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【カルテット】第3話「四角関係」 感想

「告白」は子どもがするものですよ。
大人は「誘惑」してください。
誘惑は人間を捨てることです。

だいたい3つのパターンがあって、猫になるか、トラになるか、雨に濡れた犬になるか。

いつキスしてもおかしくない距離を作るまでが女の仕事です。
女からキスしたら、男に恋は生まれません。

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火曜ドラマ カルテット 第3話

 
  
  quartet-op.jpg

すずめちゃんの痛々しい過去が語られる回だった。

作られた「奇跡の超能力少女」。
親から強制された「魔法」。

 

ロッカーのカギは納骨堂のカギ。
入っているのは、お母さんよね。

 

お金欲しいんでしょう?
海が見える所に移してあげたいんでしょう。

あなたの経歴を見込んでお仕事を頼んだのよ。
今から行きます?
みなさんにあなたの経歴を話しましょうか?

これが、あなたに一番向いてる仕事なの。

 

こうやって、何度も何度もすずめちゃんは親から与えられた闇の過去に苦しめられて生きてきた。

その親が、今、死のうとしている。

 

父の臨終を告げに来た少年は「親子でしょう?」と言うが、親子だからこそ相手が死ぬまで許せない溝もある。
死んでも許せない溝もある。

親子だったらその死を悲しんで見送るのが当然だと素直に思えるこの少年は、とても幸せな人なんだと思う。
 ドラマimg

 

大嘘の「魔法少女」をマスコミに暴かれて、父親は逮捕され、自分自身も嘘つきと罵られた過去。

子供のころの事なのに、その過去は大人になってもすずめちゃんを追って来た。

 

「つばめちゃんはよく笑う子だった。
みんなの話を聞いているのが楽しいようだった。

ランチとか行かないし、飲み会にも来ない変わった子。」

元同僚のブログが、まるで自己満足の反省文で、もう…。
すずめちゃんの過去をわざわざネットで検索したのは「変わった子」だからでしょう

「よく笑う子だった」とまるで良い評価のように書きながら、結果的には「変わった子」。

そして、変わった子の変わった経歴を見つけ出した同僚たちは、「変わり者」を追い出しに掛かる。

デスクに貼られた「出てイケ」のメモ用紙100枚。

 

「謝りたいけど、どこにいるかもう解らないし、どこにいるか探されないのが何よりもつばめちゃんが望んでいる事なのだろう。」

こう書く事で自分だけイイ人になろうとしているだけ。
ブログのタネに思い出した事を書いて見ているだけ。

 

父親の死を知ったすずめちゃんは病院に向かう事をためらった。

昔世話になった人が入院した時に、風邪が移るからと見舞いにも行かなかった父。
建築の仕事の時に基礎工事をいい加減にやって、多くの人に迷惑をかけた父。

たぶん。
良い思い出もあっただろうが、そんな事を思い出したら、親から与えられた苦難の人生を許さなきゃならなくなっちゃうから。

死のおかげで全てが浄化されて、こんな父親が「イイ人」みたいになっちゃうのも恐いから。

すずめちゃんは向かわない。

まきまきさんは、そんなすずめちゃんに行かなくてもいい、と言うのである。

 

こういう人だってバレたら嫌われちゃうのかなぁって思って。

恐くて。
恐かった。
みんなと離れたくなかった。

 

そんな秘密は、まきまきさんにとってどうでもいい事だったの。

まきまきさんは、今は自分たちこそが家族だとすずめちゃんに言い聞かせる。
同じシャンプー使って、髪の毛から同じ匂いさせて、同じものを食べて、一緒に洗濯物を洗っている。

そうだよね。
同じ匂いがしていれば家族だ。

 

泣きながらご飯食べたことがある人は、生きて行けます。

 

別荘へ戻ると、家森さんと別府さんが電飾で迎えてくれていた。
雪の中、ライトアップされる彼女たちの家。

「おかえりなさい」

と言われる幸せ。

「ただいま」

と言える幸せ。

チェロ以外に家族が出来て、すずめちゃんは今、心から笑う。

 

親戚の少年にとっては、父は優しくて面白い叔父さんだったのだろう。
少年が見ている男は、すずめちゃんの人生に苦行を与えた男ではないのよね。

だから、臨終に来なかったすずめちゃんは少年から恨まれるかもしれない。

それでも、許せないことはあってもいいと思う。
親だから死ねば全てが許されるわけじゃない。

親を見送らなかった事が すずめちゃんの人生に影を落とすこともあるかもしれないけれども、今までの人生に落とされ続けてきた陰に比べたらそんなもの、どってことないのだと思う。

私は自分自身が親だから子供には傍に居てほしいと願う。
けれども、モラハラたっぷりだった父の最期を見送った事は全く幸せな体験だったと思えていない。

そんな親不孝な自分を認めてもらえた気がした。

自由になろう。すずめちゃんも、私も。

 

さて……。

まきまきさんに「過去」が知れて、これで姑の依頼を受けなきゃならない理由が無くなった。

人の過去で脅して、こんな仕事を引き受けさせるなんて腐ったババアだね…とは思うけれども、そうしてまでも真実が知りたいほど まきまきさんは憎まれているわけで。

殺した……
とは思わないけれども、何があったんでしょうね。

まきまきさんこそ、本当に得体が知れないわ。
すずめちゃんの事は真摯に心配してくれていた感じだったが…
余命9ヶ月のおじさんの時の冷たさを思い出すと、やっぱり怖い。

 

家森くんの身辺事情も来週には明かされるっぽい。

この人ならウシジマくんと敵対してたけどね……。
 ドラマimg


すずめ(満島ひかり)が別荘でダラダラしていると、有朱(吉岡里帆)がやってきた。
「なぜ彼氏を作らないのか」とたずねる有朱にすずめは「告白が苦手だ」と答える。
すると有朱は「大人は誘惑するものだ」と語り、その方法をレクチャーする。
4人がノクターンに到着すると、そこには見知らぬ少年(前田旺志郎)が。
その少年から「あなたのお父さん、もうすぐ亡くなります」と突然告げられ、動揺するすずめだったが…。

(上記あらすじは「Yahoo!TV」より引用)

 

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※キャスト

巻 真紀(第1ヴァイオリン) … 松たか子
世吹すずめ(チェロ) … 満島ひかり
家森諭高(ヴィオラ) … 高橋一生
別府 司(第2ヴァイオリン) … 松田龍平

来杉有朱 … 吉岡里帆
谷村大二郎 … 富澤たけし
谷村多可美 … 八木亜希子
半田温志 … Mummy-D

巻 鏡子 … もたいまさこ

ベンジャミン瀧田 … イッセー尾形
九條結衣 … 菊池亜希子
すずめちゃんの父 … 高橋源一郎

元同僚(声) … 安藤サクラ

前田旺志郎

中村優子

※スタッフ

脚本 … 坂元裕二
演出 … 土井裕泰
プロデュース … 佐野亜裕美

フードスタイリスト … 飯島奈美、板井うみ、岡本柚紀
音楽 … fox capture plan
主題歌 … Doughnuts Hole(松たか子・満島ひかり・高橋一生・松田龍平)「おとなの掟」(作:椎名林檎)

公式サイト http://www.tbs.co.jp/quartet2017/

コメント

  1. くう より:

    キッドじいやさま

    湯豆腐セット!!!
    素晴らしいお味でしたわ~~!
    あれ見たら誰だって食べたくなりますことよ。
    恐ろしい、飯島奈美マジック。

    インフルエンザの体力消耗はなかなか舐めたもんじゃありませんでしたわ。
    健康体にあぐらをかいていた罰ですわね。
    ちょっとは養生しなくては、と思いました(笑)
    ご心配ありがとうです(;_:)

    >いい仕事をする人がいい人とは限らないってことを
    人は認めたくないものなのでございます。

    そうですわね。
    天然悪意の すみれさんは家庭も寝食も忘れるほど熱中できるからこそ別品を作れる。
    まきまきさんは美しい音を作るメンバーを得られるならば「家族」を作る努力も厭わない。

    そんな彼らを私は好きですよ。
    熱中できる物を持つ幸せは何にも代えがたいものだと理解できますもの。

    このドラマもまた、熱中できる音楽とミステリーと情緒に満ち溢れる別品ですね^^

  2. くう より:

    巨炎さん
    すいません(笑)

  3. キッドじいや より:

    くう様、こんばんは。
    財閥特製豆腐使用の湯豆腐セットをお届けしました。
    インフルエンザからは回復なされましたか。
    別タイプの再度感染もございますので
    うがい手洗いをお忘れなきよう・・・。
    朝ドラマでも思うのですが
    いい仕事をする人がいい人とは限らないってことを
    人は認めたくないものなのでございます。
    すみれがデリカシーのかけらのない人でも
    ぺっぴんを仕上げてしまうのだからしょうがない。
    まきまきが本当は極悪非道なサイコパスでも
    守りたいのがカルテットという仕事仲間であっても
    素敵な音楽を奏でることができればしょうがないんですなあ。
    客はプレイヤーの人徳に金を払うのではなくて
    美しい音楽に金を払うものでございます。
    しょうがない人だなあ・・・と思いつつ
    利用するべきものは利用するために大切にする。
    それが理想の人間関係なのだと思う今日この頃です。
    ああ・・・カルテットドーナツホールが
    解散する日が来るのがこわいなこわいなどうしようどうしよう。

  4. 巨炎 より:

    満島ひかりのデビュー作が「モスラ2」だったので
    書いてみただけですが…。

  5. くう より:

    Qさん
    >「私たち、家族じゃないですか」って言ってくれたけど、夫婦は別れられる家族なんでしょ。

    そうそう。そう言っていた。
    まきまきさんにとって「家族」ってどんなイメージなのかイマイチはっきりしないんですよね。
    すずめちゃんを励ましたい優しい言葉には温かい気持ちにさせていただいたけれども、その気持ちは持続するものなのか…。

    すずめちゃんの「秘密」を知ったのは今回まきまきさんだけであって、後の2人は知っているのか曖昧ですしね。
    「秘密」はまきまきさんにとっても武器になるかもしれないわけで…。

    …というところも含めて、私もまきまきさんも大好きです!

    EDが本当に素晴らしいので、出来たらドラマを被せないでいただきたい(笑)
    そうですか。Qさんは「高校入試」での出会いだったんですね!
    有り難いです^^

  6. より:

    >まきまきさんこそ、本当に得体が知れないわ。
    そうなの! かつ丼のシーンにグッときたけど、じつはまきまきさんが家族の死にそれほどの思いがないということもあるわけで…「私たち、家族じゃないですか」って言ってくれたけど、夫婦は別れられる家族なんでしょ。ミスリードとか思いつつ(松さん、上手すぎる)そこも含めて すっごく楽しく見てます。
    すずめちゃん、イイ子じゃないか‼ やっぱ、まともに見える人が1番コワイパターンなのでしょうか。でも、このドラマは そんなまきまきさんも含めて今のところ 皆んなが好きです。

    EDサイコー!!ですね。もうこれだけでドラマを見る価値がある!(1話でコメしそびれました)
    EDといえば、去年はback numberをやたらTVで見たので その度に「高校入試」を思い出しました。
    わたしがくうさんのブログと出会ったドラマなんですよ(言いたかったのmm)

  7. くう より:

    巨炎さん
    >病院でも親族に「連絡は死んでからでいいです」と事前に言われるパターンありますね

    昔はドラマでそういうの見ると、何て酷い子どもなんだと思ってました。
    けれども、今はちょっと考えが変わりましたね~。
    どんな家族にもその家の歴史ありですわ。

    >本当の超能力少女ならモスラと交信が出来ないと

    でも、何か能力在りそうですよね。
    そういう神秘的なところがある(笑)ひかりちゃん。

  8. カルテット 第3話

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    気がつけば2017年も二月である。 月は刺さりそうなほどに細い。 長身の暗殺者に切り刻まれて殺される夢を見て命乞いをしながら目をさます。 自分が「死」を惧れていることに驚く今日この頃である。 人間って面白いなあ・・・。 「わたしたちの教科書」からほぼ10年である。 胸が痛くなる境遇の人々を描き続けて

  11. 昼寝の時間 より:

    カルテット 第3話「嘘の絆」

    公式サイト すずめ(満島ひかり)が別荘でダラダラしていると、有朱(吉岡里帆)がや

  12. 巨炎 より:

    病院でも親族に「連絡は死んでからでいいです」と事前に言われるパターンありますね。

    本当の超能力少女ならモスラと交信が出来ないと(笑。
    あれだけ食っちゃ寝して、あのスタイルを維持しているのも
    別の意味で超能力のような気がする。
    朝ドラ「瞳」の時なんかさ…。

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