【 花燃ゆ 】第4回 「生きてつかあさい」感想


密航に失敗し、江戸でとらわれの身になった寅次郎(伊勢谷友介)。
その処分をめぐり、伊之助(大沢たかお)は、寅次郎を救おうと奔走する。
文(井上真央)は、父の百合之助(長塚京三)が、切腹する覚悟であることを知る。
家族の危機に心を痛める文だったが、一方で、姉の寿(優香)の出産も目前に迫っていた。
そして、寅次郎は萩に戻され、野山獄に投じられることに。
そこは、生きて出てくる者はいないと恐れられるろう獄だった…
(あらすじ「Yahoo!TV」より引用)

    花燃ゆ大

 

花燃ゆ 第四話「生きてつかあさい」

 

寅兄の黒船密航作戦大失敗…は、ナレでスルーかよっっ…と、思ったら、
回想でかなりガッツリやってくれた。

大河ドラマでこのシーンにこんなに時間を割いたのは初かも。

安政元年(1854年)。
吉田寅次郎は弟子の金子重輔を伴って、下田に停船中のペリーの旗艦・ポーハタン号に乗船した。

未遂…ではなくて、乗船しちゃったのである。

 

ペルリの船に乗り込もうと小舟でそっと近づく。

櫓杭が取れてしまったので、ふんどしを脱いで櫓を括った。
なんかもう…必死である。

ようやく辿り着いた船には、日本語を解す者が誰も居なかった。

船長らしき1人の男が「あっちの船に渡ってウィリアムズに会え」と言うような
事をいっているのが解った。

示された船は遥か遠く。

男は言った。

そうすれば、きみの願いは叶う。

「Your HOPE」…寅次郎はそれを聞き取った。

時化った海に小舟で再び漕ぎ出でて、ようやく辿り着いたのがポーハタン号だ。

 

怪しい者ではない!お頼み申す!
怪しい者ではない!お頼み申す!お頼み申す!

 

叫んだ。

ようやく梯子を下ろしてもらい、船に乗りこむ事が出来た。
その間に、荷物を乗せていた小舟は流されてしまった。

もう帰るつもりは無かったので、それでいいと思った。

 

しかし、ウィリアムズは言う。

 

あなたたちの要求は分かりました。
提督は大変喜んでます。
アメリカに行きたい。外国で学びたいという気持ちにまことに感激している。

だが、我々と日本の間には条約が結ばれています。
今あなたたちを船に乗せればそれを破る事になる。

提督は言ってます。
「いずれ自由にアメリカに行く事できる。それまで待て」と。

 

それでは遅いんじゃ!
我々はすでに国を捨ててきちょる!

この企てが知られたら首をはねられます!

このままこの船に置いて頂きたい。

 

2人はウィリアムズの前で土下座したが、話は聞いてもらえなかった。
無理やり浜に送り返された寅次郎は、仕方なく番所に自首したのだった。

 

唐丸籠に入れられて戻ってきた寅次郎に思わず駆け寄り、

 

何で早まった!

いっつもじゃ!
お前はいっつもそうやって、のめるように先をせく!
何で待てん? 何でせくんじゃ!?

と、叫ぶ伊之助。

寅次郎はひとまず江戸の伝馬町の牢に繋がれた。

 

萩では、杉家でも伊之助の嫁になった寿の家でも当然のごとく周囲の冷たい
反応に巻き込まれることになる。

寿さんは、奥様方のお茶会からもご遠慮のお達しを貰い、女中も出て行っちゃって、

せわぁない。

と、母上の口ぐせをつぶやくのだった。

 

寅兄は、いつまでウチらをこんな目に遭わせるつもりなん。

 

寅次郎の「育」である父・百合之助は、当然の覚悟をした。
しかし、その覚悟や寅兄を責める言葉は一言も口にせず。

焦る文さんに、ただ、

お前のできる事をせよ。

と言う父上。

 

そんな中、嘉永7年8月25日。寿は玉のような男の子を出産。
小田村家の長男・篤太郎である。

伊之助は、子どもよりも寅次郎を救うために奔走する日々である。

 

父の姿が見えず不安で探し回る文さんだが、杉家の女たちはいたってノンキ…。
生まれたばかりの孫に、わしの書物を全部やるとか、フラグばんばん立ててるのに。

もっとも、恐らく覚悟の上でジタバタせずに今を生きているのだろうが…
ノンキにしか見えないので、愚鈍にさえ見えちゃうのだ。特に母上。

 

探し出した父に向かって、

切腹なさるおつもりですか。

と、単刀直入に訊く文さん。

 

何でです!?
ご公儀は寅兄様をお許しになりました。
今更父上が身代わりになるいわれなど…。

 

身代わりではない。
すべてが終わった今だからこそ、父として始末をつけねばならんのじゃ。

寅は寅の大義を生きた。それでええ。
じゃが、いくら大義を貫こうと掟は掟。
国の法を破った以上、いずれその責めは誰かが負わにゃならん。

 

だからといって何で父上が?育役ゆえでございますか?

 

わしゃ…わしゃ、凡庸じゃ。
才もなけりゃ金もない。
異国へ出ようちゅう勇気もなければ、文之進のように己が憎まれる覚悟で子を
しつける強さもない。
こういう形でしかお前たちを守ってやれん。

 

うちこそ何一つできん。
寅兄様を助ける事も父上の力になる事も。

お前、寅兄が好きか?

 

好きです。

 

ならば、お前は寅を守れ。
寅は弱い。己のつまずきをまだ知らん。
寅には寅を守ってやれる者が要る。

お前は強い。
己の弱さを知っちょる。
お前ならできる。

 

まだ子供の文さんに寅兄を守れとか、すっかり文さん上げになっちゃってますが…

と、思いつつも、父上の言葉の端々にウルっとした…。・泣
長塚京三さんが演じる不器用な父親像が胸に迫る…。

どんな親だってどんな破天荒な子どもであろうと守りたいんだよね。

 

結局、寅次郎は長州の野山獄に投獄されることとなる。
百合之助さんの切腹願は差し戻された。

 

野山獄ですか。
うわさでは、あそこから生きて出てきた者などないと聞いております。

と、文さん言っていたけれども…それはないな…。
牢獄ではあるから処刑されたりすることももちろんあったが、野山獄は武士のみを
収容する上牢。

お部屋は独房だし、囚人同士の行き来も割と自由だった。

だから、寅次郎さんはこの牢獄で色々と花咲くことになる…。

 

「寅次郎は野山獄に入獄したが、身分の低い金子は道を隔てた岩倉獄へと収監された」

というナレの説明通り、一緒に黒船に乗り込んだ金子くんは「岩倉獄」という、庶民が
投獄される牢獄へ収容される。

こっちは大部屋であり、色々と酷かったらしい…。

 

この「野山獄」と「岩倉獄」は、元々、野山さんと岩倉さんという武士が喧嘩をし、
両家がお取り潰しになった屋敷を牢獄として改造したもの。

野山さんの方が上士だったので牢獄としてもそのまんま、野山獄を士分用に。
岩倉獄を身分の低い者用に当てたのだった。

だから…金子くんはこの後、とってもつらいです…。

金子くん役、『白夜行』の泉澤祐希くんだったんだね~~
すっかり大人になっちゃって、解らなかった。
子役さんの成長は早い。

しかも、お母さんが麻生祐未さんじゃないか
まるっきり『白夜行』母子……。

 

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※キャスト

杉文 … 井上真央(子役期:山田萌々香)
吉田松陰 … 伊勢谷友介(子役期:板垣李光人)
小田村伊之助 … 大沢たかお
久坂玄瑞 … 東出昌大

杉百合之助 … 長塚京三
杉滝 … 檀ふみ
玉木文之進 … 奥田瑛二
杉梅太郎 … 原田泰造
杉寿 … 優香(子役期:香音)
杉敏三郎 … 大橋律(子役期:山田瑛瑠)
杉亀 … 久保田磨希
玉木彦助 … 冨田佳輔

毛利敬親 … 北大路欣也
毛利都美子 … 松坂慶子
桂小五郎 … 東山紀之
周布政之助 … 石丸幹二
椋梨藤太 … 内藤剛志
椋梨美鶴 … 若村麻由美

高杉晋作 … 高良健吾(子役期:山崎竜太郎)
吉田稔麿 … 瀬戸康史
伊藤博文 … 劇団ひとり
入江九一 … 要潤
野村靖 … 大野拓朗
前原一誠 … 佐藤隆太
寺島忠三郎 … 鈴木伸之
品川弥二郎 … 音尾琢真
赤禰武人 … 阿部亮平
松浦松洞 … 内野謙太

小田村志乃 … かたせ梨乃
金子ツル … 麻生祐未
高須久子 … 井川遥
入江すみ … 宮崎香蓮
吉田ふさ … 小島藤子
金子重輔 … 泉澤祐希
松島剛蔵 … 津田寛治
宮部鼎蔵 … ビビる大木

井伊直弼 … 高橋英樹

語り … 池田秀一

※スタッフ

脚本 … 大島里美、宮村優子
音楽 … 川井憲次
題字 … 國重友美
制作統括 … 土屋勝裕
プロデューサー … 堀之内礼二郎
演出 … 渡邊良雄 、末永創

公式サイト http://www.nhk.or.jp/hanamoyu/

 

 

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コメント

  1. くう より:

    SECRET: 0
    PASS: d0970f9a670a457ba04fd47a84598fe5
    あっ、ありがとうございます~!
    ドラマのシーンは頭の中で再現されませんが、そういえば櫓杭が外されていた舟で
    漕ぎだ出したのだと何かで読みましたわ。
    コメントいただいて思い出しました^^;
    いい加減なレビューですいません!

  2. CHARADE より:

    SECRET: 0
    PASS: d9b1d7db4cd6e70935368a1efb10e377
    いつも楽しく拝見しています。

    > 櫓杭が取れてしまった

    取れてしまったのではなく、初めからついていなかったのです。櫓杭は高価なので、漁師の方は、船は出しっぱなしにしていても、櫓杭は家に持ち帰る習慣でした。櫓杭がなければ櫓が漕げませんから、同時に船自体の盗難防止にもなっていたと思われます。

  3. 花燃ゆ 第4回「生きてつかあさい」こちらも…

    こちらも簡単感想になりますがその前にちょっと脱線。今見つけたニュースです。→こちらです。北大路欣也さんがマッサンに出られるそうで(^^)マッサンのモデルの竹鶴政孝さんと面識…

  4. くう より:

    SECRET: 0
    PASS: d0970f9a670a457ba04fd47a84598fe5
    実は私もいつの間にか「太郎」になっていて気づいて書きなおした個所があったのです^^;
    どうしてパソコンは寅→太郎に変換したがるのか……(謎

    >ホームドラマ大河って大河を支える流れのひとつなので否定はしませんが、ダイナミックな歴史の動きも描いて欲しいです。

    ホームドラマは否定しませんが主人公のおかげで歴史が動いているような
    描き方は好きじゃないです…以前のあの、あの徳川最初の御台所みたいな…^^;
    あれを彷彿とさせるところが文さんにはあるので恐い~!

    >秋からの朝ドラは幕末~維新を舞台にするらしいですね。

    『あさが来た』ですよね。
    また「事実に基づいたフィクション」らしいですよね^^;
    脚本が大森美香さんなので…好きな作家さんなので、つらいです…。
    朝ドラの場合は好きな脚本家さんが書くと言われると嬉しいよりも
    心配の方が先だってしまうのはなぜ~~^^;

  5. くう より:

    SECRET: 0
    PASS: d0970f9a670a457ba04fd47a84598fe5
    いつも読みにお越し下さり、ありがとうございます!
    今回は父役の長塚京三さんの演技が染み入る回でした^^

  6. Largo より:

    SECRET: 0
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    コメント、ありがとうございました。助かりました~
    >父の姿が見えず不安で探し回る文さんだが、杉家の女たちはいたってノンキ…。
    ええ、私もね、
    >恐らく覚悟の上でジタバタせずに今を生きているのだろうが…
    と思うようにしたのですけれども。眠れぬ夫を気遣う滝さん、というシーンはありましたし。
    しかし、そのしみじみ感を打ち消す、文の運動量(汗
    ホームドラマ大河って大河を支える流れのひとつなので否定はしませんが、ダイナミックな歴史の動きも描いて欲しいです。
    秋からの朝ドラは幕末~維新を舞台にするらしいですね。
    朝ドラは朝ドラとして見るので、こちらの方が楽しかもしれない(^^;;

  7. 新ドラマQ より:

    花燃ゆ – 2015年大河ドラマ 井上真央

    花燃ゆ
    平成27年大河ドラマ
    NHK総合
    2015年1月4日~

    [キャスト]
    井上真央
    大沢たかお
    伊勢谷友介
    高良健吾
    東出昌大
    優香
    瀬戸康史
    劇団ひとり
    佐藤隆太
    要潤
    かたせ梨乃
    内藤剛志
    奥田瑛二
    長塚京三
    松坂慶子
    北大路欣也
    ほか

    ナレーター:池田秀一

    [スタッフ]
    作:…

  8. 「花燃ゆ」 第4回、生きてつかあさい

    大河ドラマ「花燃ゆ」。第4回、生きてつかあさい。
    吉田寅次郎、黒船に乗り込むがアメリカ行きは失敗。
    その後、長州へ送還。
    家族は皆、自分のできることをする。

  9. 花燃ゆ 第4回「生きてつかあさい」

    大河ドラマ『花燃ゆ』のお時間です。
    第4回「生きてつかあさい」 あらすじ・・・

  10. 大河ドラマ「花燃ゆ」 #04  生きてつかあさい

    寅次郎、黒船に乗り込む。

  11. 死して不朽の見込みあらばいつでも死ぬべし(伊勢谷友介)

    文政十三年(1830年)八月生まれの吉田松陰は嘉永七年(1854年)三月には数えで二十五歳、満23歳である。 この時点で松陰の思想がどの程度、完成していたのかは定かではない。 知的天才という側面で考えれば・・・すでに「死に至る道程の中で自分の果たす役割」を認知していたと考えることもできるし・・・「若

  12. 花燃ゆ 第四回

    『生きてつかあさい』
    「生きてつかあさい〜密航失敗そして父の心と赤ん坊」

    内容
    姉・寿(優香)に子供が出来たと知り、大喜びの文(井上真央)
    そこへ、父・百合之助(長塚京三)が慌ててやってくる。
    寅次郎(伊勢谷友介)が、密航を企て、捕らわれてしまったと。

  13. NHK大河ドラマ「花燃ゆ」第4回「生きてつかあさい」

    生きてつかあさい・・ですか、それって寅兄様へ?命を大事にって意味ではそうかもしれませんけど、むしろ生き生きと思い通りに生き急ぎ過ぎって言う感じで、むしろちょっとゆっくり生きてつかあさい、みたいな~。あ、もしかして責任を感じて父上や梅兄様がアレされそう?あいやああ!それはダメでしょおお!私からも、生きてつかあさ~~~い
     にしてもしかし、ドラマストーリーでの今回の各話タイトルは「兄の大失敗」…

  14. 昼寝の時間 より:

    花燃ゆ #04「生きてつかあさい」

    公式サイト 密航に失敗し、江戸でとらわれの身になった寅次郎(伊勢谷友介)。その処

  15. 【花燃ゆ】第4回プチ感想と視聴率

    【第4回の視聴率は、分かり次第、追記予定】 副題「生きてつかあさい」 新聞ラテ「

  16. 『花燃ゆ』第4回「生きてつかあさい」★迷惑男

    『花燃ゆ』第4回「生きてつかあさい」

    密航に失敗し、江戸でとらわれの身になった寅次郎(伊勢谷友介)。その処分をめぐり、伊之助(大沢たかお)は、寅次郎を救おうと奔走する。文(井上真央)は、父の百合之助(長塚京三)が、切腹する覚悟であることを知る。家族の危機に心を痛める文だったが、一方で、姉の寿(優香)の出産も目前に迫っていた。そして、寅次郎は萩に戻され、野山獄に投じられることに。そこは、…

  17. かい より:

    SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    第四回もありがとうございます。私も父娘の描写にジ-ンとまぶたがにじみました。少しまえ、言葉がつうじなくても、言葉にかわる共通言語があることを体験するきかいがありました。くうさま描写のおかげで再確認することができ、うれしい思いをしました。次かいも楽しみにしています。

  18. 花燃ゆ 第4話「生きてつかあさい」〜わしは凡庸じゃ。こういう形でしかお前たちを守ってやれん

     寅次郎(伊勢谷友介)の黒船渡航事件に対応する家族の描写は次のようなもの。

     息子が死罪になるかもしれない状況で、
     父・百合之助(長塚京三)は畑仕事が残っていると、畑にいく。飯を食べれば「美味い」と言う。
     母・滝(檀ふみ)は風呂を焚く。

     心の中は嵐…

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