あんたは手形を私から奪い返せんかった。
そんな噂が金暮に流れてみい。
確実にやっていけんようになるで。
これは、ぼんくらちゃんのメンツじゃ!
極悪がんぼ 第6話
(投遣)だから 払わんとは言うとらんじゃろうが! こら!たかが 2,000万ぽっちの
銭ぐらいちょっと 待っとらんかい!おりゃあ!
(冬月)失礼ですが御社は 投資に 失敗して不渡りを 1回出されていますよね?
(投遣)わりゃうちの会社が倒産するって言いたいんかい?おうおう。冬月さんとやら
。うちは 他の会社と違うて堅い業界のパイプが あるんじゃ。仕事なんか 寝とっても
くそしてても 入ってくるんど。
(冬月)ほう。だから 来月にはちゃんと 耳 揃えて払うたるがな。
(冬月)でしたら支払いを 待つ代わりに何か 担保を出していただけませんか?
フフフ。 んなもん あるかいな。会社も 自宅も みんな銀行の抵当に入れてしもうとる
がな。
(冬月)いえいえ。まだ 他に あるじゃないですか。
(薫)49・50・51・52。あと 800万。 ハァー。これ 持って 逃げちゃおうかな。
[ケータイ](薫)あっ。
[ケータイ]
(薫)あっ。[ケータイ]
[ケータイ]冬月ですけど。おかけになった 電話番号は…。
[ケータイ]冬月ですけど。はい。
今月の支払いは?フッ。 ヘヘッ。
これは?株券だ。
2,000万円の 債権の担保に預かったものだ。
投遣警備保障?総株数 200株のうちの 60株。
つまり 全体の30% ある。はあ。
どうせ 借金 払えないんだろ?それを手伝えば 100万 やる。
今月分の支払いに 充てろ。はあ。 フッ。 助かった。
家畜は生かさず 殺さずというのが金融の基本だからな。家畜って。
分かりましたよ。
ここから 2,000万円取り立てれば いいんですよね?
取り立てるのは 金じゃない。
会社だ。はあ?
会社を 乗っ取るんだよ。その株券を 使ってな。
これで?会社を 合法的に乗っ取るためには 全体の51%以上の株券が 必要だ。
足りない分は 俺が集める。じゃあ 私は 何を?
この株券を お前に譲る。
お前は あした 会社に乗り込んで株主総会を 開くように言え。
株主総会?この会社はなお前でも 株主総会が開けるようになってるんだ。
残りの株券と 合わせてその株主総会で社長を 首にしてしまえば会社は こっちのも
んだ。なっ? 簡単な仕事だろ?
あの。ここって どんな会社ですか?
投遣警備保障は今の社長が始めた 警備会社で従業員数は 約 70名。
主な仕事は 道路工事の交通誘導警備だが。
本来の仕事とは 別に 投資に手を出したのが たたって先月 不渡りを1回 出してい
る。
じゃあ あと 1回不渡りを 出したら倒産じゃないんですか?心配ない。
経営は 俺が 立て直す。冬月さんが?
今日中に 株について頭に たたき込んでおけ。
しくじったら かたに はめるぞ。
フフフフ。
帰りました。
(夏目)ハァー。
(夏目)ハァー。
空気 重っ。何か あったんすか?
(抜道)所長の監査がある 言うてたやろ。
(小清水)《皆さんの評価と 処分は後日 伝えることにして私は これで》
ああー。 フッ。 処分ね。(夏目)ハァー。
別に 命を取られるわけでもないのに。
(夏目)アホんだら!ぼんくら アホんだら!
何ですか?(夏目)おどれは 所長の恐ろしさを 知らんのじゃ。3年前に 金暮山で
発見された身元不明の 白骨死体が所長の 元 部下にうり二つじゃったんじゃ!
白骨で うり二つだって分かるんですか?
(抜道)都市伝説や。(金子)ホントに都市伝説っちゅうて言い切れるんか?
(抜道)それは 自信ないわ。
・(茸本)お待たせしました。(金子)おう。 こっちじゃ。
(茸本)ういっす。 いやー。いつも ありがとうございます。
(金子)おう。(茸本)はい。 どうぞ。会計は 付けといていいですか?
(金子)ああ。 付けといてくれ。(茸本)はーい。 あれ?
(茸本)薫ちゃん。 何やってんの?株の勉強。
(茸本)株?うん。
(抜道)株 やるのか?はい。
株は 大人のばくちじゃっちゅうて頭がいるんじゃ。無能に 株は できやせんで。
だったら もし 私が株で 会社を 乗っ取ったらどうするんですか?
(茸本)会社?へそで 茶 沸かしたるわ。
おう。 腐れ。(茸本)はい。
茶 入れてくれ。 茶。(茸本)はい。 ヘヘッ。
絶対だな?(夏目)おどれもちいとは 稼ぐようになったか しらんけど。株で 会社を乗
っ取るには金が 何億も いるんやど?
借金の担保に預かるって手も あるでしょ?
(夏目)アホか。担保に 預かっただけじゃ自分のもんには ならんじゃろうが。えっ?
でも…。
善意の第三者になったらでけんこと ないけどな。
ぜ…。 ねえ? 善意の?何ですか? それ。
1,000円で 教えたるわ。
まず 教えてぇや。
株券はな 善意の。つまり 何の事情も知らん第三者に 譲りゃあ担保も くそもなく譲
られた そいつのもんになるんや。
《この株券を お前に譲る》
《お前は あした会社に乗り込んで株主総会を 開くように言え》
そういうこと。
(抜道)もうけ話やったら俺にも かましてぇや。
あっ。 いやー。フッ。
いやー。 いや。
ホントにただの 勉強ですって。
(投遣)いやいや。昼間ね借金 払えっちゅううるさいやつが 来ましてね。
あのう。 今月 もうちいと仕事を 回してもらえますかね?
[ケータイ](男性)分かりました。
[ケータイ](投遣)あっ。 どうも。ありがとうございます。 ウフフ。
♪~
乗っ取ってやろうじゃない。
♪~
♪~
警察!?(巻上)ほうなんじゃ。どうも投遣警備の バックには警察の人間が絡んど
るらしいんじゃ。いや。 わしも 冬月ちゃんに手形を渡した後で知ったんじゃ。知っとっ
たら 教えとるわ。
巻上さん。 その警察の人間って誰だか 分かりますか?
ああ。わしが 聞いた話じゃあ…。
株主総会じゃと!?はい。
実は 冬月さんが 私に個人的に 借金をしていまして支払いの代わりに 御社の株券
を私が 譲り受けまして。
それで。何 言うとんじゃ?
そりゃ 借金の担保に預けただけじゃ。
担保だろうが 何だろうが私は 善意の第三者ですから関係ありません。
私は 御社の大株主になったんです。
何や? お前 知らんのか?おう?
株主名簿の 書き換えが済んどらんかったら株主は 権利主張 できんのじゃ!おう。
おら。
じゃあ その名簿を早く 書き換えてくださいよ。
ちょっ。 待ちぃや。わりゃ さては冬月と組んでわしの会社 乗っ取るつもりか?
フッ。 何のことでしょ?
とぼけんな! おら!ちょっと ちょっと。 やめて。
もう 放して。 警察 呼ぶわよ!警察! あっ。 ちょっ。
警察やと?
わりゃ わしの会社のこと分かっとんのか?
[ケータイ](バイブレーターの音)えっ?
何か 鳴っとるぞ。[ケータイ](バイブレーターの音)
ちょっと すいません。どうぞ。
もしもし?[ケータイ]投遣から 今すぐ 撤退しろ。
えっ? 撤退?[ケータイ]この件からは 一切 手を引け。
いや。 ちょっ。[ケータイ](不通音)
えっ?
今 「撤退」って 聞こえたけどうちのことかのう?
いやー。あっ そう。
何が 撤退だよ?訳 分かんない。
♪~
・(伊集院)犬神が また県警に 戻ってきたんです。
・そういうことか。 今度は何を たくらんでんだ? あいつ。
(伊集院)ガードナーっていう幽霊会社 つくったんですよ。
幽霊会社?(伊集院)犬神は 他人名義で書類上だけの 幽霊会社つくって金暮の
警備関係の仕事一手に 握ろうとしてんです。
どうやって?
例えば 道路工事 やるとき建設会社から 管轄の警察署に工事の許可申請が 出さ
れると所轄の窓口は 道路使用許可申請を受理する際に 暗に 推奨業者。つまり
犬神の幽霊会社に警備を任せるよう行政指導するんです。すると 犬神は 仕事をそ
のまま 下請けの警備会社に丸投げして中間マージンを抜く。
そこまで突き止めてるんなら何で 事件にしないんだよ?いや。 10年前の 交通部
長も今や 県警 ナンバー2の警務部長ですからね。
うかつに 手は 出せませんよ。二の舞は 避けた方がいいぞ。
金は 出世のための賄賂か?
(伊集院)まあ 出世は 出世でも今度は議員に 転出するための献金に 使ってるみ
たいです。
(蟹股)警備会社の方は順調のようですな。
(犬神)蟹股先生。私と ガードナーは一切 関係ありませんから。誤解なさらないでく
ださい。(蟹股)でも まあ犬神さんが政界入りするときは協力させてもらいますけん
のう。
(犬神)よろしくお願いします。
政治か。
(伊集院)ああ。 これ。
(伊集院)どうします?
犬神 つぶすんなら手 貸すぐらいは できますけど。
・つぶしましょうよ。
・足りない分の 株券を集めれば投遣を 乗っ取れるんでしょ?
お前は 一切 手を出すな。
ちょっと。 冬月さん。われ。
おとなしゅう しとりゃええんじゃ。
こっちだって生活が 懸かってんのよ。
(犬神)《残念だよ。 冬月君》
《はめたのか!?》
《犬神! 放せ!犬神!》
ハァー。 和磨。 ビール。(茸本)おう。 薫ちゃん。いらっしゃい。 よいしょ。あっ。 そう
だ。ねえ? 会社 乗っ取れた?えっ?
(茸本)「えっ?」じゃないよ。こないだ 言ってたでしょ?社長になれた?なれるわけ
ないでしょ?
その会社の バックに警察が 絡んでるとかでストップ かかっちゃったの。何だよ。
俺も 雇ってもらおうと思ったのにさ。
(キリコ)そがいなもん脅したれぇや。
脅すって?(キリコ)公務員の副業は法律で 禁止されとるがな。
(キリコ)それを 突き付けたりゃあ一発じゃ。
そっか。 そうだよね。(茸本)そうなの?
うん。・(諸子氏)茸坊! 来たよ!
(茸本)先輩!(諸子氏)イェイ イェイ。ウォウ ウォウ。(茸本)イェイ イェイ。 ウォウ。
(諸子氏・茸本)オス メス キス。ハハハ。
(茸本)あっ。 紹介します。昔 すっげえ お世話になった諸子氏先輩。
(諸子氏)初めまして。セニョリータ。
(茸本)頂きました。セニョリータ。
(諸子氏)信頼と 実績。あなたの 諸子氏です。アハハ。からの 諸子氏です。
クラブ 騎士団?(諸子氏)いや。それ ナイトって 読むんです。ナイト?
(諸子氏)ナイト。(茸本)ちょっ 先輩。座ってくださいよ もう。(キリコ)西区の ホスト
クラブか。
稼いどるらしいねぇ?(諸子氏)いやいや いやいや。
年商 3億ぐらい?
(茸本)3億!?(一同)3億!? すごい!
マジっすか?(一同)うわー。
・(従業員)どうもありがとうございます。
・(蟹股)いやいや。 よかったよ。フフフ。 じゃあ またね。
(従業員)ありがとうございます。
・(従業員)気を付けて。
♪~
♪~
(茸本)失礼します。 ポテサラです。(諸子氏)おおー。 これ これ。こいつ 昔っから
料理 得意でねよく 集会に作ってきてくれたんですよ。ハハッ。
集会? 何の集会ね?(諸子氏)集会っつったらこれだよ これ。ブンブン ブブブン。
(一同)パラリラ パラリラ。(諸子氏)ハハハ。
(女性)諸子氏さんの バイクホンマ カッコエエねん。
・(諸子氏)ハハハ。キリコさん。 バイク 乗る?
(茸本)いいなぁ 先輩。社長だってさ。ねえ? 薫ちゃん。 やっぱ2人で フレンチ や
んない?
俺が 社長で いいからさ。
あんたね この際はっきり 言うけど。
私が あんたを見捨てないのは…。
愛だろ?
あ痛っ。借金 返してもらうためよ。
それまで 逃がさんからね。家畜ちゃん。
(茸本)ああ。もう きっついなぁ。
愛が欲しけりゃ 金 稼ぎな。俺 そんな器じゃないもん。
なら器かどうか 試してみる?
えっ?
(茸本)はい。 ご苦労さん。ご苦労。 はい。 ご苦労。
図に乗るな。何でよ? 俺 社長役でしょ?
すいません。 先日 お伺いしました神崎 薫ですけど。
投遣社長に取り次いでいただけますか?
(受付)お約束でしょうか?(茸本)大株主ですけど 何か?
(受付)失礼いたしました。少々 お待ちください。
いい? あんたは 総会を開くようしつこく 説得して。
私は 足りない 株券を買い集めてくるから。
(茸本)ラジャー。ハァー。
(ノック)・(投遣)カム イン。
失礼します。
何じゃ? われ。また 来たんかい?
そりゃ 来ますよ。大株主ですから。
(投遣)フフッ。大株主ねぇ。吸いまっか?いいえ。
(投遣)おう。ヘヘヘ。 ああ。この前 言い忘れたがのう。
わしゃ ここの株100株 持っとんのじゃ。
全体の 50%やで。50%!?
(投遣)それだけやないで。わしの会社の バックには偉い お方が ついとるけんのう
。
(息を吹き掛ける音)
がんぼしよったら痛い目 見るで。 おら。
警察の お偉いさんが出てくるならいつでも 出てきんさいや。何じゃと?
公務員の副業が禁止されてることはご存じでしょう?世間に バラしますよ?
(投遣)この アマ。いてこましたろうか! こら!
(茸本)諦めなよ。 おっさん。
(投遣)こら。誰の椅子に 座っとるんじゃい!?
(茸本)うっさいんじゃ! ぼけ!
集会 開きゃなぁ俺が 社長になれんだよ!
集会 開け! 集会! ああ?(投遣)集会?
株主総会。 株主総会。そうだよ。 総会だよ。
族じゃねえんだぞ。こんにゃろ。
お前 どえりゃあ アホ連れてきたのう。
そんなことより 株主総会を早急に 開いてください。
(茸本)そうだ そうだ。あっ。 そうだ。
それまで 俺 ここ いようっと。
小清水経営コンサルタント?(投遣)はい。そこの 冬月っちゅうやつが神崎っちゅう
女とわしの会社を狙うちょるみたいなんですよ。
冬月?分かりました。
(岩猿)いってきます。
・ちょっと すいません。(岩猿)はい。
蟹股先生の 秘書の方ですよね?
(岩猿)ええ。知ってますよ。 蟹股先生が県警の幹部から 多額の献金を受け取って
ることを。
世間や マスコミに 知れたらどうなりますかね?
(岩猿)その手の ゴシップに答える義務は ありません。
(たたく音)(岩猿)いっ。
議員先生を 守るのがあんたの仕事だろ?
守るんだよ。あんたが 先生をさ。
なっ?
(小清水)投遣警備保障?
(赤蛇)はい。 調べたら どうも投遣が出した 手形が小清水先生の 事務所の方に
渡ったそうなんですよ。
(小清水)ほう。(赤蛇)先生の お力で投遣警備を手に 入れられないもんでしょうか
?エヘヘ。
(係員)こちらになります。ありがとうございます。
何だ。株主の情報 載ってないじゃん。
・(伊集院)こがいなとこで何しとるんじゃ?
あっ。(伊集院)冬月さんに言われたろうが。こんなもん 調べても 無駄じゃ。
返して。
(伊集院)株主は 投遣の親族で固められとるで。
知ってますよ。
もしかして あなたも何か 調べに来たの?
関係ないじゃろ。
ねえ? あなたは 何で冬月さんに 協力してんの?
お金のため?
表と 裏はな持ちつ 持たれつじゃけん。
あっ。 ちょっと それ 返して。[ケータイ](バイブレーターの音)
[ケータイ](バイブレーターの音)
もしもし?
[ケータイ](小清水)お忙しいところすいません。小清水です。あっ。 所長!?
乗っ取り?(巻上)冬月ちゃん。警察が絡んどるの 知らんで株券で 投遣を乗っ取ろ
うとしてたんじゃ。
株券で?(巻上)ああ。
《もし 私が株で 会社を 乗っ取ったらどうするんですか?》
あのアホ。
(小清水)仕事は 慣れましたか?あっ。 はい。 少しは。
さあ さあ さあ。遠慮なさらずに。
はい。
(小清水)最近はどんな仕事を していますか?
あっ。 えっと。
冬月さんの手伝いで警備会社を乗っ取る 仕事とか。
(小清水)ほう。それは わくわくしますね。
うん。 あっ。 でもちょっと トラブってまして冬月さんは 撤退するみたいです。(小清
水)というと?
実は その警備会社の バックに警察が いるみたいで。
犬神さんですか?ご存じなんですか?
冬月君を はめた 人間ですよ。はめた?
(小清水)10年ほど 前のことですかねぇ。
当時 警察署長をしていた冬月君は犬神の 収賄の証拠をつかんだんです。
《犬神さん》
《収賄の罪であなたを 告発いたします》
(犬神)《何のことですか?》《裏は 取れているんですよ》
《あなたは 運送業団体に取り締まり情報を 流して毎月 100万円の金を得ていま
すよね?》
《もうすぐ ここに 捜査員が証拠を 持ってまいります》
《残念だよ。 冬月君》
《私も 残念です》
《お世話になったことには感謝いたしますが 不正を見逃すわけには まいりません》
・(ドアの開く音)
《よろしく お願いします》
(監察官)《冬月署長。収賄の容疑で ご同行 願います》
《何だって?》(監察官)《運送業団体の裏帳簿から 署長のお名前が 出てきたんで
す》
《どういうことだ?》(監察官)《行きましょう》
(監察官)《失礼します》《ちょっ。 ちょっと 待て!》
《犬神さん》
《あんた はめたのか!?》
(監察官)《署長》《おい!》
(監察官)《ご同行 願います》《犬神! おい! 放せ!》
《犬神!》
それで 捕まったんですか?
何も なかったってことにされたんです。
ただし 彼が 警察を辞めるという 条件付きで。
《俺じゃない。 犬神だ。あいつを 呼べ!》
《犬神》(犬神)《2人で話をさせてください》
(犬神)《私のことを黙っていてくれたら事件にならないよう便宜を 図ってあげます》
《表の世界から 消えろ》
そんなことが あったんですか。
(小清水)だから 犬神とは関わりたくなかったんでしょう。でも このままでいいんでし
ょうかねぇ?
彼の力になってやってくれませんか?
神崎君。
(伊集院)あまり 大っぴらには動きたくないんですが。銀行に 行ってみますよ。そっ
ちは 任せるよ。
(伊集院)ボーナスお願いしますね。
フフッ。(伊集院)フフッ。
ああ。 神崎 薫も動いてるみたいですよ?
神崎が?
どうしたんですか?怖い顔して。
この間の 株券の話な。あれ どうしたんじゃ?
ああ。ただの 勉強ですよ。
(夏目)投遣警備のことじゃ。
投遣には 手 出さんことや。
あそこはな…。警察が 絡んでるんでしょ?
知ってますよ。知っとったら なおさらじゃ。
もう 手は出しちゃいましたけど。
はあ!? 手 出した?何やと?
(刑事)はーい。そのまま そのまま。
(夏目)何や? おどれら。(刑事)警察じゃ。
神崎 薫は お前か?何なんですか?
(刑事)投遣警備保障から被害届が 出とるんじゃ。威力業務妨害の容疑で家宅捜
索 させてもらうけんのう。
(刑事)おう。(一同)はい。
(刑事)はーい。 通してくださいね。(刑事)はい。 失礼しますよ。
(刑事)はい。 どいた。(刑事)通りますよ。
(夏目)おうおう。 ちょっと 待てや。おう。 おう。 勝手に 持ってくなや。
(抜道)あんたらは何を 探しとるんや?
やめてください。いきなり 何なの?
(刑事)ほら。 あっち 行った。[ケータイ]
[ケータイ]
はい。[ケータイ](茸本)薫ちゃん。 ちょっと いい?
今 取り込んでるからかけ直す。
(刑事)おい。 もうすぐ キップ持って 迎えに来るけんのう。楽しみにしとけや。 ヘッ。
忙しいからかけ直すそうです。
お前 愛されとらんのう。
(茸本)きっついなぁ。
バカたれが。ポリに 目 付けられたらわしらは やっていけんちゅうことが分からんの
か!?
(抜道)何を してくれとんじゃ!?ぼけ。
(夏目)おう。 冬月。おどりゃあ どうなっとるんじゃ?
これは 脅しですよ。
犬神ですか?
(たたく音)
おう。 何じゃ? 何じゃ?
お前が 投遣に手を出したからだ。
犬神を つぶしましょう。
(夏目)何を言うとるんじゃ?ぼけ。相手は 県警のナンバー2なんじゃぞ。
ねえ?やられっ放しでいいの?
これじゃ昔の 二の舞なんじゃないの!?
昔の 二の舞って 何や?
金になるか ならないか判断するのは それだけだ。
で それは 金になるんか?
[ケータイ]
はい。[ケータイ](犬神)お元気ですか?冬月 元 警視正。フフフ。
チッ。
(犬神)キャリア官僚だった 君がまだ 事件屋とかいうくそみたいな稼業続けてると
はね。
何の用ですか?
[ケータイ](犬神)お互い面倒なことは 避けましょう。
投遣に 手を出したことには目を つむりますから。
分かってますよ。
♪~
やるんですか?やらないんですか?
お前に 策でも あんのか?それは…。
金の流れを 証明できなきゃつぶせねえんだよ。
やるなら 勝手に やれ。
♪~
(諸子氏)♪「かかってこいや喧嘩上等」
(キリコ)金の流れか。そう。
犬神ってやつを つぶすには投遣警備と 幽霊会社のお金の流れを つかむのが手っ
取り早いと 思うのよ。
(キリコ)じゃったら 早乗っ取りゃええじゃろ。
だから それには株券が 足りないんだって。
足らんのはお前の おつむじゃ。
株券っちゅうのは比率の問題なんど?
比率?何よ? 比率って。
(キリコ)自分の持ち株増やせんなら相手の 減らしゃええんじゃ。どうやって 減らす
のよ?
これ ホンマに冬君のために なるんじゃろうな?
なる。なるから 教えて。
あんな。 株券の用紙なんてネットで 普通に 売っとるんで?
普通に 売ってる?
[マイク](諸子氏)ねえねえ。茸坊って 今日 休みなの?
(キリコ)ああ。 何かな連絡が つかんのんじゃ。
あっ! 忘れてた。
ひどいよ。 薫ちゃん。
(投遣)ほら。(茸本)ああ。
(投遣)貸せ。 おら。おい。この くそがんぼったれ預かっとるけんお前の持ってる 株
券と 交換じゃ。持ってこいや。
株主を 呼びつけるとは。
これは 株主総会の招集通知ですか?
何 ごちゃごちゃ ごちゃごちゃ抜かしとんのじゃ?
持ってこい 言うたら持ってこんかい!
分かったわよ。行ってやるわよ。
(諸子氏)♪「かかってこいや喧嘩上等」♪「女の道は 喧嘩上等」うおーい。
ケンカ上等よ。
・(ノック)(投遣)はいよ。これ 気持ちいいか? これ。失礼します。
(茸本)薫ちゃん。
おい。株券 持ってきたんじゃろうな?
あれ?他の ご親戚の株主さんは?
これは 株主総会のはずでしょ?(投遣)じゃかあしいわ!親戚は 全て わしに一任
しとんのんじゃ!株券 持ってきたんかい?そうですか。
60株。 総株数の 30%。
(投遣)よっしゃ。 ヘッ。貸してみい。
何か 勘違いされてません?
私は これを渡しに来たんじゃなくて会社を もらいに来たんです。(投遣)何じゃと!
?こいつは どないなってもええんかい!?
薫ちゃん。
あんたは 自分のケツぐらい自分で 拭きな!
えー?助けに来たんじゃないの?
お前 ホンマに愛されとらんのう。
投遣さん。(投遣)言うたろうが。わしゃな 100株 持っとんのじゃ。お前に 勝ち目は
ないんじゃ。うん?
私。(投遣)おう。
あと 100株 持ってるんです。100株?
ちょっ。 ちょっと 見せてみい。えっ?じ… 実印もまったく おんなじじゃ。
だって 本物ですから。
♪~
(キリコ)《本物と 何も変わらん印鑑で はん ついとるんじゃ》《裁判になっても絶対に
バレやせん》
(投遣)ちょっと ちょっと 待て。
(茸本)この株券 買い集めたの?まあ 見ときんさい。
♪~
(投遣)わしの株券はちゃんと 100株 あるで。残りは 身内が持っとるけん売るなん
てことはない。
じゃあ ここにある 株券のどれかが 偽物ですか?
(投遣)フフフ。まあ そういうこっちゃなぁ。ええか? 株券は 一枚一枚通し番号が
打ってあるけんここを見れば 一目瞭然じゃ。わしの株券は1番から 100番じゃ。
私の株券は まず101番から 160番。
(投遣)おう。と。
と?1番から 100番。
その100株が 偽物じゃ これ!
さっき 実印もまったく おんなじだって。
(投遣)じゃかあしいわ!そんなもん みんな 無効じゃ!
何で 私の持ってる 株券だけが無効になるのよ!?
どっちが 本物か分かんなかったら平等に お互い 番号が かぶった株券を 全部 無
効にして計算し直すしか ないでしょ?ちょっ 待ちぃや。
そんなことしたら わしの持ち株ゼロになるやないか! こら!
裁判してもいいけど 鑑定で偽物かどうか 分かんなかったらおんなじこと 言われる
だけよ?
(茸本)ちょっ ちょっ ちょっ。ちょっと 待って。 ちょっと 待って。残り 100株のうち 6
0株は薫ちゃんのものってこと?ってことは 薫ちゃんの勝ち。(投遣)じゃかあしいわ
。人を なめるのも大概にしとけや! こら!
人を なめとるんはどっちね!?
警察なんか 使って ようも事務所 荒らしてくれたね!
犬神と つるんどることバラしちゃろうか?
そしたら あんた刑務所行きじゃね!
決を採ります。 代表取締役の投遣氏の解任に 賛成の人。
(茸本)はい。
賛成 多数で解任が 決議されました。
か… 解任って。(茸本)ってことは俺が 社長だ! アハハ!イエス! イエス!俺が
社長だぜ。 ハハハ。やったぜ。 おい。どうも。 初めまして。CEOの 茸本です。
チクショー。覚えとれよ! 投遣じゃ!
あんた 社長になるのは取締役会の後だから。
うん。
(犬神)ああ。 岩猿さん。(岩猿)お呼び立てしてすみません。先生が お待ちです。
(岩猿)こちらです。
(犬神)ありがとう。
ご無沙汰してます。犬神警務部長。
何の まねですか?まあ どうぞ お座りください。
あなたを告発しようと 思いましてねぇ。
公務員法違反の容疑で。知ってるんですよ。
他人名義の 幽霊会社を通じて警備の仕事を 下請けに発注し巨額の 利ざやを稼い
でいることを。
さらに そこで 得た金を政界転出のための献金として使ってるんですってねぇ。
表の社会は 欺けても裏の私は 全て お見通しですよ。
うん。 だから?フフフ。
さっきの議員秘書から 何か証拠でも 脅しとったんですか?
でも どんな証拠を?その手の帳簿類は一切 残さないのが政治の鉄則ですよ。
なら これは ご存じですか?
政治家の 秘書っていうのは日ごろから政治家や 自分を守るためにヤバい会話は
証拠として こっそり録音しているもんなんですよ。
これも 政治の鉄則ですよ。
[スピーカ](蟹股)警備会社の方は順調のようですな。
[スピーカ](犬神)あっ。 蟹股先生。
《私と ガードナーは一切 関係ありませんから》
《フッ。誤解なさらないでください》
(蟹股)《フフフ。でも まあ犬神さんが 政界入りするときは協力させてもらいますけん
のう》
《よろしく お願いします》
この録音でもガードナーと 私は一切 関係ないと言ってるじゃないか?
でも これで あなたが議員と 怪しげな関係でつながってることはじゅうぶんに 分か
ります。
それだけで 私を告発できると 思って…。
まだ あるんだよ。
これは幽霊会社の ガードナーからあなたの口座に 振り込まれた金額の明細書で
す。
昔からの 知り合いが動いてくれましてねぇ。
これで 幽霊会社とあなたが つながりました。
だが…。・(ふすまの開く音)
これ 投遣警備と 幽霊会社の間で交わされた お金の流れです。
へえー。
投遣警備と 幽霊会社とあなたと 政治家。
これで 全てが つながりました。
全部 つながったんだから言い逃れは できないわよ?
うーん。告発することだって できますよ。
刑事事件にするよりマスコミに 流して警察大幹部さまの一大スキャンダルにするの
もどうかなと 思うんだが。ちょっ ちょっ。
ちょっと 待ってくれ。
私を失脚させても 君には何の得にも ならんだろう?
金で 解決しないか?
事件屋は 金のためなら何でも やるんだろ?
バカにしないでよ。
世の中 お金が 全てだと思ったら大間違いよ!
分かりました。はあ?
だが 解決するのは 金じゃない。
会社だ。何?
あんたの 幽霊会社は俺が もらう。
あんたは 今までどおり所轄の窓口を通して警備の仕事を 回すんだよ。俺の会社に
な。
お前。
政治家になるのは定年になってからにしろ。
お前は 退官するまで俺の下で 不正を働き続けるんだ。
生かさず 殺さず。これが 裏の やり方だ。
ああー!
家畜。
全部 マスコミにバラしてやれば よかったのに。
相変わらず めでたいやつだなぁ。えっ?
どこの誰だか 分かんないやつが送りつけた 証拠なんかでマスコミを 動かせると本
気で 思ってんのか?
警察も おんなじだ。
告発しても上に 握りつぶされるだけだ。
いいか?俺たちの存在は 表の社会から無視されていることで成り立ってるんだよ。
もっとも 俺たちの存在理由もそこに あるんだがな。
存在理由。
ちょっと 待ってくださいよ。
投遣警備保障は 私と 冬月さんで手に入れたんじゃないですか。
(小清水)それは重々 承知していますが。ああ。 ううー。知り合いの 警備会社から
投遣警備を どうしても譲ってほしいって頼まれたもんですから。
でも この間は冬月さんのためにも乗っ取った方が いいみたいなことおっしゃったじ
ゃないですか?
(息を吹き掛ける音)
ちょっ。黙ってないで 何とか 言ってよ。
投遣警備は所長に お譲りします。
はあ!? じゃあ私の報酬は どうなんのよ?
ちゃんと やるから 黙ってろ。それなら まあ。
ああー。 うっ。
ハァー。
結局 所長に全部 持ってかれちゃいましたね。
なあ?
所長が お前に 俺を助けてやれって 言ったのか?
まあ。
生かさず殺さずってことなのかもな。
俺たちも。えっ?
※公式サイトに和磨のレシピきたぁぁ!
相変わらず金策に頭を痛める神崎薫(尾野真千子)の前に、冬月啓(椎名桔平)が
「投遣警備保障」という会社の株券60株を置いた。
それは2000万円の借金の担保として社長の投遣(今井雅之)が冬月に渡したもので、
総株数の30%に相当した。
冬月は薫にこれで投遣警備保障を乗っ取れと言う。
合法的に乗っ取るには、51%以上の株券が必要なので残りは自分が集めるから、まずは
投遣の会社に乗り込んで株主総会の開催を要求しろと命じた。金子千秋(三浦友和)や夏目大作(竹内力)には無理だとバカにされたが、薫は投遣を訪ねると、
株券を提示し株主総会を開いてくれと頼んだ。
ところが、投遣はそれを受け入れるどころか薫の胸ぐらを掴んでどう喝する。
そんなところへ冬月から電話が入り、この件から今すぐに撤退しろと命じられる。何が起きたのかわからないまま投遣警備保障を後にした薫は、冬月と伊集院保
(オダギリジョー)が話しているところに遭遇する。
伊集院は、投遣のバックには金暮県警の犬神(國村隼)がついていると明かしていた。別の日、スナック「まやかし」に顔を出した薫に、茸本和磨(三浦翔平)が会社は乗っ取れたかと
声をかける。
会社のバックに警察がいて中止になったと話す薫に真矢樫キリコ(仲里依紗)は、公務員の
副職は違法だからそこを突けばいいと教える。
(上記あらすじは「Yahoo!TV」より引用)
よろしければ→【2014年4月期・春クールドラマ】ラインナップ一覧とキャスト表
※キャスト
神崎薫 …尾野真千子
冬月啓 …椎名桔平
茸本和磨 …三浦翔平
真矢樫キリコ …仲里依紗
夏目大作 …竹内力
抜道琢己 …板尾創路
巻上輝男 …宇梶剛士
小清水元 …小林薫
豊臣嫌太郎 …宮藤官九郎
伊集院保 …オダギリジョー
金子千秋 …三浦友和
※ゲスト
・1話
勝村政信
夏菜
中野英雄
・2話
笹野高史
田窪一世
・3話
要潤
猫背椿
ラサール石井
石井愃一
野添義弘
・4話
石井正則
マキタスポーツ
井上和香
酒井敏也
※スタッフ
脚本 … いずみ吉紘、池上純哉
プロデューサー … 後藤博幸、草ヶ谷大輔
演出 … 河毛俊作、林徹、石井祐介
音楽プロデュース … 千葉篤史
原作 … 『極悪がんぼ』 田島隆・東風孝広
主題歌 … 『喧嘩上等』氣志團(影別苦須、虎津苦須)
公式サイト http://www.fujitv.co.jp/ganbo
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