【八重の桜】第11回 「守護職を討て!」感想


容保(綾野剛)たちは都で長州軍の脅威にさらされていた。
会津では、八重(綾瀬はるか)の弟・三郎(工藤阿須加)が、突然、都へ派遣される
部隊に志願して権八(松重豊)から激怒される。
そのころ、都では佐久間象山(奥田瑛二)が尊皇攘夷(じょうい)派のふてい浪士に
暗殺され、覚馬(西島秀俊)は悲嘆する。
そして、偵察により長州が容保の首を狙っていることを知った覚馬は、さらに怒りを募らせていく。

(「Yahoo!TV」より引用)

   

 

八重の桜 第十一回「守護職を討て!」

 

元治元年7月。
京の街中で供も連れずに動き回っていた佐久間象山が殺された。

暗殺者は「邪謀を巡らし帝を奪い去る国賊め!」と叫んで象山を斬った。

知らせを聞いた覚馬は駆けつけたが、間に合わず。
大勢に囲まれて斬られたが賊は何者だか解らないと言う。

広沢は象山が斬られた場に残されていたという「斬奸状」を覚馬に見せる。

この者 元来西洋学を唱え 交易開港の説を主張し 枢機の方へ立入り御国是を謝り候 
 大罪捨て置き難く候の処 あまつさえ奸賊の会津藩 彦根の二藩に与同し 中川宮と
事を謀り おそれ多くも九重の御動座を彦根城へ移し奉り候 
 儀を企て 昨今頻りにその機会窺い候
 

 

朝廷に改革を説いた事帝の彦根遷座を計った事などが断罪されております。
…会津藩士が手を貸した事も。

こっちの動きが筒抜けか?

はい…。

 

何が忠義の士じゃ!

見えない敵に怒りをぶつける覚馬。

しかも、この一件で佐久間家はお取潰しになった。

象山先生は国のために働いていたのだ。
家を潰される落ち度がどこにあっか?

と憤る覚馬。

後ろ傷だというのです。傷は十数か所。
その傷の多くは、背中と腰にあり敵に背中を見せた証拠だと。
武士として卑怯だと。

苦しげに言う広沢。

後ろ傷は口実です。
松代藩は攘夷激派に睨まれるのを恐れたのでしょう。

元々、象山先生の働きを面白く思わぬ人たちがご家中にいたのであろう。

秋月も腕組みしたまま言葉を失う。

先生は二度殺された。
一度は刺客に、二度目は藩の愚かさに。

松代の事ばっかりは言えねえ。

会津も秋月さんを引きずり下ろした。

分がってて俺にはなじょする事もできねえ。

 

一方、会津の山本家では、八重の弟・三郎が都に上る佐川の隊に志願したいと
言い出し、父の権八と衝突していた。

 

にしはまだ十六だ!ならぬものはならぬ!

の一点張りな権八。

 

私の後ろについて歩いて、まねばっかりしてた子が…。

と、感慨深げに言う八重。

三郎さん、独り立ちするのは大変そうだな。
何しろ上のお二人があまりにお勇ましい。

と、笑う尚之助に八重は腹を立てた。

 

しかし、三郎はその日のうちに佐川に入隊を願い出てしまった。
佐川は槍の稽古で散々三郎を痛めつけ、役に立たぬから認められんと入隊を断る。

その話はすぐに権八に伝わり、三郎は権八に殴られた。

 

夜、1人で銃をいじる三郎に尚之助は声をかけた。

それはまだ作りかけです。
もっと工夫しなければ、ご採用にはならない。
どうにかして射程距離を伸ばせるといいんだが。

 

三郎は尚之助に突然詫びた。

 

すまねえなし!
会津のために苦心して作られたのに、上の方々はろくにご評議もしねえで。
その銃が優れている事は分がっておりやす。
…んだげんじょ、俺ではどこにも誰にも意見一つ言わんにぇい。

…それで志願したのですか?
隊士になれば一人前の藩士だ。
新式銃の事を上に願い出る事ができる。
そう考えて?

今は俺が兄様の代わりになんなきゃなんねえ。

それでも志願は無茶ですよ。三郎さんはまだお若い。

若輩者が上に物を言うのに他にどんな手があんべか?
無茶でもやんねえと道は開けねえ。

 

尚之助は笑った。

 

覚馬さんと同じ事を。

えっ?

その事を話せばお父上も手は上げなかったでしょうに。

父上には言えねえ。
んだげんじょ、俺は見てきたから。
鉄砲の家は一段低く見られて、上に物申してもなかなか取り上げてもらわんにぇい。
父上の御苦労俺はずっと見てきたから…。

 

八重は話を陰で聞いていた。
三郎はちゃんとお家の事を考えている…。

 

翌朝、佐川が家にやって来た。

そなたの弟が、わしの隊に入れろと言ってきた。
断っても何度も来る。槍で負かしてもまだ食い下がる。

申し訳ねえなし。

何度頼まっちも都には連れていけねえ。

はい。

16の子に命を捨てろとは言えぬゆえな。

されど、武士としての覚悟は年長の者にも勝っていた。
あといくつか年かさであればわしの方から願ってでも連れていくところだ。

 

佐川も三郎の事を認めてくれていた。気持ちを解ってくれていた。
八重は嬉しかった。

 

かまどに火を入れようとする三郎をどかせて権八は言う。

わしは、にしが生まれるずっと前からこのかまどに毎日火を入れてきた。
何かを変えるのはたやすい事でねえ。
いっぺんにはうまくいかねえ。

そんじも、それが正しい事なら何度でも何度でも願い出てちっとずつでも変えていく。
ずっとそうやってきた。
親を見くびんなよ。

はい。

…んだげんじょ、わしも我が子を見くびっていたかもしんねえ。
にしはもう 立派に会津の男だ。

 

出掛ける尚之助を追って、八重は叫んだ。

 

尚之助様!忘れ物です。

えっ?うん?何かあったかな?

忘れ物したのは私です。言い忘れた事が。

…三郎の事、ありがとなし。

行ってきらんしょう。

 

尚之助は笑った。

八重も微笑んだ。

 

長州が再び威力を取り戻す中、元治元年7月18日。
ついに孝明天皇より長州討伐の勅が下った。

 

これを見過ごせば朝威は地に落ち都はまた闇となる。
長州の軍勢、速やかに掃討せよ。

 

都は緊張に包まれる…。

 

  。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。

三郎ーーー!!志願なんてしちゃなんねーー!!

……と、見ている方としても叫びたい……。・泣

 

でも、三郎にもちゃんと忠義の心がある。
ただ上へ行く事を焦って志願したわけではない。

自分の家は鉄砲の家だから一段低く見られている。
意見しても取り上げてもらえない父の苦労と悔しさを知っている。

父の気持ちも尚之助の気持ちも、そして会津の事も考えている。

そこには、家を藩を守りたい気持ちがあるんですよね。
すごい16歳だ。…本当に偉い…。

佐川もその気持ちをちゃんと解っている。
でも、若い命を散らせるような事はしたくないと考えてくれている。

みんな、ちゃんと人の気持ちを察して動いているんですよね。
温かい話です。優しい話です。

 

尚之助を追いかけて、わざわざ礼を言う八重と、ちょっと(いや、だいぶ )嬉しそうな尚之助。

一端背中を見せて、もう一度振り返る。いいシーン。

ほのぼのした……。

 

京の方は、ほのぼのどころではなく…。

会津は朝敵だと言い出した長州。

覚馬さんと平馬と大蔵の偵察シーンは斬られるかとドキドキした…。
いや、こんな所で死なないとは解っていてもドキドキしました。 

やっと、長州討伐の勅が下って、いよいよ来週は蛤御門。

それと同時に八重さの縁談話が出て来るようで…。
どこ中心に見ればいいんだか。

…どっちも早く見たいです。

 

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※キャスト

山本八重(新島八重)… 綾瀬はるか(少女期:鈴木梨央)

山本覚馬… 西島秀俊
山本佐久… 風吹ジュン
山本権八… 松重豊
山本うら… 長谷川京子
山本三郎… 工藤阿須加
お吉… 山野海
徳造… 戸田昌宏

川崎尚之助… 長谷川博己
新島襄(七五三太→襄)… オダギリジョー

松平容保… 綾野剛(幼少時:山下哲平)
照姫… 稲森いずみ
松平容敬… 中村梅之助
敏姫… 中西美帆

西郷頼母… 西田敏行
西郷千恵… 宮崎美子
山川大蔵(与七郎)… 玉山鉄二
山川二葉… 市川実日子
山川兵衛… 山本圭
山川艶… 秋吉久美子
山川登勢… 白羽ゆり
山川健次郎… 勝地涼
山川捨松(咲→捨松→大山捨松)… 水原希子
山川美和… 澤田汐音
山川常盤… 信太真妃
神保修理… 斎藤工
神保雪子… 芦名星
神保内蔵助… 津嘉山正種

佐川官兵衛… 中村獅童
萱野権兵衛… 柳沢慎吾
田中土佐… 佐藤B作
林権助… 風間杜夫
横山主税… 国広富之
梶原平馬… 池内博之
秋月悌次郎… 北村有起哉
広沢富次郎… 岡田義徳
梁瀬三左衛門… 山野史人
黒河内伝五郎… 六平直政
古川春英… 小市慢太郎
竹村幸之進… 東武志
小出鉄之助… 白石朋也

中野竹子… 黒木メイサ
日向ユキ… 剛力彩芽
高木時尾… 貫地谷しほり
高木澄江… 宮下順子

徳川慶喜(一橋慶喜)… 小泉孝太郎
徳川慶恕(徳川慶勝… 金子賢
徳川斉昭… 伊吹吾郎
徳川慶篤… 杉浦太陽

松平春嶽… 村上弘明
井伊直弼… 榎木孝明
松平定敬… 中村隼人
久世大和守… 津村和幸

勝麟太郎(勝海舟)… 生瀬勝久
榎本釜次郎(榎本武揚)… 山口馬木也

孝明天皇… 市川染五郎
岩倉具視… 小堺一機
三条実美… 篠井英介
近衛忠煕… 若松武史
中川宮… 小須田康人

西郷吉之助(西郷隆盛)… 吉川晃司
大山弥助(大山厳)… 反町隆史
島津斉彬… 林与一
大久保一蔵… 徳重聡

吉田寅次郎(吉田松陰)… 小栗旬
桂小五郎(木戸孝允)… 及川光博
久坂玄瑞… 須賀貴匡
槇村正直… 高嶋政宏
板垣退助… 加藤雅也
大垣屋清八… 松方弘樹
小田時栄… 谷村美月

斎藤一… 降谷建志
近藤勇… 神尾佑
土方歳三… 村上淳
沖田総司… 鈴木信二
永倉新八… 水野直
藤堂平助… 住吉晃典
佐久間象山… 奥田瑛二
宮部鼎蔵… 宮内敦士
真木和泉… 嶋田久作

ナレーション… 草笛光子

※スタッフ

制作統括… 内藤愼介
脚本… 山本むつみ
演出… 加藤拓
音楽… 中島ノブユキ
テーマ… 坂本龍一
題字… 赤松陽構造

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コメント

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  9. 八重の桜 第11回「守護職を討て!」 

    会津では、八重(綾瀬はるか)の弟・三郎(工藤阿須加)が、突然、都へ派遣される部隊へ志願して権八(松重豊)から激怒される。八重は三郎が初めて父に口答えをしたことに驚き、自分のまね…

  10. 八重の桜 第11回「守護職を討て!」

    冒頭から会津の精神である「ならぬものはならぬものです」という言葉が権八から三郎に向けられます。この言葉、強い志を持つものに対して随分と抑圧的なものなのですが、最近思うの…

  11. なぎさ美緒 より:

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    尚之助さんが振り返るシーンはすごくよかったですね~♪またあの笑顔がナイスでございました(^^)

    それにあの梶原の機転のシーン!!
    斬られないとわかっていても、私も一瞬ドキドキ。
    こういうメリハリがいいんでしょうね(^^)

    しかし次回は蛤御門と結婚話って、どっちも気になります~(><)

  12. 悠雅的生活 より:

    『八重の桜』第11回

    守護職を討て!

  13. 大河ドラマ「八重の桜」 第11話 あらすじ感想「守護職を討て!」

    志願の先-----–!!

    ついに動き出した長州勢。

    三郎が都へ派遣される部隊に、自ら志願したいと言い出す。

    だが、権八はそれを許さない。

    早く手柄を立てたい気持ちはわかるけ

  14. 大河ドラマ「八重の桜」 第11話 あらす…

    志願の先-----–!!ついに動き出した長州勢。三郎が都へ派遣される部隊に、自ら志願したいと言い出す。だが、権八はそれを許さない。早く手柄を立てたい気持ちはわかるけどという八…

  15. 青いblog より:

    八重の桜 第11回 「守護職を討て!」

    象山先生いきなりかよ! すごい死に様だったな~~ 歌なんかうたってて、のんびりした、とても悪いことなんて起こりそうもないような風景で殺されるのが怖かったです。 暗殺と

  16. 八重の桜 第11回 守護職を討て!

    『守護職を討て!』

    内容
    元治元年
    朝廷への開国などの説得のため京に滞在していた佐久間象山(奥田瑛二)が、
    尊王攘夷派の不逞浪士たちの襲撃を受け、暗殺された。
    まさかの事態に…

  17. 大河ドラマ「八重の桜」 #11 守護職を討て!

    京都はさらにきな臭くなってきました。
    そして会津も。

  18. BROOK より:

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    >一端背中を見せて、もう一度振り返る。いいシーン。

    このシーン、印象的でしたよね~♪
    私もほのぼのしました。
    2人とも互いに惹かれあっているような感じですけど、
    なかなか言葉には出さないですよね…。
    次回はついに八重と尚之助の縁談が?
    まとまりそうにはありませんでした(苦笑)

    >来週は蛤御門。

    「新選組!」の時とは違った視点で見られそうなので、
    今から楽しみにしています。

  19. 大河ドラマ「八重の桜」第11回

    会津の男…

    詳細レビューはφ(.. )
    http://plaza.rakuten.co.jp/brook0316/diary/201303170005/

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