【 花燃ゆ 】第5回 「志の果て」感想


密航に失敗した寅次郎(伊勢谷友介)は野山獄というろう獄に入れられる。文(井上真央)
は会うことのできない兄に差し入れを持って獄に通う。そこで金子ツル(麻生祐未)と出会う。
ツルは、寅次郎と共に海を渡ろうとした弟子、金子重輔(泉澤祐希)の母だった。
重輔は身分が低いため別の獄に入れられ、病に苦しんでいた。
文は寅次郎の妹だと打ち明けられないままツルと親しくなっていく。
ツルはようやく重輔との面会を許されるが…
(あらすじ「Yahoo!TV」より引用)

    花燃ゆ大

 

花燃ゆ 第五話「志の果て」

 

先週の記事にも書いたけれども、野山さんと岩倉さんが喧嘩両成敗の結果お取り潰し
になり、跡地が使われた野山獄と岩倉獄。

上士のための牢獄・野山獄に入れられた寅兄は、体操の時間に外に出られたり、書物を
差し入れしてもらったり、他の牢の囚人と言葉を交わしたりして暮らしていた。

 

吉田寅次郎と申す。
お見知りおきを。

 

と、早速自己紹介する寅兄の牢に響く隣人の地を這うような呪いの声…。

 

ここはただの牢獄ではない~。
入った者は生きて再び外の景色を見る事はない。
だから眠れぇぇぇ。
ここで見るものは~眠りの中の夢しかない~~~。

 

ホラーホラーなの

 

「吉田寅次郎の弟子になったばっかりにとんだ事になった」

と、噂される中、差し入れを持ってきた文さんは、お向かいの岩倉獄に入れられている
囚人の母親と出会う。

それは、金子重輔くんの母であった。

 

ええんですよ、名乗らなくて。
お身内が獄におられるんですね。
うちも罪人の母親です。

と言われるがままに、後ろめたさもあって名乗れない文さん。

しかし避ける事もなく、何度か会う内に握り飯をあげたりする仲に…。

女性大河主人公らしいお節介が始まるのだった。

 

寅兄は獄の中にあって何もせずにいる囚人たちに、俳句を読もう、書を読もうと
声をかけ始める。

しかし、富永有隣という儒学者の囚人から書物を破られ、叱責される。

 

ここで語る学問など何の意味もない。

 

いいえ。
こんな所だからこそ功利を排した真の学問ができるはず。

 

ならば聞く。
お前には共に海を渡ろうとした弟子がいるそうだな。

 

金子は弟子ではない。友です。

 

友! 
いいか?
その友とやらはお前がここで真の学問とやらを語っている間に向かいの獄でたった一人
虫けらのように死んでいくんじゃ。
お前がどんなに学ぼうともここにおる限りお前は友一人の命も救えん。
それがお前にとってまずは学ぶべき まこと。まごう事なき現!

お前の学問とは所詮、紙の上の幻じゃ!

 

書を破られて、思わず掴みかかりそうになる寅兄を富永は嘲笑う。

 

ええぞ! 腹の立つ事を言われりゃ殺しとうなる。殴りとうなる。
人とはそういう生き物なんじゃ。

 

違う!人とは…人の本性は善じゃ!
明日の己を己で切り開く事ができる唯一のものじゃ!

 

人とは悪じゃ!
その証拠にたった今、お前はわしを殴ろうとしたではないか。
恥じる事はない!心のままに生きればよい!

生きて腐って呪え!
生きて腐って呪え!

 

すごい迫力です、本田博太郎さん。
本当に呪われそうだよ…。

冤罪かけられて流されて親戚からここにぶちこまれた人だからな…。
腐っているわけです。

 

この言葉に打ちのめされた寅兄は、今さら金子くんの身の上を案じ始めるのだった…。
ちょっと、鈍感すぎないか…

しかも、突然、庭で「金子くん、金子くん」叫び過ぎ。
他の独房に御迷惑なので気を付けて~~。

 

金子くんは、劣悪な環境の岩倉獄の大部屋で病気になり、亡くなってしまう。
まだ24である。

薬を届けようとして、遺体を運ぶ台車を茫然と見る文さん。

 

今更こんな事しても遅いわ。
金子様をそんな姿にしたのは寅兄じゃないの。

お前が行って何になるの?
ボロボロになった金子様やそのお身内がそんな事を望むと思いますか?
お前は
吉田寅次郎の妹なんよ!

 

という寿姉の言葉は辛らつだけれども、まぁ…家族から見たら真理よね。

 

黒船に乗り込んだ時に寅兄が船員の服からもぎ取ってしまったボタンを金子くんは
大切に握っていた。

この先、どんな苦難に襲われようと今夜の我々の絆があれば志は必ず果たせます。
その証しに。

寅兄の言葉を抱え、海の向こうを夢見て逝った金子くん。

 

お前をこねぇにしたんは…誰?

 

と言っていた母親は、土下座して初めて吉田寅次郎の妹を名乗る少女を
茫然と見つめていた。

 

金子様の思いは私が必ず兄・寅次郎に伝えます!
金子様がこれからも立派な武士として兄上と共にずっと生きていかれるよう。
ですから、ボタオを!
このとおりでございます!

 

あれは…捨てました。
この骸は染め物屋の息子でございます。

 

と、静かに言って立ち去る母だった。

 

文は、牢番の許可を得て、寅兄と面会し、激しく訴える。

 

金子様が亡くなりました。
金子様は最後の最後まで兄上と共に海を渡る夢をみておられました。
何度でも挑んでみせると。

教えてつかぁさい。
何で金子様は死ななくてはならなかったんですか?
何で国禁を犯してまで兄上は海を渡ろうとしたんですか?

 

うん…視聴者もそこをどう納得させてもらえるのか、ぜひ知りたいところ。

 

あの夜、俺たちは光を見たんじゃ。
目指す船の先に新しい日本があると。

 

見えたんは異国の光だけですか?

うちには大切な方たちがいます。
兄上が国禁を犯したあと、梅兄様はお役を免じられました。
寿姉様もご城下での暮らし向きが立ち行かず、私たちを助けてくれるもんは
誰もなく、父上がお腹を召してわびようとなされました。
私たちを守るために。

兄上の見たもんが新しい国の光だというんなら、何でそれは私たちを照らしては
くれんかったんでしょう。

金子様は寅兄様が殺したんです。
己の欲に己を慕う者を巻き込んだ。

 

違う!
俺は金子と生きたんじゃ。
夜の海を2人、大義のために大義に生きようと…ひたすらに…。

 

ならば証しを見せてつかぁさい!

あの夜、兄上の目指した光がただの私事ではないもっともっと太い大義の
果ての志やったというんなら。

金子様は生きて幸せやったんやと…。
暗い獄の中で…金子様はずっとボタオを握りしめていました。
兄上との大切な思い出を。

 

井上真央さんの演技が本当に素晴らしくて……。
全く芝居っぽくなくて。
家族としては、そう言っちゃいたい気持ちもよく解って。

この大河、普通にドラマとして見ている分には面白いよ。
脚本、素晴らしいと思う。

牢獄の重々しい空気、富永有隣から暗黒の暗示を与えられ、金子くんを失い、
妹から大迷惑男に認定されてダークサイドに落ちそうな寅兄。

 

まぁ…実際に…この時代的にはただの破天荒な迷惑男かもね…
家族の事なんて何も考えてないし。

でも、だったら、今現在・吉田寅次郎を慕い尊敬して集まっている人たちは、
どういう良さが見えるから寅兄の側に居るんだ。

金子くんは寅次郎のどこにホレたから命を懸けてまで側にいたんだ。

そこが…つまり、松陰の志の大きさや素晴らしさが見えてこない。

 

それを…金子くんのボタオと文さんの導きによって寅兄が立ち直り気づくという…
吉田松陰すらも「主人公のおかげ」で偉人になるという流れですかね…
なんせ、幕末男子を主人公が育てるお話ですから~~。

 

文さんの所にわざわざボタオを持ってきてくれた金子の母。
この許しが、文さんにとっての「光」かな。

 

で、ダークサイドの寅兄を救うべく現れたもう一人の女、高須久子。

井川さんの出番が手だけじゃなくて良かった………。

 

【関連記事】
 

      
よろしければ→【2015年1月期・冬クールドラマ】ラインナップ一覧とキャスト表

 

にほんブログ村 テレビブログ 大河ドラマ・時代劇へ
↑他のブロガーさんの大河感想はこちらから・にほんブログ村

PVアクセスランキング にほんブログ村  にほんブログ村 テレビブログへ
にほんブログ村

   
 

 

※キャスト

杉文 … 井上真央(子役期:山田萌々香)
吉田松陰 … 伊勢谷友介(子役期:板垣李光人)
小田村伊之助 … 大沢たかお
久坂玄瑞 … 東出昌大

杉百合之助 … 長塚京三
杉滝 … 檀ふみ
玉木文之進 … 奥田瑛二
杉梅太郎 … 原田泰造
杉寿 … 優香(子役期:香音)
杉敏三郎 … 大橋律(子役期:山田瑛瑠)
杉亀 … 久保田磨希
玉木彦助 … 冨田佳輔

毛利敬親 … 北大路欣也
毛利都美子 … 松坂慶子
桂小五郎 … 東山紀之
周布政之助 … 石丸幹二
椋梨藤太 … 内藤剛志
椋梨美鶴 … 若村麻由美

高杉晋作 … 高良健吾(子役期:山崎竜太郎)
吉田稔麿 … 瀬戸康史
伊藤博文 … 劇団ひとり
入江九一 … 要潤
野村靖 … 大野拓朗
前原一誠 … 佐藤隆太
寺島忠三郎 … 鈴木伸之
品川弥二郎 … 音尾琢真
赤禰武人 … 阿部亮平
松浦松洞 … 内野謙太

小田村志乃 … かたせ梨乃
金子ツル … 麻生祐未
高須久子 … 井川遥
福川犀之助 … 田中要次
富永有隣 … 本田博太郎
大深虎之丞 … 品川徹
吉村善作 … 日野陽仁
入江すみ … 宮崎香蓮
吉田ふさ … 小島藤子
金子重輔 … 泉澤祐希
松島剛蔵 … 津田寛治
宮部鼎蔵 … ビビる大木

井伊直弼 … 高橋英樹

語り … 池田秀一

※スタッフ

脚本 … 大島里美、宮村優子
音楽 … 川井憲次
題字 … 國重友美
制作統括 … 土屋勝裕
プロデューサー … 堀之内礼二郎
演出 … 渡邊良雄 、末永創

公式サイト http://www.nhk.or.jp/hanamoyu/

 

 

※トラバが一発でお返しできないブログさまがあります。
何度か試して不可能な場合はあきらめています。無視ではありません。ご了承を~

 

※「Twitter」ID「kukucoo」です。
大量ドラマツィートに耐えられる方はフォローよろしくお願いします~

 

FC2にトラックバックが飛ばないサイトさま記事リンク(お申し出ください)

 

【花燃ゆ】1 2 3 4 5


コメント

  1. 花燃ゆ 第5話「志の果て」見ました。

    第5話の視聴率が今までで最低だったそうで(まだ第5話とも思うけど^^;)。申し訳ない、わたしが見なかったからかな〜(笑)個人的にはどうせならば松下村塾で塾生達を教える寅兄が…

  2. 昼寝の時間 より:

    花燃ゆ #04「志の果て」

    公式サイト 密航に失敗した寅次郎(伊勢谷友介)は野山獄というろう獄に入れられる。

  3. 【花燃ゆ】第5回感想と視聴率「志の果て」

    【第5回の視聴率は2/2(月)頃、追記予定】 副題「志の果て」 新聞ラテ「志の果

  4. tomohiro より:

    SECRET: 0
    PASS: ec6a6536ca304edf844d1d248a4f08dc
    余談ですが、花燃ゆのキャストですが
    坂本龍馬が桐谷健太で、勝海舟が内野聖陽かなと勝手に思っています
    あと、このドラマ、オリジナルキャラの物語を勝手に幕末の著名人に
    当てはめた企画にも思えます。

  5. 『花燃ゆ』第5回「志の果て」★ボタオ

    『花燃ゆ』第5回「志の果て」

    寅次郎を迎えた囚人・富永有隣(本田博太郎)
    「お前には共に海を渡ろうとした弟子がいるそうだな。」

    寅次郎「金子は弟子ではない。友です。」

    富永有隣「友!いいか?その友とやらはお前がここで真の学問とやらを語っている間に向かいの獄でたった一人虫けらのように死んでいくんじゃ。お前がどんなに学ぼうともここにおる限りお前は友一人の命も救えん。それがお前…

  6. かい より:

    SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    こんにちは。第五回、渾身綴りを拝読しながら初めに感じたのは、中東に出かけた二人の出来事でした。寅兄なら、いったいなんとするのだろう。。なんとなさいますか。と心の中でお尋ねしました。「世界は広い。そして遠い。じゃがどんな旅も辿り着くには自分自身の一歩からじゃ。ただただ、目の前にいる1人1人と仲間の証しをつないでいくこと。笑顔をつないでいくことじゃ。仲間たちと目に見える証しを持つ。。それを持ったもん同士は、仲間じゃ(笑)。そなたはどう思う?何を手にする?」

    すいません(汗)。お読みいただきありがとうございます。第6かいも、楽しみにしています!

  7. 巨炎 より:

    SECRET: 0
    PASS: ec6a6536ca304edf844d1d248a4f08dc
    金子君は38年前の「花神」では岡本信人さん。
    二人で褌を艪に縛り付けて船漕いでいた。

    高須さんは、この人ですか…。

    http://hitoya.com/#/caststaff

    本田さん、この時も出てますから狙ってますね。

  8. NHK大河ドラマ「花燃ゆ」第5回「志の果て」

    故郷に戻って牢屋行、なんとも大変な事態となってしまいました寅兄様でございます。私たちから見たら、あの吉田松陰が国を憂えるあまりやむにやまれずなさった事みたいに思える黒船密航未遂事件ですが、当作の中だけで見ておりますとお兄ちゃんがやりたい放題みたいにしか思われず~。でもそこが家族目線って事なんでしょうね。後世の評価を知らない同時代の家族にしてみたらきっと、寅がまたやらかした~~~!で正解なので…

  9. 花燃ゆ 第5話「志の果て」〜生きて腐って呪え、そして希望のひかり

     野山獄の富永有隣(本田博太郎)は語る。

    「生きて腐って呪え」

     完全に<絶望>の言葉ですね。

     社会の壁に跳ね返され、心が折れ、体が腐り、世の中を呪って死んでいくしかない状況。
     <腐る><鈍う>という言葉が、有隣のとんでもない絶望を表している。

     …

  10. 大河ドラマ「花燃ゆ」吉田松陰の妹5寅次郎は囚人となって学ぶ意欲を得るも重輔を救えず己の無力さを呪うのだった

    1日大河ドラマ「花燃ゆ」第5話は寅次郎が牢獄に入れられて寅次郎はその間に本を読んで学問を学ぶ意欲に向ける。一方その頃江戸では伊之助が文から受けた手紙通り寅次郎が読みた …

  11. 徳は孤ならず必ず隣あり(大沢たかお)

    論語里仁篇に「子曰、徳不孤、必有鄰」がある。 君子たるもの有言実行であることが大切であると説いた孔子は・・・そこに「徳」を見出す。 つまり・・・「やるべきことをやるやつ」は孤立はしない。 かならず・・・それを支える者が現れると言うわけだ。 「殺す」と言ったからには「殺さない」と仲間に示しがつかないの

  12. 〔NHK大河ドラマ〕花燃ゆ 第5回「志の果て」感想  井伊直弼演じるブラック英樹登場!

    高橋英樹が登場した時、一瞬
    松平春嶽?
    と思ったけど、あの台詞と、あの悪い顔は
    井伊直弼
    ですな。

    そう言えば昨秋、珍しく悪い役をすると報じられたような。
    でも英樹がやる限り、安政の大獄も「大義があった」と描くか?
    いやいや安倍ポチ政権がそれを許すまい。

    今…

  13. 「花燃ゆ」 第5回、志の果て

    大河ドラマ「花燃ゆ」。第5回、志の果て。
    寅次郎、野山獄での生活。
    文の思いが爆発。

  14. 花燃ゆ 第5回「志の果て」

    前回、文が宣言した兄を守るという言葉が実際に今回からどのように動き出すのか気になっていたのですが、今回は目立った動きがないばかりか、逆に寅次郎を野山獄で追いつめていました。野山獄と岩倉獄とではまったく環境が異なり、文字通り牢獄そのものなのが岩倉獄で、この中に入れられた金子重輔はやがて病にかかってしまい、寅次郎を思いながら亡くなってしまいます。

    一方で、野山獄はそこまで劣悪な環境ではなく…

  15. 大河ドラマ「花燃ゆ」 #05 志の果て

    寅次郎投獄。

  16. 花燃ゆ 第五回

    『志の果て』
    「志の果て国禁犯し見た夢は友の命を救うか」

    内容
    黒船への密航に失敗した寅次郎(伊勢谷友介)は、死罪は免れたものの
    弟子の金子重輔(泉澤祐希)とともに投獄される。

    文(井上真央)たちは、会うことは叶わなかったが、
    寅次?が希望する書物などを野…

タイトルとURLをコピーしました