【リーガル・ハイ】第9話

誰にも責任を取らせず、見たくないものを見ず、みんな仲良しで暮らしていけば楽でしょう。

しかし、もし誇りある生き方を取り戻したいのなら、見たくない現実を見なければならない。
深い傷を負う覚悟で前に進まなければならない。

戦うということはそういうことだ!

「リーガル・ハイ」第9話

   リーガル・ハイ

古美門事務所にいかにも田舎から出てきた「七人の侍」…いや、年寄りたちが押しかけてきたのは、
古美門と黛が、「見合いに50回失敗した男が金を貢いだ霊媒師に500万払った事に対しての訴訟」
に、勝訴した日の事だった。

老人たちは、この訴訟の様子を見て、古美門に村を救ってもらいにやって来たのである。

そうですか。南モンブラン市から。

おしゃれな所なんでしょうね。

ハハハ。
南モンブラン市といっても外れの山の方ですから。

昔、絹美村と呼ばれていた地域なんです。

絹美村。ああ。山々に囲まれた静謐な集落でした。

服部さん。行ったことがおありなんですか?

はるか昔。
本物のモンブランと比べるとまあ風情の違った素晴らしい所でしたね。

服部さんは昔 ワンダーフォーゲルをやっていた頃に本物のモンブランも制覇したらしい。

穏やかにモンブランの話をしながらモンブラン(ケーキ)を食べる一行。

それで、ご相談とは?

このモンブラン市に5年ほど前に工場が出来た。
業界最大手で日本の経済を大きく動かす巨大グループ、「仙羽化学」の化学工場。

建築当時も反対運動はあったが、仙羽化学は強行。
その結果、ここ1、2年の間に原因不明のダルさや身体の痛みを訴える者が続出。
ぽっくりと死んでしまう者すら現れた。

そして、元村長の妻である「たね」までが倒れて入院した。

待ってください。
それは、つまり公害問題が発生しているということですか?

私たちはそう思っています。

たねに言われて、彼らは東京に「最強の弁護士」を探しに来た。

仙羽化学の顧問弁護士は三木。

様々な所で断られ、そして古美門と黛が推薦されたのだと言う。

黛先生。名をとどろかせました。

いや…私なんか…とんでもない。
…フッ。

と、ちょっと喜びを隠しきれない黛。

今日、法廷で見て、確かにお二人しかいないと確信しました。
お願いします。助けてください!

お願いします!

黛が当然だという顔を見せたところで…

もちろん…!
…お断りします!

驚く黛と老人たち。

理由は4つ。

1つ。
人口よりイノシシの方が多いような田舎には、二度と行かないと決めたから。
2つ。
私の弁護士費用は、皆さんの染みったれた年金のへそくりくらいでは賄えないから。
3つ。
どうせ勝てない。
絶対に勝てっこない。
4つ。
私は、皆さんのような惨めな老人たちが大嫌いだから。
吐き気がするほど。

以上。

どうぞ、はとバスツアーでも楽しんでお帰りください。

古美門が澱みなくスラスラと悪態を述べる間、黛は、何言ってるんですか何言ってるんですか
とオロオロしていたが、老人たちは当然怒って帰って行ってしまう。

先生が絶望的人格者であることは分かってましたけど、今のはあまりにひど過ぎませんか?

だいぶオブラートに包んだつもりだがね。

服部さん。僕、お風呂入る。

はい。先生、沸いております。

うん。

私、しばらく留守にします!

ご健闘お祈りします。

こうして黛は例によって1人で南モンブラン市に向かったのだった。

「ふるさとふれあいセンター」という大きくて豪華な施設に案内された黛。
そこは公民館的な役割を果たしている場所らしい。

次々と集まってくる老人たちは、口々に

「関節が痛くて曲がらない。」「お姉さん。俺は去年、心筋梗塞をやってね。」
「私は白内障。」「俺はね…。」

と、身体の不調を訴える。
まるで、無医村の看護師になったような黛。

とりあえず、村の井戸水や野菜を調べるために東京へ戻ると、古美門は
服部さんにフェイシャルマッサージをしてもらっているところだった。

私の貴重な リフレッシュタイムを邪魔する者は首だ!

ついに出たんです!
クロロタスムハリオサプロピレン。

それは何だ?

通称ヘルムート38です。
ヒ素化合物の一種で、まだよく分かってない新物質らしいんですけど。
これが原因で間違いないです!

なぜそう言い切れる?

他にあり得ないからですよ。
これで公害訴訟を起こせます。
というか、起こさなければなりません。

これでもまだやる気にならないんですか?

言ったはずだ。田舎も年寄りも嫌いだと。

いつまで駄々こねるんですか?
私はみんなに報告しないといけないので村に戻りますけど、絶対に諦めませんからね!

「ふるさとふれあいセンター」へ行くと、老人たちは工場撤廃運動の準備をしていた。

どうだ? これ。「殺人工場を止めろ!」
止めろ!
いいね!
明日、これ持って工場の前で座り込みだ。
お弁当持ってね。
毛布も持っていこうかしら。

その様子を黛は奇妙な感覚で見ていた。
何だか妙に楽しそうで……

言い表せない奇妙。

その時、黛は匿名の人物から1通の封書を受け取った。

中身は何と、5年前に南モンブラン市に仙羽化学第四工場を建設した際に、
反対運動に対抗するための草案書。

そして、作成者は「古美門研介」!!

東京に戻って古美門を問い詰めると、あっさりと白状した。

5年前、絹美村で第四工場が建設反対にあったとき、矢面に立ったのは三木だが、
その裏で密かに暗躍し、当時の村長を見事籠絡。
着工に結び付けたのはこの私、古美門研介なのである。フハハハハーーーー!

自慢してる場合ですか?!
あなたのせいで公害が起きてるんですよ?

寝言を言うな。
私が公害を引き起こしたわけではない。

ええ。
でも 村の皆さんにとっては同然ですよ。
そりゃ、この仕事引き受けられませんよね?

自分の仕事をしただけで、特に悪いとも思っていないらしい古美門を
引き入れるのはもう無駄だと黛は判断した。

もういいです。
私が弁護団を組織します。

勝手に張り切って負けるがいい。
そして介護士に転職することをお勧めする。

戦ってみなければ分かりません。

分かるんだよ!
戦うということの意味はあの老人どもは分かっていないから。

「ふれあいと きずなの里南モンブラン市」

素晴らしい標語じゃないか。

この美しき文化を壊すことなど彼らにはできない。

おっしゃっている意味が分かりません。

そうか。
ホントは気付き始めているんじゃないのか。
あの老人どもの本性に。

彼らには、戦争とズワイガニ食べ放題付きバスツアーとの区別が全くついていない。

  。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。

こういう地域は山ほどある。

現在、日本が抱えている大きな問題にも関わる事なので、うかつに口は開けないけれども…
(…けれども、ここまで口を開いちゃったこのドラマは凄い、と心から思う。)

工業地帯や大きなゴミ処理場、あるいは…例えば…何か大きな動力の源になる物とか…

そういう物を建設する時、その地域は何かしらの恩恵を受けている。

自治体を豊かにする施設だったり、税金が安かったり、良い学校だったり…
あるいは「ふるさとふれあいセンター」だったり。

もちろん、その地域に住んでいる人たちの中には、
「そんな物要らないからこの土地から○○を無くしてくれ!」
と、心の中で思っている人もたくさんいる。

しかし、多くの人たちは不満を胸に抱えながらも声を上げない。
面倒くさいし…よくよく考えれば得させてもらっているし…
どうせ声を上げたって無駄だし…

と、戦う心を失くして飼いならされているのである。

「何か」が起きてから、人々はようやく声を上げる。

でも、結局はちょっと優しくしてもらったり、得な気分にさせてもらったりすると、
それで満足して声を上げる事を忘れてしまう。

南モンブラン市の平和な老人たちは、つまりは日本国民を表わしているのだ。
これは、笑っていられる内容ではないのである。

ようやく、この案件を引き受ける気になった古美門先生だけど、ちゃんと最初から
この老人たちがまともに戦う気が無い事を見抜いているだよね。

ちょっと羊羹や金券をもらい
「私たちは仲間ですよ。私も悲しんでいるのです。」
とか優しく言われると、それで満足してしまう。

法廷をはとバスツアーと同程度にしか考えられない人間たち。

クライマックスの堺さんのセリフは台本10ページだったという。

澱みなくスラスラと喋る。

でも、それだけでは感動も何もない。
長いセリフを噛まずに喋れれば、それが名優というわけではない事は、
素人でもみんな解っている。

澱みなく、感情豊かに、表情豊かに、喋るのではなく訴える

聞いている内に、涙が出た。

堺雅人は紛うこと無き名優だ。

で、以下は、そのセリフ全文です。
もう読まなくていい方は、飛ばしてどうぞ。

見たまえ。彼らの満足そうなこの表情を。
ズワイガニ食べ放題ツアーの帰りのバスの中そのものじゃないか。

黛君。よく覚えときたまえ。
これがこの国の、なれ合いという文化の根深さだ。

人間は長い年月飼い慣らされると、かくもダニのような生き物になるのだよ。

ダニ?俺たちのこと言ったのか?

他に誰かいますか?自覚すらないとはホントにうらやましい。
こけにされているのも気付かないまま墓に入れるなんて幸せな人生だ。

あんた。ちょっとひどいんじゃないか!

申し訳ありません。
最初に申し上げたとおり、皆さんのような惨めな老人どもが大嫌いなもんでして。

おい若造。お前何なんだよ!
お前そんなに偉いのか!

目上の人を敬うってことがないの?
私たちは君の倍は生きてるんだ!

倍も生きていらっしゃるのにご自分のことも分かっていらっしゃらないようなので
教えて差し上げているんです。
いいですか?

皆さんは国に見捨てられた民。棄民なんです。

国の発展のためには年金をむさぼるだけの老人なんて無価値ですから、ちり取りで集めて
端っこに寄せてようかんを食わせて黙らせているんです。
大企業に寄生する心優しいダニ。それが皆さんだ!

かつてこの地は一面に桑畑が広がっていたそうですよ。
どの家でも蚕を飼っていたからだ。
それはそれは美しい絹を紡いだそうです。
それを讃えて人々はいつしかこの地を「絹美」と呼ぶようになりました。

養蚕業が衰退してからは稲作に転じました。
日本酒に適した素晴らしい米を作ったそうですが、政府の農地改革によってそれも衰退した。

その後はこれといった産業もなく、過疎化の一途をたどりました。
市町村合併を繰り返し補助金でしのぎました。

5年前に化学工場がやって来ましたね。
反対運動をしてみたらお小遣いがもらえた。
多くは農業すら放棄した。

ふれあいセンターなどという中身のない立派な箱物も建ててもらえた。
使いもしない光ファイバーも引いてもらえた。
ありがたいですね。

「絹美」という古臭い名前を捨てたら、南モンブラン市というファッショナブルな
名前になりました。
何てナウでヤングでトレンディーなんでしょう!

そして今、土を汚され、水を汚され、病に冒され、この土地にももはや住めない可能性だって
あるけれどでも商品券もくれたし誠意も絆も感じられた。

ありがたいことです!
本当によかったよかった!
これで土地も水も蘇るんでしょう!
病気も治るんでしょう!

工場は汚染物質を垂れ流し続けるけれど、きっともう問題は起こらないんでしょう!

だって絆があるから!

あんたなんかに俺たちの苦しみが分かってたまるか!
俺たちだってあんたの言ったことぐらい嫌というほど分かってる。
みんな悔しくて悔しくて仕方ねんだ。
だけど、必死に気持ちを押し殺して納得しようとしてるんじゃねえか!

なぜ?

ごみくず扱いされているのを分かっているのになぜ納得しようとしてるんです?

俺たちはもう年寄りなんだよ。

年寄りだから何なんですか?

具合が悪いのにみんな 頑張ってきたんだ!

だから何だってんだ!

だからいたわってほしいんですか?
だから慰めてほしいんですか?
だから優しくされたらすぐに嬉しくなってしまうんですか?

先人たちに申し訳ないとは子々孫々に恥ずかしいと思わないんですか?

何が南モンブランだ。
絹美村は本物のモンブランよりはるかに美しいとどうして思わないんですか!

誰にも責任を取らせず、見たくないものを見ず、みんな仲良しで暮らしていけば楽でしょう。
しかし、もし誇りある生き方を取り戻したいのなら、見たくない現実を見なければならない。
深い傷を負う覚悟で前に進まなければならない。
戦うということはそういうことだ!

愚痴なら墓場で言えばいい!

金が全てではない?金なんですよ。
あなた方が相手に一矢報い意気地を見せつける方法は。

奪われたものと踏みにじられた尊厳にふさわしい対価を勝ち取ることだけなんだ!
それ以外にないんだ!

錦野春夫さん。あなたは元郵便局長だ。
幾度となく閉鎖されそうになった村の郵便局を最後まで守り抜いた!

守口三郎さんは小学校の校長先生。
村にいた子供たちはみんなあなたの教え子だ!

奥さんの久子さんは街のデパートの化粧品売り場で月間売り上げの記録の保持者!

郷田譲二さんは実に100haもの田畑を開墾した!

鎌田さと子さんとご主人は田んぼをやりながら、日雇いの仕事を幾つも幾つも掛け持った!

富田康弘さんは商店街の会長。
毎年 祭りを盛り上げて、あのクリスタルキングを呼んだこともある!

板倉初枝さんは女だてらにクレーン車を動かし、6人の子供を育て上げた!

敗戦のどん底からこの国の最繁栄期を築き上げたあなた方なら、その魂を
きっとどこかに残してる!

…はずだと期待した私が愚かでした。

いいですか?
二度と老後の暇つぶしに私を巻き込まないでいただきたい。

心優しいダニ同士、お互い傷をなめ合いながら、穏やかに健やかに
どうぞくたばっていってください。

それでは皆さん、さようなら!

これで…

やっと目が覚める南モンブラン市の市民たち…。

「戦う」覚悟もなく、弁護士任せで、慣れ合いの和解工作に飲まれて…
それでは勝てない事を古美門先生は知っている。

そんな人たちのために訴訟を起こしたくないとも思っている。

戦いは次回。

また、ただそれだけの事では終わらないらしい。

どうなるか分かるものか。

えっ?

三木は沢地を巧みに使って君と私を操っている。
ここまで全て三木の思惑どおりに動いているはずだ。

思惑どおり?
まさか今日のことも?

途中で裁判から降りさせないための仕掛けだろう。

先生はわなと分かっていて乗ってるんですか?

三木が私と決着をつけようとしてる。
受けて立つしかない。

先生…。

おそらく、わが人生最悪の戦いになるだろうよ。

過去に、三木と一体何があったのだろう……。

アイスを食べられちゃったのを恨んでるとか、そんな軽い事じゃ済みそうもないね。

今回は小池栄子さんも何か凄かったな。妖しくて美しかった。

2週またぎのエピソードになっても、ツイッターTLの誰からも文句が出ないというのも凄い。

本当~に待ちきれないわ。

  1話目からの古美門 vs 黛オープニング対決。
  しかし、このままだと、黛先生は古美門先生に勝てる日は来そうもないね。
  ぺったんこーーー!! 

  リーガルOP

   。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。


古美門(堺雅人)と黛(新垣結衣)は、東京地方裁判所で女性霊媒師(千葉雅子)の弁護をしている。
原告の浜村(古澤裕介)は、女性霊媒師に合計500万円近くも支払ったにもかかわらず、
見合いは失敗続きで恋人ができないと訴える。
いつもの弁舌で浜村の訴えを退け、女性霊媒師に勝利をもたらす古美門。
その様子を老人たちが見つめていた。

法廷を後にする古美門と黛。
そこに現れたのは、春夫(二瓶鮫一)、譲二(丹古母鬼馬二)ら老人たち。
譲二は突然、古美門に土下座をし、「俺たちの村をお助け下さい」と懇願する。

事務所に戻り、老人たちから話を聞く古美門。
彼らは南モンブラン市という、昔は絹美村と呼ばれていた山々に囲まれた美しい集落の出身。
必死な反対運動にもかかわらず、5年前に仙羽化学という大企業の化学工場ができてから、
住民に健康被害が出ており、裁判で戦うために古美門の元を訪れたという。
大企業相手の公害問題訴訟、さらには顧問弁護士が三木(生瀬勝久)ということもあり、これまで
依頼した弁護士には全て断られていた。

依頼を受けた古美門は、絶対に勝てない裁判だと断言し、老人たちの依頼をきっぱりと断る。
古美門特有の毒の効いた断り方にあぜんとし、怒って席を立つ老人たち。
いつもの通り、黛がひとり南モンブラン市に赴くことに。
非協力的な古美門を批判する黛だったが、古美門はこの依頼を受けることができない
深い理由を抱えていた・・・。

(上記あらすじは「Yahoo!TV」より引用)

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【キャスト】

古美門研介 – 堺雅人
黛真知子 – 新垣結衣

三木長一郎 – 生瀬勝久
沢地君江 – 小池栄子
加賀蘭丸 – 田口淳之介
井出孝雄 – 矢野聖人

服部 – 里見浩太朗

 
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