【おんな城主 直虎】第46回「悪女について」 感想


家康(阿部サダヲ)は嫡男・信康(平埜生成)の首を差し出すよう信長(市川海老蔵)から要求される。織田に逆らえない家康は信康の幽閉先を移しながら時間を稼ぎ、裏では北条と結ぶことで武田を追い詰め、その代わりに信康の助命を願い出ようと奔走する。

織田が苛立ち始めた頃、瀬名(菜々緒)は武田との密通の証である書状を残して姿を消す。

直虎(柴咲コウ)は瀬名が信康の罪を一身に引き受けようとしていることに気づくが…。
(あらすじは Yahoo!テレビより引用)

   naotora-op.jpg

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おんな城主 直虎 第46回「悪女について」

松平信康事件については先週ものすごく細かく長々と書いてしまったので(先週はまだ死んでなかったのに!!)今回は割愛させていただきます。

この記事は今週書くべきだった……一週早まった。汗.gif
https://dramablog.cinemarev.net/blog-entry-5845.html

 

この大河ドラマが少女の頃に出会った2人の物語なのだとしたら。

ある意味、事実上、クライマックスの回である。

武家の妻であり母である今川の妹と。
母でも妻でも、もはや武家でもない井伊の谷のおとわ姉さま。
 naotora46-瀬名

生きる道を違えた2人の、お前にサン…じゃなくて、この国が救えるか物語。

辿ってきた道のりを思い出すと感慨深い。

榊原どのの、

そなたは。

という問いかけに、

そこにおります万千代の養母にございます。

奥方様の……ご機嫌伺いに参っておりました。

……お取り込み中のようで…では、これにて。

 

と、しどろもどろに応える おとわである。

ここ。
動揺が見える演技。
コウちゃん、凄い。

「万千代の養母が築山殿の所に来ている」

と、なったら、万千代までも疑いがかかる可能性もあったわけだが、家康の前、今さら誤魔化す事も出来ず。

「万千代の養母」は、「家康の小姓の養母」という身寄りを頼っている雰囲気もあって、本来ならば おとわが好むところではない気もするが、恐らく動揺してそれどころではなく。

ただ、あたふたと去って行く。

これらが茶番であり、信康が謀反を働こうとしているなどと実は誰も思っていない。と理解しているから、食ってかかって行ったり間をとり成そうとしたりはしない。

若い頃の おとわだったら、

そんなはずはございませぬ!
どうか信康どのを……

と、ヒロインらしく食いついて行くところを、ただ帰る。

この状況が、井伊家にも何度も起きた悲劇だからこそ。

 

8月3日、岡崎から大浜城へ移された信康は、堀江城、さらに二俣城へと移される。

和尚はこれを「時間稼ぎ」と言う。

徳川は北条と密約を進め、それを手土産に信康の助命嘆願を行う算段。先週、カッコ良く立ちあがった今川殿は、名代として談判してくれたのだった。

 

そうして、浜松が忙しく動いている頃。
不安にさいなまれる瀬名は、一人決意する。

実は武田と通じていたのは自分で信康は無関係、という証拠を残して岡崎から消えたのである。

徳川家臣団は、これ幸いと築山殿に罪を被せる方向に動き出し、一人戸惑う万千代。
 naotora46-万千代

 

瀬名は母の故郷である井伊谷に立ち寄り、おとわと再会する。

 

そなたの首をもって事を収めようと考えておるのか。
武田と内通しておったのは息子ではなく己であると、そんなところか。

何故分かるか言うてやろうか。
そなたと同じ事をやったやつをよう知っておるからじゃ!

 

家康も、家臣の前では瀬名を斬る方向に傾くフリはしていたが、井伊谷で瀬名を匿うようにと万千代に密命を下していた。
 naotora46-家康

 

万千代と おとわと共に引き留めても瀬名の覚悟は変わらず。

私は、あの時殿の運の強さに命を救われたのだと思います。
あそこで死んでおってもおかしくはなかった。

ゆえにこそ、その命は殿と殿の愛する息子のためにこそ使いたいのです。

徳川家の妻として。
母として。

信康が戻ってきたら徳姫と子宝祈願をしてやって下さい。

その子はきっと私にございます!

ですから何も悲しむ事はないと、殿にお伝え下され。
 naotora46-築山殿

 

しかし、徳姫と信康の間にこれ以上、子が生まれることはなく。

天正7年9月15日。

家康の命により、信康は自刃した。
享年21。

 

事の真相は藪の中だが、このドラマ的にはとことん悪魔になった信長である。

死を宣告する時は、リュークじゃなくてレム仕様。
 naotora46-信長

 

かような事がずっと繰り返されるのでしょうかね。武家の世は。

理不尽に命を差し出せと言われ、差し出す方は本懐などと笑い。

いっそ、大名が一堂に会し「やっ」と盟約を結んでしまえばよいのです。

 

と、和尚に向かって愚痴る おとわ。

 

ならば、やってみてはどうじゃ?

できるわけがございませんでしょう。
さような夢のような。

 

できる事しかやらぬのか。

瀬名は母として妻として、その命を使い切った。

では、そなたは何のためにその命を使うのじゃ。

母でも妻でもないそなたは、何にその命をかけるのじゃ。

 naotora46-和尚

 

ここね。
きちんとした話だ、と思った。

誰かや家のための「死」など……

という言い分はいかにも平成大河らしく、また女子大河らしい……ようにも見える。

が、和尚はハッキリと言う。

「ただ生きていればいいわけではない」「使い切れ」と。

それは、全く平成スイーツではない話なのね。

 

無駄に使う「死」には確かに意味がない。
けれども、無駄な「生」にも意味はない。

お前は「なにをするのか」。

そう問うているのだ。

そして、おとわは、あの日、鶴へ告げた事と同じことを言う。

 

虎松を使い…

徳川にさような世を目指して頂くよう持っていく。

今度は、虎松を「上手く使う」んだね。

 

瀬名の形見である紅入れを「殿へ」と万千代へ託し、おとわは耳打ちする。
 

死んだ者はどうやったところで戻ってはこぬ。
生き残った者にできるのは、せめて、その志を宿す事だけじゃ。

信康様はどのような志を持っておられた。

信康様は…
己の立場よりお家の行く末を考えるようなお方で。

皆の信用も厚く、殿も信康様とだけは碁を打たれ…。

 

ならば、そなたが信康様の変わり身となればよいではないか。

徳川殿にすれば息子のごとくお家の行く末を考えてくれる家臣ができるという事。

ありがたいものじゃと思うがな。

 naotora46-とわ

 

家康の立ち直りは、個人的にはちょっと簡単に思え。

(妻子を自らの手で失くしたトラウマが「勝ち負け」の話にすり替わるのは、ちょっと合点がいかなかった。この状況で希望に満ち満ちていく劇伴も好きじゃない。。)

 

けれども、この先のこの人の活躍っぷりに道筋がつく、そのスタート地点になったのだと。

そういう描写としては面白かった。

2017年度NHK大河ドラマ【おんな城主 直虎】事前番外 井伊直虎ってどんな人?男だったの?
井伊 直虎(いい なおとら)は、戦国時代から安土桃山時代にかけての遠江井伊谷の女性領主。 井伊直盛の娘。 同国の国衆・井伊氏の事実上の当主を務めて、徳政令などを行い、「女地頭」と呼ばれた。 (wikipedia-井伊直虎-より引用)    ...

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※キャスト

井伊直虎(おとわ)… 柴咲コウ(子役期:新井美羽)

井伊直盛 … 杉本哲太
祐椿尼(千賀) … 財前直見
井伊直平 … 前田吟

井伊直満 … 宇梶剛士
井伊直親(亀之丞) … 三浦春馬(子役期:藤本哉汰)
しの … 貫地谷しほり
井伊直政(虎松) … 菅田将暉(子役期:鈴木楽→寺田心)

中野直由 … 筧利夫
中野直之 … 矢本悠馬
中野直久 … 冨田佳輔(子役期:山田瑛瑠)
今村藤七郎 … 芹澤興人
弥吉 … 藤本康文
たけ→梅(二役) … 梅沢昌代

小野政直 … 吹越満
小野政次(鶴丸) … 高橋一生(子役期:小林颯)
小野玄蕃 … 井上芳雄
小野亥之助(万福) … 井之脇海(子役期:荒井雄斗)
なつ … 山口紗弥加

奥山朝利 … でんでん
奥山孫一郎 … 平山祐介
奥山六左衛門 … 田中美央

新野左馬助 … 苅谷俊介
あやめ … 光浦靖子
桔梗 … 吉倉あおい
桜 … 真凛
高瀬姫 … 朝倉あき(少女期:高橋ひかる)

鈴木重時 … 菅原大吉
近藤康用 … 橋本じゅん
菅沼忠久 … 阪田マサノブ
瀬戸方久 … ムロツヨシ

南渓和尚 … 小林薫
傑山 … 市原隼人
昊天 … 小松和重

甚兵衛 … 山本學
八助 … 山中崇
角太郎 … 前原滉
富助 … 木本武宏
福蔵 … 木下隆行

今川義元 … 春風亭昇太
今川氏真(龍王丸) … 尾上松也(子役期:中川翼)
寿桂尼 … 浅丘ルリ子
太原雪斎 … 佐野史郎
関口氏経 … 矢島健一
庵原朝昌 … 山田裕貴
大沢基胤 … 嶋田久作
岩松 … 木村祐一
佐名 … 花總まり
北条氏康 … 鶴田忍
北条幻庵 … 品川徹
佐久間信盛 … 坂西良太
明智光秀 … 光石研

徳川家康 … 阿部サダヲ
瀬名(築山殿) … 菜々緒(子役期:丹羽せいら)
徳川信康(竹千代) … 平埜生成(子役期:吉田海斗)
石川数正 … 中村織央
酒井忠次 … みのすけ
本多忠勝 … 髙嶋政宏
榊原康政 … 尾美としのり
本多正信(ノブ) … 六角精児
松下源太郎 … 古舘寛治
松下常慶 … 和田正人
徳姫 … 植原星空
於大の方 … 栗原小巻
武田義信 … オレノグラフィティ

龍雲丸 … 柳楽優弥
モグラ … マキタスポーツ
力也 … 真壁刀義
カジ … 吉田健悟
ゴクウ … 前田航基

中村与太夫 … 本田博太郎

織田信長 … 市川海老蔵

武田信玄 … 松平健

語り … 中村梅雀

※スタッフ

脚本 … 森下佳子
音楽 … 菅野よう子
テーマ音楽 ピアノソロ … ラン・ラン
題字 … Maaya Wakasugi
制作統括 … 岡本幸江
プロデューサー … 松川博敬
演出 … 渡辺一貴、福井充広、藤並英樹
時代考証 … 小和田哲男

公式サイト http://www.nhk.or.jp/naotora/

【おんな城主 直虎】
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コメント

  1. おんな城主直虎 第46回「悪女について」 …

    ​​​​やっと昨日はリアルタイムで見れたのですが、感想を書く時間がなく(^0^;)今日も時間がないですが ちょっと書かせてくださいませ。瀬名さん、最期の回でした。わたしにとって…

  2. 昼寝の時間 より:

    おんな城主 直虎 46話「悪女について」

    公式サイト 家康(阿部サダヲ)は武田との内通を理由に嫡男・信康(平埜生成)の首を

  3. くう より:

    巨炎さん
    >新作デスノに菅田将暉が出演している事を意識しているのでしょうか。

    そういえば、菅田くん出てましたよね(笑)
    そこはすっかり忘れてた。

    >「頭脳戦がなくなりノートの争奪戦に終始」

    そうなんですよ(爆)
    劇場で観たのですが、一番の見どころは年月が過ぎてもCG無しで美しいミサミサでした(笑)

  4. 大河ドラマ『おんな城主直虎』第四十六回

    「悪女について」内容武田との内通の咎により、家康(阿部サダヲ)は、信康(平埜生成)の首を信長(市川海老蔵)から要求された。家康は、万千代(菅田将暉)に命じ、信康を幽閉先を転々とさせ時間を稼ぎ、助命の画策をはじめる。北条と手を結ぶことで武田を追いつめようとしていた。 偶然、その場に居合わせた直虎(柴咲コウ)は、万千代の身などを考え、すぐさま立ち去っていくのだが、南溪(小林薫)らの話から、家康が、時間を稼ぎ、何らかの画策をしていることを知る。 しばらくして瀬名(菜々緒)は、武田との密通の証となる書状を残…

  5. おんな城主直虎 第46回~瀬名と信康の悲劇が、おとわと万千代を結びつけた

     おとわ(柴咲コウ)は南渓和尚(小林薫)言った。 「かようなことが、ずっと繰り返されるのでしょうかね? 武家の世は」  万千代(菅田将暉)はおとわに言った。 「かようなことは、いつまで繰り返されるのでしょうね?」  ふたりが共通の問題意識をもった瞬間だ。…

  6. おんな城主 直虎「悪女について」

    瀬名と信康に関する徳川家最大の悲劇。結果的に、家康は正室と嫡男を失います。瀬名が井伊谷に立ち寄った際に、万千代とおとわは共にかくまうことを提案しますが、本人の意志は強く、浜松へ護送されて、残念な結果に「命を、どう使いきるか」という言葉が印象に残りました。     (ストーリー)家康(阿部サダヲ)は嫡男・信康(平埜生成)の首を差し出すよう信長(市川海老蔵)から要求される。織田に逆らえない家康は信康の幽閉先を移しながら時間を稼ぎ、裏では北条と結ぶことで武田を追い詰め、その代わりに信康の助命を願い出ようと…

  7. 巨炎 より:

    >リュークじゃなくてレム仕様。
    新作デスノに菅田将暉が出演している事を意識しているのでしょうか。
    先週のロードショーで観ると「頭脳戦がなくなりノートの争奪戦に終始」という
    原作の一番、つまらない要素を焼き直す意味不明作品でしたが。

  8. おんな城主直虎 第46回 悪女について

    第45回「魔王のいけにえ」はこちら。 前回の視聴率は10.7%と超低空飛行。イッテQ!(日テレ)とスポーツ大将(テレ朝)に食われた……という総括でもないような気がする。この時期に視聴率が下がるのは、やっぱりきつい。 脚本に問題があるんだろうか。森下佳子さん自身が「ほぼ日刊イトイ新聞」でこう語っているし。 「映画は監督のもの、ドラマは脚本家のもの」 というような考え方があって。むかし…

  9. NHK大河ドラマ「おんな城主 直虎」第46回「悪女について」

    本日のスレタイ何じゃらホイ・・・有吉佐和子先生の小説で舞台にもドラマにもなった人気作「悪女について」・・あ、あれ?全然ひねってくれへんのどすか~~!?ダジャレの弾切れ?って、いやいやいやいや、今年の映画で煮たのがありました!ぐつぐつぐつぐつ・・ちゃうわ!似たのがございました!iphoneで撮った短編話題作の「処女について」!17歳の少女二人が自分たちのお葬式をするとか・・はてさてどちらなのかどちらでもないのか~。はっ!まさかたまさかやさかのむさか、ショーペンハウアー先生の「女について」だっ…

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