【空飛ぶ広報室】第2話 感想

稲葉さん。
記者って職を失ったんじゃなくて、ディレクターって職を新たに得たと
考えるのはどうですか？

僕もね、パイロットだったこと生かせるなら、そんな広報官になれるとしたら、
何かワクワクするなって。
前のこと振り返ってばかりいても僕の人生って30手前でもう余生になっちゃうし。
そんなのつまらないです。

 

空飛ぶ広報室　第2話

　

 

出掛けていて遅くなったので、感想中心で…。

 

初回よりも遥かに面白かった！

初回はどうも、空井くんの過去の話がジメジメした感じを作ってしまって、カラッとして
なかったんですよね。

綾野剛の泣き演技はもちろん素晴らしいのだけど、そこばかりが印象づいてしまって
泣かせようとしてるドラマなのかな…と思ってしまった。

せっかく綾野くんが天然の可愛さを見せるシーンがいっぱいあったのに、
これはもったいない…。

…と、いう点で、今回はただ空井は前向きで天然で、でも人の痛みが解っていて。
そして、何よりもガツガツした稲葉がかなり柔らかくなってくれて見やすかった。

 

空自の謝罪記者会見を知り、また特ダネを取ったとばかりに乗り込む稲葉。

 

これより、航空自衛隊所属の輸送ヘリ墜落事故について緊急記者会見を始めます。

本日10時12分。
航空自衛隊入間基地に着陸しようとした輸送ヘリが制御不能に陥り基地北部の稲荷山に
墜落炎上しました……。

 

次々に記者の質問が飛ぶが、帝都テレビのカメラも記者もなぜか来ていない。

先ほど近隣に被害はないとおっしゃいましたよね？
帝都テレビの稲葉です！
十分な確認をしないまま被害はないと言い切ったわけですか？

それは…

現時点ではお答えしかねます。

無責任じゃないですか！？

ガツガツとツッコんでくる稲葉にうろたえる空自のトップ・航空幕僚長。
傍らで控える広報室の空井たちも目を丸くして事の成り行きを見守る。

廊下に出ると会社に電話して怒鳴りまくる稲葉。

社会部デスクに代わって。今すぐ！
説明してる暇ないの！
ウチだけ特オチしてもいいの！？

空井は一生懸命それを止めた。

稲葉さん！稲葉さん！

何ですか！？

うるさそうに空井を睨む稲葉は、やっと会見室の外にあるボードに目を止める。

「記者会見シミュレーション」

 

シミュレーション…。

はい。墜落なんかしてません。全部架空の話です。

 

この出だしから笑った。

稲葉はその日、ドラマの協力の礼を言いに広報室を訪れたのだった。

ガツガツと飛び込んだせいで潰れてしまっている手持ちのお菓子箱…。

ドラマは平均視聴率18％。
ヘリが出たシーンでは瞬間視聴率20％だったそうで。

とっても嬉しそうな、今日もノリノリの鷺坂。

 

稲葉さんて、前は報道の記者さんだったんですか？

…ええ。3月まで。

大変ですよね。仕事とはいえ人の嫌がることを聞かなきゃいけないなんて。

心から同情している風な空井。
ちょっとイヤな所を突かれたような表情の稲葉。

5年もやってれば慣れます。
事実を報道するためには、少々恨まれるくらいのこと。
それで何かあったとしても、ただ運が悪かったってだけの話です。

稲葉は報道に戻りたい。
しかし、戻れない理由がある。

今やっている街角グルメの取材なんて、全く興味なかった。

古びた老舗洋食店のナポリタンも普通のケチャップを使っていると聞くと、
別に興味も湧かない。

ある程度取材して視聴者が興味を持ちそうな画面作りだけ考えて終了。

そして、阿久津に

お前、そのままだと一生無能のままだぞ。

と、怒られる。

 

一方、空井の方は、企画書を提出するように言われてガチガチに生真面目に書いた物を
片山にけなされる。

ものになるまで何年かかるやら。期待して損した。

片山の言葉に、ちょっと意外そうにする空井。

自分、期待されてたんですか？

パイロットが来るって聞いて喜んでたよ。

と、比嘉。

これでは企画書というより報告書ですね。
こちら、片山一尉が作った過去の企画書です。
これを参考に直してみてください。
「国防の意義」は省いて。

でも、国防は自分達の本分ですよね？

あちらの興味はテレビの企画として面白いかどうかだけです。

それじゃ、ただの見せ物に…。

それでもいいんです。
まずはとっかかり。
興味を持ってもらうその先に理解があります。

そして「稲ぴょん」に見せるつもりで作りなさいと鷺坂に言われるのだった。

 

新しい仕事に馴染めず、自分の思った事が通用しないのは空井も稲葉も同じ。

ただ、稲葉の方には新しい仕事に前向きに取り組む気持ちがまるで無かった。
ガツガツした取材根性が抜けないので、小さな肝心な事を見失う。

異動の原因となった自分の過去の失態は「運の悪さ」だと思っている。
だから、前へ進めない。報道に戻ることで頭がいっぱいだ。

空井の方がその点、柔軟だ。
だって、どう頑張ったって戻れないから。

 

稲葉は以前、ある事件の容疑者を追っていた。
他の局の報道もみんな容疑者に食いついていた。
何も悪いことをしている意識は無かった。

特ダネを取るために、容疑者の妻のことも執拗に追い詰めた。
毎日家に通い、妻を追いかけてマイクを向けた。
その結果、妻は精神的を病んでしまった。

やがて、その容疑者は無罪であった事が確定した。
追われていた男は帝都テレビの玄関で泣きわめきながら稲葉を責めた。

確かにやりすぎたのかもしれません。
あってはならないことだとも分かってます。
でも、あの人達はあの時点では容疑者とその妻だった。

私は…自分の仕事をしただけです。

運が悪かったんです。

そう空井に説明する稲葉。

空井は稲葉にかけてやる言葉を失った。

 

広報で例の謝罪会見シュミレーションのテープを見せられた稲葉は自分の
ガツガツした質問姿を見て赤面する。

しかし、航空幕僚長は、

カッコよかったです。
真実を追求するという強い意志を感じました。

と言ってくれるのだった。

空自の体質ってのもあるよな。

体質？

例えば、記者会見で幕長の発言にミスがあったとき
「幕長、それ間違ってます」と記者の前でもズケズケ指摘するのが空自です。

片山が説明するには、各自衛隊を説明する標語があるのだと言う。

陸自は「用意周到　動脈硬化」
海自は「伝統墨守　唯我独尊」
空自は「勇猛果敢　支離滅裂 」

これを考えたのは、何十年か前に防衛省に出入りしていた記者なのだそうだ。

確かに記者が言いそうな皮肉です。よく皆さん怒りませんね。

ちゃんとね、オチがね、ありますからね。

記者会の標語は何と

「浅学非才　馬鹿丸出し」。

 

一番ひどいじゃないですか。

驚く空井と、稲葉。

だからいいんだ。
自衛隊を皮肉りつつも、マスコミの立場をかさに着ないで自分達を一番落とす。

そっか。カッコいいですね！

これ考えた記者は信用できそうだろ？

 

稲葉は考え込んだ。

 

帰りに社まで送ってくれると言う空井は、稲葉が取材した洋食ナポリを食べに行っていた。

そして、店主の石川さんと話をし、戦後、店の養子になり店の味を受け継いだ
という稲葉が聞きもしなかった話まで聞いていた。

ここのナポリタンて普通より味付け甘いですよね。
僕、子供味覚なんですごくおいしかったです。

甘いんですか。普通より？

えっ、稲葉さん…。

私、食べてないんです。…時間なくて…。

この時、初めて稲葉は阿久津が付け合せのコールスローに拘った事と、使い物にならない、
と言われた意味に気付くのだった。

空井に頼んで洋食ナポリを食べに行き、その甘さはタバスコをかける事で味の調整が
出来るように作ってあり、コールスローサラダはタバスコの辛さを緩和するために
付け合せていたのだと知った稲葉は空井の前で泣く。

 

何も分かってませんでした。
分かろうともしなかった。
報道のときも同じです。

正義をかさに、いつの間にかスクープさえ取れればいいって無神経になって。
相手が一人の人間だって当たり前のことも忘れて、報道に戻るどころか記者失格です。

まさに「浅学非才、馬鹿丸出し」。
それも、今の今まで自分はバカじゃないと思ってた。
大バカです。

 

阿久津に土下座して、最初に作った何の取材もできていないテープを
本番ギリギリで差し替えてもらう稲葉。

 

ああ～…良かった…。

先週はホント、こんなガツガツしたイヤな女がヒロインじゃ見続けられないと思った。

そして、毎週泣かせシーンがあるんじゃイヤだなぁ、と思ってた。

今週は、自然とホロッとした。
石川さんが作る、家族みんなで食べられる思いがこもった洋食ナポリの話。

温かいね。

温かくて優しい話で、ヒロインは己を知って柔らかくなり、空井は良い人。

これなら、今後も見たいと何の迷いもなく思えるわ～。

元々、戦闘機は好きだから(エリア88世代)ストーリー面で見やすくなると、とっても嬉しい。

 

稲葉さん。
記者って職を失ったんじゃなくて、ディレクターって職を新たに得たと
考えるのはどうですか？

えっ？

僕もね、パイロットだったこと生かせるなら、そんな広報官になれるとしたら、
何かワクワクするなって…。
前のこと振り返ってばかりいても、僕の人生って30手前でもう余生になっちゃうし。
そんなのつまらないです。

すっごい前向きですね。

飛行機って、車と違ってバックできないんです。

 

2人とも笑顔で。
今の仕事に前向きになったところで……本当に先が楽しみになった。

 

ところで…

いつもは6時からBSで「八重の桜」を見て9時からこれを見るんだけど、今日は
帰るのが遅かったので録画をぶっ続けて見たら……。
(すいませんね～。「八重」の感想は後で上げます～)

改めてダブった俳優さん達の多さ……。

　容保さま…平馬…勝先生……。
　　

いっそのこと、兄つぁまも出しとくれ……。

 

。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。

航空自衛隊広報室での取材を続けるリカ（新垣結衣）だが、ある日偶然に、空幕で
緊急記者会見が開かれることを知る。
報道記者だった頃の血が騒いだリカは強引に会見場に入り込み、詳しく取材を始めるが…。
また、不慮の事故でパイロットへの道を絶たれ広報官となった空井（綾野剛）が、初めて
閉じていた心を開き、自分の前で涙する姿を見たリカは、テレビ局に空井が訪ねて来た時に、
報道記者時代の自分の失敗を空井に話す。
「運が悪かっただけ」と嘯くリカだが、空井はそんなリカ自身がまだ壁にぶつかって倒れた
ままだと感じる。
担当している情報番組「帝都イブニング」の街角グルメコーナーでは、リカは上司の阿久津
（生瀬勝久）になかなか認めてもらえずにいた。
そんななか、ナポリタン特集でのリカの取材を知った空井は…。

(あらすじは「Yahoo！TV」より引用)

よろしければ→【2013年4月期・春クールドラマ何見ます？】ラインナップ一覧とキャスト表

　　
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【キャスト】

稲葉リカ … 新垣結衣
空井大祐 … 綾野剛

柚木典子 … 水野美紀
片山和宣 … 要潤
槙博巳 … 高橋努
比嘉哲広 … ムロツヨシ
藤枝敏生 … 桐山漣
坂手はじめ … 渋川清彦
香塚ともみ … 三倉茉奈
大津裕一 … 前野朋哉
佐藤珠輝 … 大川藍

峰永圭介 … 阿部丈二
村瀬勝彦 … 池内博之
阿久津守 … 生瀬勝久
鷺坂正司 … 柴田恭兵

桐谷隆史（キリー） … 桐谷健太（特別出演）

【スタッフ】

プロデュース … 土井裕泰、磯山晶
演出 … 土井裕泰、山室大輔、福田亮介
脚本 … 野木亜紀子

公式サイト http://www.tbs.co.jp/soratobu-tbs/

 

 
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