総評
2019年も各局で刑事や医師は大活躍。誰にでもなれるわけではないお仕事ドラマは相変わらず人気があります。そんな中、ランキングの上位を占めた作品のほとんどは市井の人を描くもの。会社員だったりフリーターだったり、視聴者の目線に近い所にいる人たちの生活にハラハラしたりホッコリしたりする、そんな年でした。
1位は宮藤官九郎脚本の大河ドラマ『いだてん〜東京オリムピック噺〜』。
毎年この年間投票を行う時に、各期のベスト5と年間の朝ドラ2本、そして大河ドラマをリストに加えるわけです。それについては異論もあると思います。けれども期間投票に加えるわけにもいかないし、他に加えられる所がないので。
それに今まで一度も大河ドラマや朝ドラがベスト5に入る事がなかったので、ま、いいか。的な所はあったのです。なのに1位に大河が入る日が来るとは(笑)
(すいません。これ書いてから気づいたのですが『真田丸』が入っていました。ごめんなさいっ!しかし『真田丸』ですら1位ではないです。つまり何が言いたいのかというと、ドラマが大好きでも「大河ドラマ」は1年通して見ないという方々も『いだてん』は見た。ということです。)
世間では視聴率が史上最低など、そんなことばかりが話題になりましたが、ドラマを数多く見ている人たちに投票してもらえば、ちゃんとこうなります。
言うまでもなく、歴代最高値の素晴らしい大河ドラマでした。
歴史ドラマとして興味深く、人間ドラマとして面白く、そして勢いと騒がしさと懐かしさで溢れるいつものクドカンドラマでした。また私たちの心に新しい故郷が増えました。ありがたいです。
2位の『きのう何食べた?』は社会現象でしたね。
原作の良さは言うまでもなく、それが実写になった事に違和感なく、西島秀俊と内野聖陽という奇跡のアラフィフ俳優によって豊かな幸せを貰える時間になりました。
生きづらい世の中で暮らすゲイカップルが、中年であることで社会的立場や老いた親など、若いカップルとは違う悩みを抱えながら淡々と生きる。その描写や心に残る綺麗なセリフの数々にしんみりしたりホッコリしたり。
「淡々と」生きるための丁寧な食生活。本当に普通の家庭料理が美味しそうで。このドラマが放送されている間は台所に立つのが苦になりませんでした。全国の主婦のためにも定期的に放送していただきたいです(笑)
『G線上のあなたと私』は、恋愛少女漫画的なドラマかと思いきや、世代の異なる3人が、それぞれの視点でアドバイスし合い、支え合って成長していく物語でした。
友情と成長の物語に恋愛が上手くリンクした時、こんなにもワクワクキュンキュンするものなのだと思い知らされる珠玉の出来。「恋愛ドラマ」はベタな物から一段上へ上がったのだと感じ入ります。
脚本は『きのう何食べた?』と同じく安達奈緒子さん。美しいセリフを一番沁み込みやすいシーンでポンと投入して来る魔術師のような方です。2020年も注目します。
『凪のお暇』も初めはベタな恋愛ドラマだと思っていたのですが、蓋を開けてみたら、自己を確立できないOLの成長物語でした。
育ちの問題から来るパーソナルの欠落で他人からの評価の中でしか生きて来なかった女性が、何もかも捨てて自分を立て直す「お暇」。「自分」に悩む人が多い現代社会の共感を呼びまくる内容でした。
ヒロインもイケメンたちも誰もしっかりした人格者ではなく、みんなが這いながら成長していく。人を立ち直らせるのは、やはり人との関わりなのだと考えさせられました。
5位の『これは経費で落ちません!』は、わき目もふらずしっかり正しくお仕事するヒロインの姿が見ていて本当に気持ち良かったです。
と言っても、悪を糾弾して正義を貫く時代劇的物語ではなく、問題は追求するけれども経理という仕事以上のお節介には踏み込まない。「自分の仕事は忖度なくキッチリする」賞賛すべきはその点です。
どのエピソードも人間的で、ステレオタイプな悪人はおらず、「仕事する」って良いことだな。会社組織も悪くないな。と思わせてもらえる話でした。
仕事はテキパキするも恋愛には不器用な森若さんが可愛くて。最後まで好意を持って見守れるヒロインでした。
ベスト5のドラマもそうですが、『俺の話は長い』『トクサツガガガ』『監察医 朝顔』など、親子、家族の話が多い一年だったと思います。
選り抜きドラマブロガーによる2019年ランキング
一般視聴者ではありますが、ネットでニュースを書いているライターさんよりも恐らく数多くのドラマを長年熱心に見てきている「本物のドラマファン」と言えるドラマブロガー。局やスポンサーなどとのしがらみもなく、公平な視点で鋭い分析をしてきた選り抜きドラマブロガーランキングです。
blogger(敬称略・五十音順) | 選 |
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あるがまま・・・ まこ |
1 いだてん〜東京オリムピック噺〜 2 まんぷく 3 きのう何食べた? 4 トクサツガガガ 5 これは経費で落ちません! いずれも主人公が地味ながらも、真面目にコツコツと好きな事を極めてる雰囲気が良かったです。気づけば去年はNHKのドラマが良作多かった。テレ東の攻めてる感じもグー!
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|あんぱ的日々放談|∇ ̄●)ο あんぱんち |
1 トクサツガガガ 2 だから私は推しました 3 ルパンの娘 4 これは経費で落ちません! 5 初めて恋をした日に読む話 あれ?NHKと深キョンばかり。民放と違って、しがらみにとらわれず製作できてるのかもしれない。続きはHulu・Paravi…はムカつくけど映画化は許せるw深キョンとも初共演できたし、ドラマは6作に出演した2019年でした。
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oliveのドラマ帳~風に吹かれて~ olive |
1 きのう何食べた? 2 いだてん〜東京オリムピック噺〜 3 監察医 朝顔 4 G線上のあなたと私 5 凪のお暇 「きのう何食べた?」お正月SPもよかったです。足りないのは助け合いながら一緒にごはん食べて淡々と暮らす。2019年ドラマは淡々とした日常のドラマが多く好きでした。 リスト以外で好きだったのは「みかづき」です。夫婦、親子、塾経営どれも満足できる満月になることもなくどこか欠けていて、それでも満ちようとする静かに情熱あるドラマだったと思います。みかづき放送当時、脚本が水橋さんだったと知り、朝ドラ「スカーレット」が楽しみだな~裏切らない多面性ドラマに今後も期待です。 |
ぐ~たらにっき chany |
1 俺の話は長い 2 G線上のあなたと私 3 初めて恋をした日に読む話 4 3年A組−今から皆さんは、人質です− 5 緊急取調室 THIRD SEASON 「俺の話は長い」総合力が高かった。 「G線上のあなたと私」少し変わったラブコメだったので新鮮さもありながらで楽しめました。 「初めて恋をした日に読む話」深田恭子さんのラブコメとしては「ダメな私に恋してください」の方が好みでしたが、こちらは男性陣を見て楽しめました。 「3年A組−今から皆さんは、人質です」「ニッポンノワール」とのセットで選んだ感じです。 「緊急取調室 THIRD SEASON」大杉漣さんがいなくなった寂しさはあるものの1期から安定して楽しんでいます。 |
シャブリの気になったもの シャブリ |
1 初めて恋をした日に読む話 2 3年A組−今から皆さんは、人質です− 3 ルパンの娘 4 監察医 朝顔 5 G線上のあなたと私 来年は何か強烈なドラマが出てきてほしいなぁ~と、思いながらドラマ「ミャーツアイ」をリアタイ中でございます |
Simple*Life ドラマ感 みのむし |
1 いだてん〜東京オリムピック噺〜 2 凪のお暇 3 G線上のあなたと私 4 俺の話は長い 5 まんぷく 何かものすごい出来事が起きるわけじゃないけど、なんか面白いっていうものが多くて他にも「これは経費で落ちません」とか「トクサツガガガ」とか「監察医朝顔」とかとにかくたくさん良いものがあってすごく迷いました。最近一番はまったのは「俺の話は長い」ですかね。会話のテンポめちゃくちゃ良くて面白かった。 |
せるふぉん☆こだわりの日記 せるふぉん |
1 インハンド 2 きのう何食べた? 3 これは経費で落ちません! 4 俺の話は長い 5 シャーロック 「インハンド」最初の軽快さと違って中盤から暗い過去の話があったり、メリハリがあって最後まで楽しく見れたよ。 「きのう何食べた」これはもう言うことなし。素晴らしいベストカップル誕生だよね。 「これは経費で落ちません」最初から最後まで安心して見られました。 「俺の話は長い」本物の家族みたいなリアルな口論が良かったw 「シャーロック」正直あまり期待してなかったけどw久々にみんなと祭れたからww←そんな理由w |
だらだらぐーたらぐだぐだ日記(休止中) 仮名 |
1 俺の話は長い 2 G線上のあなたと私 3 凪のお暇 4 監察医 朝顔 5 初めて恋をした日に読む話 1位 「俺の話は長い」屁理屈みつる@生田斗真とそれをたしなめようと必死な姉@小池栄子、そして結局みつるに甘い母@原田美枝子の3人が、弟と私と母のような感じで、ホントに楽しくおもしろく見てました。ニートニート夜明けはまだか!も最高。
2位 「G線上のあなたと私」誰に共感するでもなく1話2話と見ていくうちに、毎回涙している自分に気づきました。最終的には幸恵さん@松下由樹目線で也映子ちゃん@波留と理人くん@中川大志の応援しちゃってました。まさに人間愛のドラマでした。 3位 「凪のお暇」最初はほとんどノーマークだったし、ツンデレが過ぎる慎二@高橋一生やうじうじ気味の凪@黒木華にイライラしていたんだけど、なんだろう、どんどんハマっていっちゃいました。アフロの凪がかわいく見えていくという不思議。 4位 「監察医 朝顔」「アンナチュラル」大好きだったので、二番煎じかも~と思いつつも見てみたんだけど、やっぱりおもしろかったです。この手のドラマなら、どんなキャスティングでもかなり好きなんだろうなぁって思ってます。科捜研も大好きですから。 5位 「初めて恋をした日に読む話」恋愛ドラマはお腹いっぱいだし、最初はテキトーに見ていたんですが、深キョンのかわいさを再認識し、三人三様のイケメンを堪能できるドラマとなりました。私だったら、東大卒の商社マン雅志@永山絢斗一択です。←どうでもいい。 リスト以外のドラマでハマって見ていたのは、「スキャンダル専門弁護士」「後妻業」「あなたの番です」「ノーサイドゲーム」「TWO WEEKS」「ボイス」サイン」あたりです。わぁなんだかんだハマれるドラマがありました。2020年も続きが気になるようなわくわくドラマに出会いたいです。 |
DRAMA TiMEz イタ |
1 トレース~科捜研の男~ 2 メゾン・ド・ポリス 3 インハンド 4 監察医 朝顔 5 シャーロック 2019年度は見た本数が少ないこともあって、私の中では選択肢が少なかったです。
「トレース~科捜研の男~」「メゾン・ド・ポリス」「インハンド」「監察医 朝顔」「シャーロック」。 刑事物がやはり多くなってしまいました。悲しい事に1月期辺りのドラマはどれが面白かったのか自体を忘れているので、少々ランキング的には不利に働きました。「まだ結婚できない男」が選択肢になかったのでムリに入れませんでしたが、私は50歳設定になったこのドラマも面白かったです。 |
どらまにあ まりこ |
1 グランメゾン東京 2 凪のお暇 3 きのう何食べた? 4 わたし、定時で帰ります。 5 G線上のあなたと私 「グランメゾン」は、ベタでしたが、キムタクやっぱりかっこいいなと改めて思わされました。「凪のお暇」凪の生き方や、定時の仕事の仕方にも考えさせられたりしたなぁ。
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トリ猫家族 きこり |
1 いだてん〜東京オリムピック噺〜 2 まんぷく 3 きのう何食べた? 4 トクサツガガガ 5 凪のお暇 「凪のお暇」「これ経」と迷ったけど、毎回両方録画したけど凪の方を先に見ていたから。
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Happy☆Lucky はにー |
1 きのう何食べた? 2 トクサツガガガ 3 ルパンの娘 4 いだてん〜東京オリムピック噺〜 5 まんぷく 「きのう何食べた?」原作のイメージをくずさずキャラもぴったり。 ドラマ部分は言うまでもなく、料理もどれも美味しそう。そしてテレ東が入らない地域なのに配信でみられるという幸せ。ありがとうテレ東!スペシャルも期待しています。
「トクサツガガガ」特撮部分の映像が本気!素晴らしいのひとことでした。続きもやってくれないかな。 「ルパンの娘」細かいつっこみどころはあるけれど、変身の決めポーズもかっこいいし、ラブラブ夫婦はじめ家族がみんな楽しい。突然はじまるミュージカルも楽しみでした。 「いだてん」視聴率がどうのと言われていたけどそんなの関係ない。いい大河ドラマでした。オリンピックがより楽しみになりました。 「まんぷく」イメージとしては去年になるけど、ドラマ後半部分も毎朝楽しんでみていました。カップラーメンも久しぶりに食べたし、日清の株も買っちゃったよ。 |
ドラマ@見とり八段 くう |
1 いだてん ~東京オリムピック噺~ 2 きのう何食べた? 3 インハンド 4 G線上のあなたと私 5 凪のお暇 |
ブロガー集計結果
1位5点→5位1点で集計しています。
(6位以下は評点なし)
作品名 | 評点 |
---|---|
凪のお暇 | 40 |
きのう何食べた? | 28 |
いだてん〜東京オリムピック噺〜 | 18 |
G線上のあなたと私 | 18 |
まんぷく | 8 |
トクサツガガガ | 8 |
初めて恋をした日に読む話 | 8 |
監察医 朝顔 | 8 |
俺の話は長い | 8 |
これは経費で落ちません! | 3 |
インハンド | 3 |
ルパンの娘 | 0 |
3年A組−今から皆さんは、人質です− | 0 |
シャーロック | 0 |
だから私は推しました | 0 |
緊急取調室 THIRD SEASON | 0 |
トレース~科捜研の男~ | 0 |
メゾン・ド・ポリス | 0 |
グランメゾン東京 | 0 |
わたし、定時で帰ります。 | 0 |
2020年への展望
この投票中にコメントでいただいた話でもあるのですが、「ネットや有料チャンネルのドラマも候補に加えてほしい」と。すいません、それは無理ですが、本当に映像を楽しむための様々な媒体が増えてきました。
当サイトのランキングではBSNHKしか有料チャンネルをリストアップしておりませんが、オリジナルドラマを全て並べたらどれほどの数になるのでしょう。
今や見たい人が見たい時に見たいものを見る時代。地上波は視聴率うんぬんではなく、番組作りそのものを考え直す時が来ているのかも知れません。
2020年も、よりいっそうのステップアップを願っています。
「ブログ」という存在も変わりつつある中、2020年もドラマブログをよろしくお願いします。