【 花燃ゆ 】第16回 「最後の食卓」感想


久坂玄瑞(東出昌大)が京都より無事に戻り、安どする文(井上真央)。
しかし、野山獄に捕えられている吉田松陰(伊勢谷友介)に、江戸幕府からの召喚状が
届いたとの知らせが来る。
詮議にかけられ、死罪が下されるかもしれないという危機に、文はがく然とする。
一方、松陰は静かに出発の日を待っていた。
文は、せめて一日でも兄を家に帰らせたいと思い、奔走する。
そして松陰は最後の一日を文たち家族と杉家で過ごすことになり…。
(あらすじ「Yahoo!TV」より引用)

    花燃ゆ大

 

花燃ゆ 第十六話「最後の食卓」

 

簡単感想で。

 

いよいよ寅兄の最後である。

久坂が戻ってくると、寅兄の心を救う者はここには居ないとか言い出して
書物を一緒に探してくれと訴える文さん。

 

兄上を元の姿に戻す本がこのどっかにきっとあるはずです!
旦那様とならきっと見つかります!

それは…なんか「魔法の本」的物でしょうか…。

父に久坂は疲れていると制されるも、ちょっと精神不安定っぽい妻を按じて
素直に本探しに付き合ってくれる久坂であった。

 

「吉田寅次郎ご吟味の筋、これあり」

ということで、江戸から召喚される寅兄。
行ったら死罪と誰もが察し、伊之助さまも大きなショックを受けます。

しかし、寅兄自身はお達しを静かに受け止め、肖像を頼んだりしています。
だって死にたかったんですもの。

文さんもそれを聞いているからジタバタしているわけですが、叔父上と父上から

見苦しく動き回るな。

お前の叫びごときで揺らぐ兄ではない。
寅次郎はとうに覚悟を決めておる。
この上、お前が背負う事ではない。

と言われてしまいます。

主人公のおかげで、さすがに史実がどうなるワケでもなく。
ここでジタバタと動き回られても確かに見苦しい。

叔父上、ナイスなお叱りです。 
劇中の大人がちゃんとそう言ってくれるとホッとします。

 

しかし、このまま終わったら主人公の出番がなくなります。

松陰せんせーは江戸送りになる前に野山獄の番を務めていた福川犀之助さんに
よって1日だけ家族の元へ返してもらえたということですが、それが主人公の
おかげ……ってことでストーリーが成立。

けれども、迎えに来たのは文さんではなくて寿さんでした。

 

お前が…?

 

旦那様のお言いつけでございます。
杉家にはすでに知らせが行っております。
皆、首を長うして待っております。

兄上の妹である事が嫌でした。
兄上を誇りに思えと迫る父上も母上も叔父上も文も何もかも大嫌いでした!

…小田村に嫁がせてくれたんは兄上でした。

 

このシーンは非常に良かったです。
このいつも険しい顔した長女(実際には長女ではありません)にも、兄に対する
複雑な気持ちがあったわけですよね。

この罪人に翻弄されているのに、藩も家族も甘い。
人間的にそれを露わに出し続けてきたのが寿さんだったわけです。

この日、寿さんは実家にはいかず、野山獄で兄と別れるのでした。

 

文さんが金と旅支度を用意して寅兄を逃そうとしたのは、もう家の事も福川どのの
ことも何も考えていない平成頭のお嬢さんの仕業でしかないわけですが、
魔法の本を探したりしてちょっと情緒不安定なので許してあげてください。

 

風呂場での母上とのシーンは、このボンクラクラし続けて「世話ぁない」しか言わない
母親に何の感慨も抱けたことがないのですが、伊勢谷さんの芝居のおかげで
貰い泣きできるシーンになりました。

…この人が居なくなったら、このドラマ、大丈夫なんでしょうか。

野山獄へ戻ると高須久子が選別のてぬぐいをそっと手渡してくれます。

 

大丈夫じゃろうか…。
私は、私でいられるじゃろうか…。
最後のその時まで見苦しゅうなく…。

 

吉田様。
何も怖くはありません。
人とは、これでございます。

松陰の手を握る久子。

 

さみしさも慰めも…悲しみも喜びも。
ただ、これさえ覚えておられれば。

 

人の手のぬくもりを。

こんな松陰でも死への不安はあったのだと。
だったら、多くをそれに巻き込もうとしたその行いは何だったのだろう。

幕末の志士を多く導きながら、その内面はとても不安定だったように思えてしまうのでした。

 

富永どのが突然現れてダークファンタジーのような演出になったり…

出立の時、雨に煙る涙松からありありと晴れた御城下が見えたり。

何かとファンタジック演出際立つ回でした。

 

…ニュータイプですもの。

 

「帰らじと 思ひさだめし旅なれば ひとしほぬるる 涙松かな」吉田松陰

 

…って事で、来週、いよいよ本当のお別れか

 

※杉家の皆さん、いくら残された者は生きて行かなくてはならないと悟ったとしても、
楽しそうにするのが早すぎてちょっと…いや、かなり引きます…。
(それとも、あれも「画像はイメージです」ってやつか……)

 

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※キャスト

杉文 … 井上真央(子役期:山田萌々香)
吉田松陰 … 伊勢谷友介(子役期:板垣李光人)
小田村伊之助 … 大沢たかお
久坂玄瑞 … 東出昌大

杉百合之助 … 長塚京三
杉滝 … 檀ふみ
玉木文之進 … 奥田瑛二
杉梅太郎 … 原田泰造
杉寿 … 優香(子役期:香音)
杉敏三郎 … 森永悠希(子役期:山田瑛瑠→大橋律)
杉亀 … 久保田磨希
玉木彦助 … 冨田佳輔

毛利敬親 … 北大路欣也
毛利都美子 … 松坂慶子
桂小五郎 … 東山紀之
周布政之助 … 石丸幹二
椋梨藤太 … 内藤剛志
椋梨美鶴 … 若村麻由美
松島剛蔵 … 津田寛治
宮部鼎蔵 … ビビる大木
長井雅楽 … 羽場裕一

高杉晋作 … 高良健吾(子役期:山崎竜太郎)
吉田稔麿 … 瀬戸康史
伊藤博文 … 劇団ひとり
入江九一 … 要潤
野村靖 … 大野拓朗
前原一誠 … 佐藤隆太
寺島忠三郎 … 鈴木伸之
品川弥二郎 … 音尾琢真
赤禰武人 … 阿部亮平
松浦松洞 … 内野謙太
梅田雲浜 … きたろう
小野為八 … 星田英利
山根文季 … 平田満
内藤一馬 … 田中仁

小田村志乃 … かたせ梨乃
金子ツル … 麻生祐未
高須久子 … 井川遥
福川犀之助 … 田中要次
富永有隣 … 本田博太郎
大深虎之丞 … 品川徹
吉村善作 … 日野陽仁
高須 糸 … 川島海荷
入江すみ … 宮崎香蓮
吉田ふさ … 小島藤子
金子重輔 … 泉澤祐希

井伊直弼 … 高橋英樹

語り … 池田秀一

※スタッフ

脚本 … 大島里美、宮村優子
音楽 … 川井憲次
題字 … 國重友美
制作統括 … 土屋勝裕
プロデューサー … 堀之内礼二郎
演出 … 渡邊良雄 、末永創

公式サイト http://www.nhk.or.jp/hanamoyu/

 

 

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コメント

  1. kyom より:

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    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    >このボンクラクラし続けて「世話ぁない」しか言わない
    ずっとこの「世話ぁない」を聞くとイラっとしていました。
    なんでだろう、長塚京三さんが言うと全然そんなことないのに。
    空気かしら、空気を読まないからかしら。

    とにかく・・来年の大河が待ち遠しいです。

  2. 「花燃ゆ」感想 第十六回「最後の食卓」

    今回、食事シーン(食卓シーン)なんてありました?
    …ひょっとして今回もタイトル詐欺なのでしょうか。

    文のお得意の厨房シーンやらおにぎりシーンがないのは良いのですが、このドラマは毎度毎度タイトルが内容に合ってなさすぎです(笑)

  3. NHK大河ドラマ「花燃ゆ」第16回「最後の食卓」

    先週野山獄に繋がれた寅兄松陰先生ですけど、最後の「晩餐」ではなく「食卓」って事は、杉家に帰れるの?あるいはもう一家そろって野山獄?そういう事をやりそうなファミリーだから怖いわ!杉家!・・・え?史実としてそうなの?粋な獄吏の計らいで一時釈放されたとさ?歴史って面白いなああ~。

  4. 花燃ゆ 第16回「最後の食卓」〜人とは、これでございます。寂しさも、慰めも、悲しみも、喜びも

     江戸行きの前夜、杉家の人たちは松陰(伊勢谷友介)を?普通の生活者?に戻そうとしているようだ。

     水桶が倒れて崩れてしまった畝と苗を直すために、泥だらけになる父・百合之助(長塚京三)、兄・梅太郎(原田泰造)、弟・敏三郎(森永悠希)、そして松陰。
     地に足…

  5. SECRET: 0
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    まこかま製菓の
    2015年度かしわもち試作品をご賞味くださいませ。
    草色のつぶあん
    ピンクのみそあん
    白のこしあん
    の三種になっておりまする~。

    前世紀に周囲の者が
    公安に電話を盗聴されていたような
    人間にはのめりこむように
    フィットする本作ですが・・・
    お茶の間的には少し説明不足が過ぎておりますよね。

    最後は顔で笑って心で泣いて風ですが
    松陰が江戸に護送された日に
    杉父子は御役御免で謹慎処分になっていますので
    もう畑仕事するしかなかったという話なのでございましょうねえ。

  6. 帰らじと思ひさだめし旅なればひとしほぬるる涙松かな・・・と吉田松陰(優香)

    幕府老中暗殺計画の首謀者である吉田松陰は過激な革命家であったと言える。 しかし、結局、吉田松陰を処刑した幕府は倒され、吉田松陰は救国の英雄となる。 この極めて簡単な歴史的事実が・・・多くの庶民にとって不可解なのである。 たとえば・・・かって三里塚で管制塔を占拠した反体制過激派は・・・吉田松陰の申し子

  7. 大河ドラマ「花燃ゆ」吉田松陰の妹16松陰は家族と最後の食卓弟子たちに最後の講義高須久子と最後の別れを告げて井伊直弼との直接対決へ江戸へと送られた

    大河ドラマ「花燃ゆ」第16は松陰に対して幕府から召喚状が届きついに松陰にとって最期の時を迎えようとしていた。1度送られたら二度と戻る事ができないだけに家族で最後の食卓 …

  8. 【花燃ゆ】第16回プチ感想と視聴率「最後の食卓」

    【第16回の視聴率は4/20(月)追記予定】 「最後の食卓」 今回、松陰の死まで

  9. 花燃ゆ 第16回「最後の食卓」は途中からで…

    遅い時間にまたなってしまいましたが(^^;) そして パソコンに迎える今日みたいな日に限って 朝から何のアニメも見れず、アニメ銀魂の録画すら見れず(^0^;;)大河すら途中からという状…

  10. 花燃ゆ 第十六回

    『最後の食卓』
    「最後の食卓〜別れの夜に松陰と家族が交わした約束」

    内容
    消息不明の久坂(東出昌大)が、京から帰ってきた。文(井上真央)はひと安心。
    帰ってきたばかりの久坂に、文は、
    松陰(伊勢谷友介)を元に戻す書が、どこかにあると訴え、一緒に探し始める…

  11. 大河ドラマ「花燃ゆ」 #16 最後の食卓

    いよいよ松陰の処刑が近づいています。

  12. 〔NHK大河ドラマ〕花燃ゆ 第16回「最後の食卓」感想  松陰は単なる自殺志願者なのか?

    いくら「ホームドラマ」を自認している今回の大河とは言え
    「最後の食卓」て。

    しっかし松陰、これでは単なる自殺志願者。
    ISILと何ら違いはおまへんな。

    ただ、松陰本人の意気込みに反して、
    江戸では完全に小者扱い。
    梅田雲浜関連で取調べが終わったら
    「じゃあ…

  13. 花燃ゆ 第16回「最後の食卓」

    大河ドラマ『花燃ゆ』のお時間です。
    第16回「最後の食卓」 あらすじ・・・・・

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