ありがとう嵐!振り向くな前へ2020年

『サクラ咲ケ』は2005年3月に発売された嵐14枚目のシングルで、オリコンが行っている「桜ソングベスト」の10位以内に毎年ランクインしているという。

サクラ咲ケ

2006年の春、幼いころから剣道を続けていた息子は、中学地区予選の3回戦で敗退し、県大会への道はここで閉ざされた。

3年間、祈るように応援し続けてきた。

体育館の隅で肩を落として泣く息子に何も言ってあげられなかった。

そこそこ強かったので当然上へ行くものという奢りが親子共にあったから、このショックを吹っ切るのには時間が掛かった。

 

大会の帰り道、車のラジオから流れて来た「サクラ咲ケ」を聞いて、運転しながらボロボロ泣いた。

 

桜咲け君の胸の中で揺れてた小さな蕾よ

負けないように くじけないように今歌うから

 

そう。これを振り返り続けていたら前へは進めない。

親である私がいつまでも振り返り続けていたら子供も前へ進めない。

この春は、この歌を聞くたびにチクチクとあの日を思い出すと共に、翔さんの力強いラップと嵐の歌声に励まされながら前へ進んだ。

 

これ以前もこの後も嵐のことは好きだけれど、この時の「サクラ咲ケ」が私にとって一番の嵐の記憶。大切な思い出。

コロナ渦中の嵐

2017年に嵐は3年後の活動休止を発表し、その3年後が本日である。

2020年12月31日。

私たちはこれから長い期間、嵐を失うことになる。

最後のこの1年、悔いなく休止期間に入れるように嵐は様々な企画を練っただろう。

そして、ファンと直接触れ合うための多くの企画は実現できなかった。

こんな最後の一年は誰も予想していなかったに違いない。

それでも、休止の予定は延期されない。

永遠に延期されればいいのにな、と思う。

けれども彼らは進んでいってしまう。前へ。


昔はジャニーズにも「引退」や「解散」があって、そもそも40も過ぎたら「アイドル」じゃないんじゃない?いい年になったら解散してみんな独立すればいいんだ、と私もそんなことを言っていたことがある。(嵐以外のグループに)もちろん、二度とそんなことは言いません。猛省している。

死んでしまったわけではないのだから、彼らの幸せを願おうよ、という声も聞く。

そう、死んでしまったわけではない。けれど、「嵐」という箱を応援して来た人間にとっては消滅と同じだよ。

 

もちろん、彼らはきっと帰ってくるのである。きっと……。

でも、帰って来た嵐は今の嵐ではない。

このコロナのおかげで、「今」の「この時」の大切さ気づいた人間はたくさんいると思う。

今の私は今しかいないし、今の嵐は今しかいない。

振り向くな 前へ

だから、帰って来た時に同じテンションで迎えられるかというと、その自信はない。

けれど「嵐は次のステージへ進む」と彼らは言う。

同じテンションで迎えてもらおうなんて、本人たちだって思っていない。

 

このステージは終わったのだ。

次に何がやって来るかは待つしかない。

 

だから今は「ありがとう」だけ言おう。

あなたたちが次へ行くように、私たちも次へ行かなければならない。

 

さようなら。

たくさんのものを失った2020年。

 

振り向かない。

後ろに明日はないから。

前へ 前へ。
 

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