そんなの裏切りでしょう?
あの子を育ててきたのは私なのに。
でも礼美さんはお父さんに会ってみたかったそうです。
礼美さんは、もう小さな子供じゃありません。
もう17歳です。
娘の成長を認めて、気持ちを聞いてあげて欲しいんです。
NHKドラマ10 お母さん、娘をやめていいですか? 第4話「甘い罠(わな)」
家庭は人間形成の基本なので、親との関係によって人一人が出来上がっていく。
素直な人間になったり前向きな人間になったり、全世界を否定するような人格になったり、反社会的な人格になったり、人好きする人間になったり引き籠りになったり…
いい大人が犯罪を犯したりすると「こんな年になって親のせいも何もないだろうがよ」と思ったりもするが、根底に育った環境がある事は否定できない事実だと思う。
毎日殴られて育った人間が「自分は殴られたからこそ人に優しい人間に」と思うのもまた人の道だが、殴られて育った記憶は一個体の中に根付いているので、環境によっては気づいたら同じことをやってしまっている…という事態が起こる可能性は大きい。
だから、子育てとは本当に恐ろしい所業。
だって、どうすれば我が子を殴っていないか解らないまま親は子育てしているものだから。
「殴る」のは拳だけではなく、多くの子供は心を殴られて育つのである。
玲子のホームから姿を消した顕子は、文恵の人形教室に家出していた。
美月からのメールに一切返信せず。
浩司の電話に平然と今日は帰らないで人形を制作するからと答えるのみ。
この人形制作作業が本当にもう少しこの人の生き甲斐になればいいのにね。
美月にばかり心を取られてしまうのは、夢中になれることが他に何もないからよね。
どうしよう。
ママは私を怒ってるんだ。
ママの言う事を聞かないで松島さんと付き合い始めたから。
美月は不安になる。
ママからの縛りには次第に恐怖を覚えつつあるが、ママの方が離れてしまうと不安に陥るという不安障害。
「顕子がいない夜」は初めてのことらしい。
娘がこんな年になるまで一度も家を離れた事がないという事よね。
思った以上に闇が深い母子である。
翌日。
顕子の母・玲子はホームで倒れ、そのまま亡くなった。
駆けつけた顕子が最期に聞いた母の言葉は
「駄目な子ね」
臨終で、せん妄状態にある時の行動や言葉には本人の意志はないといわれる。
けれども、受け取った人間の気持ちはそれじゃ収まらない。
確執を残したまま母と永別する事になった顕子の精神はますます不安定になる。
母親のお通夜が、もうカオス…。
母さんは幸せものだよな。
姉さんに看取られて。
と、したり顔で言う弟夫婦に思い切り感情をぶつける顕子。
あんた、何も解ってない。
お母さんは最期に私に何て言ったと思う。
「ダメな子ねえ」
あれは…うわ言だ。
ううん。
あれはお母さんの遺言だった。
お母さんはあんたたちに迷惑を掛けないように気を使ってた。
でも、私の事は大切じゃなかったから、だからいくら面倒見させても平気だったのよ。
今こそ先週の「ママに謝らなきゃ」というお祖母ちゃんの言葉をーーーと思ったけれども、美月がそれを出したところで顕子の心は静まらなかった。
まぁ…
そうだよね…。
ついでにダンナがリストラ部署に移動させられた事まで通夜の席で暴露する事になり、目の前で繰り広げられる姉一家の暴走劇場に目を白黒させるしかない弟一家…。
ママを1人にしないでよ。
と、娘の出勤まで止めようとする顕子。
ママ寂しいの。
みっちゃんが松島さんのとこ行っちゃうんじゃないかって。
ねえ。
松島さんとママ、どっちが大事?
どっちか答えて!
ついに倦怠期の恋人に向かって言うようなセリフを娘に向かってぶつけちゃう顕子である。
グズグズしてる場合じゃない。
好きなんだろう。
もっと、戦わなきゃ駄目だ。
と、パパは松島くんに言いに行くわけだが、松島くんが戦うためにはパパの協力こそが不可欠なんですけどね。
結局、この家族って依存家族なんだよね。
母から「駄目な子」と言われ続けて育った顕子は、「駄目じゃない子」を頑張って作り上げ、駄目じゃない美月だけが頼りである。
自力では妻の心を支えられない夫は、娘の恋人に依存する。
そんな中、
キミの本心は?
お父さんに言われたからってわけじゃないけど、僕は戦うよ。
と、決心を告げる松島くん。
そして、自分と同じように母の呪縛に遭っている礼美の母に、
娘の成長を認めて、気持ちを聞いてあげて欲しいんです。
と、キッパリ告げることが出来た美月。
精神的に独立しようと戦い始めた若い2人。
良かったね………
みたいに、当然丸く収まるはずもなく。
駄目な子ねぇ。みっちゃん。
と、駄目な子の烙印を娘に押した顕子は、娘の独立に恐怖を感じ、ついに「娘の彼氏」について方向転換し始めたのだった。
美月に彼氏ができる事はもう仕方がない。
しかし出て行ってしまうのは困る。
だったら認めればいい。
彼氏の存在を認めて一緒に暮らせばいいのよ………。
「ママが、良いつき合いをしなさいって。」
「これからは公認マークです。」
「一歩前進だね。」
の LINEの通り。
はい…
一歩前進しました。。
私は、好きな人が居たの。
でもフラれちゃって。
どうしても家を出たくて、それであの人と結婚したの。
いつか母と解りあえるようになりたかったけれど叶わないまま死なれてしまった。
もう永遠に仲直りできない。
本当に辛い。
ありがとう。
何だか初めて話を聞いてもらえた気がする。
娘の彼氏に自分の孤独を打ち明け、美月が居なくなったら生きていけない自分をアピール。
2つお願いがあるの。
美月を、よろしくね。
はい。
それと
少しだけここで泣いてもいい?
もう1つの「お願い」は
「私の事もよろしくね」
だよね。これ、まさに。
あの泣きつき方は女そのもの。
で、それを檀蜜が見ているという…←この存在は正直面倒くさすぎるから要らない。
「家族依存」の輪の中に、今まさに巻かれようとしている松島くんである。
今週もホラー。
美月が「独り暮らし」の話を出してからの怒りと戸惑いと不安に震えるような斉藤由貴さんの演技が物すごくて。
ああ、素晴らしい女優さんだわって改めて思ったわ。
恐いけど(爆)
※第4話の再放送は2/7(火)15:10~16:00 NHK総合です。
美月(波瑠)のもとに祖母・玲子(大空眞弓)が倒れたという連絡が入る。
美月は顕子(斉藤由貴)と浩司(寺脇康文)とともに老人ホームにかけつけるが、玲子は亡くなる間際、顕子に「ダメな子ね」と言い残す。
通夜の席で、顕子は取り乱し、浩司と言い合いになる。
顕子はその日から子ども返りして、美月に甘え始める。
そんな母を見て、美月は松島(柳楽優弥)との付き合いをしばらくやめようとする。
(上記あらすじは「Yahoo!TV」より引用)
※キャスト
早瀬美月 … 波瑠
早瀬顕子 … 斉藤由貴
早瀬浩司 … 寺脇康文
川端玲子 … 大空眞弓
松島太一 … 柳楽優弥
後藤礼美 … 石井杏奈
後藤佳代子 … 池津祥子
立原真紀 … 壇蜜
太田和幸 … 眞島秀和
雪村勝治 … 棚橋真典
御手洗孝史 … みのすけ
村主栄三 … 佃典彦
川端貴之 … 中村靖日
川端和子 … 太田彩乃
牧村文恵 … 麻生祐未
※スタッフ
脚本 … 井上由美子
演出 … 笠浦友愛、佐藤譲、大橋守
制作統括 … 櫻井壮一
音楽 … 富貴晴美
主題歌 … サラ・オレイン「Little Doll」
コメント
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