【リスクの神様】第2話　感想

麻生さん。
あなたが本当に守りたいものは何ですか？

会社、利益、地位、社員、家族、商品、信頼、理念。
全てを守ろうとしても何も守る事は出来ません。

多くの人は大切な事に順番を付けるべきではないと考えます。
でも、そういうわけにはいかないんです。

危機こそが、チャンスなんです。
そう思う事でしか前へ進めないのかも知れません。

 

リスクの神様 　第2話

　　　　

 

昨年あたり続いた食品の異物混入事件をテーマとした回。

 

異物混入していたのは「豊川フーズ」のカップマカロニスープ。
消費者がお湯を入れて食べたところ中に金属製のネジが入っており、口の中を
切ったというクレームが始まりである。

食べていたのがどう見てもパソコンに向かっているネットヲタクであり、異物混入ネタを
得た事に喜びを感じているっぽかったのでヤラセかと思ったら違うのね。

この事件を経て、社長の天野は返金には応じるなと命令。
記者会見を行った総務部長の麻生はしつこいマスコミにキレてしまい、その部分だけが
大袈裟にテレビで報道される結果となった。

 

「豊川フーズ」はサンライズ物産傘下の食品会社である。

3年前に旧体制で経営危機に陥った豊川フーズをサンライズ物産は20億円の株式を
引き受ける事で傘下に収め、食品部の天野を社長として出向させて救った。
豊川フーズの経営陣からはたった1人、工場長だった麻生を総務部長に据えた。

…ということで、ここは危機対策室の出番である。

 

しかし、この天野社長がクズだった。
ま…伯爵ですもの……そして西島管理官ですもの…。
　　

 

何とかしてくれよ、西行寺くん！
株価にまで影響が出ている。

返金には応じないと言った天野社長の失言と、先ほどの麻生部長の会見、あなた方は
すでに2度の大きな失敗をしています。

残された対策は限られています。
騒動に対する謝罪広告や新たな安全包装の検討を…。

 

被害者のウチがなぜそこまでするんだ。
危機対策の専門家だと言うなら他のやり方を考えてくれ。

では豊川フーズが被害者かどうか異物混入の可能性を調査しましょう。
対応を誤れば会社の死にも繋がりますよ。

 

売り上げも信頼も損なわない解決策を考えてくれ。

 

ふた言目には「被害者のウチ」…。
消費者に損害と不安を与えている会社の社長である自覚ナッシング…。

 

しかし、こういう場合、何でも謝っとけばいいってもんでもない。
残念なことに近年では異物を見つけたことをお手柄のようにSNSで拡散させたりする
エセ正義感の持ち主も溢れているからである。

…で、お手柄作っちゃおうとばかりに自ら異物を混入させて画像UPさせている輩とかも
現実に出てきているからね。

こういうのがいるから企業も現実を信じて素直に頭を下げられなくなってしまっている
という側面もあったりする…面倒な世の中です。

それとは別に慰謝料目当てのヤーさんのような輩も昔からいるし…。

これを対応する結城くん@森田剛の食えない感じがなかなか良かった。

 

ああして乗り込んでくるのは大抵模倣犯だ。
本当の被害者は「そっちが出て来い」と電話で怒鳴ってくる。

余計な敵は作らないように。対応は丁寧に。しかし毅然とやること。
「検討します」「考えておきます」「権限がないので上司に相談します」
みたいな受け答えはNGね。
連絡義務が生じてクレーマーのペースに乗せられてしまう。

 

西行寺たちに対策を丸投げして自分は被害者面し、自らは頭すら使わない社長。

当事者はこの件を任されたキミたちだ。
責任はキミたちにある。

 

自分が辞めれば何とかなるということばかり考える麻生部長。

 

工場での混入の可能性が高まった今、直ちにマカロニ製品は小売店から全品回収し、
製造を中止します。購入した消費者への返金にも応じて下さい。

 

新聞にとんでもない叩き記事が載る前に対策を取ろうという西行寺の提案を社長は
受け入れず、部長は判断できない。

 

結局、ネジを混入していたのは豊川フーズの和田警備員だった。

工場のレーンには異物混入を防ぐための探知機があり、それが麻生にとって商品への
絶対的信頼だったわけだが、和田は探知機の電源を落としてネジを入れていたんだね。

和田は天野社長が立て直しに出向して来る前からの豊川フーズの社員だった。
リストラ勧告を拒否したことで営業部長から機械の整備に回され、延々とネジを締め続けた。
そこから次は不慣れな警備部への移動。

和田は会社を憎んでいた。

それは解るが、会社にもまだ仲間は残っているわけだし。
こういうやり方は結局会社を貶めて仲間も危機に晒すだけなのにね。
復讐は社長個人にやるべきだと思うのだが……人間の心ってなかなかそういう方向に
動かないらしい。

現実にこういう事態になっても天野はちっとも困っていなくて、麻生さんと危機対策室の
面々ばかりが困っているので本当にハラが立つのだった。

 

天野の強引なリストラを止めなかった自分に責任があると言う麻生さん。

 

確かに褒められたやり方ではありません。
けれども天野社長が強引なリストラを断行しなければ豊川フーズはすでに存在しなかった。
それも事実です。

麻生さんは社員を守るために何か出来たのでしょうか。
リストラされた社員のために胸を痛めるだけなら簡単です。

悔やんでいる暇はありません。
危機に直面した以上、我々は何か手を打たなければなりません。
記事にされる前に全てを伝えるのが今できる最善の策です。

この荒波の中で社員が異物を混入した事が明るみに出たら、会社は
生き残れるのでしょうか。

麻生さん。
あなたが本当に守りたいものは何ですか。

会社、利益、地位、社員、家族、商品、信頼、理念。
全てを守ろうとしても何も守る事は出来ません。

多くの人は大切な事に順番を付けるべきではないと考えます。
でも、そういうわけにはいかないんです。

危機こそが、チャンスなんです。
そう思う事でしか前へ進めないのかも知れません。

 

自分には何の責任もないような顔をして、ただ西行寺たちに怒鳴ってばかりいた
天野に、ちゃんと倍返しタイムが訪れる。

天野が出張している間に麻生を責任者に立てて真実を全て曝させ、謝罪回意見を
させる西行寺。

怒り狂う天野に西行寺はシラっと言うのだった。

 

こうなった以上は消費者の安全を最優先するしかありませんでした。

確かに。わずかな期間に経営を立て直したあなたの功績は認めます。
しかしそれが正しかったかは疑問です。

あなたが行ったリストラは確かに数字上は黒字を計上しましたが、それが原因で
今回の事件が起きた事も事実です。

そして今、豊川フーズは別の危機に直面しています。

 

天野がリストラを強行した際に行った意識調査と管理職に残る社員の選別。
これが結局会社の危機を招いたのだと西行寺は言う。

 

あなたは自分の方針に従順か反抗的かを基準に社員をより分けた。
結果、理念や意見を持つ社員は消えて管理職はあなたのイエスマンで固まった。

そのせいで社内不満は握りつぶされ、問題も隠蔽された。
社員は意欲を失ってあきらめと恨みの感情だけが残った。

そんな会社では今回起きた危機からはとてもじゃないが立ち直ることはできない。
経営収支の黒字と引き換えに会社は一番大切なはずの人材と理念を失いました。

あなたは会社の未来を潰したんです。

あなたは被害者ではなく、加害者だったんです。

 

多くの企業にねぇ…考えていただきたい話である。
人間だからイエスマンで自分の周りを固めるのは気持ちいいし、やりやすいに決まっている。
しかし苦言を言ってくれる人を排除したら会社は衰退するしかない。

もっとも、苦言なのかただの愚痴なのか解らない従業員も多いわけで。
私利私欲なく会社のためを考える人材を選別するのも難しい事でしょうけれどもね。

社長とは頭の必要なお仕事だと思うのだった。
少なくとも、この人には無理。

 

豊川フーズは大蔵食品に吸収合併されることになった、と頼みの綱だった坂手社長に言われ、
お払い箱になって為すすべもない天野。

 

あなたがおっしゃったんですよ。
全てを我々に任せると。

経営の危機に対処するのも重要なリスクマネージメントです。

 

吸収合併を提案したのは西行寺らしい。
そう。全てを西行寺に任せて自分は何もしなかったからこうなったんですよね。

残念だよ…本当に残念だ……。
　　　　　

 

ここは石炭王に土下座して借金するしかあるまい……ドラマが違うぞ……
　

 

初めから豊川フーズを助ける気はなかったのかと責める神狩に西行寺は言う。

 

われわれは神じゃない。
全てを救えるわけじゃない。

 

しかし、辞めることになったとはいえ麻生さんはスッキリしていたし、吸収先の大蔵食品が
米製品部門に力を入れているおかげで無くなった商品も復活するらしい。

リストラ候補の社員も経験者として優遇されるそうで、いい方向に向かうことになった。

神狩自身が言ってたように大切な事を全て守るのは無理なのである。
リスクを回避するためには捨てることも大切だと言う事。

会社が無くなっても理念が残る。
これはこれで凄いこと。

西行寺はそこまで見越して動いているんでしょうね。

危機管理の基本は何も起きないように管理する事。
起きてしまったら出来うることを考えて対処する。

どうしようもなかったら、せめて「何か」大切な事を残すよう努力する。

面倒な企業のしがらみの中で、それを掻い潜って最善を尽くす人たちのドラマである。
第2話も面白かった。

 

フジテレビさん…。
裏に大型人気時代劇みたいなドラマのシーズン2があるにも関わらず、こんな面白いドラマの
放送を強行してしまうという危機管理意識ゼロな行いをしてしまったこの上は…

役者さんたちにリスク背負わせるような事のないように宣伝、再放送などの対策を
よろしくお願い致します。

 

サンライズ物産危機対策室室長の西行寺智(堤真一)は、次世代型バッテリー『LIFE』のリコール
問題の責任を負って同部署への異動を命じられた神狩かおり(戸田恵梨香)らとともに、傘下の
食品会社・豊川フーズで発生した異物混入事件に対処する。 　

事件は、豊川フーズの主力商品・カップマカロニに小さなネジが混入していたというものだった。
気づかずにその商品を食べ、口の中を切る被害者もいた。
しかし、同社社長の天野昭雄(飯田基祐)は、相次ぐ異物混入事件に便乗した愉快犯の仕業
だとして返金などに応じようとはしなかった。
するとネット上には豊川フーズを非難する書き込みが溢れ、不買運動の呼びかけが始まる。 　

対応に苦慮した豊川フーズは、総務部長の麻生次郎(岡本信人)が謝罪会見を行った。
が、会見に社長が不在だったこと、質問に対して狼狽する麻生の姿が報じられたことで、株価下落や
小売店からの取り引き中止という事態にまで発展してしまう。 　

天野のもとを訪れた西行寺たちは豊川フーズ側の初期対応のミスを指摘し、信頼回復のためには
思い切った対応が必要だと訴えた。
それでも天野は自分たちは被害者だと主張し、謝罪広告や商品回収に反対する。 　

危機対策室に戻った西行寺は、かおりや結城実(森田剛)らにネット投稿された製品の番号解析や、
豊川フーズの社内事情の調査を指示し、こう続けた。
「時間との戦いだ。3度目の失敗は許されない」と。

(上記あらすじは「Yahoo！TV」より引用)

 

　　
にほんブログ村

　

 

よろしければ→【2015年7月期・夏クールドラマ】ラインナップ一覧とキャスト表

 

※キャスト

西行寺 智 … 堤真一
神狩 かおり … 戸田恵梨香
結城 実 … 森田剛
種子島 敏夫 … 古田新太
財部 栄一 … 志賀廣太郎
橘 由香 … 山口紗弥加
原田 清志 … 満島真之介
逢沢統吉 … 丸山智己

坂手 光輝 … 吉田鋼太郎
白川 誠一郎 … 小日向文世

天童 徳馬 … 平幹二朗

関口 孝雄 … 田中泯

※ゲストキャスト

第1話
風間トオル

第2話
飯田基祐
岡本信人

※スタッフ

脚本 … 橋本裕志
演出 … 石川淳一、城宝秀則
企画 … 成河広明、加藤達也
プロデュース … 高丸雅隆
音楽 … 林ゆうき

テーマソング …

公式サイト　http://www.fujitv.co.jp/risk_no_kamisama/index.html

 

※「Twitter」やってますです。
フォロー下さる方は、ほぼドラマ実況ツイート(ツイ多いっす)だという覚悟でお願いします
　
【リスクの神様】第1話　第2話