【 花燃ゆ 】第14回 「さらば青春」感想


江戸幕府大老の井伊直弼(高橋英樹)は自らの政治に反対する勢力を一掃しようと
弾圧に動き出す。
「安政の大獄」の嵐が吹き荒れる中、久坂玄瑞(東出昌大)も京都で捕えられたという
連絡が文(井上真央)の元に入る。
夫の安否が分からないまま不安を募らせる文…。
一方、兄の松陰(伊勢谷友介)は日本が直面する危機について、たびたび長州藩に
意見書を書くが、その思いは一向に届かない。
焦りを募らせた松陰はひそかに塾生を集め…
(あらすじ「Yahoo!TV」より引用)

    花燃ゆ大

 

花燃ゆ 第十四話「さらば青春」

 

簡単感想で。

 

さて。

安政5年、日米修好通商条約調印を強行した井伊直弼は、非難ゴーゴーブーブーな
反抗分子をこれまた無理やり排除すべく動き出した。

孝明天皇が井伊を咎める沙汰を水戸藩に出すと、

 

陰で朝廷を操る者どもを一掃すればよいだけじゃ。
ご政道に異議を唱える者たちを一人残らず捕らえよ。
一網打尽に致せ。

と、老中・間部詮勝に命令する始末。

こうして世に名高い安政の大獄が始まったのです。

高橋英樹せんせーが、めっさ悪代官感を醸し出してますが…
まぁ…現代の上の人と同じ目線で語るとだいぶ違っちゃうんで。

この時代、お上に物申すこと自体がそもそも有りえず。独裁、これ当然。

幕府に建白書書きまくってた寅兄も変わり種ならば、朝廷の許しを得ずに調印した
井伊さんもまた同じとも言える…。

長い間抑えつけられていたものが少しずつ弾けだして、自我が目覚めた反抗期の
子どもたち。そんな趣がある幕末。

だから成長期のキラキラした部分もあれば、あいつワガママだらけだなって部分もある。

…で……
あいつら暴走しすぎていて危険ですよね…
なんせ族長が勝手気まま三昧っすからね…

って感じになっちゃってるのが松下村塾でございます。

 

京では梅田雲浜せんせーが目の前で捕えられて、行方知れずになった久坂。

文さんは大いに心配してショックを受けますが、戻ってきた吉田稔麿によって
無事に江戸に逃れた事が解ります。

国のためを思って書きまくった建白書が周布さまによって握られ、殿の目に全く
触れてもいないと知らされて落ち込み焦る寅兄。

そして、戻ってきた稔麿も加えて、松下村塾はついにテロ会議を。

 

水戸の者たちがすでに井伊大老の暗殺に動き出しとるというんは本当ですか?

はい。

我々も後れを取る訳にゃいきません!
井伊を襲撃しましょう!

地雷火の準備ならできちょります。

 

待ってつかぁさい。
今、江戸や京の状況は日に日に厳しさを増しとります。
ちいとでも不穏な動きがあれば幕府の木っ端役人どもが飛んできます。

 

そねな事を恐れとったら何もできません!

恐れとる訳じゃない。慎重に動かねばと言うとるんです。
実際に久坂さんは死にかけました。

死など恐れとったら事はなせません!

 

しかし、井伊を討つのはたやすくない。
だから間部を殺っとかね?と盛り上がる塾生。

 

京の間部を殺せば江戸の井伊に大きな揺さぶりをかける事ができるでしょう。
志士たちは必ず奮い立つ。井伊を討つんはその時です。

藩はもはや幕府に対し無策です。
僕たちが動くしかない!
そうすれば我らの手で幕府を変える事ができる!

 

とりあえず藩の重役に血判状を出そうと、その役目に立候補する稔麿。

 

考えなくとも藩がそんなもの受けるはずがないし…
そんなもの受けたら藩ごとテロ集団なわけだが、誰もそれに疑問を持たない
盛り上がりよう…。

 

ご飯ですよ~~…と、いつものようにお握りを持ってこようとした文さんは、
このテロ会議を聞いてしまい、誰にも言わないと約束させられ1人悩む。

稔麿の妹・ふさや、入江の妹・すみからも兄たちの様子を心配され、亡くなった
金子のことを話す文さん。

 

寅兄はその事、それはえらく悔いとって…。
やから塾生の皆さんを傷つけるような事は決してせんと思う。
あの優しい寅兄が、すみやふさの兄上たちを大事に思うてない訳ないから。
…やから、どうか信じてほしいんよ。

 

うーーん…文さん、それはだいぶ違うと思うぞ。
寅兄は金子くんのことを「素晴らしい殉教者」くらいに思っていただろうし、
後悔なんかしてないだろう…。

家族のことなんか何も考えていないという点では、もうお墨付きである。
何一つ信用できることなんかないぞ。 

 

血判書を持って行った稔麿は周布さまに受け取ってもらえず、お役御免になってしまった。
当たり前だ……。

別に周布さまが保身でゴリゴリなダメンズってわけではなく、大人として当然の
反応である。

文さんもついに父や叔父に「間部を殺っとこうぜテロ」計画を話してしまい、
大騒ぎになる杉家。

 

分かっとる…。
父の言葉など…お前には届かん。
分かっとる!

この父の…父の言葉など、お前には…今のお前にはひと言も届かん!

お前はこの父が願ったとおりの息子じゃ。
英雄と違わぬ志を持った立派な息子じゃ。
世間が何と言おうと、こねぇに誇りに思う事はない。
こねな嬉しい事はない。
じゃが、許す事はできんのじゃ。

わしを殺してから行け。許す事はできん。
寅次郎!父を殺せ!

 

寅兄の刀を自分の首に押し当てる父。
ただ驚くだけで止める術もない女たち。

そして、自分を傷つけてまで無理やり刀を奪う梅兄。

…なのに……

 

たび重なる親不孝申し訳もございません。
じゃが、私には親に背いても主君に背いてもやらねばならん事があるんです。

 

まぁ…黒船乗り込みの段階で、家の事なんか何も考えてないし。
間部暗殺テロを企てる段階で、家族も弟子も一緒に殺しているようなもんだし。

 

ここはどういう場所なんですか?
人殺しの算段をする場所ですか?
やむにやまれん思いを抱えた人たちが集い、身分の隔てなくそれぞれの志を持ち
誰にも言えん胸の内をさらけ出し合ってぶつかり合える。
ここはそういう場所ではないんですか?

松下村塾は…ここは大事な学舎じゃないんですか?

 

今は学問なんぞをしとる時ではない。

稔麿さんやすみのお兄様たちが寅兄のために命を危険にさらしても構わんと…。

 

彼らは志を同じくする同志じゃ。
覚悟はできちょるはずじゃ。

 

兄上を慕っとるからこそ口をつぐむ事もあるんです。
兄上を慕っとるからこそ…。

 

家族のことなんか考えていたら、国は救えない。

彼らの思いはひたすら走っている。

 

それは伊之助さまも同じなのだが…。
彼は、もっと筋道立てて考える。

 

あの血判書に名を連ねる事で、お前を慕う者たちがどうなるか。
お前考えた事あるんか?
自分の言葉や行いが弟子たちにどのような結果を及ぼすか分からん者は
人の師たりえん。
お前はもはや先生と呼ばれるに値せん!

 

しかし、伊之助さまも今さらなんだよな。
寅兄がそういう人間だってことは、もうとっくに解っていたはずだよね…。

こうして、松下村塾は廃塾を通達され、松陰せんせーは再び野山獄に繋がれることに
なったのだった。

 

このドラマを見ていても吉田松陰の弟子たちがこんな男になぜそこまで
入れ込んでいるのかが今ひとつ見えてこない。

で、兄のテロ活動を全否定する文さんの言う事は、平成頭だと最もだと
思ってしまうのだった。

主人公にこんなに兄の思想を否定させて、家族や周りに迷惑掛ける様を
散々見せつけさせて、最終的には「この人たちは英雄でしたね」って
どういう風に持っていくつもりなんだろ…。

テロリストが国を救い未来を作ることもあるのだと。
そんな方向で語るはずはない気がするし…NHKですからっっ。

まぁ…
歴史的には、本当はそういう方向で見て間違いない気はする。

歴史の上で「英雄」という人がやった事の正当性は結果オーライである。

同じことをやっていても「革命」になる人もいる。「テロ」になる人もいる。

答えは未来だけが知っているのだ。

 

……で…
無理やり文さんを絡めると、やっぱり失敗しますよって事になりそうな気がする。

来週はもっと無理やり絡みそうだし。
予告で「文が」「文は」「文」「文」って文連呼しすぎ…。 

そこまでやっても忘れそうなほどなのは…
やはり開始前の予想通り、主人公は何もしていない人だから、なんですけど。

 

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※キャスト

杉文 … 井上真央(子役期:山田萌々香)
吉田松陰 … 伊勢谷友介(子役期:板垣李光人)
小田村伊之助 … 大沢たかお
久坂玄瑞 … 東出昌大

杉百合之助 … 長塚京三
杉滝 … 檀ふみ
玉木文之進 … 奥田瑛二
杉梅太郎 … 原田泰造
杉寿 … 優香(子役期:香音)
杉敏三郎 … 森永悠希(子役期:山田瑛瑠→大橋律)
杉亀 … 久保田磨希
玉木彦助 … 冨田佳輔

毛利敬親 … 北大路欣也
毛利都美子 … 松坂慶子
桂小五郎 … 東山紀之
周布政之助 … 石丸幹二
椋梨藤太 … 内藤剛志
椋梨美鶴 … 若村麻由美
松島剛蔵 … 津田寛治
宮部鼎蔵 … ビビる大木
長井雅楽 … 羽場裕一

高杉晋作 … 高良健吾(子役期:山崎竜太郎)
吉田稔麿 … 瀬戸康史
伊藤博文 … 劇団ひとり
入江九一 … 要潤
野村靖 … 大野拓朗
前原一誠 … 佐藤隆太
寺島忠三郎 … 鈴木伸之
品川弥二郎 … 音尾琢真
赤禰武人 … 阿部亮平
松浦松洞 … 内野謙太
梅田雲浜 … きたろう
小野為八 … 星田英利
山根文季 … 平田満
内藤一馬 … 田中仁

小田村志乃 … かたせ梨乃
金子ツル … 麻生祐未
高須久子 … 井川遥
福川犀之助 … 田中要次
富永有隣 … 本田博太郎
大深虎之丞 … 品川徹
吉村善作 … 日野陽仁
高須 糸 … 川島海荷
入江すみ … 宮崎香蓮
吉田ふさ … 小島藤子
金子重輔 … 泉澤祐希

井伊直弼 … 高橋英樹

語り … 池田秀一

※スタッフ

脚本 … 大島里美、宮村優子
音楽 … 川井憲次
題字 … 國重友美
制作統括 … 土屋勝裕
プロデューサー … 堀之内礼二郎
演出 … 渡邊良雄 、末永創

公式サイト http://www.nhk.or.jp/hanamoyu/

 

 

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コメント

  1. 「花燃ゆ」感想 第十四回「さらば青春」

    今週の感想:「宗教って怖い」

    「歴史は必ず繰り返す。最初は悲劇として、二度目は茶番劇として」
    (byカール・マルクス)

    「人生の悲劇は、人は変わらないということである」
    (byアガサ・クリスティー)

    先人たちの名言が身に染みます。
    金子くんの死はもう少しのところでまったく無駄になりそうでしたね。
    いや、金子の存在を思い出したのが松陰じゃないというところが大変遺憾です…

  2. 花燃ゆ 第14回「さらば青春」

    大河ドラマ『花燃ゆ』 のお時間です。
    第14回「さらば青春」 あらすじ・・・・・・・

  3. 大河ドラマ「花燃ゆ」 #14 さらば青春

    安政の大獄始まる。
    そして梅田雲浜が捕まり、久坂は生死も不明。
    松陰は「ことをなす時」と意を決めます。
    平和だった時代から一気に幕末動乱の時代へ。

  4. 花燃ゆ 第十四回

    『さらば青春』
    「さらば!青春〜世の中の役に立つため命をかける塾」

    内容
    安政五年。江戸から届いた文で、松陰(伊勢谷友介)らは、
    幕府独断で行った通商条約調印を朝廷が非難したと知る。
    その直後、大老・井伊直弼(高橋英樹)は、反対勢力の一掃へと動き始める。

  5. 忠ならんと欲すれば孝ならず・・・と頼山陽(井上真央)

    「忠ならんと欲すれば孝ならず、孝ならんと欲すれば忠ならず」とは「日本外史/頼山陽」で父・清盛と後白河法皇の権力闘争の板挟みとなった平重盛が語ったとされる言葉である。 「日本外史」が著されたのは文政十年(1827年)で安政の大獄から遡ること半世紀前である。 天皇に対し武士は忠を尽くすという意味で・・・

  6. リアル甘ちゃん より:

    SECRET: 0
    PASS: 117c158f6f27aa6e862a7904db0c1096
    いつか、
    ・文、殿を叱る。
    ・文、ダメ一家を追い出そうとする。
    ・文、群馬県知事を尻に敷く。
    なんてことになりそう。

    あ、2つ目は別ドラマで実行されたし、3つ目は事実か。

  7. 【花燃ゆ】第14回感想と視聴率「さらば青春」

    【第14回の視聴率は4/6(月)追加予定】 「さらば青春」 天保8年(1837年

  8. 花燃ゆ 第14回「さらば青春」〜ここはどういう場所なんですか? 人殺しの算段をする場所ですか?

    「事をなす時が来たということじゃ」
    「討つべきは老中・間部詮勝」
     過激に走り、塾生たちを扇動する松陰(伊勢谷友介)。

     これに対して父・百合之助(長塚京三)は松陰を殴って、
    「わしを殺してから行け。許す事はできん。寅次郎、父を殺せ!」

     兄・梅太郎(原…

  9. 大河ドラマ「花燃ゆ」吉田松陰の妹14日本の危機に松陰は塾生と立ち上がるも藩の危機感を抱いた伊之助が松陰の行動を阻止し松陰は再び投獄された

    大河ドラマ「花燃ゆ」第14話は玄瑞は京で攘夷派急先鋒の梅田雲浜と会談していた最中に幕府の役人が押しかけてきて梅田雲浜らが逮捕されてしまう。ついに井伊直弼の安政の大獄が …

  10. 「花燃ゆ」 第14回、さらば青春

    大河ドラマ「花燃ゆ」。第14回、さらば青春。
    謎タイトルでしたが、松下村塾が潰れたことからかな。
    楽しい一時は終わったようです。

  11. NHK大河ドラマ「花燃ゆ」第14回「さらば青春」

    見る~が井伊~な~お~すけ~が~弾圧始め~焦って~る~~♪
    って、ちゃかしてる場合ではございませんでした!すみませええん!
    本日はいよいよ安政の大獄開始の段!泣く子も黙る赤鬼誕生!
    井伊様だって良かれと思ってなさったんでしょうけど、
    今作的には熾烈を極める今後の展開、ようやく大河らしい風が吹くか・・にゃああ・・・

  12. 昼寝の時間 より:

    花燃ゆ #14「さらば青春」

    公式サイト 江戸幕府大老の井伊直弼(高橋英樹)は自らの政治に反対する勢力を一掃し

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