥事以外の何物でもないよね…。
PTAとしては頭のおかしい親が自分の子供に害を及ぼすかもしれない教師なんて居てほしくないのは当然の心理。
学校側も、それを取り除くのは当然の措置。
美月は何も悪くない。
けれども、社会的に害を及ぼす可能性がある母親を放置していることは問題だと思う。
現に、顕子はそれらについて責任を感じていなさすぎる。
この理解力の無さはやはり正常ではないと思うのだ。
もっとも…
その異常さが芝居じゃなければの話だけれど。
顕子は母が亡くなった時、美月を学校に行かせまいとした事がある。
顕子にとっては美月の仕事なんて本当はどうだっていいのだ。
だから美月が自分のせいで教師不適格の烙印を押されようが、たぶんどうでもいいんだよね。
それよりも、きっとずっと側にいさせたい…。
太田に「同棲しているんじゃないでしょうね」「教師としての生活を立て直されてはいかがですか?」と言われたからというわけではないが、美月は松島の部屋を出る決心をした。
松島は心配してくれたが、美月の決心は固い。
ごめんなさい。
私、あなたを利用していたのかも。
家を出るためにきっかけが欲しかったのかも…。
そうね。
たぶん、そうだったのだと思う。
松島は自分も母親の名前が一緒だと嘘をついていたと笑い、自分を捨てて出て行った母親とはずっと会っていないことを話してくれた。
ただ、僕はもっと、これからも…それはウソじゃないよ。
もっと利用していいよ。
何かあったら、もう、5秒で飛んでくからね。
ありがとう。
美月は新しいアパートに入るまでの間、文恵の家で世話になることにした。
置いてもらう条件は、
1.宿泊費の代わりにアトリエの掃除をする事。
2.ママに連絡は取らない事。
礼美親子の件は、佳代子が自分で落ちたことを警察に告白し、事件性なしという事で終息した。
佳代子は礼美に「死ね」と言われた怒りとショックだった。
礼美は礼美で、自分の口から発した「死ね」にショックを受けていた。
私、ほんとに思ったんだよ…。一瞬。
ひどいよね~。親なのに。
親だから…かもね。
先生も思った事あるの?「お母さん。死ね」って。
私は…思った事ない。
…一回ぐらいそう思った方が良かったのかも。
一回も、「死ね」と思うどころか、同化させられている事が心地よかった。
独立心などなく、「自分」を持っていなかった。
今、やっと自立しようとしている娘の変化に顕子の方は付いて行けない。
文恵のアトリエへ行くが、追い返される。
赤ちゃんの頃の美月の写真を眺めては泣き暮らす。
ねえ…ほんとにママが悪かったの?
どうしても諦めなきゃいけないの?
正直、こういう気持ちは解らなくはないのね。
子供が赤ちゃんだった頃の写真を見る時の何とも言えない懐かしさや切なさは、子供を手放したくない、過去に戻りたい願望なんだよね。
戻れないと解っているから余計に。
私も若かった。あの子たちは可愛かった。
どうして戻れないのだろう…と、時々思ってしまう自分がいるわけです。
顕子の場合は、娘と同化しすぎていたので自分の半分が無くなるような気持ちなのだろう。
過去を抱きしめる姿が、失くした恋人を振り返っているみたい。
娘を求める姿が恋煩いみたい。
そんな、恋する乙女に、現実のつまらなさを突きつけてくる空気の読めない夫…。
新しい家でお前と新しい生活をしたい。
家は退職金で賄える。
年金が出るまでアルバイトしてもいい。
確かに今までの俺は仕事に逃げてた。
でもこれからは…。
顕子。
やり直そう。
いらねーよ……。。
他に夢中な恋人がいるのに(娘だけど)、花とか渡されて2人でずっと仲良く暮らそうねって言われても。
ただただキモいだけでストーカーと同じっすよ…パパ。
そもそも世の中の主婦が旦那の引退後の生活にどれだけ悩んでるかリサーチしてから発言しよう。
早々に退職して毎日一緒に暮らしたいとか……
毎日「昼ごはんは?」とか言われるのかと思うと恐い。恐すぎる。。
どうして今なの!!?
という顕子に共感しちゃったわ、さすがに。
本当は…
恋を失ったら新たに恋をすればいいわけで。
それはもうこのダンナさんでは無さそうなので、何か見つかればいいのにね。
人じゃなくて物でも。事でも。
人形作りにもっと夢中になれればいいのにね。
そうなれない顕子は、美月にメールを送るのだった。
「安心して。もう無理に一緒に暮らせなんて言わないから。」
「あなたの気持ちを大事にしたいの。」
「もう自由にしていいわよ。最後に引き渡しだけはつきあってね。」
この「自由にしていいわ」をすんなり信じちゃう美月。どうかしてるぜ。
ほっとできるのかな…。
やっぱり変…。
あのお母さん、本当に納得できるのかな?
檀蜜だけが現実を見ているのだった。
そもそも…
なぜ家の引き渡しにパパが居ないのだ。
パパ、退職したんだよね。
平日でも引き渡しにくらい来られるでしょ。
なに?ママだけがオアシスハウジングと連絡取ってパパを外すように画策した?
いやいやいや~…
そもそも担当の松島くんがこの状態を知っているわけだし、パパを外してママとみっちゃん2人にしたら何か起きるのでは、と予想できるでしょ。
パパが顕子に任せたんだとしたら、これもこれで本当の間抜けだし。
子供の頃の思い出をひとしきり楽しく語らって笑った後、シラっと顕子は言うのだ。
またここで仲よく暮らせるなんて夢みたい。
ねえ、早くお引っ越ししましょうね。
この部屋は、家具は、どんなふうにする?
ダイニングテーブルね。真っ白のを頼んだの。
それに合わせるのはどうかな?
ママの思考がリセットされて前より強力になってる…。。
ママ…
私、ここには引っ越さないよ。
自由にしていいって言ってくれたよね?
ウソついたの?
自由にしていいって言ってくれたのは私を呼び出すため?
みっちゃん。
そんな事は全視聴者が想定済みだったよ。。
今日は飾らずに言うわね、みっちゃん。
結婚なんてね、わびしいものよ。
多分誰としても理解し合うなんて無理なのよ。
だって所詮他人なんだもの。
だから、みっちゃんは結婚なんかしなくていいの!
悪い事言わない。
ここでママと一緒に暮らしましょう。
それが一番幸せになれる。
何でも言えて助け合って分かり合えるのは、結局親子しかないのよ!
この人にはもう何を言っても無駄です。
解りあえてなんかいなかった事。
ママの思い通りだった自分よりも、今の自分が自分らしい自分である事。
一生懸命、それを主張する美月。
けれども、ママにとっては、そんな美月の言い分はただの「意地悪」なのだった。
顕子には、今のこの状態も子ども同士のケンカレベルにしか思えていないらしい。
分かったわ…。
じゃ、自由にしなさい。
そのかわり…そのかわり、松島さんとは別れなさい。
だって、だって、独立するんでしょ?
男の人に頼るなんておかしいじゃない!
話が全然繋がってない。
この時、美月は気づくのだ。
ママが自分の幸せを願っていない事。
いや、むしろ自分の幸せを呪っている事。
ママ…私に嫉妬してるの?
いっつもそうだった。
言うとおりにしてればママは嬉しそうだけど、私が自分で幸せになろうとするのは嫌なんでしょ。
ママ…。
やめていい?
あなたの娘をやめていいですか?
タイトル来たぁぁぁ!!やっと、ここまで言えました。
ラストの波瑠さんと斉藤由貴さんの演技。
2人の表情が交錯する演出。
凄かったなぁ。
ドキドキしたわ。
以前も顕子は家が燃えていると偽の電話をかけたり、今回も「燃やしてしまいたい」と言ったり…
どうも火に関する描写が多くて、まさかこの新居に火を点けてしまうんじゃないだろうね、というイヤな予感。。
パパも仕事辞めちゃって無理して建てた家なのに、そんな事になったらもうパパのライフはゼロよ。
しかし、この展開からどうしてあんな予告になってるのか、よく解らない。
美月が頭でも打たなきゃ、あんな事にならない気がするが…。
とにかく、最終回。
美月は当然だけれども、顕子にも顕子の幸せを見つけて貰いたいな。
※第7話の再放送は3/2(木)3:05~3:54 NHK総合です。(通常と時間変更です)
文化祭に顕子(斉藤由貴)がやってきて生徒の礼美(石井杏奈)の母とけんかになり、大騒ぎになる。
そして、美月(波瑠)の目の前で礼美の母が階段から転落する事故が起きる。
美月は責任を問われ、一時的に学校を休むように言われる。
美月は、家に帰ってきなさいという顕子を拒否し連絡も絶つ。
一方、浩司(寺脇康文)は会社に辞表を出し、顕子にやり直したいと伝える。
そんな中、新居の引き渡しの日が近づいていた。
(上記あらすじは「Yahoo!TV」より引用)
※キャスト
早瀬美月 … 波瑠
早瀬顕子 … 斉藤由貴
早瀬浩司 … 寺脇康文
川端玲子 … 大空眞弓
松島太一 … 柳楽優弥
後藤礼美 … 石井杏奈
後藤佳代子 … 池津祥子
立原真紀 … 壇蜜
太田和幸 … 眞島秀和
雪村勝治 … 棚橋真典
御手洗孝史 … みのすけ
村主栄三 … 佃典彦
川端貴之 … 中村靖日
川端和子 … 太田彩乃
牧村文恵 … 麻生祐未
※スタッフ
脚本 … 井上由美子
演出 … 笠浦友愛、佐藤譲、大橋守
制作統括 … 櫻井壮一
音楽 … 富貴晴美
主題歌 … サラ・オレイン「Little Doll」
コメント
お母さん、娘をやめていいですか? TOP
『お母さん、娘をやめていいですか?』は、2017年1月13日から同年3月3日まで、NHK総合・ドラマ10枠(毎週金曜 22:00~22:50)にて放送中。全8話。 概要 波瑠と斉藤由貴の共演で、複雑に絡む娘と母の関係を描くモンスターホームドラマ。一番の親友であり、まるで恋人…
「お母さん、娘をやめていいですか」 第7回 出口なし
「ママ・・・・やめていい? ・・・・・あなたの娘をやめていいですか?」美月 やっと言った・・・ でも・・・最終回のタイトルは『人形の家』・・・ そして美月は林檎を食べと …