みき、ちょっと変わった?
えっ、何が?
何ていうか、前はそういう事あんまり言わなかったっていうか。
そういう事?
「幸せになってほしい」とか、ちょっと青春っぽいセリフ?
クールなみきがそう言うとは思わなかったから、その熱いとこっていうか、なーんていうか。
えっ?昭和のドラマ的な?
うん。まあ、そんなとこ。
う~わ…!後藤がうつった。
【女子的生活】第2話 感想
今回のテーマは「アウティング」。
あのさ、聞く前に調べるっていうたしなみはない訳?
ああもう…どいつもこいつも。
と、みきは後藤を怒っているが、語源自体がボンヤリしているらしく、明確に理解するのも無関心の層には難しそう。
1982年に出版されたアメリカの雑誌『ハーパースマガジン』(en)においてテイラー・ブランチ(en)が「”outage”(停止)という政治戦略がクローゼット(同性愛を隠した状態)の人々に集中砲火の罠を掛けるだろう」と予測し「アウティング」に近い概念の言葉を使っている。1990年1月29日号の『タイム (雑誌)』にて評論家ウィリアム・A・ヘンリー3世(en)が 「Forcing Gays like Mike Howes Out of the Closet」(マイク・ホーズのようにクローゼットを出されるゲイ達)という記事を執筆し、一般社会に「アウティング」という言葉を広めた。(Johansson&Percy, p. 4) by wikipedia
そもそも人種問題からして無関心な層が多い日本人には、あまり関係ないよなぁ……ということではなく。2016年にはアウティングが原因とされる大学生の自殺事件と裁判が行われている。(一橋大学アウティング事件)
ようするに、トランスジェンダーやゲイなど一個人が秘密にしている性同一に関することを他人が勝手に公にすること。(異性間の恋愛を暴露することはアウティングとは言わない)
みきは編集長によって、テレビ局のディレクターに勝手にトランスジェンダーをばらされた事にイライラし、しかもそれをテレビでカミングアウトしようという企画に不安を抱いている。
……ところに、ノーデリカシーな後藤によって故郷の友達にアウティングされていた事を知る。
後藤、本当にやること無神経すぎるんだけど、本当に心から悪気がなくてなぜか憎めないんだよね(笑)
無知なら許されるという事は絶対にないわけだが、無知をきちんと反省するからかしら。
そして、後藤と みきの関係性は、後藤の中に知識を埋め込むと同時に、みきの事も明るい方向へ引っ張る力があるから。
それを、昔のルームメイト・ともちゃんは、
みきって、ほら、ほんとは熱いのにそういうの外に出さないところあるでしょ。
だからさ、少しはさ、そういう影響受けるのもいいんじゃないかなぁって。
と言う。
ともちゃんの中の人は、このドラマの指導にも関わっているタレントの西原さつきさん。美しいねぇ。画像はたくさん見てきたけれども動いて喋っているのは初めて見た。
【ご来賓ご紹介】
西原さつきさん
幼少期に強い性的違和を覚え16歳でホルモン治療、のちに適合手術を受ける。トランスジェンダーの世界大会で特別賞受賞。講演会やモデルなど活躍、性同一性障害のための女性化レッスン「乙女塾」代表講師。 pic.twitter.com/PEuzAReItY— 関西LGBT成人式2018 (@kansai_lgbt_sjs) 2018年1月12日
ともちゃんは男の子が好きで、子供のような単純さを愛している。
みきは……
でも私は複雑が好き。
複雑な女の子が好き。
このセリフの中にも、みきが「今」を愛していることが分かる。
複雑な女の子は可愛いかも知れないが、複雑なおばさんはただ面倒くさい。
先週も、みきが悩んでいた通り。
年老いても女子っぽくいられるかどうかは分からない。
「複雑な女の子」といえば、ゆい。
今週も出番はあった。
可愛くて、危険な香り。
さて……
ノーデリカシーな後藤が無邪気な笑顔で行ってくれたアウティングは、同窓生のミニーさんこと高山田くんに、みきのトランスジェンダーをばらしてくれたこと。
勤め先がブラック企業だったらしくてさ、俺とはネットでつながったんだけど、しばらく誰ともしゃべってないみたいでさ。
家族とも会話がないらしいんだ。
ほうほう。
このままじゃ、あいつ自殺でもしちゃうんじゃないかって。
アウティングには気を使わないのに、鬱の友には気を遣う。
当然、怒るみき、だが、結局、ミニーさんはやって来る。
優しいんだ。みきは。
一生懸命、うつの人だからと気を使おうとする。
しかし、ミニーさんは、
下切ったの?
ノーデリカシーな後藤が気を使うほどのノーデリカシーさ……。
うつって失礼な言動する病気だったっけ?
人を見る目があって分析に優れていて賢い みき。
会話を交わすうちに、ミニーさんは鬱じゃないだろと見抜いてしまう。
ストレスぶつけたかったんでしょ。
化け物に。
こいつはね、化け物を期待してここに来たんだよ。
でも案外私がちゃんとした見た目だったから悔しくなった。
でしょ?
「傷ついていれば」「ストレスが溜まっていれば」他人を傷つけてもイイという甘えだよ。
そして、みきはもう一段、気付くのだった。
ただのストレス解消というわけでもないのだと。
ミニーさんは学生時代「いじられやすい」人だったらしい。
いつも男子たちに囲まれて、からかわれて……しかし、それは、よくあるイジメのようなイジリではなく。
ミニーさんは愛されていたんだ。みんなのマスコットだった。
ミニーさん自身もそういう自分を愛していた。
けれども、社会に出たら誰もいじってくれない、甘やかせてくれない、愛してくれない、注目してくれない……。
あのさ、あんた私の服が着たいんでしょ?
ミニーさんは、ただ罵倒しにやって来たわけではなく。
みきへの感情は嫉妬だったんだね……。
女装して、夜の散歩。
はしゃぐ後藤。
やさしい みき。
なんか泣けた。
ミニーさんの仕上がりはちょっと痛々しいけど。(中島広稀くんは可愛いので、ヒゲをちゃんとして、きちんと女装したら立派な美人オネエになれるはず)
これって、このミニーさんにとってある意味理想の状態なんじゃない?
えっ?
どういう事ですか?
だってミニーさんさ、誰かに構ってほしくてたまらなかった訳でしょ?
これって不特定多数の人にいじられてるっていう状態じゃない。
確かに。
そっか…。
ミニーさん、理想の世界にたどりついた訳か。
理想の世界に辿り着くためには、優しいまなざしがなければ、たぶん無理で。
このドラマの世界が優しいから辿り着けるんだよね。
現実の世界に幸あれ。
みき(志尊淳)と後藤(町田啓太)は奇妙な同居生活を続けていた。ある日、後藤はみきに会わせたい人がいると言う。それはかつての同級生でミニーさん(中島広稀)と呼ばれていた男。「ニート状態で鬱っぽい彼を助けたい」のだと。その思いに負け、みきはまたまたしぶしぶ了承する。
ミニーさんと会うみきたちだが、彼はみきのことをディスりはじめる。
みきは「ただ自分たちを見下げたいだけなのだ」と見抜き、反撃にでて…。
(上記あらすじは「Yahoo!TV」より引用)
※キャスト
小川みき … 志尊淳
後藤忠臣 … 町田啓太
かおり … 玉井詩織
仲村 … 玄理
ゆい … 小芝風花
板倉 … 羽場裕一
高山田(ミニーさん) … 中島広稀
ともちゃん … 西原さつき
銚子(テレビ神戸) … 夙川アトム
鈴木慶一
楠見薫
小松健悦
前田亜季
山村紅葉
鈴木裕樹
本田博太郎
土村芳
山口翔悟
※スタッフ
脚本 … 坂口理子
演出 … 新田真三、中野亮平
プロデュース … 木村明広
制作統括 – 三鬼一希
音楽 … 鈴木慶一
原作 … 坂木司『女子的生活』
トランスジェンダー指導 … 西原さつき
コメント
紫花浜匙さん
> 私はまだ、鬱もトランスジェンダーも、腫れ物の様に思っているのかも知れない。
それは、私も思うわ~。
身の回りに居ないものは、やはり奇異な目で見てしまうね。
>このドラマを見てると、志尊くんがもう、ミキにしか見えない〜。
いいよねーー!!志尊くんの「みき」は可愛いだけではなくて品や知性がある。あと1話でお終いだわ。もっと見たいなぁ。
的確に相手の言動に突っ込むミキ。
あ〜、この言葉は放送しても良いの?と、時々過敏になる事もあって、
私はまだ、鬱もトランスジェンダーも、腫れ物の様に思っているのかも知れない。
このドラマを見てると、志尊くんがもう、ミキにしか見えない〜。
女子的生活 第2話
「リストラされ、うつ病になったらしい“ミニーさん“(中島広稀)を助けたい」と言い出した、みき(志尊淳)と同居人の後藤(町田啓太)。でも、彼は、みきに失礼千万して批判します。でも、「彼は病気なのではなく、ただ自分たちを見下げたいだけだ」と見抜き、反撃にそのやり方が、実に、みきらしくて傑作だったのでした。キレイに女装した気分を味わった、ミニーさん、これをきっかけに考えを改めるとイイのにね。なんだか、不思議な共感を覚えるエピソードでした。 (ストーリー)みき(志尊淳)と後藤(町田啓太)は、奇妙な同…