【 花燃ゆ 】第13回 「コレラと爆弾」感想


江戸に旅立った玄瑞(東出昌大)を見送った文(井上真央)は、手紙をしたためながら
夫の帰りを待っていた。
その頃、伝染病のコレラが外国船から流入し、猛威をふるう。
文は一人の少女と出会うが、少女の母はコレラでひん死の状態で、松下村塾の塾生・
小野為八(星田英利)の父で医師の山根文季(平田満)が治療に当たっていた。
不治の病を前に無力感にさいなまれる中、文のもとに夫が藩命に背いて京都に向かった
との連絡が入り…。
(あらすじ「Yahoo!TV」より引用)

    花燃ゆ大

 

花燃ゆ 第十三話「コレラと爆弾」

 

簡単感想で。

 

「200年以上に及ぶ鎖国状態にあった日本に欧米列強が開国を迫った。」

「江戸幕府大老に就任した井伊直弼は通商条約締結は避けられぬものと開国へと 
舵を切る。

一方、開国に反対する勢力は天皇を中心として京に集結。
外国を打ち払う事を主張した。

開国か攘夷か。
途方もない嵐がこの国に吹き荒れようとしていた。」

 

て事で……。

日米修好通商条約間近。
つまり、安政の大獄も間近である。安政5年。

 

江戸へ旅立った久坂から全く手紙が来ないことを気にしつつも、文さんに
ゆっくりする暇など有りません。

物騒な……ぃゃぃゃ、国を翻弄する輩から守るために地雷を研究したりする塾生の
皆さまのためにお握りを握ったり、萩でにわかに猛威を振るい出したコロリで
親が倒れた子の面倒を見たりしなければなりません。

コロリですよ…コロリ!!

今こそ南方せんせーの活躍時なわけですが、ちょうどTBSの『JIN』再放送と被ることも
あってか画面に姿を見せてくれない南方…ぁ、違う、伊之助兄さま。

   花燃ゆ13

仕方がないので松下村塾の塾生・小野為八の父、山根文季がたった1人で「虎狼痢治準」を
参考に心もとない治療をするのだった。

仁せんせーがいれば、砂糖と水でORSを作ることが出来るのにっっっ!!!

 

小野為八は医師の家に生まれながらも自分は兵学を学ぶという変わり種である。

 

私は筋道を立てて考えれば必ず答えが見つかる、そういう学問が好きなんです。
筋道を尽くしてもどうにもならず苦しむ父を見てきましたから…。

「確かに何かにたどりつく。」
そういう道を目指そうと。

と言う小野。

 

6月。
井伊直弼は勅許も待たずにシレっと日米修好通商条約を締結。

当然、各所で反対派は大騒ぎ。
萩でも大騒ぎ。

松下村塾も大騒ぎである。

異国に対し決して侵略は許さんという強い意志を見せなければ。

地雷火。
今こそ敵をひるませ、侵略をためらわせる新しい武器がなくては。

 

うう~ん…物騒…
だと、ついつい思わざるを得ませんが、朝廷の勅許も待たずに自分の意思でシレッと
国を動かす条約を結んじゃう大老の独裁っぷりもまた物騒。

みんなが、新しい方向に向ききれず、国を藩をと未来を憂いたり自分の身を危ぶんだり、
政権を掴もうとどさくさに動いたり……

ただ、国を守るつもりになりきって試行錯誤したり。

そんな時代でがす。

文さんの夫・久坂も全く連絡もよこさぬまま、藩意に背いて勝手に京へ行く
という試行錯誤。

町のあちこちから上がる黒煙を見ながら忌々しげにつぶやく高杉。

 

コロリで死んだ者を荼毘に付す煙じゃ。
辛気くそうてかなわんのう!

何もかもが異国に振り回されっ放しじゃ。
…病も政も。

 

文さんは煙を見つめながら夫に置いて行かれるこの身を嘲笑う。

 

あれを眺めとるとよう分かる…。
皆で夕げを囲んでその日あった事を笑いながら語らい眠る…。
そねな当たり前の暮らしがどれほど大切な宝物か…。

京ですか。
手紙もよこさんでどこにおるんかと思うたら…。

 

文さんには世の動乱が馬鹿馬鹿しいものにしか思えない。

そんな事よりも、家族で身を寄せて、病に侵されず、平和に生きる幸せを…

夫にもみんなにも感じてほしいのに。

 

けれども、男たちは動乱の中に自ら身を投じていくのだった。

 

我々にまことに何かをなす力はあるんか、これはそれを確かめるための大切な
第一歩です。

私も知りたい。
力を尽くせばまことに我々に世を動かす事はできるんか。

ついに地雷火を完成させた小野はその実験を明け方の河原で行うと言う。
自分の父がコロリとの闘いに倒れ、命を失った日だ。

 

教えてつかぁさい。
これも、異国のせいなんですか?

突如現れて我々の暮らしに牙をむく。
我々の力だけじゃ押し戻す事も振り払う事もできん。

 

やから戦うんですか?地雷火を使うて。

 

文。
戦いとはただ戦の事を言うんではない。
戦いとは屈しない心を持つ事を言うんじゃ。

 

その屈しない心を確認するために、文も爆発を見たいと思った。

しかし、小野は女子の身には危険だからと文を置いていく。

蟄居中で家の外へ出られない松陰を「自分の足で出なければ」と背中に負ぶる小野。

 

首尾よく爆発すればここで煙が見れます。
それが証しです。ここでお待ち下さい。

ですが…。

 

「夜明けを待つ」と父に言われました。
待たずに父は逝きました。
見届けて頂きたいんです。

父の代わりに。

 

小野の背中に負ぶわれながら、いつしか松陰は自らの足で駆け出していた。
どこまでも自由に。
止める者もいない世界を。

この一歩がいずれ…!

 

文は庭から遠くに黒煙が上がるのを見ていた。

 

「夜明け」とは、あの黒煙を示すのだろうか。

それは、到底美しくは見えず、不気味に空を覆っていくようにさえ見えた。

けれども、男たちはそこに向かって行ってしまう。

 

「昨夜、ふとお前の顔を思い出そうと思うてしばらくじっと考えとった。

いつの間にかそのまま眠ってしもうた。

夢の中のお前は、それは楽しそうで幸せそうで…。

 

いつまでもその顔を見ていたいと思うた。」

 

夫の手紙を抱きしめる。

 

安政の大獄前。

仁先生が出てるっつーのに、ここでコロリかよ…とか、診療所をフラフラする文さんに、

手を洗ってからお握り握ってくれよ…

とか…色々と突っ込んだ。

 

けれども、最後の久坂からの文はいいわ。
明け方の空に登る地雷火の黒煙シーンと併せて情緒的。

自由に疾走する松陰の行方と黒煙の行方。
そして久坂の行方。

今後を考えると、文にはただそこに平和に笑っていてほしいと願う久坂の気持ちが
手に取るように解る。

美しい妻も美しい日本も、彼らにとっては黒煙を越えなければ無い世界だったのだと。

テロリストにも見えてしまう彼らの過激さの向こうに儚さが見える。

 

…こういう描き方は…ビミョーに上手いんだよね、この大河。

 

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※キャスト

杉文 … 井上真央(子役期:山田萌々香)
吉田松陰 … 伊勢谷友介(子役期:板垣李光人)
小田村伊之助 … 大沢たかお
久坂玄瑞 … 東出昌大

杉百合之助 … 長塚京三
杉滝 … 檀ふみ
玉木文之進 … 奥田瑛二
杉梅太郎 … 原田泰造
杉寿 … 優香(子役期:香音)
杉敏三郎 … 森永悠希(子役期:山田瑛瑠→大橋律)
杉亀 … 久保田磨希
玉木彦助 … 冨田佳輔

毛利敬親 … 北大路欣也
毛利都美子 … 松坂慶子
桂小五郎 … 東山紀之
周布政之助 … 石丸幹二
椋梨藤太 … 内藤剛志
椋梨美鶴 … 若村麻由美
松島剛蔵 … 津田寛治
宮部鼎蔵 … ビビる大木
長井雅楽 … 羽場裕一

高杉晋作 … 高良健吾(子役期:山崎竜太郎)
吉田稔麿 … 瀬戸康史
伊藤博文 … 劇団ひとり
入江九一 … 要潤
野村靖 … 大野拓朗
前原一誠 … 佐藤隆太
寺島忠三郎 … 鈴木伸之
品川弥二郎 … 音尾琢真
赤禰武人 … 阿部亮平
松浦松洞 … 内野謙太
梅田雲浜 … きたろう
小野為八 … 星田英利
山根文季 … 平田満
内藤一馬 … 田中仁

小田村志乃 … かたせ梨乃
金子ツル … 麻生祐未
高須久子 … 井川遥
福川犀之助 … 田中要次
富永有隣 … 本田博太郎
大深虎之丞 … 品川徹
吉村善作 … 日野陽仁
高須 糸 … 川島海荷
入江すみ … 宮崎香蓮
吉田ふさ … 小島藤子
金子重輔 … 泉澤祐希

井伊直弼 … 高橋英樹

語り … 池田秀一

※スタッフ

脚本 … 大島里美、宮村優子
音楽 … 川井憲次
題字 … 國重友美
制作統括 … 土屋勝裕
プロデューサー … 堀之内礼二郎
演出 … 渡邊良雄 、末永創

公式サイト http://www.nhk.or.jp/hanamoyu/

 

 

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コメント

  1. 【花燃ゆ】第13回プチ感想と視聴率「コレラと爆弾」

    「コレラと爆弾」 第13回の関東の視聴率は、11.7%。最低視聴率の11.6%に

  2. 「花燃ゆ」感想 第十三回「コレラと爆弾」

    「たいしたやつだな…簡単に五人も死なせるなんて。こっちは…ひとり助けるだけで せいいっぱいなんだ… 」

    なんだか手塚治虫のブラックジャックの名言が頭の中で渦巻く回でした。
    後の長州藩士の暴走を思うと…ね。
    「志」のために人を殺す道具を作る。
    その道具を作ることで俺たちでも何かできるじゃん!と自己肯定をしたい。
    間違いなくブラックジャックが激怒しそうな回でしたね(笑)

  3. 花燃ゆ 第十三回

    『コレラと爆弾』
    「コレラと爆弾〜身近に迫る脅威に兄はほえ妹は覚悟」

    内容
    江戸へ遊学中の夫・久坂(東出昌大)に、文(井上真央)は手紙を書き
    近況などを報告していた。寂しさはあったが、いつかきっと。。。と
    久坂からの返事を待ち、いつものように、塾生たちの…

  4. LB56 より:

    SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    お疲れさんデス。

    >小野為八は医師の家に生まれながらも自分は兵学を学ぶという変わり種である。

    いろんな分野を知る事が、未来へつながるんですよね。
    でも、知識だけでは、絵にかいた餅・・・?(^^;
    今回(の為八)は、「ものづくり」の重要性を教えてくれたような気がします。
    しかし、方向を誤ると大変なことが起きる、という暗示もあって、コロリも同時に入れたのかな??
    黒煙の威力が、人の死の大きさを表してるようで、その対比が実に見事でした。。。(地雷火による黒煙vsコレラによる黒煙)

    殺伐とした中、引き取られていったキクちゃんが、文へ残した字、
    「きく」「ふみ」が、小さな未来を感じさせてくれました~。(^^)

  5. 西洋人、歩兵を以て軍の骨子となす、是れ孫子の所謂正なり・・・と吉田松陰(星田英利)

    安政五年(1858年)九月に吉田松陰は「西洋歩兵論」を著している。 松下村塾は一種の情報機関であり、各地に散った塾生の諜報を集約するシステムであった。 三月に兵学者・村田蔵六(大村益次郎)は江戸で桂小五郎に最新西洋兵学の講義を行っている。 このことが「西洋歩兵論」に反映していることは充分に考えられる

  6. 昼寝の時間 より:

    花燃ゆ #13「コレラと爆弾」

    公式サイト 江戸に旅立った玄瑞(東出昌大)を見送った文(井上真央)は、手紙をした

  7. 巨炎 より:

    SECRET: 0
    PASS: ec6a6536ca304edf844d1d248a4f08dc
    >小野為八は医師の家に生まれながらも
    >自分は兵学を学ぶという変わり種である。
    医者=蘭学者という事で兵学もやったり、
    やらされたりした人もいたそうです。
    萩出身で言えば後に桂小五郎がスカウトする軍師・大村益次郎。
    松下村塾ではなく適塾なので、
    この時期は出ませんが出す気あるのか?

    「JIN」でも原作では上野戦争指揮官として登場しましたが
    ドラマ版ではアームストロング砲の弾が飛んできただけ…。

  8. 花燃ゆ 第13回「コレラと爆弾」〜だんな様、あれはいかなる火になるのでしょう?

     コロリで亡くなった人たちを荼毘に付す煙を見て、高杉晋作(高良健吾)は「辛気くさい」と言い、自分の無力を嘆く。
     一方、文(井上真央)は、亡くなった人たちに当たり前の暮らしがあったことを想う。
     同じ煙を見ても感じること、考えることが違うふたり。

     この…

  9. 花燃ゆ 第13回「コレラと爆弾」

    これまで幕末を舞台にした大河ドラマをいくつか見てきましたが、今回新たな発見がありました。それはアメリカ船から持ち込まれたというコレラ菌が日本に猛威をふるっていたという事実。その悲惨さをきくという少女によって伝える演出はうまいなと感じました。

    こういう出来事があると、そんな病原菌をもたらす異国に対して激しい嫌悪感と恐怖感を感じるのは仕方の無い面もあると思います。尊王攘夷運動の盛り上がる要…

  10. 花燃ゆ 第13回「コレラと爆弾」、途中から…

    大河も2週間くらい見れないわ、感想書けないわが続きましたm(__)mなんて過ごしてたらば もう来週からは安政の大獄なんですかっっっ!!!い〜〜〜〜〜〜〜や〜〜〜〜〜〜〜〜〜っっ…

  11. NHK大河ドラマ「花燃ゆ」第13回「コレラと爆弾」

    なにやら物騒な展開になりそうなタイトル!いよいよ今作でも大きな歴史が動きだしますか?いつぞやの「八重の桜」ですと13回目はご結婚の節目でしたけど、その頃既に会津藩は京都に出張っていて、長州征伐をどう決着するかで大揉めの展開でしたっけ、西郷さんや勝先生が活躍されてましたよねえ・・。

  12. 大河ドラマ「花燃ゆ」吉田松陰の妹13直弼の日米通商条約締結で攘夷運動が高まり松陰たちも自分たちが戦える術を探し始めた

    大河ドラマ「花燃ゆ」第13話は新婚早々江戸へ旅立った玄瑞は江戸で幕府の動向を伺っていた。そんな中萩では異国から入っていたコレラが流行し、当時の医学ではどうする事もでき …

  13. 大河ドラマ「花燃ゆ」 #13 コレラと爆弾

    鎖国をしていた日本。
    そこに入ってくるコレラ。
    開国か攘夷か。
    江戸末期にはやったというコレラ。
    今回の話の中心はそこのようですね。

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