自然の法則でいえば、私の方が先に死ぬわけじゃないですか。
そうなったら瞳子はどうなるのか。
あの家で独り年老いてゆく。その姿を想像するとね。
何かね…
たまんない気持ちになってくるんですよね。
おやじの背中 第1話 『圭さんと瞳子さん』
ラインナップ記事にも書いたけれども、今期のTBS日曜劇場枠は連ドラを捨てて脚本家と
役者が毎回違う1話完結競作形式の道を歩んでいる。
先に期待できない変な連ドラをダラダラやるよりも、これはこれで素晴らしい企画。
もっとも、日曜劇場が『東芝日曜劇場』だった初めの頃は単発ドラマを放送していた事も
あったので、ある意味原点回帰と言えるのかも。
しかも、「10人の脚本家と10組の名優が贈る、10の物語。」なのだから、かなり
気合入ってます。
…という事で、その初回として放送された 『圭さんと瞳子さん』。
脚本は岡田惠和さん。
大好きな脚本家さんの1人である。
古くは『君の手がささやいている』『天気予報の恋人』『アンティーク』などに夢中になり、
最近では『泣くな、はらちゃん』が印象深いかな…。
映画では『阪急電車』をホッコリと見た。
主演の松たか子さんも大好きな女優さん。
最近ではドラマよりも映画でのご活躍が多いようで。
一番最近見たのは今年の頭に公開された『小さいおうち』。
太平洋戦争前の時代、赤い屋根の小さなお家の奥様役にピッタリはまっていた。
可愛らしい鈴のような声が大好き。
今回は、奥様ではなくて娘役。
田村正和さんとは1998年の『じんべえ』でも父娘共演している。懐かしいな。
冒頭の穏やかな朝食シーンから、もう何だか羨ましい。
週一回の外食の日。
並んで仲良く歩く。
恋人同士のようだ。
自分の実家と比較して考えるとね…
母が居ない食卓を父親と2人きりで穏やかに囲むなんて有りえない。
そんな風に、自分の実家と置き換えて色々と考えながら見た。
「圭さん」「瞳子さん」と呼び合う父と娘。
血が繋がっていないのか…継子なのかと思っていた。
親離れできない娘。
会社の人間に付き合ってくれと言われても、
幸せにしていただかなくても結構です。
幸せなので。今。
と、答える。
父と2人の生活は幸せだった。
けれども、親はいつまでも一緒に居られる存在ではない。
具合が悪くなって病院に運ばれる父。
1人で不安な夜を過ごす。
不安になると起きるパニック障害の過呼吸発作。
父も病院から飛んで帰ってくる。
頭の中にあるのは、自分が居なくなったら娘はどうなってしまうのか……。
ものすごくよく理解できる。
親は、年がいくつだってこんな子どもを放って置く事なんかできない。
「自分が居なくなったら」
という現実に直面して、父は初めてちょっと娘を離してみようと試みる。
同じ不安を感じる娘も、父と同じことをやってみる。
結果、お互いデートなんてしていなかった事がバレてしまい、苦笑する。
ウチの父も先日、大病で手術したばかりで。
現在も闘病生活は続く…けれども、こんな優しい親子関係はない。
圭さんは「育て方を間違った」と言っていたけれども、心配や愛情の気持ちは包み隠さず
表現して優しく接した方が当然良い家族関係でいられるわけで。
いつか居なくなる親という存在。
それを愛おしいと感じられる子育ては、決して間違いなんかじゃないと思う。
自然の法則でいえば、私の方が先に死ぬわけじゃないですか。
そうなったら瞳子はどうなるのか。
あの家で独り年老いてゆく。その姿を想像するとね…何かね…
たまんない気持ちになってくるんですよね。
…でも、あの子には全然その気がなくて。
「結婚とか考えられない、理解できない」と言ってたんですよ。
他人が一緒に暮らすなんて上手くいかないと。
あの子にとって唯一の家族である私以外の人と一緒にいようとしなかったんですよ。
妻が亡くなってからずっとね。
私の育て方が間違えていたんじゃないのか、私が瞳子を そうさせてしまったんじゃないのか
ってね、結構悩んだんですよ、私。
なのにですよ。
ある日突然恋に落ちちゃうんだもんな~。
だってね、居酒屋で私と待ち合わせしてて、私がちょっと遅れたんですよ。
ほんのちょっと…小一時間。
その間ですよ。
恋が生まれたのは。
相手は、瞳子さんのパニック障害も理解してくれていると言う。
こうなって初めて、依存していたのは娘の方だけではなかったのだと知る父。
子どもが巣立つ寂しさ。
それも、すごく理解できた。
自分を庇って事故で亡くなった母親。
その死を目の前で見た時から発作は起きはじめた。
父は、ずっと娘を守ってきた。
失くした妻の代わりに自分を「圭さん」と呼ぶ娘を「瞳子さん」と呼んだ。
愛情を注いできたからこそ、感謝の気持ちを貰う事が出来る。
私、重松さんと結婚したいです。
と、打ち明ける娘に、
うん。
そうか。
おめでとう。おめでとう、瞳子さん。
と、笑顔で答える父。
大人になったんだな。
瞳子さん。
寂しいけれども、温かい余韻に泣いた。
この「父の背中」は、温かかった。
毎週こうやって色々な形で父の背中を見せてもらえるんだなぁ、と思うと楽しみ。
親子の形、家の形、美しい自然の風景。
素敵なドラマシリーズになりそう。
父・圭太郎(田村正和)と娘・瞳子(松たか子)は、二人で寄り添うように生きてきた。
圭太郎は自分以外の人間と生きていこうとしない瞳子を心配していた。
ある日、瞳子は同僚の奥住(バカリズム)に突然プロポーズされるが、「今が幸せだから」
と断わる。
その夜圭太郎が食中毒で病院に運ばれると、独りきりになった瞳子に恐怖が襲い、
発作を起こしてしまう。
目が覚めた圭太郎は瞳子を救う為、病院を抜け家へと急ぐ…。
(上記あらすじは「Yahoo!TV」より引用)
よろしければ→【2014年7月期・夏クールドラマ】ラインナップ一覧とキャスト表
※キャスト
樋口圭太郎…田村正和
樋口瞳子…松 たか子
奥住…バカリズム
川崎悦子…キムラ緑子
茂原吾一…角野卓造
重松一臣…渡辺 大
塩田…鈴之助
樋口紫子…水谷理砂
幼い瞳子…内田 愛
中学生の瞳子…田中 明
向かいの家の人…夏川加奈子
女教師…鯉沼トキ
医師…岩本 淳
古本屋店主…矢崎まなぶ
医師…洲矢新吾
ミツコ…松長ゆり子
※スタッフ
脚本 … 岡田惠和
演出 … 山室大輔
プロデューサー … 八木康夫
公式サイト(終了) http://www.tbs.co.jp/
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【 おやじの背中 】第1話
コメント
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もう全然!押し付けられたとか思っていないのでホント気になさらないでくださいねーー!@@;;
ウチはそんな風に思ってもらえるような親子関係とも違うので…まぁ色々とあるんですよ、ホント。
こういうテーマで今まさに色々な父子が描かれると言うのは興味ありますわ。
ゆったり見ていきたいです^^
SECRET: 0
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>岡田惠和作品で好きなのは、「イグアナの娘」と「アルジャーノンに花束を」です♪
両方とも懐かしいですね~!私も好きですよ~^^
>一時間によくこれだけの話をまとめ、尚且つホッコリ感動させてくれるのって、流石だな~と思います。
ね。2時間でもいいようなものを、余計な物を取り払ってすごい技術でまとめたなと思いました。
>私の父も優しい人やったな…
もっと親孝行してあげたかったな…
多くの方がそんな風にご自分と引き換えて考えながら見る事でしょうね^^
それだけでもお父様への孝行になると思いますわ。
SECRET: 0
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>あたしも最初は「さん」付けで呼び合うこの親子に「ん?」と思った!
けど、なかなか真相が明かされない事にもイラっとする事なく
静かにじんわり進むストーリーに浸れたわー。
義理の親子なのかなとか色々と考えちゃったよ。
普通の親子だった!ってか、お父さん優しすぎ(;_:)
>記念すべく1発目にふさわしい素晴らしい作品だった・・・
と、余韻に浸る思いを断ち切るかのような、
めっちゃにぎやかな次の作品の予告!(笑)
次は、めっさ期待するよーー!
ってか、どんな話でも保存するよ、役所さんだからっ(*゚▽゚)ノ
>この企画、それぞれの脚本家さん達も気合入るだろうねー!
楽しみだ~♪
こういうのっていいよね。
脚本家さんも役者さんもやる気になるだろうし。
もう連ドラ止めて毎回これで……。
SECRET: 1
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お父さんの具合はいかがですか。状況がわからないので安直なことは言えませんが 少しづつでも良い方向に向かうことを祈っています。
みんな何かしらあるのに 自分のことをおしつけちゃってごめんなさい。猛反省してます。
ドラマはね、倍返しや大逆転の熱い夜もいいけど、優しい気持ちになれるこういうのも 日曜の夜に嬉しいなーと思います。
SECRET: 0
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岡田惠和作品で好きなのは、「イグアナの娘」と「アルジャーノンに花束を」です♪
一時間によくこれだけの話をまとめ、尚且つホッコリ感動させてくれるのって、流石だな~と思います。
圭さんのお腹痛。食中毒で良かった…
私の父も優しい人やったな…
もっと親孝行してあげたかったな…
次回も楽しみです
SECRET: 0
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今、くうしゃんのレビュ拝見してたら、また目頭が熱くなって
きただよ・・・
あたしも最初は「さん」付けで呼び合うこの親子に「ん?」と思った!
けど、なかなか真相が明かされない事にもイラっとする事なく
静かにじんわり進むストーリーに浸れたわー。
>10人の脚本家と10組の名優が贈る、10の物語
記念すべく1発目にふさわしい素晴らしい作品だった・・・
と、余韻に浸る思いを断ち切るかのような、
めっちゃにぎやかな次の作品の予告!(笑)
この企画、それぞれの脚本家さん達も気合入るだろうねー!
楽しみだ~♪
おやじの背中第1話(7.13)
毎回脚本家が違うオムニバス形式のホームドラマ
脚本家さんによって、ストーリーの質に差が出そうですな。
初回は岡田惠和脚本
パニック障害の娘瞳子@松たか子を持つ父圭太郎@田村正和が
老いへの不安から娘の親離れを願いつつ、寂しく感じるさまを描いた話
イイスタートだったね。ほんのり優しい空間のストーリーでした。
小津安二郎監督作品『晩春』を思い出した。
『晩春』は・・・仲良く二人で暮らしてきた父娘…
おやじの背中 第1話
第一話 圭さんと瞳子さん 2014年7月13日(日)よる9時放送 東京郊外にある古いが手入れの行き届いた一軒家。 ここで 樋口圭太郎 (田村正和) は娘の 瞳子 (松たか子) と二人で暮らしている。 そんなある日、瞳子は同僚の 奥住 (バカリズム) から突然プロポーズされる。…
おやじの背中 第1話:圭さんと瞳子さん/岡田惠和
ええ話だった・・・(┯_┯)うるる
瞳子さん、ステキな人に出会えてほんと良かったね・・・
父と娘でありながら、圭さん、瞳子さんと呼び合う親子。
そのちょっと他人行儀な呼び方から、もしかしたら血の繋がらない親子なのかなと
思ったりしたけど、家族の情にあふれた素晴…
日曜劇場「おやじの背中」第1話
第1話「圭さんと瞳子さん」 視聴率15.3%
おやじの背中 第1話「田村正和×松たか子」★娘の背中
おやじの背中 第1話「田村正和×松たか子」
〜圭さんと瞳子さん〜
母を亡くした交通事故が原因の「パニック障害」を持つ瞳子 (松たか子) と、父・圭太郎 (田村正和) の静かな物語。
−◆−
ちょっとしたきっかけで彼氏が出来た瞳子 (松たか子) 。
デートに出かける瞳子の背中を見送る圭太郎・・・。
父親の切なさ。
お泊まりデートから帰って来て「私 重松さんと結婚したいです…
おやじの背中 #01
『圭さんと瞳子さん』
おやじの背中 第1話
東京の郊外の雰囲気の良い場所に建つ一軒家で、圭太郎(田村正和)と瞳子(松たか子)が暮らしています。
毎朝、朝ごはんとお弁当をきちんと作る瞳子。
圭太郎は、家の前のきれいな水でコーヒーを入れるのが日課のようです。
圭太郎と瞳子は夫婦のように仲良しですが、実は親子なんですね。
互いを「圭さん」「瞳子さん」と呼んで35年になるようです。
圭さんは、未だに結婚のことを口…
おやじの背中
第1話 「圭さんと瞳子さん」
おやじの背中 (第1話・7/13) 感想
TBSテレビ系『おやじの背中』(公式)
第1話『圭さんと瞳子さん』(脚本:岡田惠和氏 / 演出:山室大輔氏)の感想。
圭太郎(田村正和)と娘・瞳子(松たか子)は、互いを‘圭さん’‘瞳子さん’と呼び交わし、仲良く2人で暮らしていた。ある日、瞳子は同僚の奥住(バカリズム)からプロポーズされる。しかし、誰とも結婚をする気がない瞳子はその場で断る。その夜、圭太郎が食中毒で病院に運…
おやじの背中 第一話
『圭さんと瞳子さん』
内容
朝から、弁当と朝食を作る樋口瞳子(松たか子)。
それを手伝う父・圭太郎(田村正和)
そして。。。。「いただきます」
テレビを観ながら、2人は、いつものように、何気ない会話をする。
「行ってきます」
「いってらっしゃい」
小さな出…
おやじの背中「圭さんと瞳子さん」
10人の脚本家と10組の俳優でおくる連続した単発ドラマ。脚本家の池端俊策、井上由美子、岡田惠和、鎌田敏夫、木皿泉、倉本聰、坂元裕二、橋部敦子、三谷幸喜、山田太一が、父と子供をテーマにした対立や邂逅などを1話完結のストーリーで描し、父と子供をテーマにした対立や邂逅などを1話完結のストーリーで描く、のだそう。キャスティングも、大泉洋、田村正和、西田敏行、役所広司、満島ひかり、渡瀬恒彦、中村勘九郎…
「おやじの背中」10人の父親1娘の病気を理解してくれる人が現れ父親は快く娘を送り出した
7月13日スタートのドラマ「おやじの背中」を視聴した。
このドラマは10回に分けて違う脚本家と出演者で
それぞれのおやじの背中を脚本していく1話完結ストーリーである …