【Mother】第8話

あのね、ママ。

怜南は天国に行ったの。

もういないの。

天国に行ったんだよ。

ママの事が嫌いになった?

好きでも嫌いでもないよ。

もう、ママじゃないからね。

仁美は、怜南を女手一つで育てた。

夫は怜南が小さい頃に亡くなった。

子育ての助けのない中、父の無い子と言われないように、

精一杯働き、そして精一杯愛情を注いだ。

しかし、子育てはままならない。

なかなか見つからない保育所。

言うことを聞かない子供。

行き届かないしつけ。

結婚していない友達のように遊ぶ事も出来なかった。

怜南が小さい頃は高い声で話していた仁美の声のトーンが、

だんだん落ちていくのが印象的。

やがて、仁美には好きな男が出来た。

彼と一緒にいるのは楽しかった。

旅行にも行った。

怜南を置いて。

旅先から怜南に電話する仁美。

ママ。楽しい?

・・・うん。楽しいよ。

ママね、楽しくて楽しくて、すごく幸せなの。

うん。良かったね。

ママの事好き?

うん。好き。

ママが幸せだと怜奈も嬉しい?

うん。

幸せなはずなのに、電話を持って、仁美はなぜか泣いていた。

ある日、仕事を終えて家に帰ると、男はゲームをしていた。

怜南の姿を探すと、押入の中で下着姿で丸くなっていた。

仁美は男に強く怒る事が出来なかった。

怜南は、だんだんと身体に傷を作る事が多くなってきた。

自分がいない所で何が起きているのか解っていた。

しかし、仁美は何も言えなかった。

ある夜、怜南は初めて言った。

助けて。

助けて。ママ。

仁美は怜奈を抱き上げて、夜の道を走った。

幸せそうな家族連れを見た。

家族の主人は亡くなった夫によく似ている。

自分が手に入れたくて、手に入れられなかった光景。

怜南と一緒に歩道橋から飛び降りようとして・・・

でも、両手に怜南の命の重さを感じ

仁美は死ぬ事さえ出来ない不幸の中で泣いた。

それからは、仁美は地獄に慣れていった。

平気で真冬の夜に怜南を家から追い出す女になった。

テレビから、幼児虐待について街頭インタビューが流れていた。

子供を虐待するなんて、信じられないわ。

インタビューに答える常識的で、慈悲に満ちていて、

そして幸せそうな普通の主婦を見て

仁美は笑った。

怜南に「怜南は死んだ」と言われて、

仁美は振り返らず歩いた。

仁美を追う奈緒。

母と子は温かい水と冷たい水の混ざり合った川で泳いでいる。

抱きしめる事と傷つける事の間に境界線はないし、

子供を疎ましく思った事がない親なんていない。

と、奈緒は言う。

でも、私は貴女が解りません。

あなたはあの子を殺しかけたんです。

思い出して下さい。

貴女はあの子をゴミ袋に入れて捨てたんです。

だけど、あの子は貴女から産まれた子供です。

本当のお母さんの温もりの中で過ごすことが

あの子の幸せならば、私はあの子をお返しします。

もういい。

好きじゃないって言われたの。

そんな子・・・死んだも同じ。

      

怜南が生まれたばかりの頃、幼児虐待のニュースを見て、

仁美は「信じられない」と眉をひそめた。

こんなに可愛い物を虐待するなんて。

人間のする事じゃない。

常識的じゃない。

親は子供を可愛いと思うものだ。

しかし、6年後。

仁美は同じニュースを見て笑っている。

こいつらに何が解るんだと。

子供が小さい頃、私は怒ってばかりいた。

子供は、ちっとも言う通りにならない生き物だった。

言う通りにならなければ可愛いと思えない時もあったし、

怒鳴った事もある。叩いたこともある。

しつけと虐待の境界。それは何処にあるのか。

子供を憎らしいと思った時から虐待へと変わるのか。

だったら、私もあるいは仁美と同じ生き物かもしれない。

子供を虐待するなんて信じられない。

と言う親の方が私は信じられない。

どんな切っ掛けでそう呼ばれるようになるのかは解らず、

その切っ掛けはどんな家庭にだってあるかも知れない、と私は思っている。

仏様のように慈悲深い人間にしか子育ては許されないのならば、

子育てする資格のある人間なんてこの世にいるのかしら。

仁美は仁美なりに精一杯、怜南と向き合っただろう。

そして、折れてしまったのだ。

人間、落ちて行く時は早い。

北海道に帰った仁美は、

子供は誘拐された。

と警察に言う。

これは、まだ仁美が怜南を捨てていない証拠。

だって、どんな親だろうが愛している事に変わりはないのだから。

さて。。。

予告で駿輔から、告訴しないで欲しいと言われていましたが、

どうなる事やら。

金を要求するか。。。

子供に拒否された腹いせに告訴するか。

奈緒・継美、奈緒・藤子の疑似親子の行方も気になる。。。

キャスト

鈴原奈緒 – 松雪泰子

藤吉駿輔 – 山本耕史

鈴原芽衣 – 酒井若菜

鈴原果歩 – 倉科カナ

加山圭吾 – 音尾琢真

道木仁美 – 尾野真千子

浦上真人 – 綾野剛

木俣耕平 – 川村陽介

道木怜南(鈴原継美)- 芦田愛菜

袖川珠美 – 市川実和子

藤吉健輔 – 田中実

鈴原籐子 – 高畑淳子

望月葉菜 – 田中裕子

「はねトび」が2時間SPだと気付かずにボーッと見ていたら

臨場を見損なった~~~

なんか、今日の「はねトび」は長く感じるなぁ。。。

って、当たり前やん 本当に長いんだよっっっ

気付けよ、私ぃ。。。。


 


コメント

  1. くう より:

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    PASS:
    >人間は壊れやすい生き物である。

    >そういう意味では仁美のような人間になるかならぬかは

    >運次第なのでございましょう。

    運。。。だと私も思います。

    自分自身の生い立ち、人生の中でパートナーに選んだ男、

    選んできた道、全てが今に通じてしまった。

    そんな仁美の元に生まれてきてしまった怜南もまた

    運。。。なんだと思います。

    誰か仁美の闇を受け止めてくれる人がいれば、こんな事には

    ならなかったのでしょうが、そういう人は居なかった。

    不運な女に近付いてきたのは悪魔のような男のみ。

    それでも自分の救いだと信じていた。

    川の外から傍観していた人たちは誰も仁美を責めることは

    出来ないと思うのです。

    >最後に奈緒の怜南誘拐事件を告発する仁美。

    >自己保身のために思わず口走ったのか。

    それもあるんだと思います。

    子供に捨てられた腹いせもあるんだと思います。

    やけくそでもあると思います。

    彼女には深い考えはないような気がするのです。

    >いずれにしろ・・・仁美の心に怜南の幸せを願う気持ちが

    >残っていることを

    >痛ましい気持ちで祈るばかりでございます。

    そうなんですよね。

    例え、今はショックの方が大きくとも。。。

    いずれは必ずその気持ちが勝る日が来て欲しい。

    ドラマの最後はそうであって欲しいと私も願うのです。

  2. くう より:

    SECRET: 0
    PASS:
    >私は『聖母マリアになれない!』といつも言っていました。

    私もそうだよ~。

    子供がどんな事しても怒らないお母さんって言うのも何人か見たことあるけど、

    そういう人の子供は大抵、店で走り回ったり授業中に

    歩き回ったりしてた。

    「怒れよ、親~!」と思ってイラっとしたもんだよ。

    自分が聖母になるのは勝手だけど他人に迷惑かけるなよ、

    と思って、ウチは必要以上に厳しくしたかも知れない。。。

    らむさん家は4人だもん。

    頑張っただろうと思うよ。

    その結果、良い子達に育っているじゃん^^

    >この番組、昨日たまたま見たんで、今までの流れがよくわからないけれど

    >見ていてつらくなるね。

    始まったのは今期だから4月からなんだけどね、

    本当に主人公の勝手で誘拐した「蝉」と違って、こっちは

    虐待されていた児童を助けて逃げている話なの。

    まぁ、それぞれの背景がまた複雑なんだけど。。。

    こっちも、なかなか引き込まれるドラマですよ^^

  3. くう より:

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    PASS:
    >そういうことですか~。

    >私的には怜南の幸せを考えて奈緒に委ねたのだと思いたかったのですけど

    >娘に捨てられた母親として腹いせに言ったのね。

    奈緒に委ねてくれたんだったら本当に良かったんだけど。。。

    どうも、仁美と言う人は、そんなに大人にはなれない人みたい。

    でも、誘拐だと言い出したと言うことは、恨みだろうが

    やけくそだろうが、とりあえず怜南に未練があるって言う事ですよね。

    やっぱり捨てきる事は出来ないんでしょうね~。。。

    >せめて和解していい方向に進んでほしいものです。

    私もそう思う。そうなって欲しいし。

    仁美が奈緒を里親として認めてくれれば一番良いんだけど。

    でも、この脚本家だからそんな甘い方向には行かなさそうな気がするわ~。。。

    >仁美の性格も原因の一つみたいでしたよね・・。

    それはもちろんあると思うわ~。。。

    私の友達はバツイチで男の子を1人で育てているんだけど、

    子供を大切にしてくれる男の人しかボーイフレンドに選ばないの。

    無理してるとかじゃなくて、もう当たり前のように

    自分と子供をセットに出来るのよね。

    仁美はそういう男の選択は出来ない人みたい。。。

    男を見る目が無いんだろうなぁ。。。と思います。

    元凶はそこだよね。

  4. くう より:

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    PASS:
    >子供って 何時も天使ではなく 憎たらしい事や意地悪な口を叩いたり 色んな顔を見せるよね

    >笑顔でそんなこと信じれないって人は ほんま幸せやね

    素直で可愛くて嘘つかなくて優しくて。。。

    って、そんな天使みたいな顔ばかりしているワケじゃないものね。

    って言うか、そんな「良い子」じゃない事の方がハッキリ言って多い。

    それでも我が子なんだから可愛いと思える人と思えない人はいると思う。

    親なんだからどんな子供でも愛しなさい、と言うのは傲慢だ。

    愛せない人を責める事は誰にもできないよね。

    だからと言って私も虐待を肯定するわけじゃないし、

    もちろん虐待なんかしてはいけないんだけれども、

    そこに至るまでの母親の気持ちと言うのは想像できるわ。

    >子供を虐待する母親の 闇の部分もしっかりと救ってほしい

    そうなのよね。。。どうすれば彼女たちは救われるんだろうね。

    行政が入ったからと言って心が救われると言う事はないだろうし。

    やっぱり男次第って事になっちゃうのかしら。

  5. くう より:

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    PASS:
    >子供を傷つけてはいけないと

    >周囲は救いの手を差し伸べるのに

    >何故、母親には救いの手を差し伸べないのか

    「子供」と言う種類の人間は特別な関心を持って社会に迎えられますが、

    母親と言う人種はただの「女」であり、好奇の目に曝される事はあっても

    救いの手を差し伸べる者などいないのかも知れません。

    人間って冷たい物なのかも知れません。

    川の外から嘲笑う者ばかりで、手を差し伸べてくれる者などいないのかも知れません。

    >もし、仁美にちゃんと怜南の父親に

    >なってくれるような人がいたら、と思ったりもするんですがね。

    結局は仁美には男を見る目がないんでしょうね。。。

    夫だった人は妻子を捨てて出て行ってしまった(ハッキリしないけど)

    し、出会った男は児童虐待を楽しむ男だった。

    子供を可愛がる男に出会っていたら、こんな事にはならなかったワケですもんね。

    かと言って、母親たる者は子供を大事にする男しか愛しては

    ならない、と言う強制は誰にも出来ません。

    母親になるのも父親になるのも、テストはありませんものね。。。

    難しいです。

    >ちなみに私も最初、「はねとび」見てて

    >9時に近付くにつれ、あれ?と思い

    >慌ててテレ朝にチャンネルを合わせました。

    >危ない危ない(; ̄∀ ̄)ゞ

    うう~。。。(; ;)

    「今日のはねとびは何かダラダラしてるなぁ。。。」

    とか思っていたら、ダラダラ見ていたのは自分自身だった、と言う(; ;)

    この時期に何で2時間SP~!?

  6. キッドじいや より:

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    PASS:
    人間は壊れやすい生き物である。

    そういう意味では仁美のような人間になるかならぬかは

    運次第なのでございましょう。

    キッドは20才そこそこの仁美の両親が

    不在のことから察して

    心無いママ友の

    「父親がいないことでゆがむ」

    という何気ない一言は・・・仁美を二回刺していると

    感じまする。

    父親のいない怜南の母親の心を

    そしておそらく両親のいない仁美の心を

    そして・・・その痛みを

    訴える誰かはどこにもいないのです。

    世界にただ一人の仁美・・・。

    なんと憐れなことでございましょう。

    最後に奈緒の怜南誘拐事件を告発する仁美。

    自己保身のために思わず口走ったのか。

    それとも誘拐事件を公にすることで

    自分の罪とそれを生み出した痛み

    そういう諸を口に出す決意をしたのか。

    いずれにしろ・・・仁美の心に怜南の幸せを願う気持ちが

    残っていることを

    痛ましい気持ちで祈るばかりでございます。

  7. SECRET: 0
    PASS:
    私は『聖母マリアになれない!』といつも言っていました。

    今の風潮で言えば、私だって虐待と思う人もいたと思う。

    親、親戚そばにいるわけで無し、旦那なんて子守なんて出来ない人だし、

    いつも怒鳴り散らしていたよ。

    自慢にならないけれど、手だって上げていたよ。

    子育て真っ最中の人には、心に余裕なんてそう無いよね。

    まして孤軍奮闘している人なんてさ。

    この番組、昨日たまたま見たんで、今までの流れがよくわからないけれど

    見ていてつらくなるね。

  8. エリ より:

    SECRET: 0
    PASS:
    >これは、まだ仁美が怜南を捨てていない証拠。

    そういうことですか~。

    私的には怜南の幸せを考えて奈緒に委ねたのだと思いたかったのですけど

    娘に捨てられた母親として腹いせに言ったのね。

    でも誘拐されたと事件にしてしまったら

    皆を巻き込む大惨事になるのでは・・。

    せめて和解していい方向に進んでほしいものです。

    精一杯子育てに向き合ったであろう仁美が

    こんなにもたやすく虐待の道に転落するとは残念でした。

    さまざまな方面でサインは出ていたし

    外側からも救いの手はあったでしょうに

    結局は自分から拒否して間違った道にはまっていったように見えました。

    仁美の性格も原因の一つみたいでしたよね・・。

  9. SECRET: 0
    PASS:
    >子供を憎らしいと思った時から虐待へと変わるのか。

    ↑それなら 私も虐待をしてるのかも・・・

    子供って 何時も天使ではなく 憎たらしい事や意地悪な口を叩いたり 色んな顔を見せるよね

    笑顔でそんなこと信じれないって人は ほんま幸せやね

    きっと どん底まで落ちた事ないんだわ

    やはり経済的にも 家庭的にも落ち着いてないと

    かなり 母親はキツイ。

    だからって虐待を肯定するつもりはないけれど。

    子供を虐待する母親の 闇の部分もしっかりと救ってほしい

  10. ikasama4 より:

    SECRET: 0
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    子供を傷つけてはいけないと

    周囲は救いの手を差し伸べるのに

    何故、母親には救いの手を差し伸べないのか

    そういうのが切に伝わってきます。

    自分の幸せ=女性としての幸せ

    それを優先するのは間違いではないとも思うんですが

    もし、仁美にちゃんと怜南の父親に

    なってくれるような人がいたら、と思ったりもするんですがね。

    それにしても怜南が生まれてから

    今に至るまでの心の変化を尾野さんが見事に演じ

    でもって、そんな母親と対峙する怜南ちゃん役の愛菜ちゃんは

    全然負けてないですねぇ。

    ちなみに私も最初、「はねとび」見てて

    9時に近付くにつれ、あれ?と思い

    慌ててテレ朝にチャンネルを合わせました。

    危ない危ない(; ̄∀ ̄)ゞ

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