【Woman】 第7話 感想

おかあさんね、思うんだけど…
幸せとか不幸なこととかってないの。
「幸せだ~」って感じられる心だけがあるの。

おとうさんには「幸せだ~」って感じられる心があったの。
それはね、おかあさんすっごく強いことで、すっごくステキなことだと思う。

望海が生まれたでしょ?
陸が生まれたでしょ?

おとうさん、もうそれ以上、何にもいらなかったの。
家族と一緒にいられるだけで幸せだって思える。
それはね、おとうさんがくれたものだよ。願ってくれたことだよ。

今もおかあさんと望海と陸は、おとうさんがくれた幸せの中にいるの。

Woman 第7話

        woman.png

小春は子どもたちを連れて小菅村へやって来た。
マフラーが入っていた紙袋のロッジのオーナーに会いに来たのだ。

山と緑深く囲まれた自然でいっぱいの村。

すご~い!山だ!

バスを降りた子供たちも大はしゃぎ。

ロッジのオーナーである津川は、小春達に団子とお茶を出してくれた。

お父さん、これ食べた?

ああ。食べた。

おじさん。
お父さんと喋ったことあるの?

あるよ。

すごいね。すごいんだね。

ねっ、すごいんだね!

ここで、信は小春に手紙を書いていたらしい。

帰りのバス乗り遅れそうになってな、せっかく書いたのに忘れて行きよった。
捨てようかと思ったがちょっと読んでみたら…。
…あっ、すまんが、ちょっと読んでみた。
そしたら…。

1人で読んだほうがいい。

オーナーに渡された、便箋にギッシリ詰まった文字の並ぶ手紙。

「小春ちゃんへ」

「小春ちゃん ごめん。
 僕は さっき小春ちゃんにウソをつきました。
 仕事に行くと言って家を出て、今は大菩薩峠にいます。
 帰って言い訳する自信がないので小春ちゃんの家計簿にこの手紙を
 こっそり挟んでおきます。
 返事はいりません。」

「ここから見える山は子供の頃、毎日見ていた山です。
 僕は今、そこに帰って来ました。

 あの人に会うために」

信は、ここで8歳から10歳までの3年間、1人暮らしをしていたという。

「毎月郵便屋さんが来ます。
 緑の縁取りがされた封筒が届きます。
 僕はそこに入ってるお金をいくつかに分けて、毎日の食事代にし、おやつ代にし、
 電気代を払ったり給食代にしました」

「朝、目が覚めると布団を畳みます。
 洋服のにおいを嗅いで臭かったら洗います。
 週に3度はお風呂を沸かして入ります。
 髪が伸びたら切りました。

 汚くしていると秘密がバレるからです。
 僕が1人で暮らしていることは絶対の秘密で、僕とあの人との約束でした。

 僕は、ちょっとした冒険王のような気分でそれを実行していました。」

「時々、あの人が帰って来てご褒美をくれます。
 僕を抱き締め、『偉かったね頑張ったね』と言ってキャラメルをくれます。
 『もう少しね もうちょっとで一緒に暮らせるからね』と言ってまた東京に帰ります」

「あの人は、そこで僕よりちょっと大事な人と暮らしています」

ネグレクトの家庭…。
信の母親は、小学生の信をこの村に1人置き去りにして、自分は東京で男と
暮らしていたらしい。

しかし、信は母親を恨む事もなく、時々キャラメルを持って会いに来てくれるのを
楽しみに暮らしていた。
1人暮らしは嫌ではなかった。

「冒険王」と、彼は自分の事を書いていた。

しかし、冒険は3年目に終わりを告げる。

金が届かなくなったのだ。

たちまち子供の1人暮らしは立ち行かなくなる。
電気や水道が止まり、育ちざかりの靴には穴が開き、食べ物は無くなる。

「僕は困りました。
『誰かに見つかったら私は牢屋に入れられるの。牢屋に入ったらもう会えなくなるの』
 あの人が そう言ったからです。」

「そんな時、助けてくれたのが郵便屋さんの宮前さんです。
 宮前さんは面白い人で『俺は瞼でビールの栓を抜ける』とよく自慢していましたが、
 お酒が飲めなくてプリンが大好きです」

あの日。
村へ帰った信は宮前さんに結婚の報告をした。

宮前さんは入院中だった。

生きててよかったな。
生きて親父になったんだから。

そう言ってくれた。

「正直な気持です。
 小春ちゃんは僕にとって生まれてはじめての家族でした。

「今さら、あの人に会ったって何になるだろ。
 家に帰って小春ちゃんに『ただいま』って言う。
 望海を抱き上げて3人で晩ごはんを食べる。

 それでもういいんじゃないか。
 そう思って病院を出た僕は、駅に向かう道を歩きだしました」

それでも、信は結局、母親に会いに行く。

「あの人に何を求めてるわけじゃなかった。
 謝罪が欲しいわけでも後悔の言葉が欲しいわけでもなかった。
 今さら手を取り合うことも求めてない」

母が働いているというコーヒーショップに行った。
先に行っていろと鍵を渡された。

帰ってきた母は、疲れたと言って畳に寝そべる。

持ってきた花瓶を渡す信。

「地デジ」 知ってる?

えっ?

「地デジ」。もうすぐテレビ映らなくなるのよ。
花瓶ってことないでしょう。せめてテレビ買ってよ。

えっ?

いくら持ってんの?

1万3000円…えっと…603円です。

フッ…ばかにしてんの?

貯金の事を聞いてくる。

結婚して子供がいる、というと、生命保険を解約して金にしろと言う。
かつて…この母は信にそう言ったらしい。

冗談よ。
1人で子供を育てたら、誰だってああなるのよ。
あなたの女房だって、あなたいなくて1人になれば…私みたいになるのよ。

川島なお美がテレビに出ていた時に、母は信を生んだのだと言う。
子供のうんちを片づけながら川島なお美を見て、何であそこにいるのが
自分ではないのだろう、と母は思ったと。

そんな事をブツブツ言いながら、母は眠ってしまった。

天井からぶら下がっていたオレンジのマフラーを信は外して紙袋に入れる。

あの~…これ…。
すいません。あの…これ、もらっていいですか?

これ…手編み…ですよね?
僕、いっつもこれ持って寝てました。

お母ちゃん。僕、楽しかったです。楽しかったんですよ。

お母ちゃん、色々言われたかもしれないですけど、僕も施設とか行って警察とか色々…
色々なこと言われて、お母ちゃんのことを悪く…の感じとか「1人親が」とか「あなたは
かわいそうなあれだ」とか、いろいろなこと言われて…お母ちゃんにも言ってんのかなぁ、
お母ちゃん言われてんのかな、心配しました。

お母ちゃん…僕、大丈夫だったんです。
僕、お母ちゃんと約束するの楽しかったです。
お母ちゃんの約束、守るの楽しかったです。
お母ちゃんのこと好きだったから。
お母ちゃんの楽しいのが僕の楽しいのだったから。

お母ちゃんの封筒の字見るの、住所の字見るの幸せでした。
他人はお母ちゃんの封筒を見ていろいろ言ったけど、僕にとっては希望だったし、
みんな僕のこと不幸って言ったけど、僕にとってはただの現実だった。

僕、生きてるだけだよ。
泣いてても生きてる。
悲しんでても生きてる。
僕…生きてただけだよ。

あのね、僕と同じで彼女もちょっと寂しがり屋です。
だから、一緒に生きてます。
気持に寄り添うこと、悲しみに寄り添うこと、丁寧に心を込めて生きること、
子供らに伝えます。

お母ちゃん…ありがとう。
僕は元気です。

母は泣いていた。

「僕は、お母ちゃんに話しかけながらホントは別のことを考えていました。」

「何とかならないものかな。
 小春ちゃんと小春ちゃんのお母さんを仲直りさせることは。

 僕は小春ちゃんと小春ちゃんのお母さんと一緒にごはんが食べたいです。
 なので今から小春ちゃんのお母さんに会いに行こうと思います。
 会って話します。

 今、小春ちゃんが母親になって娘がいて育てていること。
 お母さんの味のいなりずしを作っていること、話します。
 僕は、小春ちゃんと小春ちゃんのお母さんが一緒にごはんを
 食べてるところが見たいです」

手紙を読みながら、小春は泣いた。

望海にも陸にも伝えたい、と思った。

おとうさんが書いた手紙読んでみる?

いいの?

いいよ。おとうさんのお話だから。

植杉の家に電話をした。

あの日、信が来た日、みんなで何を夜ご飯に食べたのか紗千に聞いた。

大したものじゃないのよ。
ご飯…豆ご飯とあさりのお味噌汁。
カレイの煮つけ。
キュウリとササミをお酢であえたのと…。
なすとレンコンを煮たの。
あと…ごはんの後、梨をむいたわ。

紗千は信が来た日の事を思い出す。

小春と子どもたちに会ってほしいと言っていた。
みんなでご飯を食べたいと…そう言っていた。

望海にはちょっと難しいけど、間違ってるかもしれないけど…。

うん。

お父さんね、幸せだったと思うの。

おかあさんね、思うんだけど…
幸せとか不幸なこととかってないの。
「幸せだ~」って感じられる心だけがあるの。

おとうさんには「幸せだ~」って感じられる心があったの。
それはね、おかあさんすっごく強いことで、すっごくステキなことだと思う。

望海が生まれたでしょ?
陸が生まれたでしょ?

おとうさん、もうそれ以上、何にもいらなかったの。
家族と一緒にいられるだけで幸せだって思える。
それはね、おとうさんがくれたものだよ。願ってくれたことだよ。

今もおかあさんと望海と陸は、おとうさんがくれた幸せの中にいるの。

家に帰ると紗千は夜勤で出かけていた。

ご飯は豆ごはん。
あの日と同じメニューを紗千は作って置いていってくれていた。

夜。
薬を飲みに台所に降りると栞がご飯を食べていた。

仕方なくポケットに薬をしまう小春。

お父さん、飲みに行きました。

と、栞。

植杉さんも帰り遅そうですか?

「植杉さん」?

ん? あっ…お母さん。

「お母さん」ですよね?

栞は笑う。

もうちょっと普通でいいと思いますけど。
ずっとここにいるんですよね?

いたいと思ってます。

いてあげてください。
お母さん、意地張ってるだけでホントはうれしいんですよ。
「自分のせいで」って言ってたし。

えっ?

「自分が梨あげたから旦那さんが」って。

そういうふうに思ってないから。「梨のせいで」とか。

じゃ、どう思ってるんですか?

「何のせい」とか…。
「何か」とか「誰かのせい」とか思ってないから。

えっ、じゃあ…何で亡くなったとか…。

考える時もある。
でも、それは何か原因とかじゃなくて…何か思い残すことはなかったのかなぁとか
言いたかったことはなかったのかなぁって。

栞は望海に感じを聞かれて手紙を読んだ事を話す。

その時、ガラスのコップが床に落ちて割れる。

足を切った小春の手当てをしながら、唐突に栞は語り始めた。

私、お姉ちゃんと仲良くしたい。

はい。

手紙読んで泣いたんです。
そうなんだと思って泣いたんです。
お姉ちゃん、旦那さん亡くなって、それでも強く乗り越えてるなって思うし、
望海ちゃん達もお父さんいないのに頑張ってて偉いなって思うし。
普通、家族死んだら…。

信さんは死んだんじゃないから。

生きたの。
生きただけなの。

険しい表情の小春を見ながら、栞は言う。

私も反省して…。苦しくて…。
ちゃんと…ちゃんとして言わなきゃって思って…。

あの日…。

私が電車で青柳 信さんを痴漢だって言いました。

私がウソをついたからああいうことになりました。

青柳 信さん、優しい人でした。
私のこと心配してくれて…。
優しくしてくれて…。

小春はポカンとして栞を見ていた。

この子は何を言っているんだろう。
しかも、泣いている。信さんのために。

だから、手紙のこと分かるっていうか、幸せだったんだなって。

ごめんなさい。
ごめんなさい。
ごめんなさい。
ごめんなさい。

気づいたら、栞に掴みかかって引き倒していた。

小春から逃れながら泣き続ける栞。

ごめんなさい。ごめんなさい…。
ごめんなさい…。

お母さんがこういうふうに育てたの!

ごめんなさい…。
ごめんなさいごめんなさいごめんなさい…。

何で? 何で?

ごめんなさい…。

何で!?

栞を押さえつけて首に手を掛けた所に、望海が下りてきた。

心配そうに近づいてくる望海を小春は怒鳴りつけた。

望海 ダメ! 来ちゃダメ!
割れてるからダメ!

はだし…ダメ!

 ※※※※※

是枝監督の「誰も知らない」を思い出す。

巣鴨子供置き去り事件(wikipedia)をモチーフに描かれた映画。

叩いたり酷い言葉を投げ続けることだけが虐待ではない。
ネグレクトはある意味一番残酷な虐待だ。

そこには、子どもの「期待」があるから。
待ち続ける子供は親を憎む事が出来ない。

いつか帰って来て一緒に暮らし、優しくしてもらえると信じている。

育てられないなら施設に入れればいい。
施設がどんな所かは解らないけれども、どれほど酷くても置き去りにする親よりは
まだ責任感のある大人が育ててくれることだろう。

正直、信さんの手紙にはそれほど心動かされなかった。

…というか…嘘だろう…と思ってしまった。

これほどの仕打ちを受けていて楽しかったとか、「ありがとう」とか、普通の人間とは
思えなくて…。
申し訳ないけれども少し頭がおかしいか…あるいは、神さまか。

こんな育ち方をしても、まだ親や家族に希望を持っていて、人を愛する気持ちを
持っていて、真っ直ぐ育った人がいる。

信さんにとっては、「家族」は希望であり、それがある事だけが幸せだった。

そう理解しても…

それでも許せない小春の気持ちが分かる。

こんな人を殺してしまうのだから。

「理解」は建前。
「ただ生きた」とか綺麗ごと。

真実を知れば掴みかかる。

人間として当たり前の感情だ。

小春にとってもまた、信と作った家族だけが希望だったのだから。

しかし…。
栞がこんなに早く告白するとは思わなかった。

「お母さんも悪いと思っている」とか「仲良くしたい」とか「信さんの気持ちが
分かった」とか…。

え…どういう発想でそういう言葉が口から出て来るんだろう。

申し訳ないけれども、ただただ驚くわ。そして気持ち悪い。
この子の考えている事は私の理解を超える。

両親の愛情を受けて育って。
学校で虐めに遭ったのも母親のせいにして。
あの日の事も…母親のせいにして。

信さんの気持ちが解ると言って泣いている。

本当に、ただただ気持ち悪い。

次回の予告が楽しそうなお祭りで、ますますワケが分からない…。
今週のあの終りからどうやったらあんな、みんなでお祭りみたいな雰囲気に…


4年前の夏に信が植杉家に忘れていったオレンジ色のマフラーの入った紙袋を手がかりに
して、信が事故に遭った日の出来事を探り始めた小春(満島ひかり)。
彼女は望海(鈴木梨央)と陸(高橋來)を連れて、信(小栗旬)の生まれ故郷へと向かった。
そこは山に囲まれた小さな村だった。
子供たちは無邪気に道中を楽しんでいたが、小春は緊張していた。

小春は、4年前の夏に信が小春宛てに書いた手紙を忘れていったという土産物屋を訪ねる。
信の手紙を預かっていた店主の津川(すわ親治)は、ずっと小春からの連絡を待っていた。
津川によると、信は帰りのバスを待っている間に土産物屋で手紙を書いていたが、バスに
乗り遅れそうになって手紙を置いていってしまったのだという。
小春は子供たちを土産物屋に残し、一人で手紙を読むために外へ出る。

信は事故に遭った日、小春には仕事へ行くと嘘をついて、自分の母親と会うためにこの村を
訪れていた。
手紙は、信が幼い頃にどのように暮らしてきたかを打ち明ける内容で、そこで語られる信の
幼少期は過酷なものだった。
信から聞かされたことがなかった彼の母親との思い出に触れる小春。

さらに手紙には、なぜ信がオレンジ色のマフラーを持っていたのかということと、信が4年前の
夏に植杉家を訪ねた本当の理由が綴られていた…。

(上記あらすじは「Yahoo!TV」より引用)

よろしければ→【2013年7月期・夏クールドラマ】ラインナップ一覧とキャスト表

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※キャスト

青柳小春 … 満島ひかり

青柳望海 … 鈴木梨央
青柳 陸 … 高橋 來

植杉紗千 … 田中裕子

砂川藍子 … 谷村美月
植杉 栞 … 二階堂ふみ
砂川良祐 … 三浦貴大
蒲田由季 … 臼田あさ美

澤村友吾 … 高橋一生

青柳 信 … 小栗旬

植杉健太郎 … 小林薫

※スタッフ

脚本 … 坂元裕二
演出 … 水田伸生
プロデューサー … 次屋尚、千葉行利、大塚英治
音楽 … 三宅一徳

主題歌 … 「Voice」androp

公式サイト http://www.ntv.co.jp/woman2013/

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