【妖怪人間ベム】第10話 最終回と統括感想

俺達は…人間になりたい。

だが、人間にはならない。

人間が悪の心に負けちまった時、誰かが止めてやらなきゃならないだろ?

「悪」は悪を解放し続ける。
「善」は善で人間を正し続ける。

人間になりたかった妖怪たちは、「人間」がどういう存在かを理解し、
自分の「なりたい道」を選ぶ。

「妖怪人間ベム」第10話

ドラマ「妖怪人間ベム」感想

「名前のない男」から、

人間は「善」と「悪」で完全体であり、
欠けていては成り立たない。

「悪」を取りこまなければ人間にはなれない。

と聞いたベムたちは悩む。

あんなのを体の中に入れるなんて…。

だが、そうしなければ、あの男は人間を悪に導き続ける。

それじゃあ、あんたは受け入れるっていうのかい?

話を聞いていた夏目は、

俺は、人間になってほしいって思ってます。

という。

人間の中には「悪」がある。
しかし、それを押し込めて生きていかなければならない。

「善良な男」と評された夏目の中にさえ、それはある。

「完全体」な人間とは、何という不自由な存在なのか…。

だからこそ、苦しみ、悩み、強くなろうともがいている。

目の前の夏目は、今、まさにそんな人間の1人だった。

もう、人間にはならない、と捨て鉢になって言うベラ。

本当にいいのか?

大切なのは俺達が「どうなりたいか」だ。

俺達は心からなりたいのだろうか?
人間に。

そもそも「なりたい自分」とは何だろう?

本当に自分が望んでいることは、どうやって探し出せばいいのだろう。

逃げた猿の永太郎を探す緒方教授。
やりたい事を探す小春。
「昔の自分」を探す日出美さん。

人間も、みな、探し物をしながら生きている。

声を聞く能力を使うと、多くの人間の不満をぶちまける声が聞こえてくる。

それでも、人間になりたいか・・・?

名前のない男は言う。

私も早く人間になりたいので。

名前が欲しいんです。
人間になり、誰かに名を呼ばれたい。
晴れて自分という存在を味わってみたい。

誰にも認識されず必要ともされない。それがどれほど虚しいか、
あなた方ならお分かりでしょう。

何を迷ってるんです?

そんなに私は 醜いですか?
悪は醜いですか?

それが人間なのに。

男は、我々にも死ぬ方法はあるという。

元々は、それが骨格となって出来るはずだったステッキ。

そこに細胞を取りこめば、この世のものではなくなると。

男は、自分が夏目の子供を殺したのだから、憎いだろう。と夏目をそそのかす。

きれい事ばかりの彼らに、人間というものをもう一度見せてあげてください。

しかし、夏目は男の誘いに乗らなかった。

そんなことはしない。

憎いよ。
でも俺には家族がいる。
みんなで乗り越えることが、誠にしてやれることなんだ。

それに、お前がいないとベムさん達は人間になれなくなってしまう。
その時のためにお前には生きててもらう必要がある!

夏目は刑事を続けると言う。

もちろん、ベムさん達みたいには到底なれませんけど、なりたい自分、追いかけてみます。

空にはぽっかりと丸い月が浮かんでいる。

見て!ベム。

美しいな。
昼間の太陽も夜空の月も。

おいらどっちが好きかな?
お天道さまはポカポカしてお外が明るくなるし。

月だって同じさ。
あいつの明かりで暗闇を怖がらずに済むのさ。

人は暗闇の中で不安を感じ笑うこともできなくなってしまう。
だから、誰かがわずかでも光を灯さないといけないのかも知れないな。

翌日、ベムたちは夏目の一家からピアノコンサートに誘われ、
そこで銀行襲撃犯の人質になった。

夏目も、緒方教授たちも・・・
そして、多くの人たち。守りたい人たち。

夏目は、ベムたちの姿が変わらないように、必死になって戦おうとした。

しかし、やはり、ベムは夏目の危機を見逃すことはできなかった。

ダメです!ベムさん!ダメです!

今にも姿が変わりそうなベムを見て、夏目は必死に止めた。

助けを必要とする人間を見過ごすことはできません。

そんなことをしたら…。
俺達は…。

ただの妖怪になってしまう。

みんなを守るために銃の盾になり、撃たれ続け、緑の血を流し…

そんなベムたちの姿をみなが恐れて逃げ出した。

夏目と緒方教授たち以外は・・・

犯人を一掃して、目から流れる涙を皮膚に取ってみた時、
妖怪の皮膚に変化はなかった。

つまり…この犯人たちは、「名前のない男」関係なく、悪事を犯していたということだ。

止める夏目に背を向けて、ベムたちは去って行った。

いつまでも…そばにいますから。

   。。。。。。。。。。 。。。。。。。。。。

ベムたちは人間にならない道を選んだ。

自分たちが普通の人間になってしまったら、「悪を正す者」が居なくなってしまうから。

本当は、人間になりたかったのに。
人間のためを考えて人間になるのを止めた。

自分勝手な選択はできない。

「善」しかない人たちの選択。ベムたちらしい。

銀行強盗たちは、「名前のない男」に取りこまれなくても、悪事を決行した。

「悪を増幅する者」がいなくても、人間は「悪」を止められないのである。

ベムたちがいてもいなくても、悩んでいてもいなくても、
同じように太陽は温かで、月は夜道を照らしている。

そう解っていても、ベムたちは「悪を正すこと」を止められないのだ。

第9話の感想に「善しか知らないなんて幸せな人たち」と書いたけれども、
そう考えると、哀れな人たちなのかも知れない。

使命感は彼らの夢を叶えさせてくれなかった。

「助けを必要とする人間を見過ごすことはできません。
そんな事をしたら、俺たちは、ただの妖怪になってしまう。」

今までに何度となく聞いてきた、このベムのセリフ。

これが、こんなに悲しく寂しく響いたことはなかった。

「名前のない男」は、自分の名前が欲しかった。存在が欲しかった。

同情しますよ。
あなた方を待ち構えてる未来を思うと。

私は幸せだ。
ようやく死ねる。

この男の悲しみも伝わった。

長い長い年月、たった一人で存在の意味を捜し歩いた男。

名前が無いよりは死んでしまいたい。

その虚しさ、寂しさ・・・

ベムたちは姿を消してしまったが、夏目に言った言葉通り、
いつも側にいて守ってくれている。

私たちは・・・

ベムが不必要になるようにしなくてはならないんだよね。

私たちの心から「悪」が無くなって、「善」だけが満ち溢れたら、
その時、ベムたちは、人間になれるかも知れない。

そんな日が、来ると良いのだけど。

「名前のない男」が言っていた通り、ベムたちが歩く未来が困難に満ちていませんように。

セリフから風景、全てが詩のように綺麗で。

優しい音楽と自然、月、花、太陽、緑、空、雲・・・

差し挟まれる情景が、ベムたちの心のように美しくてさびしくて。

優しいファンタジー。

このドラマが大好き。

あのアニメからこんな優しい世界を作り上げた、脚本の西田征史氏と、
木皿泉作品も手掛ける河野英裕Pさんたちスタッフに心からの賛辞を贈りたい。

妖怪人間・ベム、ベラ、ベロ。
3人の姿は消えた。

いや、彼ら正義の魂が死ぬはずはない。
きっとどこかで生きているはずである。

もし、あなたの周りで怪しい出来事が起こり、それが人知れず解決しているような
ことがあったら、彼ら3人が活躍してくれたのかもしれない。

そして、妖怪人間・ベム、ベラ、ベロに感謝をしようではないか。

原作のナレーションで締めたラスト。

この遊び心も良かった。

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※キャスト

ベム … 亀梨和也
ベラ … 杏
ベロ … 鈴木福

夏目菜穂子 … 堀ちえみ
緒方小春 … 石橋杏奈
夏目優以 … 杉咲花
町村日出子 … 広田レオナ
緒方浩靖 … あがた森魚

夏目章規 … 北村一輝

名前の無い男 … 柄本明

※コメントのお返しがほとんど出来ていませんが、読ませていただいてますので…
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